2種 複線図の書き方

3路・4路スイッチの複線図|0端子と渡り線の書き方

結論:0端子を両端、2本の渡り線をその間に置く

2か所操作は3路―3路、3か所操作は3路―4路―3路です。3路の0端子には電源側または負荷側、1・3端子には渡り線を結びます。4路は2本の渡り線の途中へ挿入します。線色や1・3端子の対応を固定暗記せず、問題ごとの配線図・施工条件を優先してください。

3路・4路スイッチの複線図で最初に覚えるのは、白・黒・赤の並びではありません。回路の両端にある共通端子と、その間を通る2本の経路です。

令和8年度第二種電気工事士上期技能試験の候補No.7では、3路の0端子だけ接続先を指定し、1・3端子と4路相互間には複数の正解結線があると公式解答で注記しています。スイッチ間の電線も、同問題では色別を問いません。「0は黒、1は白、3は赤」「必ず1番同士、3番同士」とだけ覚えると、施工条件が違う問題に対応できません。

図で追う:1個のスイッチを操作すると経路が反転する

図1は被覆の線色ではなく、0端子、2本の渡り線、いま導通している接点だけを追うために当サイトで作図しました。青線はこの状態で電流が流れる経路、灰線は選ばれていない経路です。実際の電線色を表す図ではありません。

3路2個と4路1個の0端子・渡り線・点灯状態の変化を追う自作回路図
図1:3路A―4路―3路Bの端子と渡り線を、ON→4路操作でOFF→3路B操作でONの順に比較した図(当サイト作成)。青は導通経路であり、電線の被覆色ではありません。図をタップすると原寸で開きます。

図1の基準状態では、3路Aの0―1、4路の1―2、3路Bの1―0が一続きになり、電源Lから照明まで導通します。接地側Nはスイッチを通らず、照明へ戻ります。

ここで4路だけを直結から交差へ切り替えると、Aの1から来た経路は4路の1―4を通ってBの3側へ到達します。しかしBは1―0を選んだままなので回路は切れ、照明は消灯します。続けて3路Bを3―0へ切り替えると、A1→4路1―4→B3→B0がつながって再点灯します。どのスイッチを1個だけ操作してもON/OFFが反転することが、完成後の検算点です。

図の端子位置をそのまま器具へ写さない

図1の物理配置と番号対応は、状態変化を説明するための一例です。器具では背面の端子表示とメーカー結線図、技能試験では当日の配線図・施工条件を優先してください。2か所操作では4路を省き、両端の3路間を2本の渡り線で結びます。

3路・4路スイッチの役割を先に分ける

器具 端子と内部動作 多地点回路での位置
3路スイッチ 0端子を1または3端子のどちらかへ切り替える 回路の両端に1個ずつ
4路スイッチ 2本の経路を直結状態と交差状態で切り替える 2個の3路の間に必要数を入れる

PanasonicのJIS C 8304に基づく端子表示の説明では、3路の0は電源または負荷へ、1・3はスイッチ間配線へ接続する端子です。4路の1・2・3・4はすべてスイッチ間配線用で、1と3、2と4はそれぞれ接触しない端子の組です。

「3路が3個」では3か所操作にしない

標準構成では、両端だけを3路にします。操作場所を1か所増やすたび、両端の間へ4路を1個追加します。4か所なら3路―4路―4路―3路です。

3路スイッチは0端子から読む

3路スイッチの0端子は共通端子です。ハンドルを切り替えると、内部で「0―1」または「0―3」のどちらかが導通します。1・3は2本の渡り線の入口です。

状態A

0―1:導通
0―3:非導通

状態B

0―1:非導通
0―3:導通

標準的な照明回路では、電源に近い3路の0へ非接地側の電源線をつなぎ、負荷に近い3路の0から照明へ点滅線を送ります。接地側導体はスイッチを通さず、照明の接地側端子へ向かいます。ただし「電源側」「負荷側」は物理的な左右ではなく、複線図上の電気的な役割です。

令和8年度No.7の施工条件も、3路の0には電源側または負荷側の電線、1・3には4路との間の電線を結ぶよう指定しています。さらに、電源から3路スイッチSまでの非接地側だけを黒と指定しています。負荷側0端子まで一律に黒と指定した条件ではありません。

1番と3番を交差すると動かない、は誤り

4路を含まない2か所操作で、2本の渡り線を「1―1、3―3」と結べば、両方の3路が同じ側を選んだときに点灯します。一方を入れ替えて「1―3、3―1」としても、今度は両方が異なる側を選んだときに点灯し、どちらのスイッチでも点滅できます。

渡り線の対応 点灯する組合せ 判断
1―1、3―3 両端が同じ経路を選択 標準的な番号対応
1―3、3―1 両端が異なる経路を選択 回路動作は成立し得る

ただし、実施工では器具の結線図、設計図、施工仕様に従うのが前提です。技能試験でも、その問題の施工条件で端子・色・接続場所が指定されれば指定が優先です。「複数の結線方法」は、条件を無視してよいという意味ではありません。

4路スイッチは渡り線2本の途中へ入れる

4路スイッチに電源線や負荷線を直接入れて、3路の0端子の代わりにするものではありません。3路の1・3から来た2本を4路の一方の端子組へ、反対側の2本をもう一方の端子組へつなぎます。

3か所操作の機能順

電源L → 3路A【0】 → 3路A【1・3】 ⇄ 4路【一方の2端子/他方の2端子】 ⇄ 3路B【1・3】 → 3路B【0】 → 照明 → 電源N

4路は、2本をそのまま通す状態と、交差させる状態を切り替えます。そのため4路を1回操作すると、両端の3路が選んでいる経路の一致・不一致が反転し、照明のON/OFFも反転します。

端子の物理的な上下だけで入力側・出力側を判断しないでください。器具の表示を見て、接触しない1・3の組と2・4の組を確認します。令和8年度No.7の公式解答は、3路・4路相互間の結線に複数の方法があるため、3路の0以外の記号を省略しています。

複線図を8ステップで書く

ステップ1:配線図と施工条件から両端を決める

電源、負荷、3路、4路、ジョイントボックスの配置を写します。3路2個を回路の両端、4路をその間に置き、器具へ0・1・3、1・2・3・4の端子記号を書きます。単線図の読み方は配線図の読み方・複線図変換で確認できます。

ステップ2:接地側導体を負荷へつなぐ

電源の接地側からランプレセプタクルの受金ねじ部側など、条件で指定された接地側端子へつなぎます。標準的な3路・4路の点滅経路には入れません。

ステップ3:電源側3路の0端子をつなぐ

電源の非接地側を、電源側として扱う3路の0へつなぎます。色は施工条件の指定範囲を読んで決めます。令和8年度No.7では、電源から3路Sまでを黒と指定しています。

ステップ4:負荷側3路の0端子をつなぐ

もう一方の3路の0から、操作対象の負荷へ点滅線をつなぎます。負荷記号「イ」等の対応を確認し、別の照明や常時給電線へ混ぜないようにします。

ステップ5:2本の渡り線を描く

電源側3路の1・3から2本を出します。4路がない場合は負荷側3路の1・3へ、4路がある場合は4路の一方の2端子へ進めます。4路の反対側の2端子から、次の4路または負荷側3路の1・3へ進めます。

ステップ6:ケーブルの各心へ機能を割り当てる

各区間を通る「電源」「負荷への点滅」「渡りA」「渡りB」を数え、配線図に指定されたVVF 2C・3C等へ割り当てます。3路だから全区間が必ず3心、0端子だから必ず黒、とは限りません。材料の確認方法は材料の拾い出しを参照してください。

ステップ7:ジョイントボックスの接続点を作る

その箱を経由する電線に接続箇所を設ける指定、リングスリーブ・差込形コネクタの区分を反映します。同じ色ではなく、同じ電気的接続点ごとにまとめます。接続材料はリングスリーブの圧着で径・本数・刻印まで確認します。

ステップ8:全操作位置を検算する

3路A、4路、3路Bを1個ずつ操作し、その都度ON/OFFが反転するか経路を指で追います。次の順で見ると誤りを発見しやすくなります。

  1. 2個の3路の0に、電源側と負荷側が1本ずつ来ている
  2. 3路の1・3は2本ともスイッチ間経路へ出ている
  3. 4路の4端子は2本ずつ両側のスイッチ間経路へ出ている
  4. 接地側導体は指定端子へつながり、点滅経路へ混入していない
  5. 色別、電線種類、接続場所、接続方法が施工条件どおり

令和8年度No.7から読む試験上の優先順位

確認項目 No.7の指定 学ぶべき判断
3路0端子 電源側または負荷側を結線 0の役割は固定して先に描く
1・3と4路 スイッチ間の電線 2本の渡り経路として追う
線色 接地側白、電源から3路Sまで黒、受金側白 指定区間だけへ適用する
相互間結線 公式解答に複数方法と注記 番号・色の一択暗記をしない
接続方法 Aはリングスリーブ、Bは差込形コネクタ 回路動作とは別に条件一致を確認

完成作品が電気的に動作しても、器具・電線・配置や施工条件と相違すれば欠陥です。逆に、公式解答が複数の結線を認めている部分を、非公式な色順だけで不正解と決めつけるのも適切ではありません。技能試験の欠陥判定基準と併せて、条件違反と単なる別解を分けてください。

よくある失敗と直し方

  • 3路を3個並べる:両端を3路、途中を4路へ直す
  • 4路へ電源を直接入れる:電源と負荷は両端の3路0へ戻す
  • 0端子へ渡り線を入れる:0は外部、1・3はスイッチ間という役割を再確認する
  • 線色を端子番号で固定する:施工条件の指定区間を先に塗り、残りを機能へ割り当てる
  • 1―1、3―3以外は不動作と思う:公式解答の複数結線注記を確認し、全位置の電流経路で判定する
  • 箱内で渡り線を直結する:経由する電線すべてに接続点を設ける条件がないか確認する

練習は必ず無電圧で行う

この記事は技能試験の学習用です。実設備の活線作業を行わず、資格範囲、設計図、施工仕様、器具メーカーの結線図に従ってください。

理解度チェック

問1:3路の0端子

標準的な3か所操作回路で、2個の3路スイッチの0端子へ接続するものの組合せはどれですか。

ア.2本とも接地側導体
イ.電源側の非接地側と負荷への点滅線
ウ.4路の1端子と3端子
エ.2本とも接地線

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正解:イ
一方の0を電源側、もう一方の0を負荷側にします。1・3は4路とのスイッチ間配線です。

問2:操作場所を増やす

同じ照明を4か所から操作する標準構成はどれですか。

ア.3路―3路―3路―3路
イ.4路―4路―4路―4路
ウ.3路―4路―4路―3路
エ.片切―3路―4路―片切

解答を見る

正解:ウ
両端に3路を置き、追加する操作場所ごとに途中の4路を増やします。

問3:線色と端子番号

令和8年度候補No.7に対する考え方として適切なのはどれですか。

ア.0=黒、1=白、3=赤を全区間へ固定する
イ.1―1、3―3以外は必ず欠陥になる
ウ.スイッチ間の色は問わない注記と複数の正解結線を踏まえ、指定区間だけ色別を適用する
エ.4路の端子番号は見なくてよい

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正解:ウ
公式の問題別条件と解答注記が優先です。0端子の役割、2本の渡り経路、指定された色別を分けて確認します。

公式資料・一次情報

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広告・編集方針

この記事内に工具、練習材料、通信講座のアフィリエイトリンクは掲載していません。2026年7月29日に令和8年度候補問題・上期技能試験No.7・欠陥判断基準・メーカー端子表示へ照合し、2026年8月21日に状態別の自作回路図を追加しました。旧稿の端子番号と線色の固定暗記、別解を不動作とする説明、4ステップ万能化、出題頻度の断定を修正し、広告・追跡画像を撤去しています。図1と確認問題は当サイトのオリジナルです。

資格太郎

この記事を書いた人:資格太郎電気工事士の独学合格を目指して学習中。端子の色順ではなく、器具の内部動作・施工条件・公式解答の別解注記を照合して解説しています。運営者情報を詳しく見る


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