2種 基本作業
結論:固定寸法の暗記ではなく「完成形から逆算」する
第二種電気工事士の基本作業を、3本の解説記事と3本の確認テストで学ぶカテゴリです。剥ぎ取り長さを一律に覚えず、接続先、器具の表示、施工条件、完成後の欠陥境界を先に確認し、傷を付けずに加工・接続できる長さと手順へ逆算します。
3組の「作業→確認テスト」を順に進める
| 順番と到達点 | 解説記事 | 確認テスト |
|---|---|---|
| 1 傷なく成形する 外装・被覆・心線・輪の完成形 |
ケーブルの剥ぎ取り・輪づくり | 剥ぎ取り・輪づくりミニテスト |
| 2 圧着で接続する 呼び、刻印、挿入、端末処理 |
リングスリーブの圧着 | リングスリーブ圧着ミニテスト |
| 3 器具へ結線する コネクタ、ねじ端子、ねじなし端子 |
コネクタ・レセプタクル・引掛シーリング | 器具結線ミニテスト |
加工は接続から切り離された前工程ではありません。外装・絶縁被覆を剥ぎ過ぎると、圧着部や器具下端で心線が露出します。短過ぎると、器具への挿入不足や外装位置の不良につながります。毎回、次の接続先まで決めてから刃を入れてください。
いま残る欠陥から練習先を選ぶ
スリーブ・刻印を迷う電線径と本数から、呼びと圧着マークを別々に選ぶ
挿入・極性・輪で迷う器具ごとの表示、外装・被覆位置、心線先端を確認する
完成後の判定に迷う公式の欠陥境界と、作品を一方向に見る点検順を確認する
すべての単位作業を6段階で行う
- 接続先を確定する:リングスリーブ、差込形コネクタ、ねじ端子、ねじなし端子など、どこへ接続する心線か決める。
- 完成状態を読む:施工条件、器具のストリップゲージ・表示、公式欠陥基準から、外装・被覆・心線が完成後にどこまで見えるか確認する。
- 加工位置を決める:完成形と作業余裕から外装・被覆の剥ぎ取り位置を決め、切断線と心線の行き先を取り違えないよう印を付ける。
- 傷を確認しながら加工する:工具を一気に深く入れず、外装、絶縁被覆、心線を層ごとに確認する。傷が疑われる箇所は折り曲げて状態を見る。
- 接続・結線する:電線径と本数、指定接続方法、極性、電線色、器具の構造を照合してから圧着・挿入・ねじ締めを行う。
- 引張り・目視・寸法で確認する:固定、心線先端、露出、外装位置、刻印、器具の破損を、次の工程へ隠れる前に確認する。
加工直後と接続直前の2回、傷を見る
圧着や器具結線のあとでは、外装・被覆の傷が見えにくくなります。剥ぎ取り直後に心線と絶縁被覆を確認し、接続直前にもう一度、電線の行き先・色・長さと一緒に確認してください。早い段階で見つければ、作品全体をほどく前に修正できます。
作業別の完成条件を言葉にする
| 作業 | 完成後に見る場所 | 戻る記事 |
|---|---|---|
| 剥ぎ取り・輪 | 外装・被覆・心線の傷、輪の向き・重なり、器具下の外装位置 | 剥ぎ取り・輪づくり |
| リングスリーブ | 呼び、刻印、全心線の先端、上下の露出、破損、二度打ち | リングスリーブ圧着 |
| コネクタ・器具 | 先端までの挿入、下端の露出、極性、外装位置、輪・ねじ・台座 | コネクタ・器具結線 |
数値は欠陥となる境界であり、仕上がりの目標値ではありません。「基準未満まで露出させてよい」と考えず、心線露出や損傷をできるだけ残さない完成形を目指します。実工事では、試験用の欠陥判断基準より厳密な施工が必要です。
やり直しは同じ接続部を再使用しない
圧着マークを間違えたリングスリーブへ重ねてもう一度圧着すると、二つ以上の圧着マークが残ります。差込形コネクタは心線を引き抜いて再使用せず、公式案内に従ってコネクタ下部から切断し、新しいコネクタで接続し直します。器具から外す場合も、解除方法を確認し、無理に引いて器具・心線を傷めないでください。
やり直す前に、残った電線長さで指定寸法と器具位置を満たせるか確認します。直せないまま手順を急ぐと、接続の欠陥を寸法不足や外装不足へ置き換えるだけになります。自宅練習では「誤りを見つけた時刻」「修正後に新しく生じた欠陥」も記録し、一度で正しく仕上げる作業へ戻します。
練習は品質・再現性・時間の順で測る
- 品質:無計時で一つの作業を行い、公式基準と記事の完成条件で欠陥がないか確認する。
- 再現性:同じ作業を別の電線・器具でも行い、同じ品質を続けて再現できるか確認する。
- 時間:品質が安定してから所要時間を測り、持ち替え・測り直し・やり直しのどこを減らせるか記録する。
ミニテストで知識を確認できても、手を動かす練習の代わりにはなりません。反対に、形だけ作れても、なぜ欠陥でないか説明できなければ自己点検が不安定です。解説、テスト、無電圧の実技を一組で回してください。
1回の部分練習を5行で記録する
同じ作業を繰り返すだけでは、成功した条件を再現できません。練習片ごとに、最低でも次の5行を残します。
| 記録 | 具体例 | 目的 |
|---|---|---|
| 材料・接続先 | 電線種類・径・本数、器具、端子 | 条件の違う結果を混ぜない |
| 使った工具・目盛 | 刃・穴・ダイス、器具のゲージ | 再現できる手順にする |
| 完成確認 | 傷、露出、挿入、刻印、固定、極性 | 見た目だけで合格にしない |
| 時間を失った動作 | 測り直し、持ち替え、再加工 | 品質を落とさず短縮する |
| 次回の変更は1つ | 印の位置、確認順、置き場所 | 改善の効果を判別する |
一度に複数の手順を変えると、どの変更が欠陥や時間に効いたか分かりません。完成条件を満たしたうえで変更を一つずつ試し、再現できた方法だけを候補問題の通し練習へ持ち込みます。練習片には通電せず、切断端や工具を安全に片付けてください。
複線図と候補問題へ進む
3作業の品質が安定したら、次は2種 複線図の書き方で、どの心線同士を接続するか決めます。その後、2種 候補問題で、施工条件、材料、器具配置を含む作品へ広げます。技能全体の順序を見直す場合は第二種 技能試験へ戻ってください。
候補問題の練習中に欠陥が出たら、候補番号だけをやり直さず、傷ならケーブルの剥ぎ取り・輪づくり、圧着ならリングスリーブの圧着、器具結線ならコネクタ・レセプタクル・引掛シーリングへ戻ります。単位作業を修正してから同じ候補を再施工すると、改善した原因が分かります。
公式の完成形・欠陥例を確認する
- 電気技術者試験センター:第二種電気工事士の試験概要
- 電気技術者試験センター:第二種 技能試験の候補問題
- 電気技術者試験センター:欠陥の判断基準等
- 電気技術者試験センター:電気工事士技能試験 欠陥の判断基準
- 電気技術者試験センター:技能試験の概要と注意すべきポイント(2026年3月)
公式資料の写真は、適切な例と欠陥例の違いを確認する基準として使います。画面上の寸法を定規で測るのではなく、文章で示された判定条件、問題文の施工寸法、器具の表示を優先してください。動画や完成写真だけでは、心線の傷、挿入深さ、ねじの固定など見えない箇所を判定できないため、練習作品を手に取って目視・引張り・寸法の順に確認します。
無電圧の練習材料で行い、既設設備へ接続しない
剥ぎ取り、圧着、器具結線の練習作品をコンセントや分電盤などの既設電路へ接続しないでください。免状交付前は資格を要する実工事に従事できません。刃物、切断片、圧着工具によるけがを防ぎ、保護具・作業場所・工具の取扱説明に従って練習します。