第一種 技能試験

結論:「正しい回路→欠陥のない単位作業→再現性→60分」の順で仕上げる

第一種電気工事士の技能試験を、工具、KIP線・CVV・端子台の基本作業、複線図、制御回路、候補問題No.1〜No.10、欠陥確認、時間管理の順に学ぶ総合入口です。候補図の完成形を暗記せず、当日の配線図・施工条件・材料表を作品へ移せる状態を目指します。

第一種技能は5つの違いを先に知る

第二種の基本作業は土台になりますが、第一種では高圧回路を含む候補図、変圧器、端子台、太い・より線の電線、主回路と制御回路、計器・表示・接地などを同じ作品内で扱います。ただし、試験は実設備で高圧を通電して行う工事ではなく、支給材料と端子台による代用を含む机上の施工です。

  • 材料:KIP線、CVV、IV、端子台など、電線の構造と接続先に合う処理が必要。
  • 回路:100V・200V、三相、変圧器、開閉器、電動機制御を分けて読む。
  • 端子:機器記号と端子番号を、施工条件と代用端子台へ対応させる。
  • 接地:EB・EDなど、図と条件で指定された接続先を混同しない。
  • 完成管理:複雑な回路でも、欠陥基準に沿う外観と機械的接続を60分内で確認する。

技能対策を6段階で進める

  1. 公式資料:当年度候補10問、技能ポイント、欠陥の判断基準を開き、年度と更新日を確認する。
  2. 工具と材料:候補問題に必要な作業と対応サイズを確認し、無理な代用を避ける。
  3. 基本作業:電線ごとの被覆処理、端子接続、圧着、ねじ締めを単位作業で安定させる。
  4. 複線図:主回路・制御・計器・表示・接地を分け、端子と電線を対応させる。
  5. 候補問題:最初は時間を外して1問ずつ施工し、公式問題・解答・欠陥基準で自己点検する。
  6. 完成管理:正確に再現できてから工程時間を測り、60分内に最終確認まで入れる。

基本作業は接続後の完成形から逆算する

KIP線、CVV、より線、端子台は、同じ長さで被覆を剥けばよいわけではありません。接続する端子、圧着・ねじ締めの方法、必要な心線長、器具内で収まる位置を先に確認し、完成形から加工位置を逆算します。

  1. 接続先を確認:端子番号、ねじ、圧着端子、線種・色、他の導体との組み合わせを見る。
  2. 完成状態を決める:被覆を残す位置、心線・より線が収まる範囲、外装の入りを想像する。
  3. 加工する:一度に深く切らず、被覆を除いた直後に心線の傷とより線の欠けを確認する。
  4. 接続して引張確認:端子へ正しく収め、ねじ締め・圧着後に緩みや抜けがないかを確かめる。
  5. 接続直前・直後を記録:やり直した理由を、寸法、傷、端子、締付けのどれかに分ける。

第一種電気工事士 技能試験の基本作業|KIP線・端子台・CVVケーブルで材料別の手順を確認し、欠陥が出た作業だけを短い材料で繰り返します。切断・圧着済みの部材を無条件に再使用せず、再施工後も完成条件を最初から点検してください。

いま残る弱点から練習先を選ぶ

複線図は5つの回路層に分ける

回路層 先に確定するもの 混同しやすい点
主回路 電源、変圧器、遮断器、開閉器、負荷 一次/二次、100V/200V、R/S/T・U/V/W
制御回路 押しボタン、コイル、補助接点、熱動継電器 a/b接点、自己保持、停止と過負荷
計器回路 CT、VT、電流計、電圧計、継電器 相、極性、二次回路、測定対象
表示回路 電源・運転・開閉状態と接続する2点 電源表示と運転表示、a/b補助接点
接地 機器・変圧器端子とEB・ED 接地側電線との混同、接続先・線種

第一種の複線図の基本で変圧器・端子台・三相回路を整理し、制御回路の複線図で押しボタン、自己保持、補助接点、コイルを状態別に追います。5層を別々に成立させた後、共通の電源点・端子・電線へまとめます。

候補問題No.1〜No.10を回路別に選ぶ

問題 中心となる回路 練習する差分
No.1 単相変圧器 100V・200V、端子台、接地
No.2 自動点滅器と3路 自動/連続の切替、共通端子
No.3 変圧器V結線 一次/二次、三相200V、相対応
No.4 遮断器と照明 ET、同時点滅、端子・極性
No.5 三相開閉器 3極、電源表示、接地
No.6 三相Δ結線 電流計、表示灯、相接続
No.7 CT・OCR 保護・計器二次、VCBとの連動
No.8 電磁開閉器 押しボタン、自己保持、過負荷
No.9 タイムスイッチ 自動点滅器との直列制御、100V/200V
No.10 VT・VCB表示 V結線、電圧計、a/b接点、開閉表示

令和8年度の公式候補問題はNo.1〜No.10で、詳細な配線図・施工条件は試験問題に明記されます。上の分類は各記事へ戻るための学習用整理です。候補番号だけで接続や材料を固定せず、受験時に配布された条件を最優先してください。

最初の1周は時間を外して6項目を記録する

  1. 条件読解:見落とした施工条件と、どこへ印を付けるか。
  2. 回路:主回路・制御・計器・表示・接地のどの層で迷ったか。
  3. 端子:端子番号、相、電線色、線種、接続先のどこを取り違えたか。
  4. 加工:被覆処理、心線傷、より線、圧着、ねじ締めのどこでやり直したか。
  5. 完成確認:公式解答と欠陥基準で見つけた差分。
  6. 次の練習:次回に直す項目を1つだけ具体的に決める。

問題を完成できなかった場合は、同じ候補問題を最初から繰り返す前に、失敗した単位作業または回路層へ戻ります。通し練習だけを増やすと、同じ欠陥を速く再現することがあります。

60分へは4段階で近づける

段階 優先する目標 次へ進む条件
1 無制限 条件どおり完成し、欠陥を自分で見つける 誤結線・未施工がなくなる
2 工程計測 複線図、加工、接続、確認を別々に測る 遅い工程と原因を特定できる
3 部分短縮 遅い単位作業だけを品質を保って反復 同じ品質で時間が安定する
4 60分通し 最終確認を残して候補問題を完成 番号を変えても同じ手順を再現できる

公式候補資料では、すべての問題について試験時間は60分の予定とされています。工程ごとの固定分数は公式基準ではないため、第一種技能試験の時間配分|60分の練習法を使い、自分の計測結果から調整してください。

完成前は8項目を同じ順で確認する

  1. 未施工の器具、端子、接地、接続がないか。
  2. 電源から負荷までの主回路に誤結線・短絡がないか。
  3. 制御回路のa/b接点、コイル、自己保持、停止経路が成立するか。
  4. CT・VT・計器・継電器の相、極性、接続先が条件どおりか。
  5. 表示灯が示す電源・運転・開閉状態と接続する2点が合うか。
  6. 端子番号、電線の種類・色、EB・EDの接続が合うか。
  7. 被覆の噛み込み、心線露出・傷、より線のほつれ、圧着・ねじ締めに問題がないか。
  8. 指定寸法、器具固定、ケーブル外装、作品全体の配置が条件どおりか。

判定は第一種技能試験の欠陥基準|KIP・CVV・端子台と最新の公式欠陥基準で行います。「動きそう」「見た目が近い」ではなく、公開されている欠陥項目を上から照合します。

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安全上の注意

技能試験の練習は無電圧の練習材料で行い、作成した作品を電源や既設設備へ接続しないでください。高圧回路を含む図を扱いますが、この記事は実設備の高圧工事、活線作業、試験・操作の手順ではありません。実際の電気工事は法令、資格範囲、現場の安全手順に従ってください。

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