第一種 技能試験

第一種電気工事士 技能試験の欠陥判定基準|KIP線・端子台・CVVの注意点

この記事でわかること

  • KIP線に関する欠陥パターンと防止策
  • 端子台結線の欠陥判定基準(ねじ締め・心線露出)
  • CVVケーブルの欠陥パターンと注意点
  • 第一種と第二種の欠陥パターンの違い
  • 完成前のセルフチェックリスト

結論から言います

第一種電気工事士の技能試験は「欠陥=即不合格」のシビアな試験です。第二種と同じ欠陥判定基準が適用されますが、第一種特有の作業(KIP線・端子台・CVVケーブル)で起こりやすいミスがあります。

欠陥=一発不合格
第一種も第二種も欠陥判定基準は同じです。1つでも欠陥があれば不合格になります。第一種は高圧部分の作業が加わるため、ミスのパターンが増えます。

第一種特有の欠陥パターン

以下は第一種の技能試験で特に注意すべき欠陥です。第二種には出てこない作業が多いため、十分に練習してください。

1. KIP線に関する欠陥

欠陥内容 原因・対策
心線(より線)の損傷 電工ナイフで剥ぎ取る際に力を入れすぎてより線を切断。ナイフの刃を浅く入れ、被覆のみを切る
圧着端子の圧着不良 軽く引っ張ると抜ける状態。圧着工具のラチェットが完全に解除されるまでしっかり握る
剥ぎ取り寸法の過不足 施工条件で指定された長さ(通常50 mm程度)を守る。長すぎると露出、短すぎると圧着端子が入らない

2. 端子台に関する欠陥

欠陥内容 原因・対策
結線端子の間違い U-u, V-v, W-wの対応を間違える。施工条件を何度も確認し、配線前に端子台にメモする
ネジの締め付け不足 電線を軽く引っ張って抜けないことを確認。ドライバーでしっかり締める
圧着端子の向き間違い 丸穴がネジの軸に正しく入っていることを確認
接地線の未接続 EB・EDの接地線を最後に接続する手順にすると忘れやすい。施工手順に組み込む

3. CVVケーブルに関する欠陥

欠陥内容 原因・対策
ヒゲ(より線のほつれ) より線のほつれた細い線が隣の端子に接触すると短絡で欠陥。剥ぎ取り後に心線をよじって整える
心線の露出過多 端子台のネジに挟まれた部分以外で心線が見えていると欠陥。剥ぎ取り長さを適切にする

第二種と共通の欠陥(復習)

以下の欠陥は第二種と同じですが、第一種でもよく発生します。

  • ランプレセプタクルの極性間違い ── 受金ねじ部=白(接地側)、へそ=黒(非接地側)
  • リングスリーブの刻印間違い ── ○・小・中・大の選択ミス
  • 電線の色違い ── 接地側=白、非接地側=黒の原則を守る
  • 差込形コネクタの挿入不足 ── 心線が見える窓から確認
  • 絶縁被覆の噛み込み ── リングスリーブ内に被覆が入っている

第二種の欠陥判定基準の詳細は「第二種電気工事士 技能試験の欠陥判定基準|一発不合格を避ける完全チェックリスト」を参照してください。

完成前セルフチェックリスト

試験終了前に必ず以下を確認しましょう。

完成前チェックリスト
□ 端子台の結線が施工条件どおりか(U-u, V-v, W-w)
□ 接地線(EB・ED)が正しい端子に接続されているか
□ KIP線の圧着端子がしっかり圧着されているか(引っ張って確認)
□ CVVのヒゲが隣の端子に接触していないか
□ 全てのネジが締め付けられているか
□ リングスリーブの刻印が正しいか
□ ランプレセプタクルの極性(受金=白)
□ 電線の色が正しいか(白=接地側、黒=非接地側)
□ 未使用の電線・器具がないか(配布材料は全て使う)

第一種と第二種の欠陥パターン 比較表

第一種特有の欠陥と、第二種と共通の欠陥を整理しておきましょう。

分類 欠陥パターン 第二種 第一種
第一種
特有
KIP線の心線損傷(より線の素線切断)
端子台の結線間違い(U-u, V-v, W-w)
CVVケーブルのヒゲ(より線のほつれ)
圧着端子の不良(丸穴がネジ軸に未挿入)
共通 ランプレセプタクルの極性違い
リングスリーブの刻印間違い
電線の色違い(施工条件と不一致)
差込形コネクタの挿入不足

ポイント:第一種はKIP線・端子台・CVVケーブルという「第二種にはない材料」が加わるため、それに伴う欠陥パターンが増えます。共通の欠陥も油断せず確認しましょう。

試験当日の欠陥防止 3原則

完成前にこの3つを必ず実行

原則1:「施工条件を3回読む」
端子番号(U-u, V-v, W-w)・電線の色指定・接続方法を蛍光ペンでマーキングしましょう。読み落としが欠陥の最大原因です。

原則2:「1作業1確認」
1つの作業が終わるごとに施工条件と照合しましょう。まとめて確認すると見落とします。特に端子台の結線番号は1本つなぐたびに確認するのが鉄則です。

原則3:「最後5分でセルフチェック」
作業を60分ギリギリまでやらず、最後の5分はチェック専用に確保しましょう。上の欠陥判定基準を頭に入れて、チェックリストを上から順に確認します。

まとめ

第一種の技能試験では、第二種の欠陥に加えてKIP線・端子台・CVVケーブルの3つで新たな欠陥パターンが発生します。どのミスも練習で防げるものばかりです。施工条件をよく読み、完成前のセルフチェックを忘れずに行いましょう。

基本作業の詳細は「第一種電気工事士 技能試験の基本作業|KIP線・端子台・CVVケーブルの施工」で解説しています。

確認問題

【問題1】KIP線の被覆を電工ナイフで剥ぎ取る際、欠陥となるのはどれか。

イ.被覆に一周切り込みを入れた
ロ.より線の素線を1本切断した
ハ.ペンチで被覆を引き抜いた
ニ.剥ぎ取り長さが50mmだった

解答を見る

正解:ロ
KIP線はより線(5.5mm²)です。電工ナイフで被覆に切り込みを入れる際、刃を深く入れすぎるとより線の素線を切断してしまいます。素線が1本でも切れていると心線損傷で欠陥となります。被覆に一周切り込みを入れてペンチで引き抜く手順自体は正しい方法です。

【問題2】端子台への結線で欠陥とならないものはどれか。

イ.U端子にu端子用の電線を接続した
ロ.ネジを手で回して仮止めのままにした
ハ.圧着端子の丸穴がネジの軸に入っていた
ニ.接地線EBを接続しなかった

解答を見る

正解:ハ
圧着端子の丸穴がネジの軸にきちんと入っている状態は正しい施工です。イは端子番号の結線間違い(U端子にはU端子用の電線を接続すべき)、ロはネジの締め付け不足で欠陥、ニは接地線の未接続で欠陥となります。

【問題3】CVVケーブルを端子台にネジ止めした際、欠陥となるのはどれか。

イ.より線をネジの右巻方向に巻いた
ロ.棒形圧着端子を使用した
ハ.より線のほつれ(ヒゲ)が隣の端子に接触していた
ニ.外装の剥ぎ取り長さが30mmだった

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正解:ハ
CVVケーブルの心線はより線なので、端子台にネジ止めする際にほつれた細い線(ヒゲ)が出やすい特徴があります。ヒゲが隣の端子に接触すると短絡の原因となり、欠陥=一発不合格です。より線をネジの右巻方向に巻く、棒形圧着端子を使用する、いずれも正しい施工方法です。

【問題4】試験の完成作品でリングスリーブの刻印を確認したところ、1.6mm×4本の接続に「中」の刻印がされていた。この処理は欠陥か。

イ.欠陥である
ロ.欠陥ではない

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正解:イ(欠陥である)
1.6mm×4本の断面積合計は1.6×1.6×π/4×4=8.04mm²で「小」スリーブ・「小」刻印が正しい判定です。「中」スリーブ・「中」刻印はリングスリーブのサイズと刻印の不一致となり、欠陥判定されます。リングスリーブの選定表を必ず暗記しておきましょう。

第一種の技能試験対策に

欠陥判定基準を理解したら、実際の材料を使って練習しましょう。テキストで手順を確認し、繰り返し施工することで欠陥のない作品が作れるようになります。

独学に不安がある方は、通信講座も選択肢の一つです。

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