1種 候補問題

結論:10問を番号順に暗記せず、「共通作業→回路差→当日条件」の順で練習する

令和8年度(2026年度)の第一種電気工事士技能試験は、公式候補No.1〜No.10から出題され、試験時間はすべて60分の予定です。このページでは、10問の複線図・施工ポイントを探すだけでなく、1問を練習する7段階、候補間の比較方法、失敗記録、60分へ進む条件まで整理します。

候補図と試験問題の境界を最初に決める

公表候補図から分かるのは、変圧器、開閉器、計器、表示灯、負荷などの基本的な回路構成です。一方、詳細な配線図、施工条件、材料・寸法、端子台の代用方法、電線色、接続方法、機器配置などは試験問題で明記されます。候補番号を見て前年の端子・色・寸法まで固定すると、当日条件が違ったときに対応できません。

  • 候補図で学ぶ:電源から負荷までの役割、主回路・制御・計器・表示・接地の関係。
  • 公表済み実問題で練習する:端子、材料、寸法、電線色、接続点、施工省略範囲の読み取り。
  • 受験時に確定する:机上の試験問題と施工条件に記載された、その回の指定。

令和8年度上期の実問題・解答は電気技術者試験センター「第一種電気工事士試験の問題と解答」で確認できます。各解説は、候補図だけで確定する内容と実問題の指定を分けて書いています。

いまの弱点から入口を選ぶ

候補No.1〜No.10を4群に分けて選ぶ

番号順に10問を通す前に、回路の共通点で4群に分けます。最初は単相の負荷回路で条件読解を固め、次に三相変圧器と表示、制御、計器・保護へ進むと、未知の要素を一度に増やさずに済みます。以下は当サイトの練習順であり、公式が難易度順を定めたものではありません。

練習群 候補問題 比較する差分
単相・負荷制御 No.1 単相変圧器・100/200V
No.2 自動/連続点灯
No.4 遮断器・同時点滅
No.9 時刻・暗さ制御
電圧、接地側、スイッチ接点、負荷へ戻る線
三相・変圧器 No.3 V結線
No.5 3極開閉器・表示灯
No.6 Δ-Δ結線・電流計
R/S/T、U/V/W、一次/二次、電源/運転表示
電動機制御 No.8 電磁開閉器・自己保持 主回路、押しボタン、コイル、補助接点、過負荷経路
計器・保護・開閉表示 No.7 CT・OCR・電流計
No.10 VT・VCB表示
一次/二次、計器の閉回路、a/b接点、表示の意味

1問を7段階で練習する

  1. 候補図を読む:電源、変圧器、開閉・保護機器、負荷、接地を囲み、回路の目的を一文にする。
  2. 実問題を読む:材料表、配線図、施工条件、端子台説明、寸法、施工省略範囲を確認する。
  3. 回路を分ける:主回路、制御、計器、表示、接地を別々に成立させる。
  4. 条件台帳を作る:端子、線種・太さ・色、接続方法、寸法を短く書き出す。
  5. 時間を外して施工する:初回は60分を優先せず、条件どおり欠陥なく完成させる。
  6. 公式解答と照合する:完成後に回路、端子、色、接続点を一つずつ対応させる。
  7. 欠陥基準で点検する:誤結線だけでなく、心線、被覆、圧着、ねじ、外装、器具固定まで見る。

解説を見ながら完成できても、その1回だけでは再現性を確認できません。次は解説を閉じて同じ問題を行い、その後に同じ群の別番号へ移ります。番号が変わっても7段階を再現できれば、丸暗記から条件読解へ進めています。

複線図は5層を別々に成立させる

回路層 確認すること 戻る記事
主回路 電源、変圧器、遮断・開閉、負荷、相順 第一種技能の複線図
制御回路 停止、始動、自己保持、コイル、過負荷 制御回路の複線図
計器・保護 CT/VT、計器、継電器、二次側の閉回路 No.7No.10
表示 何の状態を、どの2点間で示すか No.5No.8
接地 EB・ED、器具E、指定端子、線種 第一種技能の欠陥基準

候補間比較は「同じ」と「違う」を一行ずつ残す

1問ごとのノートだけでは、番号が変わったときに共通作業を使い回せません。2問目以降は、直前の問題と比べて「同じ作業」と「違う条件」を各一行で残します。

  • No.1→No.3:変圧器二次の負荷回路という共通点と、単相・三相V結線の違い。
  • No.5→No.6:三相と3極開閉器の共通点と、変圧器結線・電流計・表示位置の違い。
  • No.7→No.10:計器用変成器の一次/二次を分ける共通点と、CT電流回路・VT電圧回路の違い。
  • No.2→No.8:接点で負荷を制御する共通点と、3路切替・自己保持制御の違い。

比較は「No.5は簡単、No.6は難しい」のような感想だけにせず、端子、相、接点、表示、接地、材料のどこが変わるかまで具体化します。

10問の1周を「理解・再現・対応」の3巡に分ける

10問を一度ずつ急いで作っても、完成写真を覚えただけでは条件変更に対応できません。同じ10問でも、巡ごとに目的を変えます。

  1. 第1巡・理解:時間を外し、解説と公式資料を開いたまま、回路の目的と施工条件を説明しながら完成させる。分からない線は接続前に止める。
  2. 第2巡・再現:解説を閉じ、実問題だけから複線図・条件台帳を作る。完成後に公式解答を開き、差分を自分で見つける。
  3. 第3巡・対応:同じ群の番号を続けて解き、共通作業を再利用しながら、端子・相・接点・表示・接地の違いを言葉にする。工程別時間も記録する。

第1巡で欠陥が残る問題を、第2巡の時間計測へ進める必要はありません。回路の誤りは複線図へ、加工の欠陥は基本作業へ戻し、直した後に同じ問題を解説なしで再現します。第3巡が終わったら、正答した回数ではなく「公式資料を使って差分を説明できる候補数」を数えると、未完成の範囲が見えます。

施工条件は5種類の指定へ分けて読む

実問題を開いたら、本文を上から眺めるだけでなく、指定を次の5種類へ振り分けます。複線図を先に完成してから条件を当てはめると、線を引き直す原因になります。

  • 回路指定:端子記号、内部結線、接点状態、電圧、相、接地する点。
  • 材料指定:線種、太さ、心数、色、器具・端子台、接続材料。
  • 施工指定:圧着か差込みか、ねじ端子、管工事、ボックス、施工省略範囲。
  • 寸法指定:器具間、ケーブル、外装、心線など、どの基準点から測る値か。
  • 完成指定:器具配置、端子台の向き、使用する穴、残す部分、接続後の状態。

例えば「白」という一語だけを覚えず、「どの回路の、どの区間に、なぜ白を使うか」まで条件台帳へ書きます。同じ色でも、単相の接地側、三相の相表示、機器内部の指定では意味が異なります。前年実問題で使った色や端子を、今年度の未公表条件へそのまま移さないための区切りです。

失敗記録は原因と戻り先まで書く

記録する失敗 原因の切り分け 次の練習
端子・相を誤った 候補暗記、施工条件の見落とし、回路層の混線 複線図と条件台帳だけを書き直す
心線・より線・圧着の欠陥 工具サイズ、剥ぎ取り長さ、完成形の未確認 該当する単位作業だけを反復する
完成しない・時間超過 読解、複線図、加工、接続、見直しを別々に計測 最も遅い一工程を先に直す

60分通しへは4段階で進む

  1. 無制限:施工条件どおりに完成し、公式解答との差と欠陥を自分で発見する。
  2. 工程計測:条件読解、複線図、加工、接続、見直しを分けて測る。
  3. 部分修正:遅い工程・欠陥の出る単位作業だけを、品質を落とさず反復する。
  4. 60分通し:最終確認を残して完成し、別の候補番号でも同じ手順を再現する。

通し練習の回数だけを増やさず、第一種電気工事士 技能試験の時間配分|60分で完成させる練習法で工程別の記録方法を確認してください。完成できない原因が複線図なら、加工速度より先に回路を直します。

完成後は8項目を同じ順で点検する

  1. 施工条件で指定された器具・端子・接続がすべて施工されているか。
  2. 主回路を電源から負荷まで追い、短絡・誤結線・相違いがないか。
  3. 制御回路の接点、コイル、自己保持、停止経路が状態別に成立するか。
  4. 計器・継電器・表示灯の測定対象または表示状態が合うか。
  5. EB・ED・器具Eの接続先、線種、色が指定どおりか。
  6. 圧着サイズ・刻印、差込本数、端子ねじ、より線に問題がないか。
  7. 心線の傷・露出、被覆の噛み込み、ケーブル外装、器具固定を確認したか。
  8. 寸法、配置、施工省略端、作品全体が試験問題どおりか。

合否の自己判定は公式「技能試験に係る欠陥の判断基準等」第一種電気工事士 技能試験の欠陥判定基準を並べて行います。

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安全上の注意

技能試験の練習は無電圧の練習材料で行い、作成した作品を電源や既設設備へ接続しないでください。候補図に高圧回路が含まれても、実設備の高圧工事・試験・操作手順を示す記事ではありません。実際の電気工事は、法令、資格範囲、現場の安全手順に従ってください。

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