この記事を読み終えると、候補問題No.4で配線用遮断器と接地端子を代用する6端子台をどう使うかが決まり、確認表示灯を同時点滅にする2本がどこから来るのかを図で説明できるようになります。
No.4は変圧器が1台に減る代わりに、配線用遮断器・接地端子・確認表示灯という第二種では見かけない要素が同時に出てきます。難しいのは回路そのものより、どの端子が電源側でどの端子が負荷側かを当日の説明図から読み取る部分です。
令和8年度上期No.4は単相の6,600Vから始まる
令和8年度上期(2026年7月4日)の技能試験で出題された候補No.4は、電源が1φ2W 6,600Vです。三相ではないので、高圧側のKIP 8mm2は2本しか使いません。変圧器は3P・5端子の端子台1個で代用し、二次側は210/105Vです。
ここから取り出す回路は3つあります。u-oの1φ2W 100V、u-vの1φ2W 200V(施工省略で「他の負荷へ」)、そしてo端子から取るEBです。100V側にはさらに、ジョイントボックスから分岐して施工省略になる1φ2W 100Vの他の負荷もあります。
変圧器の3端子から出る5本
図1 変圧器は1台。u端子とo端子から2本ずつ、v端子から1本
線が交わっている場所には黒丸がありません。交差はつながりではありません。
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図1の①がu端子です。単相100Vの非接地側(黒)と、200V他負荷へ向かう1本の合計2本が入ります。図1の②のo端子も2本で、単相100Vの接地側(白)とEBへ向かう緑色IV 5.5mm2です。図1の③のv端子だけが1本です。
200Vへ向かう2本は施工省略の区間なので、施工条件に色の指定がありません。公式解答でもこの2本は電線の色別を問わない扱いです。逆に、100V側の非接地側は変圧器から点滅器・コンセント・他の負荷(1φ2W 100V)まですべて黒と指定されています。
6端子台は左右で電源側と負荷側が決まる
図2 6端子台は、左右で電源側と負荷側、上下でN・L・ETが決まる
端子台の外観だけで上下を決めず、試験問題の説明図と突き合わせます。
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図2の①が電源側の列で、変圧器のu端子から来た黒をL、o端子から来た白をNへ結びます。図2の②が負荷側の列で、ここから出た黒と白がジョイントボックスへ向かいます。上下で決まるのはN・L・ETの区別であって、電源側と負荷側ではありません。
図2の③のET端子は接地端子で、2つの端子が内側でつながっています。片方から緑色IV 2.0mmでEDへ、もう片方から緑でジョイントボックスへ送ります。EBが変圧器の二次側から取る接地であるのに対し、EDは器具側の接地です。同じ緑でも起点が違います。
2極1素子は2本とも切るが、素子は1極だけにある
図2の④のとおり、2極1素子の配線用遮断器は2つの接点が連動して同時に開閉します。ただし過電流で外れる素子は図2の⑤のL極だけです。N極は開閉するだけで、過電流を検出しません。
だからこそ、Nに接地側(白)、Lに非接地側(黒)を結ぶ向きが決まっています。施工条件も配線用遮断器の接地側極端子(Nと表示)に白色を使うと明記しています。黒と白を入れ替えると、過電流の検出が接地側に入ってしまいます。
VVF 1.6-4Cの4本と、取付枠で作る渡り線3本
図3 4Cの4本は器具へ、点線の3本は取付枠の上で作る渡り線
実線がケーブルの4本、点線が器具どうしをつなぐ渡り線です。
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③=確認表示灯と片切スイッチの間(公式解答では緑色を除いて色別を問わない)/④=片切スイッチからコンセントへ(黒)/⑤=確認表示灯からコンセントのW端子へ(白)
取付枠には確認表示灯・片切スイッチ・接地極付コンセントの3つが並びます。4心ケーブルは4本しかないので、器具どうしをつなぐ渡り線は取付枠の上で作ります。図3の③が確認表示灯と片切スイッチの間、図3の④が片切スイッチからコンセント、⑤が確認表示灯からコンセントのW端子です。
コンセントはスイッチを経由しません。図3の④の渡り線は非接地側の黒をそのまま送るもので、スイッチの入切と関係なく給電されます。ここをスイッチの出口から取ると、スイッチを切ったときにコンセントも死にます。
ジョイントボックスの4組には「○」が1つも出ない
施工条件は、ジョイントボックスを経由する電線はすべて接続箇所を設け、リングスリーブで接続すると指定しています。差込形コネクタは支給されません。
| 組 | 集まる電線 | 刻印 |
|---|---|---|
| 接地側(白) | 2.0×1+1.6×4 | 中 |
| 非接地側(黒) | 2.0×1+1.6×2 | 小 |
| 点滅線(赤と黒) | 1.6×3 | 小 |
| 接地線(緑) | 2.0×1+1.6×1 | 小 |
接地側に4本もの1.6mmが集まるのは、ランプレセプタクル・引掛シーリング・取付枠・他の負荷の4か所へ白を配るからです。ここだけ中スリーブになります。点滅線の組は、4Cの赤とランプレセプタクルの黒と引掛シーリングの黒で1.6mmが3本です。2本ではないので「○」にはなりません。
60分で組むときの順番
- 2つの端子台に名前を書く。変圧器代用にU・Vとu・o・v、遮断器代用に電源側・負荷側・N・L・ETを、当日の説明図どおりに書き込みます。
- 変圧器の二次側を先に済ませる。図1の①②③のとおりu端子に2本、o端子に2本、v端子に1本です。200Vの2本とEBの緑はここで終わります。
- 遮断器代用の端子台を結ぶ。電源側へ変圧器からのVVF 2.0-2C、負荷側からVVF 2.0-3C、ETから緑を2方向へ出します。
- 取付枠を組む。確認表示灯・片切スイッチ・接地極付コンセントを枠に付け、図3の③④⑤の渡り線3本を作ります。器具を枠に付けてから渡り線を測ると寸法が合います。
- 器具側のケーブルを作る。ランプレセプタクルは受金ねじ部に白、引掛シーリングは接地側端子に白です。
- ジョイントボックスで4組にまとめる。接地側・非接地側・点滅線・接地線の順に数え、太さと本数から刻印を決めます。
作品に出る症状から原因へ戻す
| 作品に出る症状 | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 表示灯がスイッチを切っても点いたまま | 表示灯を非接地側へ直結している | 図3の③でスイッチの出口側へ戻す |
| コンセントがスイッチと連動する | 図3の④の渡り線をスイッチの出口から取っている | 非接地側の黒が入る側の端子から送る |
| KIPが1本余る | 三相と思い込んで3本に切った | 電源表示を読み直す。No.4は1φ2W |
| 中スリーブが足りない | 接地側の4本を2組に分けて圧着している | 接地側は1組。中スリーブは1個しか使わない |
自己チェック(6問)
解説は最初から表示しています。図を見ないで答えられるかを試してください。
問1:No.4の電源とKIPの本数の組合せはどれですか。
- 3φ3W 6,600VでKIPは3本
- 1φ2W 6,600VでKIPは2本
- 3φ3W 6,600VでKIPは2本
- 1φ2W 100VでKIPは2本
解答:2(1φ2W 6,600VでKIPは2本)
No.4の変圧器は1台で、一次側はU端子とV端子の2か所だけです。三相を扱うNo.3の直後にNo.4を練習すると、KIPを3本切ってしまいがちです。4は高圧側の電圧が違います。No.4でも一次側は6,600Vです。
問2:変圧器のu端子に結ぶ電線の組合せはどれですか。
- 単相100Vの黒だけ
- 単相100Vの黒と、200V他負荷へ向かう1本
- 単相100Vの白と緑
- 200V他負荷へ向かう1本だけ
解答:2(単相100Vの黒と、200V他負荷へ向かう1本)
図1の①のとおりです。100Vはu-oから、200Vはu-vから取るので、u端子は両方に使われます。o端子も図1の②のとおり2本で、単相100Vの白とEBの緑です。3のようにo端子の2本をu端子へ寄せると、100Vが取り出せません。
問3:配線用遮断器代用の端子台で、電源側はどちらですか。
- 上の段
- 下の段
- 説明図で左と決められている列
- 端子台の刻印で判断する
解答:3(説明図で左と決められている列)
図2の①と②のとおり、左右で電源側と負荷側、上下でN・L・ETが決まります。上下で一次と二次を判断するのは変圧器代用の端子台の話で、この6端子台には当てはまりません。端子台の見た目は年度や器具で変わるので、必ず当日の説明図を見ます。
問4:確認表示灯を照明2つと同時点滅させるとき、表示灯の2つの端子へつなぐものはどれですか。
- 非接地側と接地側
- スイッチのあとの線と接地側
- スイッチの前後の2本
- 接地線と接地側
解答:2(スイッチのあとの線と接地側)
図3の③でスイッチの出口とつながり、図3の⑤で接地側とつながります。1のように非接地側へ直結すると常時点灯になり、スイッチを切っても消えません。3はスイッチと並列になるため、消灯時だけ表示灯が点く異時点滅の形です。
問5:VVF 1.6-4Cの緑の使い道として正しいものはどれですか。
- 点滅線として使う
- コンセントの接地極端子(E)へつなぐ
- 接地側電線として使う
- 余るので切り捨てる
解答:2(コンセントの接地極端子(E)へつなぐ)
図3の②のとおりです。施工条件は接地線に緑色を使うと指定しています。緑を回路の電線に転用すると、色別の指定に反します。公式解答が「緑色の電線を除く」と書いているのは表示灯とスイッチの間の渡り線のことで、ここでも緑は使えません。
問6:ジョイントボックスで1.6mmが3本だけ集まる組の刻印はどれですか。
- ○
- 小
- 中
- 大
解答:2(小)
刻印が「○」になるのは1.6mmが2本のときだけです。3本になれば「小」です。No.4のジョイントボックスは接地側が中、非接地側・点滅線・接地線が小の合計4組で、「○」は1つも出ません。材料表のリングスリーブが小5個・中2個(予備込み)である点とも合います。
No.4の記述を突き合わせた公表資料
本文の端子記号・電線色・接続方法・材料の数量は、次の資料と1つずつ突き合わせました。図1〜図3は当サイトが描いたもので、公式図の複製ではありません。
- 電気技術者試験センター:第一種電気工事士の技能試験の候補問題
- 電気技術者試験センター:令和8年度第一種電気工事士技能試験候補問題の公表について(PDF)
- 電気技術者試験センター:第一種電気工事士試験の問題と解答
- 電気技術者試験センター:令和8年度上期技能試験 候補No.4の問題(PDF)
- 電気技術者試験センター:同 解答(概念図と複線図)(PDF)
- 電気技術者試験センター:電気工事士技能試験(第一種・第二種)欠陥の判断基準(PDF)
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確認表示灯の3つの点灯方式をまとめて確認するならパイロットランプの複線図|常時・同時・異時点滅の結線へ進んでください。No.4で使う同時点滅は、そのうちの1つです。
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