この記事を読み終えると、自動点滅器の端子1・2・3がそれぞれ何をしているかを説明でき、3路スイッチが「自動で点ける」と「手で点ける」のどちらを選んでいるのかを図で追えるようになります。接続点で何と何が集まるかまで数えられれば、複線図は完成します。
No.2は、候補問題の中でも回路の意味を取り違えやすい課題です。自動点滅器を照明と直列に入れる回路だと思い込むと、3路スイッチの使い道が説明できなくなります。まず、電源から出る経路を分けるところから始めます。
変圧器の端子から4つの経路が出る
2026年7月4日の上期技能試験ではこのNo.2が出題され、材料・寸法・端子台の内部結線・電線色・接続方法まで公表されました。回路の骨格は次のとおりです。
図1 No.2は、変圧器の端子で4つの経路に分かれる
同じ端子台から出る線でも、電圧も役割も違います。まずここを分けます。
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図1の①が高圧側で、KIP 8mm2を2本、変圧器一次のU・V端子へ接続します。図1の②がu-o間から取り出す100V回路で、配線用遮断器を通ってジョイントボックスAへ入ります。図1の③が接地で、o端子から緑のIV 5.5mm2でEBへ向かいます。図1の④はu-v間の200V回路ですが、こちらは他の負荷へ向かうだけで施工省略です。
作るのは②の枝だけです。ただし、②と③は同じo端子から出ます。ここを混ぜないことが最初の分かれ道になります。
自動点滅器の端子1・2・3は役割が違う
自動点滅器も端子台で代用します。端子は1・2・3の3つですが、3つが同じ働きをしているわけではありません。
図2 3路スイッチが「自動」と「手動」を切り替えている
自動点滅器は照明と直列に入るのではなく、切替の片側に入ります。
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図2の①の端子1が非接地側の入力、図2の②の端子2が接地側です。この1と2の間にCdS回路があり、周囲の明るさを見ています。そして図2の③の端子3が出力で、暗くなると端子1との間の接点が閉じ、端子3から電気が出ていきます。
端子2を非接地側へつなぐと、CdS回路に電源が入らず、自動点滅器そのものが働きません。端子の並びは当日の端子台説明図で必ず確認してください。
3路スイッチは「自動」と「手動」を切り替えている
ここがNo.2の核心です。3路スイッチの共通端子0はランプレセプタクルへ向かい、2つの切替端子には別々の電源経路が入ります。
図2の④の共通端子0から照明へ電気が出ます。切替端子の一方には図2の⑤の片切スイッチ「イ」を通った非接地側が入り、他方には自動点滅器の端子3から出た赤い線が入ります。つまり3路スイッチを倒す向きで、次のように動作が変わります。
- 片切スイッチ側へ倒したとき:周囲の明るさに関係なく、片切スイッチ「イ」の入切で点灯します。
- 自動点滅器側へ倒したとき:暗くなったときだけ点灯します。片切スイッチを操作しても変わりません。
この記事の旧版の説明を訂正しました
旧版は片切スイッチ「イ」を「別の100V負荷を操作するスイッチ」と説明していました。しかし公式の複線図では、片切スイッチ「イ」は3路スイッチの切替端子へ入る手動点灯側の開閉器です。施工省略の「他の負荷へ」は、アウトレットボックスBから分岐する2心のほうです。2026年9月9日に公式複線図と照合して修正しました。
ジョイントボックスAは4組、アウトレットボックスBは3組
複線図が描けたかどうかは、接続点で組を言えるかで確かめられます。No.2では、ジョイントボックスAがリングスリーブ、アウトレットボックスBが差込形コネクタでした。
図3 接続点は「何が集まるか」で組が決まる
ジョイントボックスAは4組、アウトレットボックスBは3組です。刻印は組ごとに数えて決めます。
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図3の①が非接地側の組、図3の②が接地側の組です。この2つはどちらも3本が集まります。図3の③が点滅線、図3の④が自動点滅器から戻ってきた線で、どちらも2本です。
アウトレットボックスB側は、図3の⑤の黒3本、図3の⑥の白3本、図3の⑦の赤2本です。赤が2本になるのは、自動点滅器の端子3から出た線がここで折り返し、ジョイントボックスAを経由して3路スイッチへ戻るためです。
刻印は組に集まった電線から決まる
リングスリーブの大きさと刻印は、接続する電線の太さと本数の組合せで決まります。No.2では次のようになりました。
| 組 | 集まる電線 | 刻印 |
|---|---|---|
| 非接地側・接地側 | 2.0mm 1本+1.6mm 2本 | 小 |
| 点滅線・自動側 | 1.6mm 2本 | ○ |
この表を覚えるのではなく、複線図から組を作り、その組に何本入ったかを数える手順を身につけてください。電線の太さや心数は年度で変わりますが、数え方は変わりません。
施工条件で毎回確かめること
2026年度上期の実問題では、次の指定がありました。いずれも当日の施工条件で示される内容で、候補図だけでは分かりません。
- 電線の色:接地側の白を配線用遮断器のN表示端子とランプレセプタクルの受金ねじ部へ。EBは緑。
- 接続方法:ジョイントボックスAはリングスリーブ、アウトレットボックスBは差込形コネクタ。
- 寸法:器具までの各区間と、変圧器から遮断器までの区間。
- 代用と省略:変圧器と自動点滅器は端子台で代用し、施工省略の範囲は破線で示される。
候補問題の公表文にも、配線図・施工条件等の詳細は試験問題に明記すると書かれています。練習で身につけるのは、図2の切替の考え方と、図3の組の数え方のほうです。
自己チェック(6問)
解説は最初から表示しています。図を閉じた状態で答えられるかを試してください。
問1:自動点滅器代用の端子台で、周囲が暗くなったときに電気を送り出す端子はどれですか。
- 端子1
- 端子2
- 端子3
- 共通端子0
解答:3(端子3)
図2の③のとおり、端子1と端子3の間に明暗で開閉する接点があります。端子1は非接地側の入力、端子2は接地側でCdS回路を働かせるための線です。4の共通端子0は3路スイッチの端子であって、自動点滅器にはありません。
問2:3路スイッチの切替端子の一方には、何から来た線が入りますか。
- ランプレセプタクルの受金ねじ部
- 片切スイッチ「イ」を通った非接地側
- EBの接地線
- 変圧器の一次U端子
解答:2(片切スイッチ「イ」を通った非接地側)
図2の⑤のとおりです。片切スイッチ「イ」は別の負荷を操作するスイッチではなく、手動で点灯させる側の開閉器として切替回路に入ります。もう一方の切替端子には、自動点滅器の端子3から来た赤い線が入ります。
問3:アウトレットボックスBで、赤い線の組が2本になるのはなぜですか。
- 他の負荷へも赤を送るから
- 自動点滅器の端子3と、ジョイントボックスAへ戻る線だから
- 接地線を兼ねているから
- 3路スイッチの渡り線が通るから
解答:2(自動点滅器の端子3と、ジョイントボックスAへ戻る線だから)
図3の⑦のとおり、赤はここで折り返してAへ戻り、3路スイッチの切替端子へ届きます。1の「他の負荷へ」は施工省略の2心なので、黒と白だけです。
問4:ジョイントボックスAの点滅線の組に集まるのは何と何ですか。
- 遮断器の黒とランプの黒
- ランプの黒と3路スイッチの共通端子0
- ランプの白と3路スイッチの切替端子
- 自動点滅器の赤と片切スイッチ
解答:2(ランプの黒と3路スイッチの共通端子0)
図3の③の組です。3路スイッチの共通端子0が選んだ電気を、この組を通してランプレセプタクルへ送ります。1.6mmが2本なのでリングスリーブの刻印は「○」です。
問5:2026年度上期No.2で、EBの接地線はどこから取りましたか。
- 変圧器の外箱
- 配線用遮断器のN端子
- 変圧器二次側のo端子
- アウトレットボックス
解答:3(変圧器二次側のo端子)
図1の③のとおり、緑のIV 5.5mm2を二次側のo端子から取り出します。器具の外箱から引く接地とは目的が違います。同じo端子からは100V回路の白い接地側導体も出るので、緑と白を同じ組にしないよう複線図で描き分けます。
問6:100V回路の白い電線について、施工条件で指定された接続先はどれですか。
- 3路スイッチの共通端子0
- 自動点滅器の端子3
- 配線用遮断器のN端子とランプレセプタクルの受金ねじ部
- 片切スイッチ「イ」の両端子
解答:3(配線用遮断器のN端子とランプレセプタクルの受金ねじ部)
接地側の白は、遮断器のN表示のある端子と、ランプレセプタクルの受金ねじ部側の端子へつなぎます。図3の②の組がその線です。1や2のスイッチ・自動点滅器の点滅側に白を入れると、器具に電圧が残る回路になります。
この記事で確認した資料と確認日
2026年9月9日に、次の資料の記載内容を確認して本文の端子記号・電線色・接続方法を照合しました。
- 電気技術者試験センター:第一種電気工事士の技能試験の候補問題
- 電気技術者試験センター:令和8年度第一種電気工事士技能試験候補問題の公表について(PDF)
- 電気技術者試験センター:第一種電気工事士試験の問題と解答
- 電気技術者試験センター:2026年度上期技能試験No.2問題(PDF)
- 電気技術者試験センター:2026年度上期技能試験No.2解答(複線図)(PDF)
- 電気技術者試験センター:電気工事士技能試験(第一種・第二種)欠陥の判断基準(PDF)
次に読む記事
次は第一種 技能候補問題No.3へ進んでください。三相の回路が入ってくるので、経路を分ける手順がそのまま効きます。
3路スイッチの動きが曖昧なままなら第一種 技能候補問題No.1|複線図の読み方へ戻ると、共通端子と渡り線から確認できます。
端子台への結線そのものに不安があるときは第一種電気工事士 技能試験の基本作業|KIP・CVV・端子台で、欠陥にならない締め方を確認してください。
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