受験ガイド 第一種 学科試験 第一種電気工事士

【2026年度】第一種電気工事士 学習ロードマップ|学科・技能・工具・教材

このページを読み終えると、第一種電気工事士の「いつ何を締め切るか・学科をどの順で進めるか・技能の60分をどう配るか・工具と教材を何まで買うか」を、自分の診断結果から決められます

第一種は、第二種の復習だけでも、高圧用語の丸暗記だけでも仕上がりません。先に高圧受電設備の全体像と単線結線図をつかみ、計算・施工・検査・法令を同じ設備へ結び付けます。学科の後半からKIP・CVV・端子台を並行練習し、最後に公式問題とオリジナル模試で弱点をつぶす——これがこのサイトの推奨順です。工具と参考書は「足りない役割」が言葉にできてから買います。

2026年9月5日時点で先に確認する期限

下期の申込みは8月13日で終了しています。申込み済みでCBT方式を選んだ方は、9月24日までにマイページで会場予約を済ませてください。予約しないままでは、学科CBT期間(9月11日〜10月18日)に受験できません。筆記方式は10月4日、技能試験は11月21日です。

2026年度の試験日程と、最初に確認する数字

2026年度は上期・下期の年2回です。上期の学科はCBT方式のみ、下期はCBT方式と筆記方式から選びます。次の表は試験センターの2026年度実施日程を2026年9月5日に確認したものです。申込み・会場予約・試験日は第一種電気工事士試験ページで必ず再確認してください。

2026年度 上期 下期
申込み 2月13日〜3月2日(終了) 7月27日〜8月13日(終了)
CBT会場予約 3月9日〜4月13日(終了) 8月20日〜9月24日
学科CBT 4月1日〜5月8日 9月11日〜10月18日
学科筆記 実施なし 10月4日
技能 7月4日 11月21日

受験手数料はインターネット申込み13,000円、やむを得ず書面で申し込む場合は14,400円で、いずれも非課税です。申込みと会場予約は別の手続きで、予約期間は36日間しかありません。試験センターは2027年度(令和9年度)から電気工事士学科試験を原則CBT方式へ移行すると案内しています。

試験 形式 合格基準
学科 四肢択一50問・140分
一般40問程度+配線図10問程度
60点(30問/50問)
配点は1問2点
技能 公表10候補から出題・60分予定 作品に欠陥がないこと

合格率は5割台。ただし2つを掛け算してはいけません

試験センターの試験結果と推移から、受験者に占める合格者の割合を小数第1位まで丸めると次のとおりです。

  • 2024年度合計:学科56.7%(20,030/35,320人)、技能59.9%(17,004/28,372人)
  • 2025年度合計:学科57.4%(20,735/36,154人)、技能58.1%(16,509/28,403人)
  • 2026年度上期:学科57.3%(8,307/14,507人)、技能56.1%(7,019/12,514人)

この2つを掛けて「最終合格率は約33%」と計算することはできません。技能試験の受験者には前年の学科合格による免除者が含まれ、学科と技能で母集団が違うからです。学習量を決める基準は「平均」ではなく、最初の50問で自分が何問取れたかに置きます。次の節でその測り方を決めます。

開始前の30分で現在地を決める

いきなり9科目を順番に読むより、試験センターの公表問題を50問、時間を測らずに解いてください。調べながら解かず、正答数だけでなく、各問へ次の記号を付けます。

A 根拠まで説明できる
正答理由と、他の選択肢が誤りである理由を説明できる
B 迷って正解
公式・単位・図記号のどこかが曖昧なまま当たった
C 誤答・未回答
解説を読み、戻る記事を1つ決める

Bは正答数に入っても、計画上はCと同じ復習対象です。 さらにB・Cを次の4原因へ分けると、「参考書を読み直す」のか「計算をやり直す」のか「読み方を直す」のかが決まります。原因を分けないと、知識がない問題と読み落とした問題が同じ「1問の誤り」に見えてしまいます。

誤りの種類 見分け方 次にすること
知識不足 用語・用途・規定を自分の言葉で説明できない 該当箇所を読み、要点を1文で書き出す
計算手順 式を選べない、単位や√3を取り違える 条件・式・単位を分けて書き、解き直す
図面読解 機器・電路・保護の関係を追えない 図に電源側から印を付けて読む
読み落とし 否定語・数値・施工条件を見落とす 誤読した語を問題文へ戻して囲む

第二種を取得済みでも、三相計算・配線設計・施工法令の土台にB/Cが多ければ、第二種の記事へ戻るほうが結局は早く進みます。資格の範囲や受験の前提は第一種と第二種電気工事士の違いで確認できます。

学科9科目はこの順でつなげる

公式の学科試験範囲は9科目です。次のSTEP 1〜6は公式の出題順ではなく、当サイトが「同じ受電設備の中で知識をつなぐ」ために組んだ学習順です。

順番はそのまま使わず、診断結果で入り口を変えてください。 基礎理論・配電理論・電気応用でB/Cが多い人はSTEP 2を先に、機器・施工・検査・配線図で多い人はSTEP 1とSTEP 3〜4を先に置きます。法令だけが弱い人は、STEP 6を毎週15分ずつ全期間に散らすほうが定着します。記事を上から全部読むのではなく、診断で見つかった弱点へ戻るのが前提です。

STEP 1 受電設備の全体像と単線結線図

最初に、電力会社からPAS、計量、主遮断、母線、変圧器、低圧盤へ流れる全体像を見ます。機器名だけを個別暗記する前に、どこで開閉・保護・計測・変圧するかを位置で覚えます。

STEP 2 三相計算と高圧配電

線間値と相値、Y/Δ、三相電力、V結線を整理してから、電圧降下・電力損失・%インピーダンス・短絡電流へ進みます。式を覚えるときは、単位と基準容量まで一緒に書きます。

STEP 3 高圧機器と保護

DS、LBS、VCB、PF、CT、VT、VCT、OCR、DGRを「略号→役割→接続→異常時の動作」で整理します。写真鑑別は外観だけでなく、定格銘板や端子記号まで確認します。

STEP 4 施工方法と検査を対にする

ケーブルをどう選び、どこへ布設し、どう端末処理するかを学んだ直後に、絶縁抵抗・耐力・接地・保護継電器試験で何を確かめるかをつなげます。施工と検査を別々に暗記しないのがポイントです。

STEP 5 発変電と電気応用

発電から需要設備までの流れ、変電所の役割、電動機出力、電熱、照明を整理します。計算は「入力→変換→有効出力」の矢印を先に書くと、効率を掛けるか割るかを判断しやすくなります。

STEP 6 法令を設備・人・手続に分ける

一般用、小規模事業用、自家用の設備区分、電気工事士の作業資格、主任技術者・保安規程・届出を別の軸で整理します。消防法・建築基準法は、非常電源・防火区画・貫通部など電気工事と交わる部分を中心に確認します。

学科の12週間モデルと、次へ進む条件

1日60〜90分を確保できる場合の一例です。期間は公式推奨ではなく、初回診断のB/C数に応じて伸縮させます。

中心テーマ 到達確認
1〜2 受電設備・単線結線図 PF・S形/CB形と機器の順を説明
3〜4 三相・配電計算 式・単位・基準量を書いて再計算
5〜6 機器・保護・力率改善 異常→検出→遮断の順を説明
7〜8 施工・検査 施工条件と確認試験を対応
9〜10 発変電・応用・法令 誤答理由を一文で説明
11〜12 公式問題・模試・再回答 Bを含めず30問以上を安定

週へページ数を割り当てるより、次の段階へ進む条件を決めるほうが計画が崩れません。毎週末に誤答記録を見て配分を変えます。

  1. 診断:公式問題を1回解き、誤答と迷った正解を9科目と4原因へ分類する
  2. 弱点補修:優先科目の解説を読み、類題で「理由を説明できる」状態にする
  3. 混合演習:科目を混ぜた公式問題で、知識の呼び出しと条件読解を確認する
  4. 本番形式:時間を測って1回分を解き、採点後に残った原因を翌週へ戻す

週の中では「新しい範囲を学ぶ日」「前回の誤答だけ解く日」「複数科目を混ぜる日」を分けると、読みっぱなしを防げます。終了時に何ができるようになったかを1行で残してください。

残り3か月で間に合うかの判断

「3か月なら必ず間に合う」とは言えません。第二種の基礎が残っている人と、初めて電気理論を学ぶ人では必要量が違うからです。次の3条件を満たせるかで判断します。

  • 受験日までに、診断・弱点補修・本番形式の3段階を置ける
  • 毎週、前週の誤答を解き直す時間を先に確保できる
  • 技能の候補問題と工具練習を、学科合格後だけに詰め込まず開始できる

満たせない場合、まず見直すのは教材の冊数ではなく、受験時期、1週間の学習枠、質問できる相手の有無です。

模擬試験は「点数」より復習記録を残す

当サイトの模擬試験は公式過去問題の転載ではなく、PF・S形、CB形、非常用発電設備を軸に作成したオリジナル50問です。各回140分で解き、答案を診断と同じ4原因(知識・計算・図面・読み落とし)へ分類します。CBT方式で受験する人は、画面の見直し操作で迷った問題も記録しておきます。

第一種学科模擬試験 第1回(PF・S形)第2回(CB形)第3回(CB形+非常用発電)の順に進みます。30問は合格基準ですが、迷って正解したBを除いて30問以上になるまで、翌日と1週間後に誤答だけを再回答してください。

技能は5段階で10候補へ進む

2026年度第一種技能候補問題は10問、試験時間はすべて60分予定です。候補図は概略なので、実際の端子、材料、長さ、接続方法は本番の施工条件で決まります。学科合格後に初めて工具を触るのではなく、学科後半から週2回ほど基本作業を並行すると余裕が生まれます。

段階1 第二種の基本作業を再確認

VVFの外装・絶縁被覆、器具結線、リングスリーブ、差込形コネクタを、欠陥なく再現できる状態に戻します。ここが不安定なまま第一種固有の材料へ進むと、原因が切り分けられなくなります。

段階2 第一種固有の材料を単品練習

KIP・CVV・端子台の基本作業で、KIP 8mm²、より線、端子台のねじ、相記号を練習します。完成時間より、心線の傷、より線のほつれ、端子誤りをゼロにすることを優先します。

段階3 複線図を主回路・制御・計器へ分ける

第一種技能の複線図で電源・負荷・接地を分け、制御回路の複線図で自己保持やa/b接点を状態ごとに追います。複線図を描くこと自体が採点されるのではなく、完成作品を正しく作るための手段です。

段階4 欠陥確認と時間配分を固定

第一種技能の欠陥判定基準を公式基準と照合しながら、次の見出しの残り時間ゲートで工程記録を取ります。完成の速さより、同じ欠陥を繰り返さないことを先に見ます。

段階5 2026年度候補問題を1問ずつ完成させる

候補 中心回路 最初の確認点
No.1 単相変圧器・100/200V u-oとu-v、EB
No.2 自動/連続点灯切替 自動点滅器1/2/3と3路0
No.3 変圧器2台のV結線 一次/二次S相と100V
No.4 2P1E遮断器・同時点滅 L/N、ET、4C色別
No.5 V結線・3極開閉器 R/S/T-X/Y/Zと表示灯
No.6 3台のΔ-Δ結線 S相電流計とU-V表示
No.7 CT・OCR・電流計 K/L・k/lと閉回路
No.8 電磁開閉器・自己保持 13-14、A1-A2、95-96
No.9 TS・自動点滅器 時間/暗さ接点の直列
No.10 VT・VCB開閉表示 V結線、a/b、赤/緑

1周目は時間を測らず施工条件どおり、2周目は工程別に時間を記録、3周目で60分通し練習をします。候補番号だけで回路を丸暗記せず、毎回「今年度・期・問題番号」と公式施工条件を確認してください。

技能の60分は「残り時間ゲート」で管理する

「条件確認5分・KIP 10分・低圧25分」のような工程配分は公式の指定ではありません。候補問題ごとに端子台、KIP、CVV、VVR、金属管、合成樹脂製可とう電線管、制御機器と要素が違うため、全10問へ同じ作業順を当てはめると手戻りが増えます。そこで分刻みの予定ではなく、4つの確認地点で「到達したい状態」だけを決めます。下の図は最初の通し練習に使う当サイトの開始案で、全候補共通の公式配分ではありません。

図:技能60分を4つのゲートで区切る
条件
加工
主要
加工
接続
仕上
点検
0分
20分
35分
45分
50分/60分
ゲート1 開始20分(残り40分)
条件・回路・材料を把握し、切断と主要器具の加工が進んでいる。
遅れているとき:止まった工程に印を付け、成立する枝回路から進める
ゲート2 開始35分(残り25分)
管・器具・端子台を含む主要加工が終わり、接続点が見えている。
遅れているとき:見栄えの調整を止め、未加工・未接続を一覧にする
ゲート3 開始45分(残り15分)
全回路が形になり、未接続箇所を数えられる。
遅れているとき:未完成と誤配線を最優先し、仕上げ順を一本化する
ゲート4 開始50分(残り10分)
作品が完成し、回路の確認から欠陥確認へ切り替えられる。
遅れているとき:完成を先に確保し、重大な欠陥から修正する

この図の区間幅は「そこに使う時間」を表しています。いちばん長いのは最初の20分で、条件の読み取りと採寸・切断がここに入ります。逆に45〜50分の「仕上」はわずか5分しかなく、ここで新しい加工を始める前提になっていないことが見て取れます。50分以降の「点検」に10分残るのは、完成後に電源側から確認をやり直すためです。

「残り10分で完成」は目標であって合格条件ではありません。 50分で完成できなくても、残り時間で正しく完成させれば作品は成立します。逆に40分で形になっても欠陥があれば合格条件を満たしません。速さの前に、公式の欠陥判断基準で完成状態を確認します。

3回分の工程記録で自分の配分を作る

一度の最速記録に合わせず、同じ候補問題または同程度の問題を3回作り、工程の終了時刻を記録します。3回の中央の値を開始配分にすると再現しやすくなります。記録するのは「条件・回路整理」「採寸・切断・器具」「端子・接続」「完成・見直し」の4工程で、終了分数のほかに読み直し・切り直し・やり直しの回数も残します。

「58分で完成」だけでは改善点が分かりません。「条件整理7分、主要加工24分、接続50分、確認で端子台を1回修正」と分ければ、次に練習する作業を選べます。完成時間が同じでも、修正3回の作品より修正0回の作品のほうが本番の再現性は高いと判断できます。

通し練習は3段階に分ける

  1. 時間を止めず、正確に完成させる:初見の材料や候補問題は、施工条件と欠陥基準を確認しながら作ります。分からないまま急ぐと、誤った作業を速く繰り返す練習になります
  2. 遅い工程だけを測る:複線図、CVVの外装処理、KIPの絶縁体処理、端子台、リングスリーブ、管工事のうち、記録で遅れた一つを切り出します。速さだけでなく、加工後の傷・素線切れ・導体露出・保持まで確認して一回と数えます
  3. 60分で通し、60分時点の状態を残す:タイマーが60分になったら写真かメモを残し、未完成なら「どの接続が何か所残ったか」を記録します。そのうえで時間を測ったまま正しく完成させます

60分で強制的に片付けるだけでは、あと何分必要か、どの工程が原因かを測れません。次の練習では超過時間を丸ごと削ろうとせず、原因になった工程を部分練習してから再度通します。3回続けて残り10分前後で完成でき、欠陥もない状態になったら、別候補へ移って順番の再現性を確認します。

遅れたときは、見つけた順ではなく成立する順で直す

  1. 未完成・未接続・誤配線・接続方法の相違 → 回路を成立させ、施工条件どおりに直す
  2. 端子の抜け、誤刻印、挿入不足、被覆のかみ込み → 接続部を再施工し、保持を確認する
  3. シース・絶縁体・心線の損傷、過大な露出 → 長さと周囲への影響を見て修正する
  4. 採点に関係しない見栄えだけの調整 → 新しい損傷を作るなら触らない

「最後の5分は新しい作業をしない」と一律に決めるのも危険です。未完成箇所があれば完成を優先し、すでに完成しているなら確認へ切り替えます。なお2026年版の技能試験のポイントでは、試験開始後に追加・交換を申し出られる材料は原則としてリングスリーブ、差込形コネクタ、端子台のねじです。電線を切りすぎても交換できる前提で急がず、採寸と最初の切断を丁寧にします。

残り10分で完成できたら、電源側から負荷側へ一方向に確認します。配線図と作品を見比べて未施工・不要な工事を探し、端子記号・電線色・接続方法を電源から追い、リングスリーブと差込形コネクタ、シース・絶縁体・心線の損傷、管・器具・取付枠の順に見ます。行ったり来たりすると、確認済みの箇所が分からなくなります。

工具と教材は「足りない役割」だけ買う

第一種だから買い足す指定工具はありません

2026年度第一種の受験案内が「作業に最低限必要と考えられるため、必ず持参」としている指定工具は、ペンチ、プラスドライバー、マイナスドライバー、電工ナイフ、スケール、ウォーターポンププライヤー、JIS C 9711適合のリングスリーブ用圧着工具で、これは第二種と同じ構成です。

「第一種は電工ナイフと裸圧着端子用圧着工具を追加」という案内を見かけますが、電工ナイフは第二種でも指定工具で、裸圧着端子用圧着工具は2026年度第一種の指定工具に含まれていません。商品名や古い工具表から先に買うと、使わない工具に費用をかけることになります。まず手持ちの7点を現物で並べ、セット名ではなく点数と状態、圧着工具の規格を確認してください。

第一種で変わるのは指定工具ではなく練習材料です。候補問題ではKIP、太いIV、端子台、CVV・VVR、金属管・合成樹脂管、制御機器を扱う可能性があります。買い足しの判断は「第一種用」という商品ラベルではなく、今年度の候補問題で使う材料を、今の工具で欠陥なく処理できるかで行います。

追加0点
指定7点がそろい、候補問題の材料を安全・正確に処理できる。
→ 同じ一式で練習を続け、商品を増やさない
交換
指定工具が不足、破損、規格不明、材料と合わない。
→ 問題のある1点だけを条件に合う品へ替える
補助を検討
指定工具でも正確だが、手動補助工具で欠陥が減ると実物練習で確認できた。
→ 持込条件を確認し、1点ずつ追加して再計測する

手動のVVFストリッパーや、対応サイズが明記されたワイヤストリッパーは補助候補です。ただし単線かより線か、外装か絶縁被覆かで対応が違います。対応外の刃へ無理に入れると、心線の傷や減線の原因になります。

使用できるものと、できないものを購入前に分ける

受験案内は「電動工具以外のすべての工具を使用できる」としたうえで、改造・自作工具や計測機器を個別に禁止しています。手動だから無条件に使える、と広げないでください。

使用できると明記されているもの
・指定工具7点(必ず持参)
・手袋、工具用腰ベルト
・電線を束ねるクリップ(試験終了までに必ず外す)
使用できないもの
・電動・充電式・電動機能付き工具(機能をOFFにしても不可)
・改造工具、自作工具、回路計などの計測機器
・自前の下敷き・作業シート、小箱や皿、支給外の材料
・カッターナイフは受験案内がけがの例を挙げて使用自粛を求めています

参考書は「3冊そろえる」から始めない

学科テキスト・過去問題集・技能本の3冊を、全員が同時に買う必要はありません。買う前に、公式問題の最初の15問を資料を見ずに20分だけ解き、止まった原因を1つに絞ります。

  • 用語・機器の役割が分からない → 図解のある学科テキスト。高圧機器と単線結線図のページを試し読みで比べる
  • 計算の途中で止まる → 途中式が省略されない解説。%Z・三相・配電計算の項を確認する
  • 正解したが理由を言えない → 全選択肢の解説がある問題集。誤答肢の説明と索引を見る
  • 知識はあるが読み違える → 新しい本を買わず、公式問題と誤答記録で再演習する

学習状況別の最小構成はこう変わります。初めて学ぶ人は説明と章末問題がある学科本1冊+公式問題から。第二種の基礎が残っている人は公式問題+解説付き問題集から始め、説明が足りない分野だけ学科本へ戻ります。学科を再受験する人は、新しい総合本を買う前に誤答を4原因へ分類し、法令・制度の古さだけを現年度版と公式資料で更新します。

買わない選択もあります。試験センターは問題と解答、9科目の出題範囲を無料公開しています。第二種の基礎があり、誤答を自分で法令や既存教材へ戻せるなら、最初の1〜2週間は公式資料とこのロードマップだけで進め、不足が言葉にできてから購入できます。中古本や電子書籍を使う場合は、表紙の年ではなく奥付・目次・候補問題の年度を確認し、法令・制度名・欠陥基準を2026年度の公式資料と照合してください。技能本は「第一種対応」の表紙ではなく、2026年度の10候補問題・複線図・材料・施工条件・完成写真・欠陥確認まで一続きで追えるかで選びます。

参考書や動画を見ただけでは技能は定着しません。練習用材料を無電圧で加工し、完成後に寸法・接続・被覆・端子処理を点検します。住宅や設備の既設配線を教材代わりに分解しないでください。

第一種でできる工事と、免状・講習の条件

第一種電気工事士は、一般用電気工作物等に加え、最大電力500kW未満の自家用電気工作物に係る電気工事を扱える資格です。ただし、ネオン工事・非常用予備発電装置工事などの特殊電気工事や、電気工事士でなくても行える軽微な作業といった法令上の例外があります。免状があれば、すべての建物・設備の工事を無条件に請け負えるわけではありません。工事内容によって、認定電気工事従事者、特殊電気工事資格者、電気工事業の登録・届出を別に確認します。

試験そのものに受験資格の制限はありません。一方で、試験合格と免状交付は別です。経済産業省の制度改正案内のとおり、2021年4月1日以降の免状申請は、大学・高専の電気工学系卒かどうかを問わず、原則として対象になる電気工事の実務経験が一律3年以上必要です。実務経験は試験合格の前後を問いませんが、軽微な工事、特殊電気工事、5万V以上の架空電線路、保安通信設備など算入対象外の工事があります。証明方法と申請書類は第一種電気工事士の免状申請と実務経験を確認し、最終判断は住民登録地の都道府県窓口へ相談してください。

取得後も手続きが続きます。第一種電気工事士には免状交付後5年以内ごとの定期講習を受ける義務があり、住所変更や再交付の手続きとは別のものです。また、学科試験に合格した場合の学科免除は、原則として次回または次々回が対象です。申込時にマイページで自分の免除情報を確認してください。

このロードマップの完了条件

  • 学科9科目を、設備の中の役割で説明できる
  • 公式問題で、迷った正解を除いて30問以上を安定して取れる
  • 計算問題は式・代入・単位を再現できる
  • 10候補すべてを施工条件から組み立てられる
  • 60分の通し練習後に、公式欠陥基準で自己点検できる
  • 合格後の実務経験・免状申請・定期講習を、試験合格と区別できる

自己チェック(解答と解説つき)

解説はそのまま読めます。まず自分の答えを決めてから読み進めてください。

問1:学科試験の形式

第一種学科試験の公式案内に合う組合せはどれですか。

ア.50問・140分・30問正解が合格基準
イ.50問・120分・30問正解が合格基準
ウ.40問・140分・24問正解が合格基準
エ.50問・140分・40問正解が合格基準

正解:ア。四肢択一50問・140分、合格基準は60点(30問/50問)で配点は1問2点です。イの120分は第二種学科の時間、エの40問正解は合格基準より10問多い数字です。一般問題40問程度、配線図問題10問程度と案内されています。

問2:CBT方式の手続き

下期試験にインターネットで申し込み、受験方式にCBTを選びました。8月13日の申込み締切に間に合っています。このあと必要な手続きはどれですか。

ア.申込みが済んでいるので、学科CBT期間に会場へ行けばよい
イ.9月24日までにマイページで会場・日時を予約する
ウ.受験票が届いてから会場を選ぶので、10月まで手続きは不要
エ.筆記方式へ変更する届出を出す

正解:イ。申込みとCBT会場予約は別の手続きです。2026年度下期の予約期間は8月20日〜9月24日の36日間で、この予約をしないと学科CBT期間(9月11日〜10月18日)に受験できません。アとウのように「申込み=受験日確定」と考えると、期限を過ぎてしまいます。

問3:初回診断の記録

公式問題50問を解き、32問正解でした。次の記録方法として、学習計画に最も役立つのはどれですか。

ア.正解数32問だけを記録し、次回の伸びと比べる
イ.誤答18問を科目別に数え、いちばん多い科目から順に読む
ウ.誤答18問と「迷って正解した問題」を、知識・計算・図面・読み落としの4原因へ分ける
エ.正答率64%から合格可能性を計算する

正解:ウ。迷って正解した問題は、条件が変われば誤答になります。またイのように科目別だけで数えると、「用語を知らない誤り」と「否定語を読み落とした誤り」が同じ1問になり、参考書を読むべきか読み方を直すべきかが決まりません。原因を分けて初めて次の行動が選べます。

問4:技能試験の残り15分

通し練習で開始45分(残り15分)の時点、未接続が2か所あり、別の箇所でリングスリーブの刻印違いも見つけました。さらに電線の曲がりが気になります。最初にすることはどれですか。

ア.目に付いた曲がりを整えてから接続へ戻る
イ.未接続2か所を施工条件どおりに接続し、回路を成立させる
ウ.刻印違いを先に圧着し直し、そのあと未接続へ移る
エ.残り時間が少ないので、これ以上手を加えない

正解:イ。優先順位は「未完成・未接続・誤配線」→「端子の抜けや誤刻印」→「損傷・過大露出」→「見栄え」の順です。未接続を残したまま刻印を直しても作品は成立しません。アは採点に関係しない作業で、新しい損傷を作る危険もあります。エのように何もしないと未完成のままです。

問5:第一種の工具

第二種の指定工具一式を持っている人が、第一種の技能試験に向けて工具を検討しています。2026年度の受験案内に沿う判断はどれですか。

ア.第一種では電工ナイフが新たに指定されるので買い足す
イ.裸圧着端子用圧着工具が指定工具なので必ず買う
ウ.指定工具は第二種と同じ構成なので、7点の不足・破損・規格だけを確認する
エ.電動ドライバーがあれば締付けが速いので用意する

正解:ウ。指定工具はペンチ、プラス・マイナスドライバー、電工ナイフ、スケール、ウォーターポンププライヤー、JIS C 9711適合の圧着工具で、第二種と同じ構成です。電工ナイフは第二種でも指定工具(ア)、裸圧着端子用圧着工具は2026年度第一種の指定工具に含まれていません(イ)。エの電動工具は、電動機能をOFFにしても使用できません。第一種で変わるのは工具ではなく、KIPや端子台などの練習材料です。

問6:合格後の手続き

2026年度に技能試験まで合格した人の、免状に関する説明で正しいものはどれですか。

ア.合格通知が届けば、申請しなくても免状が交付される
イ.電気系の大学・高専を卒業していれば実務経験は不要
ウ.学歴を問わず原則3年以上の対象実務経験が必要で、交付後は5年以内ごとの定期講習も受ける
エ.実務経験は試験合格の後に積んだものだけが認められる

正解:ウ。2021年4月1日以降、必要な実務経験は学歴にかかわらず一律3年以上です(イは改正前の扱い)。合格しただけでは交付されず、都道府県への申請が必要です(ア)。経験は合格の前後を問いませんが、軽微な工事など算入対象外の工事があります(エ)。交付後の定期講習は5年以内ごとで、住所変更や再交付の手続きとは別です。

公式資料・一次情報

本文の日程・形式・合格率・工具・候補問題は、2026年9月5日に次の一次資料で確認しました。制度と年度で変わる数値は、受験する期の資料を必ず優先してください。

次に読む記事

このページで学習順を決めたら、次の順に進みます。

  1. まず第一種と第二種電気工事士の違いで、自分がどちらの範囲から始めるかを確定する
  2. 学科は高圧受電設備の仕組みと構成機器から読み始め、STEP 1〜6を診断結果の順に進む
  3. 技能はKIP・CVV・端子台の基本作業で単品練習を始め、60分の通し練習へ移る
資格太郎

この記事を書いた人:資格太郎電気工事士の独学合格を目指して学習中。2026年度の公式日程・受験案内・学科範囲・試験結果・技能候補問題と、経済産業省の実務経験制度を照合し、当サイトの記事を実際に進められる順へ整理しています。運営者情報と編集方針

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