この記事を読み終えると、候補問題No.2の配線図と施工条件から複線図を自分で描き、常時点灯のパイロットランプ・2灯の照明・コンセントの3系統を、Aの3か所とBの3か所へ割り当てられるようになります。
結論:常時点灯PLは電源のL―N間へ接続する
令和8年度上期の候補問題No.2では、パイロットランプ(PL)をスイッチの動作と切り離し、常時点灯させます。スイッチ「イ」は2個のランプレセプタクルを並列に操作し、2口・1口コンセントは常時給電です。Aはリングスリーブ、Bは差込形コネクタで接続します。
候補図だけでは、PLの点灯方式、器具の配置、色別、ジョイント方法までは確定しません。この記事では、2026年7月19日に実施された令和8年度上期No.2の公式問題・解答を基に、施工条件を複線図へ移す順序と完成後の確認点を整理します。
PLは「スイッチ内蔵」ではなく別器具
No.2で支給されるのは、片切スイッチとは別の埋込連用パイロットランプです。表示灯内蔵スイッチのH・Lとは結線が異なります。取付枠へ付けるのはPLと片切スイッチの2器具だけで、2口コンセントと1口コンセントはそれぞれ別の器具です。
まず全体図で、器具と接続点の位置をつかむ
この図は令和8年度上期・2026年7月19日のNo.2を対象にしています。
全体の位置関係をつかんだら、拡大図で線と番号を追い、接続点ごとの内訳と照合してください。
ページ内で線を拡大して読む / 図だけを開く
保存・印刷用PDF(A4・1枚)
A①〜③とB④〜⑥を確認し、常時点灯PLへ黒と白が届く道と、照明へ戻る線を分けて追います。
灰色は白の心線を見やすく描いたものです。赤は返り線を追うための表示です。返り線には、器具へ向かう黒の心線も含まれます。 黒丸がない交差は接続しません。
施工条件の解説と公式問題・解答で、使用する心線と器具を確認できます。
別年度・下期・別の施工条件にはそのまま適用しません。
令和8年度No.2の回路を3系統に分ける
| 系統 | 接続 | 動作 |
|---|---|---|
| 照明「イ」 | ランプレセプタクル2個を並列接続。右側1個は施工省略 | 1個の片切スイッチ「イ」で同時に点滅 |
| PL | 電源の非接地側Lと接地側Nの間 | スイッチの入切に関係なく常時点灯 |
| コンセント | 2口から1口へ送り配線。W側は白 | 常時給電 |
電源は青色外装のVVF 2.0-2Cです。A―B間とB―スイッチ・PL間はVVF 1.6-3C、それ以外の照明・コンセント枝はVVF 1.6-2Cを使います。A側のランプレセプタクルと、Bから右へ伸びる施工省略のランプレセプタクルは、どちらも同じ記号「イ」です。
配線の骨格
電源 → A(リングスリーブ) → B(差込形コネクタ)
A → ランプレセプタクル「イ」
B → 施工省略のランプレセプタクル「イ」/スイッチ+PL/2口コンセント → 1口コンセント
白・黒・返り線を3色で描き分けた複線図
図1は、令和8年度上期のNo.2を完成させたときの複線図です。公式の配線図と施工条件から、接続点に番号を振って描き直しました。①〜③がAの3か所、④〜⑥がBの3か所です。
図1 候補問題No.2の複線図(令和8年度上期の施工条件)
灰色=白の電線(接地側)、黒=黒の電線(非接地側)、赤=スイッチを通った返り線。線が交わっていても、黒丸の無い所はつながっていません。
赤は返り線を追うための表示です。返り線には、器具へ向かう黒の心線も含まれます。 線の交差は黒丸がある箇所だけ接続します。
スマートフォンでは図を横にスクロールできます。
図1の①は接地側で、電源の白、A側のランプレセプタクルの白、Bへ向かう白が集まります。図1の②は非接地側で、電源の黒をそのままBへ送ります。Aにはスイッチが無いので、黒はここで器具へつながりません。図1の③が返り線で、Bのスイッチを通って戻ってきた赤を、ランプレセプタクルの黒と結びます。
Bでは、図1の④に白が4本、⑤に黒が3本、⑥に返り線が3本集まります。取付枠の中では、⑤から上がった黒がスイッチの電源側へ入り、同じ端子から黒のわたり線でパイロットランプへ渡ります。スイッチの反対側から出た赤が、⑥へ下りる返り線です。心線の白・黒・赤は公式解答例の色で、器具の穴の位置と取付枠内の配置は、当日の施工条件と器具の表示を優先します。
図2 AとBの接続点6か所:集まる電線と接続材料
番号は図1と同じです。Aは太さと本数で刻印が決まり、Bは本数でコネクタが決まります。
A(リングスリーブ)3か所
①接地側
電源 白 2.0mmイ 白 1.6mmA―B間 白 1.6mm→ 刻印 小
②非接地側
電源 黒 2.0mmA―B間 黒 1.6mm→ 刻印 小
③イの返り
A―B間 赤 1.6mmイ 黒 1.6mm→ 刻印 ○
刻印は「小」が2か所、「○」が1か所。スリーブはどれも小です。
図2は、図1の黒丸6か所を「何が何本集まるか」で並べ直したものです。Aの3か所は、2.0mmの電源線が入る図2の①②が刻印「小」、1.6mmが2本の③が「○」です。Bの3か所は、4本・3本・3本がそのままコネクタの種類になります。
図3 3つの系統を、黒から白まで一周して確かめる
番号は図1の接続点です。スイッチを通るのは照明の系統だけです。
パイロットランプ(常時点灯)
電源 黒→A②→B⑤→わたり線→PL→B④→A①→電源 白
照明「イ」のA側
電源 黒→A②→B⑤→スイッチ イ→B⑥→A③→レセプタクル→A①→電源 白
照明「イ」の施工省略側
電源 黒→A②→B⑤→スイッチ イ→B⑥→イ(施工省略)へ→B④→A①→電源 白
コンセント(常時給電)
電源 黒→A②→B⑤→2口→1口→B④→A①→電源 白
結線が終わったら、図3の順に指でたどります。パイロットランプとコンセントは、スイッチを通らずに黒から白へ戻ります。照明の2灯だけが、スイッチのあとで図1の⑥を通ります。
図の線をそのままケーブル本数へ置き換えず、各心線の役割を先に数えます。材料の拾い方は配線図から材料を拾い出す6ステップも参照してください。
施工条件を複線図へ移す
1.PLは常時点灯
常時点灯とは、回路へ電源が供給されている間はPLが点灯し、スイッチ「イ」を切っても消えない結線です。したがってPLの一端を非接地側L、もう一端を接地側Nへ接続します。PLをスイッチの返り線側へ入れると、指定された動作になりません。
取付枠へ付けるのはPLと片切スイッチの2器具だけです。公式解答例はPLが上、スイッチ「イ」が下ですが、試験では当日の配置指定を優先します。B―取付枠の3心は、白をPLの接地側、黒を非接地側の給電、赤をスイッチの返り線として使う例が示されています。
2.スイッチ「イ」は2灯を並列操作
2個のランプレセプタクルは同じ「イ」なので、接地側Nは両方へ直接送り、非接地側はスイッチを通った返り線を両方へ分岐します。A側の器具は実際に結線し、B右側は器具施工省略のため、指定長さのケーブル端を処理して残します。
3.コンセントは2口から1口へ送る
Bから2口コンセントへLとNを送り、2口コンセントから1口コンセントへ渡します。両方ともW側端子に白、反対側へ黒を結線します。コンセントはPL・スイッチの取付枠とは別で、2口コンセントと1口コンセントも別々の器具です。
器具の極性や心線の挿入状態は差込形コネクタ・器具の結線と欠陥対策で確認できます。
Aのリングスリーブは3接続
Aを通る全ての電線はAで接続箇所を設けます。令和8年度上期の公式解答例は、次の3組です。
| Aの接続点 | 接続する導体 | 刻印 |
|---|---|---|
| 接地側N | 電源2.0白+A側器具1.6白+A―Bの1.6白 | 小 |
| 非接地側L | 電源2.0黒+A―Bの1.6黒 | 小 |
| イの返り | A―Bの1.6赤+A側器具の1.6黒 | ○ |
3組とも小スリーブを使いますが、圧着マークは小・小・○です。「2.0mmが入るから○」のように見た目で決めず、太さと本数の組合せで判定します。圧着前にリングスリーブの組合せ表へ戻って照合してください。
Bの差込形コネクタは3接続
Bも通過する全ての電線をBで接続します。ジョイントは次の3組だけです。
- 接地側N:A―B白+PL側白+施工省略ランプ白+コンセント白 → 4本用
- 非接地側L:A―B黒+スイッチ・PL側黒+コンセント黒 → 3本用
- イの返り:A―B赤+スイッチ側赤+施工省略ランプ黒 → 3本用
取付枠内では、Bから来た黒をスイッチの電源側へ入れ、同じ電位を黒のわたり線でPLへ送る結線例が示されています。PLのもう一端は白、スイッチの出力は赤です。公式解答はスイッチとPLの結線方法について、図以外にも正解となる方法があると注記しています。穴位置を暗記するのではなく、L・N・返り線の接続関係を確認します。
N・L・返り線の順に描いてA・Bへ割り当てる
まず公式No.2の問題用紙の配線図と施工条件だけを見て、紙に複線図を描いてみます。
下の手順で描いたら、全体図 → Aの接続 / Bの接続 → 回路の検算の順に照合してください。
自己チェックでは先に考えてから解答を開き、復習リンクで該当箇所へ戻れます。
自動採点はありません。実物での練習も電源へは接続しないでください。
- 3系統に分ける:2灯のイ、常時点灯PL、常時給電コンセントを混ぜずに整理する。
- 接地側Nを描く:電源白から2灯、PL、2口・1口コンセントへつなぐ。
- 非接地側Lを描く:電源黒からスイッチ電源側、PL、コンセントへ分岐する。
- 返り線を描く:スイッチ出力から2個の「イ」へ並列に戻す。
- ケーブルへ割り当てる:A―BとB―取付枠は3C、その他の枝は2Cへ収める。
- A/Bへ分割する:Aの3組はリングスリーブ、Bの3組は差込形コネクタへ割り当てる。
- 器具と全体を検算する:PLの常時点灯、W側白、受金ねじ部の白、施工省略、刻印と挿入を確認する。
複線図の共通手順は施工条件から接続点を決める7ステップ、本番40分の配分は技能試験の時間配分|40分で欠陥を減らすで練習記録に合わせて調整できます。
常時点灯と送り配線を完成後に見る
回路・器具
□ PLはL―Nへ常時接続
□ 1スイッチでイ2灯を操作
□ 取付枠はPL+スイッチ
□ 2口から1口へ送り配線
A・B接続
□ Aは小・小・○
□ Bは4本用1・3本用2
□ コネクタの先端・下端を目視
□ 1本ずつ引いて抜けない
極性・仕上げ
□ レセプタクル受金側に白
□ コンセントW側に白
□ 施工省略端を条件どおり処理
□ 外装・被覆・心線に傷なし
作品全体へ公式の欠陥基準を当てるときは第二種技能試験の欠陥判断基準|完成後5分の点検順を使い、毎回同じ順で点検します。
自己チェック|常時点灯・接続材料・返り線を図1で点検する
問1:常時点灯PL
スイッチの入切に関係なくPLを点灯させる接続はどれですか。
ア.スイッチの両端 イ.返り線と接地側N
ウ.非接地側Lと接地側N エ.返り線だけ
問2:Aの圧着
Aの「イの返り」で、1.6mmを2本圧着します。公式解答例の刻印はどれですか。
ア.○ イ.小 ウ.中 エ.差込形コネクタ
問3:Bの接地側
Bで、A―B、PL、施工省略ランプ、コンセントの白4本を接続する材料はどれですか。
ア.2本用コネクタ2個 イ.3本用コネクタ
ウ.4本用コネクタ エ.リングスリーブ○
問4:取付枠へ付ける器具
令和8年度上期No.2で、埋込連用取付枠へ取り付ける器具の組合せはどれですか。
ア.パイロットランプと片切スイッチの2器具
イ.片切スイッチと2口コンセントの2器具
ウ.パイロットランプ・片切スイッチ・1口コンセントの3器具
エ.パイロットランプ・片切スイッチ・2口コンセント・1口コンセントの4器具
解答と理由を確認する
正解:ア
取付枠に付けるのはパイロットランプと片切スイッチだけです。2口コンセントと1口コンセントはそれぞれ別の器具で、スイッチを通らない常時給電の回路につながります。公式解答例はパイロットランプが上、スイッチが下ですが、試験では当日の配置の指定に従います。
問5:A―B間の赤
A―B間のVVF 1.6-3Cの心線は、公式解答例では白・黒・赤です。赤が受け持つのはどれですか。図1で確かめてください。
ア.接地側
イ.電源からBへ送る非接地側
ウ.スイッチ「イ」を通った返り線
エ.パイロットランプへ行く専用の線
解答と理由を確認する
正解:ウ
スイッチはBの先の取付枠にあります。A側のランプレセプタクルを点滅させるには、スイッチを通った線をAまで戻す必要があり、それが図1の⑥から③へ戻る赤です。白は接地側、黒は電源からBへ送る非接地側です。パイロットランプへ行くのは黒と白で、赤は通りません。
問6:コンセントの送り
2口コンセントから1口コンセントへ渡す2本について、施工条件に合うものはどれですか。
ア.スイッチの返り線と白を渡す
イ.黒と白を渡し、どちらのコンセントもW側の端子に白を結ぶ
ウ.白だけを渡し、黒はBからもう1本引く
エ.黒と白を渡し、1口コンセントはW側の端子に黒を結ぶ
解答と理由を確認する
正解:イ
コンセントはスイッチを通らない常時給電です。施工条件は、コンセントの接地側極端子(Wと表示)に白を結び、電源からコンセントまでの非接地側には黒を使うよう指定しています。送りの先の1口コンセントでも同じで、W側が白、反対側が黒です。
常時点灯の結線が分かる公式の問題と解答
図と施工条件の再照合:2026年10月20日。その他の資料確認日:2026年10月6日(令和8年度の候補問題、上期No.2の問題と解答、欠陥の判断基準)
- 電気技術者試験センター:第二種技能試験の候補問題
- 電気技術者試験センター:令和8年度第二種技能候補問題
- 電気技術者試験センター:令和8年度上期技能試験の問題と解答
- 令和8年度上期・候補No.2:試験問題
- 令和8年度上期・候補No.2:公式解答
- 電気技術者試験センター:技能試験の欠陥判断基準等
- 電気技術者試験センター:技能試験の概要と注意点(2026年3月更新)
更新履歴:2026年10月20日 全体図・拡大・接続点へのリンクと保存用PDF、自己チェックからの復習導線を追加。図の色分けと被覆色の指定を区別/2026年7月29日 令和8年度上期の実問題に合わせて、器具の構成(スイッチ1個・取付枠はPLとスイッチ)とA・Bの接続を改訂/2026年10月6日 複線図・接続点の束・回路の検算を自作の図3枚へ差し替え、自己チェックを6問へ
次に読む記事
次は候補問題No.3へ進んでください。端子台で代用するタイムスイッチが照明を操作し、端子S1・S2・L1の役割を内部結線図から読む練習になります。
常時点灯・同時点滅・異時点滅を並べて比べたいときはパイロットランプの複線図を開きます。
3個のスイッチで3負荷を操作する前の課題は候補問題No.1です。
※当サイトの図は学習用に自作した模式図で、実際の機器・器具とは外観や寸法が異なる場合があります。問題・解答の内容には細心の注意を払っておりますが、誤りが含まれる可能性があります。学習の参考としてご活用いただき、最終的な確認は公式テキスト・法令等で行ってください。当サイトの情報に基づく判断によって生じた損害について、一切の責任を負いかねます。
内容の誤りやお気づきの点がございましたら、お問い合わせフォームよりご連絡いただけますと幸いです。正確な情報をお届けできるよう、随時修正してまいります。
