2種 候補問題

候補問題No.4の複線図|三相200V電動機と電源表示灯

結論:No.4は3路スイッチではなく三相200Vの動力回路

令和8年度の候補問題No.4は、1個の5極端子台で配線用遮断器と漏電遮断器を代用し、三相200Vの電動機回路と単相100Vの電灯・コンセント回路を1課題にまとめたものです。電源表示灯はS相とT相の間に入り、Aは差込形コネクタ、Bはリングスリーブで接続します。

候補図は回路の骨格だけを示し、端子台の極数、電線の色別、接続方法、取付枠の使用先は実問題の施工条件で確定します。この記事では、令和8年度上期(2026年7月18日・19日実施)No.4の公式問題・公式解答・材料表を基に、端子台の読み方からA・Bの接続、完成前の点検までを整理します。

同じ番号でも年度が変われば回路が変わる

この記事の旧稿はNo.4を3路スイッチ2個の回路として説明していましたが、令和8年度の候補問題で3路スイッチが出てくるのはNo.6とNo.7です。候補問題は毎年公表し直されるため、番号と回路の対応を過去の記憶で覚えないでください。学習は必ず当年度の候補図から始めます。

令和8年度No.4は200V動力と100V電灯の2系統

No.4には電源が2つあります。単相2線式100Vと三相3線式200Vで、それぞれ別の遮断器を通って別のジョイントボックスへ入ります。まず2系統を分けて考えると、複線図が一気に単純になります。

系統 通る器具 施工する範囲
三相3線式200V 漏電遮断器代用の端子台(R・S・T)→ジョイントボックスA 電源表示灯まで施工。電動機と接地は施工省略
単相2線式100V 配線用遮断器代用の端子台(N・L)→ジョイントボックスB 引掛シーリング、点滅器、コンセントまで全て施工
共通 端子台は5極が1個だけ 2系統が同じ端子台に並ぶ。混線に注意する

令和8年度上期の実問題では、端子台からジョイントボックスBまでが青色外装のVVF 2.0-2C、端子台からジョイントボックスAまでと、Aから電動機までがVVF 2.0-3Cです。電源表示灯と引掛シーリングへはVVF 1.6-2C、点滅器・コンセントへはVVF 1.6-3Cを使います。2.0mmだけ外装が青いので、材料確認の段階で太さを取り違えにくくなっています。

令和8年度候補問題No.4の三相200V・単相100V回路とA・B接続を追う自作複線図
図1:5極端子台から200V側の接続点A、100V側の接続点Bまでを分けて追う(当サイト作成)。図をタップすると原寸で開きます。

図1は、1個の5極端子台のN・LとT・S・Rを最初に分け、200V側と100V側を別々に一周できるようにした自作図です。AのT・S・Rは3本・3本・2本、BのN・L・返りは3本・2本・2本になります。まず表示灯をT→電源表示灯→S、次に照明をL→点滅器→返り→引掛シーリング→Nの順で指でたどると、同じ白黒でも役割の違う導体を混ぜずに検算できます。

ケーブルを切る前に必要な導体を数える手順は材料の拾い出し|配線図からケーブル・接続材料を数えるで確認できます。

5極端子台をN・L・T・S・Rで読む

支給されるのは5極の端子台1個です。上2極が配線用遮断器(2極1素子)、下3極が漏電遮断器(過負荷保護付・3極3素子)の代用で、問題用紙の説明図に極の並びと記号が示されます。名前ではなく記号と位置で覚えてください。

端子 結線する電線 役割
N(100V) Bへ行く2.0白 100V回路の接地側。施工条件で白色を指定
L(100V) Bへ行く2.0黒 100V回路の非接地側
T(200V) Aへ行く2.0黒 三相のT相。施工条件で黒色を指定
S(200V) Aへ行く2.0白 接地されている相。施工条件で白色を指定
R(200V) Aへ行く2.0赤 三相のR相。施工条件で赤色を指定

端子台は低圧側の結線として扱われるため、公式の欠陥判断基準では端子台の端から心線が5mm以上露出したものと、絶縁被覆を締め付けたものが欠陥です。剥ぎ取り寸法を固定の数値で暗記せず、支給された端子台のねじ部に心線が収まり、外へ余分に出ない状態を目で作ります。

電源表示灯はS相とT相の間に入る

電源表示灯はランプレセプタクル(カバーなし)で代用します。令和8年度上期の施工条件では「三相電源のS相は接地されているものとし、電源表示灯はS相とT相間に接続すること」と指定され、あわせて受金ねじ部の端子には白色を結線するよう求められます。

電源表示灯の2本はこう決まる

受金ねじ部 ← 白(S相=接地されている側)
もう一方の端子 ← 黒(T相)
この2本はジョイントボックスAで、端子台のS・Tおよび電動機の白・黒と一緒に接続する

接地されている相を受金ねじ部へ入れるのは、ランプ交換で手が触れやすい側を接地側にするという電灯回路と同じ考え方です。相間電圧200Vが加わる点も含めて、三相回路そのものの基礎は変圧器と誘導電動機|巻数比・同期速度・すべりの計算で確認できます。

レセプタクルの輪づくりは右巻き、ねじの端から心線が5mm以上はみ出さないこと、ケーブル外装を台座の中まで入れることが公式の欠陥判断基準です。作業手順はケーブルの剥ぎ取り・輪づくり|寸法と欠陥対策にまとめています。

色別・取付枠・施工省略を先に確定する

  • 100V回路の接地側:電源からの接地側は全て白。コンセントのW端子、引掛シーリングの接地側極端子、端子台のN端子にも白を結線します。
  • 100V回路の非接地側:電源から点滅器およびコンセントまでは全て黒。点滅器からコンセントへのわたり線も黒です。
  • 200V回路:電源からの配線はR相に赤、S相に白、T相に黒。100V側の白黒とは意味が違うので、端子台で並べたときに混同しないようにします。
  • 取付枠:1枚だけ支給され、点滅器とコンセントの2個を取り付けます。器具が2個のときに中央へ取り付けると欠陥なので、上下の位置を使い中央は空けます。
  • 施工省略:電源側と、三相200V電動機およびその接地は施工しません。省略部分へ向かうケーブルは、ジョイントボックス側だけを接続して先端を残します。

器具側の極性と心線の見え方は差込形コネクタ・ランプレセプタクル・引掛シーリング|結線と欠陥対策で詳しく整理しています。

Aの差込形コネクタは3接続

ジョイントボックスAには、端子台からの200V 3本、電源表示灯への2本、電動機への3本が集まります。相ごとにまとめると次の3組です。

Aの接続点 接続する導体 使う材料
S相(白) 端子台S+電源表示灯の白+電動機の白 3本用
T相(黒) 端子台T+電源表示灯の黒+電動機の黒 3本用
R相(赤) 端子台R+電動機の赤 2本用

電源表示灯がS相とT相の間に入るため、白と黒だけが3本、赤は2本になります。支給材料も差込形コネクタ3本用2個・2本用1個で、この組合せと一致します。差込後は先端を真横から見て全ての心線が見え、下端から心線が見えないことを確認します。

Bのリングスリーブは3接続

ジョイントボックスBには、端子台からの100V 2本、引掛シーリングへの2本、点滅器・コンセントへの3本が集まります。太さが2.0mmと1.6mmで混ざるため、圧着マークの判定が問われます。

Bの接続点 接続する導体 刻印
接地側N 電源2.0白+引掛シーリングの1.6白+コンセントの1.6白
非接地側L 電源2.0黒+点滅器の1.6黒
点滅器の返り 点滅器からの1.6赤+引掛シーリングの1.6黒

Bは小スリーブ3個で、圧着マークは小2か所・○1か所です。2.0mmが1本でも混ざれば○ではなく小、1.6mm×2本だけなら○という判定になります。組合せの根拠と本数の数え方はリングスリーブの圧着|電線本数・刻印・欠陥対策で確認してください。

引掛シーリングへ行く黒は電源の黒ではない

引掛シーリングの非接地側には、点滅器を通ったあとの電線が入ります。ケーブルの色は黒でも、Bで接続する相手は電源の黒ではなく点滅器から戻ってきた赤です。色ではなく役割で組を作ると、この間違いは起きません。

複線図と作業を8ステップで進める

  1. 2系統に分ける:200Vの動力側と100Vの電灯・コンセント側を別々に描き始める。
  2. 端子台の説明図を写す:N・L・T・S・Rの並びと、どちらの遮断器の代用かを確認する。
  3. 200V側を描く:R・S・Tを電動機まで通し、S―T間から電源表示灯へ2本を分岐する。
  4. 100Vの接地側を描く:Nから引掛シーリングの接地側極端子とコンセントのW端子へ白を送る。
  5. 100Vの非接地側を描く:Lから点滅器へ黒を送り、点滅器からコンセントへわたり線の黒を出す。
  6. 点滅器の返りを描く:点滅器の残る端子から赤でBへ戻し、引掛シーリングの非接地側へつなぐ。
  7. A・Bへ割り当てる:Aの3組を差込形コネクタ、Bの3組をリングスリーブに分ける。
  8. 配置・極性・仕上げを検算する:取付枠の位置、受金ねじ部の白、W端子の白、寸法、外装と心線の状態を確認する。

施工条件から接続点を決める共通手順は複線図の書き方|施工条件から接続点を決める7ステップ、40分の使い方は第二種電気工事士 技能試験の時間配分|40分で欠陥を減らすを併用してください。

No.4の完成前チェック

端子台・200V側

□ N・Lに100Vの白黒
□ T・S・Rに黒白赤
□ 端から心線5mm未満
□ 被覆を締め付けていない

A・B接続

□ Aは3本用2・2本用1
□ Bは小2・○1
□ 先端から心線が見える
□ 下端から心線が見えない

器具・仕上げ

□ 受金ねじ部に白
□ 引掛シーリング接地側に白
□ コンセントW側に白
□ 取付枠の中央は空ける

最後は第二種技能試験の欠陥判断基準|完成後5分の点検順を使い、回路だけでなく器具・接続・損傷まで同じ順で確認します。ケーブルの長さは配線図の寸法の50%以下になると欠陥なので、切り直しをした箇所は特に測り直してください。

理解度チェック

問1:電源表示灯の受金ねじ部

令和8年度上期No.4で、電源表示灯(ランプレセプタクル)の受金ねじ部の端子へ結線する電線はどれですか。

ア.R相の赤 イ.S相の白
ウ.T相の黒 エ.100V回路の黒

解答を見る

正解:イ
施工条件でS相は接地されているとされ、受金ねじ部の端子には白色を結線します。もう一方の端子にはT相の黒が入ります。

問2:Bの圧着マーク

ジョイントボックスBで、点滅器から戻る1.6mmの赤と引掛シーリングへ行く1.6mmの黒を圧着します。刻印はどれですか。

ア.○ イ.小
ウ.中 エ.圧着しない

解答を見る

正解:ア
1.6mm×2本なので小スリーブを○で圧着します。同じBでも2.0mmが混ざる残り2か所は小刻印です。

問3:取付枠への取り付け

1枚の埋込連用取付枠へ点滅器とコンセントの2個を取り付けます。公式の欠陥判断基準に照らして正しいのはどれですか。

ア.中央と上に取り付ける イ.上と下に取り付け中央は空ける
ウ.中央に2個を重ねる エ.取付枠を裏返して取り付ける

解答を見る

正解:イ
配線器具が2個の場合に中央へ取り付けたものは欠陥です。器具が1個なら中央、2個なら上下に取り付けます。裏返しての取り付けも欠陥です。

公式資料・一次情報

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差込形コネクタ・器具の結線:A・Bの仕上げを確認する

第二種電気工事士 学習ロードマップ:技能試験の学習順を確認する

広告・編集方針

この記事内に工具、練習材料、通信講座のアフィリエイトリンクは掲載していません。2026年7月29日に令和8年度候補図・上期実問題/公式解答・材料表・欠陥判断基準へ照合し、2026年8月22日に端子台からA・Bまでを追う図解を追加しました。旧稿はNo.4を3路スイッチ回路として説明していたため全面的に書き直し、現年度と一致しない生成図の参照、特定工具の宣伝、広告と追跡画像を撤去しています。図1と確認問題は当サイトのオリジナルです。

資格太郎

この記事を書いた人:資格太郎電気工事士の独学合格を目指して学習中。候補図だけで断定せず、実問題の施工条件・材料表・公式解答まで照合して解説しています。運営者情報を詳しく見る


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