この記事でわかること
- 主回路と制御回路の違いと役割
- 電磁開閉器(MC)のa接点・b接点の構造
- 自己保持回路の仕組みと複線図の書き方
- 運転表示灯のMC補助接点への接続方法
- 候補問題での制御回路の出題パターン
結論から言います
第一種電気工事士の技能試験では、電磁開閉器(MC)を使った制御回路が出題されます。これは第二種にはない第一種特有のテーマです。主回路と制御回路を分けて考えれば、複線図はシンプルに書けます。
② 制御回路:電磁開閉器を動かす回路(単相100V〜200V)
③ 主回路と制御回路は別々に複線図を書く
主回路と制御回路の違い
電磁開閉器(MC)を使う回路は、主回路と制御回路の2つに分けて考えます。
| 項目 | 主回路 | 制御回路 |
|---|---|---|
| 目的 | 電動機に電力を供給 | 電磁開閉器のON/OFF |
| 電圧 | 三相200V | 単相100V〜200V |
| 電流 | 大きい(電動機の定格) | 小さい(コイル電流のみ) |
| 構成要素 | MCCB → MC主接点 → 電動機 | 押しボタン → MCコイル → 補助接点 |
| ケーブル | CVV等(太い) | VVF等(細い) |
電磁開閉器(MC)の構造
電磁開閉器は電磁接触器とサーマルリレー(過負荷継電器)を組み合わせたものです。技能試験では端子台で代用されます。
・R, S, T(電源側)→ U, V, W(電動機側)
・主接点が閉じると三相電力が電動機に流れる
コイル端子
・A1, A2(制御回路接続用)
・A1-A2間に電圧をかけるとコイルが励磁→主接点が閉じる
補助接点端子
・a1, a2(NO:常時開)
・自己保持回路に使用
主回路の複線図
主回路は三相電源から電動機までの電力供給ラインです。
主回路は単純に三相3本をそのまま結線するだけなので、複線図としては簡単です。R→U、S→V、T→Wの対応を間違えなければ問題ありません。
制御回路の複線図(自己保持回路)
制御回路は電磁開閉器のコイルを制御する回路です。第一種で最も重要なテーマの一つです。
自己保持回路とは
押しボタンスイッチ(BS)を押すと電磁開閉器がONになり、手を離してもONのまま保持される回路です。停止するときは停止ボタンを押します。
→ コイルA1-A2間に電圧がかかる → 主接点が閉じる
→ 同時に補助接点(a1-a2)も閉じる
② 手を離す
→ BS-ONは開くが、補助接点が閉じているのでコイルに電流が流れ続ける(自己保持)
③ 停止ボタン(BS-OFF)を押す
→ 回路が切れる → コイルの励磁が止まる → 主接点・補助接点が開く
制御回路の配線図
・運転ボタン(BS-ON)はa接点(常時開) → 押すと回路がつながる
・補助接点(a1-a2)はBS-ONと並列接続 → 自己保持用
・停止ボタンは運転ボタン+補助接点の前(電源側)に直列接続
運転表示灯の接続
候補問題によっては、運転表示灯(RL:ランプ)が追加されます。電動機が運転中であることを示すランプです。
接続方法
運転表示灯は電磁開閉器のコイルと並列に接続します。
・MCがON → コイルに電流 → 表示灯も点灯
・MCがOFF → コイル電流なし → 表示灯も消灯
・つまり電動機が運転中のときだけ点灯する
施工条件に「運転表示灯はMCの動作と連動すること」などと記載されている場合、MCコイルと並列に接続すれば条件を満たせます。
候補問題での出題パターン
制御回路が出題される候補問題は限られています。以下の問題で重点的に練習しましょう。
| 候補問題 | 制御回路の内容 |
|---|---|
| No.6 | 電磁開閉器+押しボタンスイッチ(自己保持回路) |
| No.8 | 電磁開閉器+運転表示灯+押しボタンスイッチ |
いずれの問題も、自己保持回路の基本構造は同じです。運転表示灯の有無と、施工条件の違いを確認しながら練習してください。
制御回路の複線図 書き方手順
よくある間違いと対策
| 間違い | 対策 |
|---|---|
| BS-ONとBS-OFFの接点種別を逆にする | ON=a接点(常時開)、OFF=b接点(常時閉)と覚える |
| 補助接点をBS-ONと直列に接続 | 補助接点はBS-ONと並列に接続する |
| 停止ボタンの位置を間違える | 停止ボタンは電源側に直列接続(全体を切る) |
| 運転表示灯を直列に接続 | 表示灯はMCコイルと並列に接続する |
| 主回路のR-S-T/U-V-Wの対応ミス | R→U、S→V、T→Wの順序を守る |
a接点とb接点の覚え方
NO = Normally Open(常時開)、NC = Normally Closed(常時閉)
制御回路の接続 早見表
接点種別:b接点(常時閉)
接続方式:電源L側に直列接続
理由:回路全体を遮断するため
【運転ボタン(BS-ON)】
接点種別:a接点(常時開)
接続方式:補助接点と並列接続
理由:押している間だけコイルを励磁するため
【補助接点(a1-a2)】
接点種別:a接点(常時開、MC連動)
接続方式:BS-ONと並列接続
理由:手を離してもコイルへの通電を保持するため
【運転表示灯(RL)】
接続方式:MCコイル(A1-A2)と並列接続
理由:MC動作中のみ点灯させるため
よくある試験の引っかけ 3選
引っかけ1:「並列」と「直列」を取り違える
補助接点と運転ボタンは並列、停止ボタンは直列。覚え方:「止めるボタンは1つで全体を止める→直列」「保持は別ルートで電流を流す→並列」。
引っかけ2:停止ボタンの位置を間違える
停止ボタン(BS-OFF)は電源L側(上流側)に配置します。運転ボタンの「後ろ(下流側)」に置くと、補助接点経由の電流を遮断できず、停止ボタンが効かなくなります。
引っかけ3:表示灯を直列に接続してしまう
運転表示灯はMCコイルと並列です。直列にすると、表示灯の抵抗でコイルに十分な電圧がかからず、MCが正常に動作しなくなります。「灯はコイルの横に並べる」と覚えましょう。
確認問題
まとめ
制御回路の複線図は、主回路と制御回路を分けて書くことがポイントです。制御回路は「停止ボタン→運転ボタン+補助接点(並列)→MCコイル」の順に書けば完成します。
第一種の技能試験対策に
制御回路は繰り返し書いて体に覚え込ませましょう。テキストで理論を確認してから実物で練習するのが最も効率的です。
独学に不安がある方は、通信講座も選択肢の一つです。
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