1種 複線図の書き方 第一種電気工事士

【第一種電気工事士】複線図の書き方|基本ルールと4ステップ

この記事でわかること

  • 第一種と第二種の複線図の違い
  • 高圧部分の端子台代用の考え方
  • 施工条件から複線図を書く4ステップ
  • 変圧器タイプ別(単相・V結線・三相)の描き分け
  • よくある間違いパターンと対策

結論から言います

第一種電気工事士の技能試験でも複線図は必須です。ただし高圧部分は端子台で代用されるため、実際に書くのは低圧側だけです。第二種の複線図が書ければ基本は同じですが、第一種特有の注意点を押さえておく必要があります。

第一種の複線図 3つのポイント
① 高圧部分は端子台で代用 → 低圧側のみ書く
② 施工条件を正確に読み取ることが最重要
③ 第二種と同じ4ステップで書ける

第一種と第二種の複線図の違い

第二種では電源(単相100V/200V)から器具への配線を全て書きました。第一種でも基本は同じですが、以下の点が異なります。

項目 第二種 第一種
電源 単相100V/200V 変圧器の二次側(低圧)
高圧部分 なし 端子台で代用(配線不要)
変圧器 なし 単相・V結線・三相あり
器具 ランプレセプタクル等 端子台+低圧器具
ケーブル VVF中心 VVF+CVV+KIP+IV

高圧部分の端子台代用とは

第一種の候補問題には高圧受電設備の単線図が含まれていますが、実際の技能試験では高圧機器(VCB・DS・LBS等)は端子台で代用されます。

端子台代用の意味
高圧機器 → 端子台に置き換え
・変圧器の一次側:端子台の上段に接続
・変圧器の二次側:端子台の下段から低圧配線
・複線図で書くのは端子台の二次側(低圧側)から先だけ

つまり、複線図を書く範囲は端子台(変圧器二次側)→ 低圧器具の部分です。高圧側の配線(KIP線で端子台に接続する部分)は施工条件に従って結線するだけなので、複線図には含めません。

施工条件の読み方

第一種の技能試験では施工条件が非常に重要です。第二種よりも条件が複雑で、見落とすと即欠陥になります。

チェックすべき施工条件

確認項目 具体例
電線の色指定 「R相は赤、T相は青とする」等
接地線の色 「接地側電線は白色を使用する」
変圧器の結線 「u-v間に100V、v-w間に100V」等
接続方法 「リングスリーブによる接続」「差込形コネクタによる接続」
ケーブルの種類 「VVF2.0-2C」「CVV2-3C」等
パイロットランプの接続 「常時点灯」「同時点滅」「異時点滅」
施工条件の見落とし=欠陥
施工条件で指定された電線の色・接続方法を間違えると欠陥になります。複線図を書く前に施工条件を全て読み、蛍光ペンでマーキングする習慣をつけましょう。

複線図の4ステップ

第一種の複線図も第二種と同じ4ステップで書けます。違いは「電源」が変圧器二次側になる点だけです。

複線図の4ステップ
Step 1 器具を配置する
└ 単線図の器具をそのまま配置。端子台も書く

Step 2 接地側電線(白)をつなぐ
└ 変圧器二次側の接地側(N相)から各器具へ

Step 3 非接地側電線(黒)をつなぐ
└ 変圧器二次側の非接地側(L相)からスイッチへ

Step 4 スイッチと器具をつなぐ
└ スイッチの反対側から対応する負荷へ

この4ステップは第二種の複線図と全く同じです。第二種の複線図に自信がない方は、まず第二種の複線図の書き方を復習してから第一種に取り組みましょう。

候補問題タイプ別パターン

第一種の候補問題は、変圧器の種類によって大きく4つのパターンに分かれます。それぞれの特徴を理解しておくと、本番で素早く複線図が書けます。

パターン1:単相変圧器

単相変圧器タイプの特徴
変圧器:単相変圧器1台(一次側6,600V → 二次側100V/200V)
二次側:u-v間100V、v-w間100V、u-w間200V
低圧負荷:照明回路(100V)+コンセント回路(100V)
該当候補問題No.1No.2No.4No.8 など

最も基本的なパターンです。二次側のu端子・v端子・w端子の接続先を間違えないことが重要です。

パターン2:V結線変圧器

V結線タイプの特徴
変圧器:単相変圧器2台でV結線(三相3線式200Vを供給)
二次側:三相200V + 単相100V/200V
低圧負荷:三相電動機(200V)+照明回路(100V)
該当候補問題No.3No.5 など

V結線は変圧器2台を使って三相電源を作る方式です。二次側の結線(R-S-T相)を正確に把握し、施工条件の色指定を守ることが重要です。

パターン3:三相変圧器

三相変圧器タイプの特徴
変圧器:三相変圧器1台
二次側:三相3線式200V
低圧負荷:三相電動機(200V)のみ
該当候補問題No.6No.9 など

三相電動機への配線が中心です。電磁開閉器(MC)を含む場合は制御回路の複線図も必要になります(詳しくは制御回路の複線図を参照)。

パターン4:高圧機器を含むタイプ

高圧機器タイプの特徴
端子台代用機器:VT(計器用変圧器)、CT(変流器)など
配線:KIP線で端子台に接続
注意点:端子台の端子番号(U,V,W / u,v,w)を間違えない
該当候補問題No.7No.10 など

高圧機器が端子台で代用される場合、KIP線の接続先(端子番号)を施工条件で確認することが最重要です。

よくある間違いと対策

間違い 対策
変圧器の端子(u,v,w)を逆に接続 施工条件の端子記号を複線図に書き込む
接地線の色を間違える 施工条件の色指定を最初にマーキング
200V回路に接地側を入れる 200Vはu-w間(接地なし)を確認
KIP線の接続先を間違える 端子台の番号と施工条件を照合
スイッチと負荷の対応を間違える 施工条件の「イ→イ」対応を複線図に明記

複線図を書く前の5分間チェック

第一種の技能試験は60分。そのうち最初の5分を複線図の準備に使うのが合格のコツです。

① 施工条件を全て読む(2分)
電線の色指定・接続方法・端子台の端子番号を蛍光ペンでマーキング
② 変圧器のタイプを判定(30秒)
単相? V結線? 三相? → タイプがわかれば複線図のパターンが決まる
③ 低圧側の回路構成を確認(30秒)
100V回路・200V回路・三相動力回路の有無を把握
④ 4ステップで複線図を書く(2分)
器具配置 → 白(N) → 黒(L) → SW→負荷

この5分の投資で残り55分の作業が格段にスムーズになります。「施工条件を読まずにいきなり作り始める」のは最大のリスクです。

変圧器タイプ判定フロー

問題用紙を見たら、変圧器の台数と二次側の電圧で判定

変圧器1台 + 二次側に100V/200Vの端子(u,v,w)
単相変圧器タイプ(No.1, No.2, No.4, No.8 など)

変圧器2台 + 二次側に三相200V+単相100V
V結線タイプ(No.3, No.5 など)

変圧器1台 + 二次側に三相200Vのみ
三相変圧器タイプ(No.6, No.9 など)

VT・CT等の端子台 + KIP配線が中心
高圧機器タイプ(No.7, No.10 など)

確認問題

Q1. 第一種の技能試験で、高圧機器はどのように代用されますか?

正解:端子台で代用される
高圧機器(VCB・DS・LBS・変圧器等)は全て端子台で代用されます。複線図で書くのは端子台の二次側(低圧側)から先の部分だけです。

Q2. 複線図を書く前に最も重要な確認事項は何ですか?

正解:施工条件の確認
施工条件には電線の色指定・接続方法・端子台の結線方法など、複線図を書くために必要な情報が全て記載されています。見落とすと欠陥につながるため、蛍光ペンでマーキングしながら全項目を確認しましょう。

Q3. 単相変圧器の二次側でu-w間の電圧は何Vですか?

正解:200V
単相変圧器の二次側は、u-v間が100V、v-w間が100V、u-w間が200Vです。v端子が中性点(接地側)となります。200V回路はu-w間から取り、接地線は接続しません。

Q4. V結線変圧器が使われる目的は何ですか?

正解:単相変圧器2台で三相電源を作るため
V結線は単相変圧器2台を使って三相3線式200Vを供給する方式です。三相変圧器1台より設備費が安く、小規模な三相動力(電動機など)を使用する場合に採用されます。

まとめ

第一種の複線図は「高圧は端子台で代用、低圧側のみ書く」がポイントです。第二種の4ステップがそのまま使えるので、施工条件を正確に読み取ることに集中しましょう。

各候補問題の複線図の書き方は、個別の候補問題解説ページで詳しく説明しています。

第一種の技能試験対策に

複線図は「書けるようになる」まで繰り返し練習が必要です。テキストで手順を確認しながら、候補問題ごとに何度も書きましょう。

独学に不安がある方は、通信講座も選択肢の一つです。

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