2種 施工方法

金属管・PF管・CD管工事|支持1.5m・接続・接地の判断

この記事を読むと、こうなります

管工事の問題文を読んだときに、
電線・管種・場所・接続・金属部の5点を順にたどって、適否を自分で判定できるようになります。

管工事は5つの確認点を順に見れば決まる

金属管、PF管、CD管は、どれも電線を管へ収める工事です。ですが同じ場所・同じ部品で使えるわけではありません。
試験で問われるのは名称の暗記ではなく、何を入れ、どこへ施設し、どう接続・保護するか
条件から判定できるかどうかです。

そこで判断軸を5つに固定します。①管内電線、②管種、③場所、④接続と支持、⑤金属部の接地です。
結論としては、①は3つの管種で共通、②以降が管種ごとに分岐します
共通部分を先に片付けてから分岐に入ると、条文の条件を取り違えにくくなります。

施工は資格者が現場条件と製品仕様を確認して行います。
既設回路の配管・入線・接続は停電、検電、回路識別を伴うため、
実設備では必要な資格を持つ人が、設計図書、現行法令、メーカーの施工要領に従ってください。

第158条と第159条で共通するのは管内電線の3条件

「電気設備の技術基準の解釈」第158条が合成樹脂管工事、第159条が金属管工事を定めています。
条文の書き出しはほぼ同じ文言で、管内電線の条件は次の3点です。

確認項目 条文の条件 間違いやすい判断
種類 絶縁電線。ただし屋外用ビニル絶縁電線(OW)を除く 「絶縁電線ならOWも可」としない
太さ・構成 より線、又は直径3.2mm(アルミ線は4mm)以下の単線。短小な管に収めるものは除く 断面積mm2と直径mmを混同しない
接続点 管内では電線に接続点を設けない 絶縁テープを巻けば管内で接続できる、とはしない

IVは代表例ですが、「管工事の電線は必ずIVだけ」ではありません。
電線の種類と太さの見分けは電線・ケーブルの種類と用途|IV・VVF・CVTの見分け方
管や附属品の外観は第二種電気工事士の鑑別問題対策|工具・材料・計器の見分け方が担当します。

合成樹脂管の支持点は、間隔と位置の両方が問われる

第158条は支持点間の距離を1.5m以下とし、さらに管端、管とボックスとの接続点、管相互の接続点の
それぞれの近く
にも支持点を設けるよう求めています。数字だけを覚えると、後半の条件が抜けます。

図1 支持点は4か所すべてを満たす

茶色のU字がサドル(支持点)、灰色の帯が管です。1.5mという数字は箇所1の間隔の上限で、それだけ守れば足りるわけではありません。

箇所1 支持点どうしの間隔
1.5m以下

間隔は1.5m以下。上限であって推奨値ではありません。
箇所2 管端の近く

管が終わるところのそばにも支持点を置きます。
箇所3 ボックスとの接続点の近く

ボックスに刺さっているから支えられている、とはしません。
箇所4 管相互の接続点の近く

カップリングのそばにも支持点が要ります。

ケーブル工事の2m・6mとは別の数字です。管とケーブルで基準が違う点に注意してください。

図1の箇所1が「1.5m以下」という間隔の条件で、図1の箇所2と箇所3、図1の箇所4が位置の条件です。
とくに図1の箇所4は見落としやすく、カップリングでつないだ直後にも支持点が要ります。
接続部は管が動きやすく、支えがないと自重で下がるからです。
支持点間1.0mで施工した例は、箇所1の上限の内側なので問題ありません。
公共建築工事標準仕様書やメーカー仕様では、露出・コンクリート埋込みなどの施工条件に応じて、
さらに短い取付間隔が示される場合があります。

差込み深さは外径の1.2倍、接着剤を使うと0.8倍

同じ第158条に、見落とされやすい数値がもう1つあります。管相互および管とボックスの接続は、
管の差込み深さを管の外径の1.2倍(接着剤を使用する場合は0.8倍)以上とし、
差込み接続により堅ろうに接続することとされています。

例題1|外径26mmの管を接続する

接着剤を使わない場合:26〔mm〕×1.2=31.2〔mm〕以上

接着剤を使う場合:26〔mm〕×0.8=20.8〔mm〕以上

検算:31.2〔mm〕>20.8〔mm〕で、接着剤を使うほうが浅くて済みます。
接着剤が保持力を補うぶん、必要な差込み深さが下がるという向きで合っています。
逆になったら倍率を取り違えています。

CD管の施設方法は2通り、直接つなげない組合せが3つ

PF管とCD管はどちらも合成樹脂製可とう電線管ですが、PF管には自己消火性があり、CD管にはありません
この差が、そのまま施設方法の差になります。

図2 CD管の施設は2通り、直接つなげない組合せは3つ

管は色ではなく記号で描いています。実物でも色は手がかりにすぎず、最終判断は表示・型番・規格で行います。

方法1 直接コンクリートに埋め込む
OKCD

灰色がコンクリートです。埋め込んでしまえば、燃え広がる経路になりません。
方法2 専用の管・ダクトに収める
OKCD

緑の枠が不燃性又は自消性のある難燃性の管・ダクトです。CD管はその中を通します。
禁止 この3組は直接接続しない
×可とう直接可とう
×CD直接CD
×可とう直接CD

管種・呼び・場所に適合するカップリングやコネクタを介します。

図2の方法1と方法2が、条文に書かれたCD管の施設方法です。
木造の壁内や天井裏へ裸のまま通す施工は、このどちらにも当たりません。
一方で「CD管はコンクリート以外に一切使えない」という言い方も広すぎます。
方法2があるほか、ケーブルの防護管として使う場合は適用条文と製品の使用範囲が変わります。
この記事は低圧屋内配線の絶縁電線を収める管工事を対象にしています。

図2の禁止の3組は条文の「合成樹脂製可とう管相互、CD管相互及び合成樹脂製可とう管とCD管とは、
直接接続しないこと」に対応します。管どうしの形が合っても、直接差し込んではいけません。

PF管とCD管を比べる

比べる点 PF管 CD管
自己消火性 ある ない
施設方法 場所・外力・耐候性・防湿に適合させて施設 直接コンクリート埋込み、又は専用の不燃性・自消性難燃の管・ダクトに収める
つまずきやすい点 屋外・水気・衝撃を無条件に許容すると考える 埋込みだけと覚え、専用管・ダクトの方法を落とす

金属管はE・C・Gの3種類。附属品は接続先で覚える

呼び方 接続で見るところ
E管 ねじなし電線管。E19、E25など ねじなしカップリング・コネクタの止めねじと電気的連続性
C管 薄鋼電線管。C19、C25など ねじ接続など、管と附属品の規格の適合
G管 厚鋼電線管。G16、G22など ねじ接続など、腐食・水気・外力を含む施設条件

附属品は接続先で並べ替えると混ざりません。カップリングは管相互、コンビネーションカップリングは
種類の違う管どうし、コネクタは管とボックス、ロックナットはボックスへの固定、
ブッシングは管端で電線被覆を保護、サドルは支持、ノーマルベンドは方向変更に使います。

金属管の接続は「堅ろう」と「電気的に完全」を同時に満たす

第159条は、管相互および管とボックスその他の附属品を、ねじ接続その他これと同等以上の効力のある方法により、
堅ろうに、かつ電気的に完全に接続するよう求めています。目的が2つ重なっている点が要点です。

  • 機械的な接続:抜け、緩み、管路のずれを防ぐ
  • 電気的な接続:管路の接地の連続性を確保する

ボンド線は電気的連続性を補う手段の1つですが、すべてのねじなし電線管に同じボンド線が付く、と部品名だけで
決めることはできません。使用する管・附属品の仕様と施工要領に従い、完成した管路が条文の条件を満たすかで見ます。
切断後はリーマなどで内面のばりを除き、端口には電線の被覆を損傷しない構造のブッシングを取り付けます。

管の厚さは施設方法で決まる

管の種類 施設のしかた 厚さ
金属管 コンクリートに埋め込む 1.2mm以上
金属管 継手のない長さ4m以下を、乾燥した展開した場所に施設 0.5mm以上
金属管 上記以外 1mm以上
合成樹脂管 可とう管とCD管を除く。条文の3条件を満たす場合は例外あり 2mm以上

金属管の0.5mmだけ「継手がない」「4m以下」「乾燥した展開した場所」という3条件が付きます。
数字だけを覚えず、条件とひと組にしてください。

金属管の接地は3つの分かれ道で決まる

接地は管工事でいちばん条件が多いところです。電圧、長さ、場所、防護措置の4つが同時にかかります。

図3 金属管の接地は3つの分かれ道で決まる

黄色が問い、緑が「省略できる」、青が「施す」です。上から順に答えてください。

分岐1 使用電圧は300Vを超えるか。
超える → C種接地工事(ここで確定)
接触防護措置を施す場合は、D種接地工事によることができます。分岐2へは進みません。
300V以下 → 原則はD種接地工事(分岐2へ進む)
ここから省略できる条件を2つ確かめます。

分岐2 管の全長が4m以下で、乾燥した場所に施設するか。(2本以上を接続したときは全長で見ます)

満たす → 省略できる
D種接地工事を施さなくてよい条件です。
満たさない → 分岐3へ
電圧がもっと低い場合の条件が別にあります。

分岐3 直流300V又は交流対地電圧150V以下で、管の全長が8m以下、かつ簡易接触防護措置を施すか乾燥した場所か。
満たす → 省略できる
4mではなく8mまで伸びるのは、この電圧条件が付くときだけです。
満たさない → D種接地工事を施す
省略の条件に当たらなければ、原則どおり施します。

合成樹脂管でも、接続した金属製ボックスには同じ考え方の接地条件がかかります。管が樹脂だから金属部も不要、とはしません。

例題2|使用電圧200V、乾燥した場所、金属管2本を接続して全長3.5m

図3の分岐1:200〔V〕≦300〔V〕なので、原則はD種接地工事です。

図3の分岐2:全長3.5〔m〕≦4〔m〕、かつ乾燥した場所。条件を満たすので省略できます

検算:2本を2m+2.5mに変えると全長4.5〔m〕で4〔m〕を超え、省略できなくなります。
長さの判定は必ず接続後の全長で行う、という向きで合っています。

例題3|単相100V回路、乾燥した場所、金属管の全長7m

図3の分岐1:100〔V〕≦300〔V〕なので、原則はD種接地工事です。

図3の分岐2:全長7〔m〕>4〔m〕なので、この条件は使えません。

図3の分岐3:交流対地電圧100〔V〕≦150〔V〕、全長7〔m〕≦8〔m〕、乾燥した場所。
3つとも満たすので省略できます

検算:同じ7mでも使用電圧200V(対地電圧200V)なら、
150〔V〕を超えるので分岐3に入れず、4m条件だけになって省略できません。
8mまで伸びるのは電圧が低いときだけ、という向きで合っています。

接地の種別と抵抗値は接地工事(アース)とは?A・B・C・D種の違い【第二種】
法令の読み方は電気工事士法と関連法令をわかりやすく解説|資格範囲・技術基準・PSE・工事業登録で確認できます。

2026年度上期の学科試験で問われた管工事

2026年5月24日実施の第二種上期学科試験を、公表されている問題と解答で確かめました。
管工事に関係する設問は3つあり、いずれもこの記事の判断軸で解けます。

  • 木造住宅の屋内配線で不適切な工事方法:CD管を木造の床下・壁内・天井裏へ配管した選択肢が不適切でした。
    同じ設問の中で、PF管に通線して支持点間1.0mで固定した施工は適切とされています(図1の箇所1の上限内)
  • 金属管工事の施工方法で不適切なもの:同じ太さの薄鋼電線管相互の接続に
    コンビネーションカップリングを使った選択肢が不適切でした。異種管をつなぐ部材だからです
  • TSカップリングの使用目的:硬質ポリ塩化ビニル電線管相互を接続する、が正答でした

管工事の設問は毎年この形で、条文の条件をそのまま当てはめれば答えが出ます。
条件判定の練習は【10問】金属管・PF管・CD管ミニテスト|第二種で続けられます。

自己チェック|条文の条件で判定する

解説は最初から表示しています。まず自分で判定してから、
誤りの選択肢がどの条件を落としているかまで確かめてください。

問1:合成樹脂管工事・金属管工事のどちらでも、管に収めてよい電線はどれですか。

  1. 屋外用ビニル絶縁電線(OW)
  2. 600Vビニル絶縁電線(IV)
  3. 裸の軟銅線
  4. 直径4mmの銅の単線

解答:2(600Vビニル絶縁電線)
条文は「絶縁電線(屋外用ビニル絶縁電線を除く。)」と書いています。1は絶縁電線ですが名指しで除かれ、3は絶縁電線ではありません。4は単線の上限が直径3.2mm(アルミ線は4mm)なので、銅の4mmは外れます。

問2:合成樹脂管の支持点について、条文に合う説明はどれですか。

  1. 支持点間が1.5m以下なら、接続点の近くには支持点が要らない
  2. 支持点間は1.5m以下で、管端・ボックス接続点・管相互接続点それぞれの近くにも支持点を設ける
  3. 支持点間は2m以下で、接続点の近くにも支持点を設ける
  4. 支持点間は1.0m以下と決められている

解答:2
図1の箇所1が間隔の上限1.5m、箇所2から箇所4がそれぞれの接続点近くの支持です。4の1.0mは上限の内側の施工例にすぎず、条文の値ではありません。3の2mはケーブル工事の数字と混ざっています。

問3:低圧屋内配線の絶縁電線を収めるCD管の施設方法として、条文に適合し得るものはどれですか。

  1. 木造の天井裏へ裸のまま固定する
  2. 直接コンクリートに埋め込む
  3. 屋外へ露出させ、無防護で固定する
  4. 合成樹脂製可とう管へ直接差し込んでつなぐ

解答:2(直接コンクリートに埋め込む)
図2の方法1です。もう1つの方法2は、専用の不燃性又は自消性のある難燃性の管・ダクトに収めることです。1と3はどちらの方法にも当たりません。4は図2の禁止の3組に入っています。

問4:硬質ポリ塩化ビニル電線管(VE)相互を接続するために使う部材はどれですか。

  1. TSカップリング
  2. ボックスコネクタ
  3. ブッシング
  4. コンビネーションカップリング

解答:1(TSカップリング)
2は管とボックス、3は管端で被覆を保護する部材です。4のコンビネーションカップリングは種類の違う管どうしをつなぐためのもので、同じ種類の管相互には使いません。2026年度上期の学科試験でもこの2点が別々に問われています。

問5:外径26mmの硬質ポリ塩化ビニル電線管を、接着剤を使って接続します。差込み深さの最小値はどれですか。

  1. 約13mm
  2. 約20.8mm
  3. 約31.2mm
  4. 差込み深さの規定はない

解答:2(約20.8mm)
接着剤を使う場合は外径の0.8倍以上なので、26〔mm〕×0.8=20.8〔mm〕です。接着剤を使わない場合は1.2倍以上で、26〔mm〕×1.2=31.2〔mm〕になります。

問6:使用電圧200V、乾燥した場所に施設する金属管があります。2本を接続して全長4.5mになりました。管の接地はどうなりますか。

  1. 全長4m以下の条件に当たるので省略できる
  2. 全長が4mを超えるので、D種接地工事を施す
  3. C種接地工事を施す
  4. 合成樹脂管ではないので接地は不要

解答:2(D種接地工事を施す)
図3の分岐2は「2本以上を接続した場合はその全長」で見ます。4.5mは4mを超えるので使えません。使用電圧200Vは対地電圧も200Vで150Vを超えるため、分岐3の8m条件にも当たりません。

問7:金属管相互の接続について、条文が求めているのはどれですか。

  1. 堅ろうに接続すればよい
  2. 電気的に完全に接続すればよい
  3. 堅ろうに、かつ電気的に完全に接続する
  4. ボンド線を必ず併用する

解答:3(堅ろうに、かつ電気的に完全に接続する)
抜けや緩みを防ぐ機械的な目的と、管路の接地の連続性を保つ電気的な目的の両方が同時にかかります。4のボンド線は電気的連続性を補う手段の一つで、部品名として必ず出てくるわけではありません。

読んだ条文と資料の一覧

本文の条文の条件と数値は、経済産業省が公開する「電気設備の技術基準の解釈」の現行版
(第158条・第159条)を直接読んで照合しました。試験の出題は電気技術者試験センターの公表資料で確認しています。
確認日は2026年9月9日です。年度で変わる試験日程や出題構成はここには書いていません。
図1〜図3と自己チェック7問は当サイトで作成したもので、試験問題の文面は転載していません。

次に読む記事

次は【10問】金属管・PF管・CD管ミニテスト|第二種で、図3の分岐を問題文へ当てながら通してください。条件のどれを落としやすいかが分かります。

同じ「支持」でも数字が変わるのがケーブル工事です。ケーブル工事の施工方法|支持間隔2m・6m・1mと防護・接地と読み比べると、1.5mとの違いが定着します。

管を実際に加工する場面は候補問題No.11の複線図|E19ねじなし電線管の施工候補問題No.12の複線図|PF16管とA・B接続で、部品名と作業が結び付きます。

広告・編集方針

この記事内に通信講座、参考書、管・附属品のアフィリエイトリンクは掲載していません。2026年9月9日に、電気設備の技術基準の解釈 第158条・第159条の現行条文と、2026年度上期の公式試験資料、管の業界団体・メーカー資料を照合し、管内電線、支持、差込み深さ、CD管の施設方法、管の厚さ、接地の条件を再確認しました。図1〜図3と自己チェック7問は当サイトのオリジナルです。

資格太郎

この記事を書いた人:資格太郎電気工事士の独学合格を目指して学習中。公式問題と現行の電技解釈を照合し、管工事を条件から判定できるよう整理しています。運営者情報を詳しく見る

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