第二種 技能試験

技能試験のおすすめ工具セット・各工具の使い方|第二種電気工事士

この記事でわかること

  • 指定工具の一覧と各工具の用途・選び方
  • VVFストリッパーが事実上の必須工具である理由
  • 圧着工具はJIS C 9711適合品が必須という注意点
  • セット購入のメリットとおすすめの工具セット

結論から言います

技能試験の工具は「指定工具セット+VVFストリッパー」を揃えれば十分です。メーカーはホーザンのセットが定番で、必要な工具が過不足なくまとまっています。

必要な工具一覧
【指定工具(必須)】
ペンチ/ドライバー(プラス・マイナス)/電工ナイフ/スケール/ウォーターポンププライヤー/リングスリーブ用圧着工具

【あると圧倒的に有利】
VVFストリッパー(事実上の必須工具)

工具の選び方を間違えると作業効率が大きく下がります。特に圧着工具とVVFストリッパーは合否を左右する重要アイテムです。

指定工具とは

技能試験の受験案内には「指定工具」が明記されています。これは試験で必ず使用が認められている工具です。指定工具以外にも、電動工具でなければ持ち込みOKです。

工具名 主な用途
ペンチ 電線の切断、心線の加工、リングスリーブの余分な心線を切る
プラスドライバー ランプレセプタクル・露出形コンセントのねじ止め
マイナスドライバー 連用枠の取り外し、端子のねじ操作
電工ナイフ ケーブル外装の剥ぎ取り(VVFストリッパーがあればほぼ不要)
スケール(メジャー) ケーブルの長さを測る
ウォーターポンププライヤー ロックナットの締め付け、ブッシングの取り付け
リングスリーブ用圧着工具 リングスリーブの圧着接続。JIS C 9711適合品が必須

なぜセット購入がおすすめなのか

「工具は1つずつ好きなものを選びたい」と思うかもしれません。しかし、セット購入を強くおすすめする理由があります。

まず、バラ買いだと「買い忘れ」のリスクが発生します。試験直前に「圧着工具が届かない」「プラスドライバーのサイズを間違えた」というトラブルは、実は少なくありません。セットなら必要な工具が一式揃うので、こうしたミスがなくなります。

また、価格面でもセットが有利です。指定工具7点+VVFストリッパーを個別に買うと合計で20,000円前後かかりますが、ホーザンDK-28なら2,000〜3,000円ほど安く手に入ります。浮いた分を練習用の電線・器具に回す方が、合格に近づきます。

さらに、セットに入っている工具はサイズや規格が試験に最適化されています。特にプラスドライバーのサイズ(No.2)や圧着工具のJIS適合など、初心者が判断に迷う部分がクリアされているのは大きなメリットです。

工具購入パターン比較
セット購入(おすすめ)
指定工具7点+VVFストリッパー
価格: 約17,000〜18,000円
買い忘れの心配なし
サイズ・規格が試験向け
練習セットとのまとめ買いも可
バラ買い
好きなメーカーを選べる
価格: 約20,000〜22,000円
買い忘れ・サイズ間違いリスク
一部の工具を持っている人向け
選定の知識が必要

VVFストリッパーが事実上の必須工具である理由

VVFストリッパーは指定工具ではありませんが、受験者の9割以上が使用しています。その理由は単純で、電工ナイフに比べて5〜10倍速いからです。

なぜこれほど速さが重要なのでしょうか。技能試験の制限時間はたったの40分です。この40分間で複線図を書き、ケーブルを切り、外装と被覆を剥き、器具に結線し、リングスリーブで圧着し、全体を整形しなければなりません。ケーブルの剥ぎ取りだけで何分も使っている余裕はないのです。

電工ナイフで外装剥ぎ
1本あたり30〜60秒
心線を傷つけるリスクあり
練習が相当必要
VVFストリッパーで外装剥ぎ
1本あたり2〜5秒
心線を傷つけにくい
初心者でもすぐ使える

VVFストリッパーの代表機種

機種 特徴
ホーザン P-958 最も定番。外装剥ぎ・被覆剥ぎ・切断・のの字曲げまで1本でこなす万能型
ホーザン P-929 P-958の上位モデル。握りやすいグリップ、よりスムーズな動作
マーベル MVA-116 コンパクトで軽量。手が小さい人にもフィットしやすい

迷ったらホーザン P-958を選べば間違いありません。多くの技能試験対策動画やテキストでもこの機種を使って解説しています。

工具セットの選び方

工具を1つずつバラで買うよりも、セット購入が割安で確実です。

ホーザン DK-28(VVFストリッパー付きセット)が一番人気です。指定工具7点+VVFストリッパー(P-958)がすべて揃います。個別に買うより2,000〜3,000円ほど安くなります。

すでに一部の工具を持っている場合は、足りない工具だけバラ買いでもOKです。

練習用の電線・器具とセットになった技能試験練習キットを選ぶと、工具+練習材料が一度に届くのでさらに手間が省けます。

購入時の注意点

  • 圧着工具はJIS C 9711適合品を必ず選ぶ:適合品でないと圧着マーク(○・小・中)が正しく刻印されず欠陥になる
  • プラスドライバーはNo.2サイズ:器具のねじはほぼNo.2。大きすぎても小さすぎても使いにくい
  • 電動工具は持ち込み不可:充電式ドライバーなどは使えない

よくある工具選びの失敗パターン

初めて技能試験を受ける方がやりがちな失敗を紹介します。同じ轍(てつ)を踏まないように、事前にチェックしておきましょう。

工具選びの失敗パターン
失敗1: VVFストリッパーを買わない
「指定工具だけでいいだろう」と電工ナイフだけで挑む → ケーブル剥ぎ取りに時間がかかりすぎて時間切れ。電工ナイフの練習に何十時間も費やすより、VVFストリッパーを1本買う方がはるかに効率的です。
失敗2: 圧着工具のJIS適合を確認しない
ネット通販で安い圧着工具を購入 → JIS C 9711に適合しておらず、刻印が正しくつかない → 試験では不完全な刻印=欠陥判定。必ず黄色グリップのJIS適合品を選びましょう。
失敗3: 試験直前に工具を買う
試験2〜3日前にネット注文 → 配送が間に合わない or 届いても練習する時間がない。工具は遅くとも試験の1ヶ月前には揃えて、十分に手に馴染ませておくことが大切です。
失敗4: ドライバーのサイズを間違える
No.1やNo.3のプラスドライバーを購入 → ねじ山に合わず、ねじをなめてしまう。技能試験で使うねじのほとんどはNo.2サイズ。必ずNo.2を選びましょう。

各工具の使い方とコツ

VVFストリッパー

技能試験で最も使う工具です。以下の4つの機能を使いこなしましょう。

  1. 外装(シース)の剥ぎ取り:ストリッパーのゲージにケーブルを挟み、握って引き抜く。長さはゲージの目盛りで測れる
  2. 絶縁被覆の剥ぎ取り:1.6mm・2.0mmそれぞれの穴に芯線をセットして握る。被覆だけきれいに剥ける
  3. のの字曲げ(輪づくり):先端の丸い部分に心線を引っ掛けて曲げる。ペンチなしで輪が作れる
  4. 電線の切断:ストリッパーの刃で細い電線を切断できる(太いケーブルはペンチの方が楽)

詳しい使い方は「ケーブルの剥ぎ取り・輪づくりをマスター|第二種電気工事士 技能試験」で写真付きで解説しています。

リングスリーブ用圧着工具

この工具には「○」「小」「中」のダイス(型)があり、正しいサイズで圧着すると対応する刻印がスリーブに付きます。

  • 使い方:リングスリーブに電線を通す → 正しいダイスの位置にスリーブをセット → ハンドルを最後まで握り切る
  • コツ:握り切らないと刻印が不完全になり欠陥。ラチェット機構が「カチッ」と解除されるまで握る
  • 注意:黄色いグリップの工具はJIS適合品の証。赤や青のグリップは適合していない可能性がある

サイズの選び方は「リングスリーブの圧着接続をマスター|サイズ・刻印の選び方|第二種電気工事士 技能試験」で詳しく解説しています。

ペンチ

  • 電線の切断:VVFケーブルの切断に使用。175mmサイズが標準
  • 心線の切り揃え:リングスリーブから飛び出した余分な心線を切る
  • 輪づくりの補助:VVFストリッパーで曲げた後、ペンチで輪の形を整える

ドライバー

  • プラスドライバー(No.2):ランプレセプタクル・露出形コンセントの端子ねじ締め。しっかり押し付けながら回す(ねじ山をなめないように)
  • マイナスドライバー:連用枠からの器具取り外し、差込形コネクタから電線を抜くとき(やり直し時)に使用

ウォーターポンププライヤー

  • 用途:アウトレットボックスのロックナット締め、ブッシングの取り付け
  • コツ:口の開き幅を調整してからナットを挟む。力を入れすぎるとボックスが動くので、反対側を手で押さえる
  • 出番:金属管工事やPF管工事が出題される問題で使用。出ない問題もある

スケール(メジャー)

  • 用途:ケーブルの長さを測る
  • コツ:机の端から150mm、200mm、250mmなどよく使う長さに印をつけておくと、毎回スケールを出さなくて済む

試験当日の工具配置のコツ

工具の準備は「何を買うか」だけでなく、「当日どう並べるか」も合否に影響します。40分の限られた時間で作業するので、工具を探す時間すらもったいないのです。

試験当日の工具配置チェックリスト
配置のポイント
1. 利き手の近くにVVFストリッパーとペンチを置く(使用頻度が最も高い)
2. 圧着工具は奥側に配置(使うのは後半の圧着時だけ)
3. ドライバー2本はまとめて手前に並べる
4. スケールは机の左端に沿わせて置く(長さの目安にもなる)
5. ウォーターポンププライヤーは端に置く(使わない問題もある)
6. ゴミ袋は机の下か手元に設置(切れ端を即捨てて作業スペース確保)
7. タオルを敷くと工具の滑り止め&ケーブルくずの散乱防止に有効

試験本番では机のスペースが限られます。練習時から本番と同じ配置で作業する癖をつけましょう。当日慌てずに済みます。

あると便利な追加アイテム

アイテム 用途
合格クリップ・合格ゲージ 電線をまとめて仮止めする。リングスリーブ圧着前に便利
3色ボールペン 複線図を色分けして書く(黒・赤・青)
タオル / ウエス 机の上に敷いて工具の滑り止め&ゴミの散乱防止
ゴミ袋(小) ケーブルの切れ端を入れる。机の上をきれいに保てる

技能試験対策を動画で学ぶなら

工具の使い方や施工手順を動画で確認したい方には、SATの第二種電気工事士講座がおすすめです。技能試験の実演動画で手順を目で見て覚えられます。テキスト中心で学びたい方はJTEXの通信講座も定評があります。

まとめ

この記事のポイント
  • 指定工具7点+VVFストリッパーで技能試験に必要な工具は揃う
  • VVFストリッパーは事実上の必須。ホーザンP-958が定番
  • 工具セット(ホーザンDK-28等)がバラ買いより割安で買い忘れもなく安心
  • 圧着工具は必ずJIS C 9711適合品(黄色グリップ)を使用
  • 工具は試験の1ヶ月前には揃えて、十分に練習して手に馴染ませること
  • 当日の工具配置も事前に決めておくとスムーズ

工具を揃えたら、次は実際の作業を練習しましょう。以下の記事で具体的な施工テクニックを解説しています。

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確認問題

【問題1】技能試験で使用するリングスリーブ用圧着工具に求められる条件はどれか。

(A)グリップが赤色であること
(B)JIS C 9711に適合していること
(C)ラチェット機構がないこと
(D)電動式であること

解答を見る

正解:B(JIS C 9711に適合していること)
リングスリーブ用圧着工具はJIS C 9711適合品を使用しなければなりません。適合品でないと圧着マーク(○・小・中)が正しく刻印されず、欠陥となります。適合品は黄色いグリップが目印です。電動工具(D)は試験に持ち込めません。

【問題2】VVFストリッパーの機能として正しくないものはどれか。

(A)ケーブル外装の剥ぎ取り
(B)絶縁被覆の剥ぎ取り
(C)リングスリーブの圧着
(D)のの字曲げ(輪づくり)

解答を見る

正解:C(リングスリーブの圧着)
VVFストリッパーは外装剥ぎ・被覆剥ぎ・のの字曲げ・電線の切断ができますが、リングスリーブの圧着はできません。圧着には専用のリングスリーブ用圧着工具(JIS適合品)が必要です。

【問題3】技能試験の会場に持ち込めない工具はどれか。

(A)VVFストリッパー
(B)合格クリップ
(C)充電式電動ドライバー
(D)ウォーターポンププライヤー

解答を見る

正解:C(充電式電動ドライバー)
技能試験では電動工具の持ち込みは禁止されています。充電式・コード式を問わず、電動工具は使用できません。VVFストリッパー(A)、合格クリップ(B)、ウォーターポンププライヤー(D)はいずれも手動工具なので持ち込み可能です。

※当サイトの画像にはAI生成のものが含まれており、実際の機器・器具とは外観が異なる場合があります。問題・解答の内容には細心の注意を払っておりますが、誤りが含まれる可能性があります。学習の参考としてご活用いただき、最終的な確認は公式テキスト・法令等で行ってください。当サイトの情報に基づく判断によって生じた損害について、一切の責任を負いかねます。

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