この記事でわかること
- 欠陥=1個でも不合格になるルール(2017年度〜)
- 未完成・配線の誤り・接続不良など欠陥カテゴリの全体像
- リングスリーブの刻印・サイズミスなど頻出の欠陥パターン
- 完成後のセルフチェック手順と時間配分の目安
結論から言います
技能試験は欠陥が1つでもあれば不合格です。以前は「重大欠陥」「軽欠陥」の区分がありましたが、2017年度(平成29年度)からすべて「欠陥」に統一され、1つでもあればアウトになりました。
「ちょっとした見落とし」が命取りになります。何が欠陥なのか事前に把握して、完成後にセルフチェックする時間を確保しましょう。
裏を返せば、欠陥さえなければ合格です。美しさやスピードは関係ありません。ここでは欠陥判定基準を全項目整理し、特に注意すべきポイントを解説します。
なぜ2017年度に「欠陥」に統一されたのか?
以前は「重大欠陥1つで不合格」「軽欠陥3つで不合格」という基準でした。しかし、この基準では「軽欠陥なら2つまでOK」という甘い認識を生み、施工品質の低下が懸念されていました。実際の現場では「軽い」欠陥でも漏電や感電事故につながりかねません。「欠陥は欠陥。1つでもあれば不合格」というシンプルなルールにすることで、受験者の安全意識を高める狙いがあります。裏を返せば、欠陥さえなければ配線がきれいでなくても合格できるということです。
欠陥判定基準の全体像
欠陥は大きく分けて以下のカテゴリに分類されます。
欠陥項目の詳細
1. 未完成
制限時間(40分)内に作品が完成していない場合、問答無用で不合格です。
- 配線が1箇所でも接続されていない
- 器具が取り付けられていない
- 施工条件で求められた作業が完了していない
対策:時間配分が重要です。複線図に5分、作業に30分、確認に5分が目安。最後の5分でセルフチェックする余裕を持ちましょう。
2. 配線の誤り
複線図の間違いに起因する欠陥です。
| 欠陥内容 | 具体例 |
|---|---|
| 回路の誤接続 | スイッチ「イ」と照明「ロ」をつなげてしまった |
| 接地側・非接地側の逆 | ランプレセプタクルの受金ねじ部に黒線(非接地側)を接続した |
| 施工条件と不一致 | 「3芯ケーブルを使用」の指示に2芯ケーブルで配線した |
| 電線の色違い | 施工条件で色が指定されている場合に異なる色を使用 |
ランプレセプタクルの極性に注意!
ランプレセプタクルでは、受金ねじ部(外側の金属部分)に接地側(白線)を接続します。非接地側(黒線)を受金側に接続すると、電球交換時に感電する危険があるため欠陥になります。
3. 電線の損傷
| 欠陥内容 | 具体例 |
|---|---|
| 心線の傷 | ストリッパーで被覆を剥くときに心線(銅線)に深い傷をつけた |
| 絶縁被覆の損傷 | ケーブル外装を剥くときに内部の絶縁被覆を切ってしまった |
| 心線の折れ | 輪づくりなどで心線を何度も曲げ直して折れた |
対策:VVFストリッパーを正しく使い、刃の当て方を練習しておくこと。ケーブルの剥ぎ取り方法は「ケーブルの剥ぎ取り・輪づくりをマスター」で詳しく解説しています。
4. 圧着接続の欠陥
| 欠陥内容 | 詳細 |
|---|---|
| リングスリーブのサイズ違い | 「小」を使うべきところに「中」を使った(またはその逆) |
| 圧着マークの間違い | 「○」の刻印をすべきところに「小」の刻印をした |
| 圧着不足 | 電線を引っ張ると抜ける状態 |
| 絶縁被覆の噛み込み | 被覆がリングスリーブ内に入った状態で圧着した |
| 心線のはみ出し不足 | リングスリーブの下端から心線が見えない |
リングスリーブのサイズと刻印の選び方は「リングスリーブの圧着接続をマスター|サイズ・刻印の選び方」をご確認ください。
5. 差込形コネクタの欠陥
| 欠陥内容 | 詳細 |
|---|---|
| 差し込み不足 | 電線がコネクタの奥まで入っていない(横の窓から心線が見えない) |
| 絶縁被覆の剥ぎ過ぎ | コネクタから心線が露出している |
| 電線の本数違い | 接続すべき電線の本数が足りない or 多い |
差込形コネクタの正しい使い方は「差込形コネクタ・ランプレセプタクル・引掛シーリングの取り付け」で解説しています。
6. 器具への接続の欠陥
ランプレセプタクル
- 台座からケーブル外装が見えない:外装(灰色のシース)がランプレセプタクルの台座内まで入っていない
- 輪づくりの向き:ねじの締め付け方向(時計回り)と逆向きに輪を作ると、ねじを締めたときに輪が開いてしまう → 欠陥
- 心線の露出:絶縁被覆を剥きすぎて、ねじ端子の横から心線がはみ出している
引掛シーリング(角型・丸型)
- ケーブル外装が台座内に入っていない:絶縁被覆だけが見える状態は欠陥
- 差し込み不足:電線がしっかり奥まで差し込まれていない
露出形コンセント・スイッチ
- 輪づくりの不適切:ねじ端子への接続で輪の向きが逆、または輪が端子からはみ出している
- 極性の逆接続:コンセントの「W」と書かれた端子に白線(接地側)を接続しなかった
7. 寸法の欠陥
ケーブルの長さの許容範囲
施工条件で指定された寸法の50%以下になると欠陥です。例えば「200mm」と指定された箇所が100mm未満だと欠陥になります。
ただし、目安として指定寸法の±50%程度(半分〜1.5倍)に収めておけば問題ありません。
対策:ケーブルを切る前に、必ず施工条件の寸法を確認してからカットする。余裕を持って少し長めに切っておくのがコツです。
8. その他の欠陥
- ボックスコネクタのロックナット締め忘れ:アウトレットボックスにケーブルを通す際、コネクタの固定が不十分
- ゴムブッシングの未装着:アウトレットボックスの穴にゴムブッシングを付け忘れた
- 結線部分の絶縁テープ巻き忘れ:施工条件で指示がある場合
- 接地線の接続忘れ:施工条件で接地線を施設する指示がある場合
完成後のセルフチェックリスト
作品が完成したら、残り時間で以下の項目を順番にチェックしましょう。
□ 配線チェック
□ 複線図と実際の配線が一致しているか
□ 接地側(白)が正しく負荷に接続されているか
□ 非接地側(黒)がスイッチに接続されているか
□ ランプレセプタクルの極性は正しいか(受金ねじ部=白)
□ コンセントの極性は正しいか(W端子=白)
□ 接続チェック
□ リングスリーブのサイズ・刻印は正しいか
□ 差込形コネクタに心線がしっかり入っているか
□ すべての接続点で電線を軽く引っ張って抜けないか
□ 器具チェック
□ ランプレセプタクルの輪づくりの向き(時計回り)
□ 引掛シーリングにケーブル外装が入っているか
□ ねじの締め付けは十分か
□ 仕上げチェック
□ 心線の露出がないか
□ 電線に傷や折れがないか
□ ケーブルの長さが指定の50%以上あるか
□ ゴムブッシング・コネクタの取り付け忘れがないか
特に多い欠陥ワースト5
受験者が見落としがちな欠陥を、多い順にまとめました。
まとめ
- 欠陥1つで不合格。「重大」「軽」の区別はない(2017年度〜)
- 配線ミス、圧着の間違い、器具の取り付け不備が主な欠陥
- ランプレセプタクルの極性(受金=白)は最頻出の注意点
- リングスリーブの「○」と「小」の使い分けを確実に
- 完成後のセルフチェックで欠陥を発見・修正する時間を確保
- 合格のカギは「美しさ」ではなく「欠陥ゼロ」
具体的な作業方法は以下の記事で復習できます。
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確認問題
【問題1】技能試験において、欠陥が2個あった場合の判定結果はどれか。
(A)軽欠陥なので合格
(B)1つ目が重大でなければ合格
(C)不合格
(D)判定員の裁量による
【問題2】ランプレセプタクルに電線を接続する際、受金ねじ部(外側の金属部分)に接続すべき電線の色はどれか。
(A)黒(非接地側)
(B)白(接地側)
(C)赤
(D)どちらでもよい
【問題3】ケーブルの長さが施工条件で「250mm」と指定されている箇所で、欠陥となる長さの基準はどれか。
(A)200mm未満
(B)150mm未満
(C)125mm未満
(D)100mm未満
次のステップ
欠陥判定基準を頭に入れたら、実際に候補問題を練習しましょう。第二種電気工事士 学習ロードマップで技能試験の全体像を確認できます。
技能試験は実際に手を動かして練習するのが一番です。工具+練習キットで候補問題を繰り返しましょう。
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