2種 施工方法

金属線ぴ・金属ダクト・バスダクト工事|20%・50%と支持3m

3工法は「中身」と「幅」で分ける

  1. 金属線ぴ:絶縁電線を収める、幅5cm以下の線ぴ
  2. 金属ダクト:絶縁電線をまとめて収める、幅5cm超の堅ろうなダクト
  3. バスダクト:絶縁された導体をダクトと一体化した製品

金属線ぴ、金属ダクト、バスダクトは、見た目が金属製の長い箱でも、同じ工事ではありません。第二種電気工事士では、幅5cmの境界、何を収めるか、施設場所、接続点、収容率、支持、接地を工法ごとに分けて判断します。

最初に数値を押さえます。金属ダクトの通常収容率は20%以下、電光サイン装置・出退表示灯・制御回路等の配線だけを収める特例は50%以下です。また、金属ダクト内の接続点は自由ではなく、電線を分岐し、接続点を容易に点検できる場合だけが例外です。

製品選定と施工は資格者が行う

ダクトの切断・支持、電線の入線・接続、プラグインユニットの着脱は、停電、検電、回路識別、重量物の支持、短絡防止を伴います。実設備では必要な資格を持つ人が、設計図書、現行法令、適用する仕様書、製品の定格・施工要領に従ってください。

比較表|金属線ぴ・金属ダクト・バスダクト

工法 中身・寸法 主要な条文値
金属線ぴ 絶縁電線。線ぴは幅5cm以下 1種4cm未満、2種4cm以上5cm以下。内線規程では絶縁電線10本以下、2種は断面積20%以下も確認
金属ダクト 絶縁電線。幅5cm超、鉄板厚1.2mm以上又は同等以上の強さ 通常20%以下、対象配線だけなら50%以下。支持3m、条件付き垂直6m
バスダクト 導体・絶縁支持物・外箱を一体化したJIS C 8364適合品 支持3m、立入制限場所の垂直6m。300V境界で接地を分ける

この表の20%は、絶縁被覆を含む電線断面積の合計を、線ぴ又はダクトの内断面積と比べる値です。ケーブルを保護目的で線ぴ等へ収める場合は、見た目が線ぴでもケーブル工事の規定を確認します。電線とケーブルの区別は電線・ケーブルの種類と用途で復習できます。

金属線ぴ|1種・2種と分岐接続の条件

金属線ぴ工事は、現行の電技解釈第161条と、施設場所を定める第156条を組み合わせて読みます。使用電圧300V以下で、展開した場所又は点検できる隠ぺい場所のうち、乾燥した場所へ施設するのが基本です。湿気の多い場所や、点検できない隠ぺい場所へ名称だけで選びません。

区分 幅 使い分けで見る点
1種金属製線ぴ 4cm未満 メタルモール等。適合する本体・附属品・収容本数を確認
2種金属製線ぴ 4cm以上5cm以下 レースウェイ等。分岐接続の例外は2種だけ

線ぴ内の電線は、OW線を除く絶縁電線です。接続点は原則として設けません。ただし、次の条件をすべて満たすときは例外です。

  • 電線を分岐する場合である
  • 電気用品安全法の適用を受ける2種金属製線ぴを使う
  • 接続点を容易に点検できる
  • 接地省略規定にかかわらず、線ぴへD種接地工事を施す
  • 電線を外部へ引き出す貫通部で被覆を損傷させない

したがって、1種線ぴ内の直線接続、2種線ぴでも点検できない接続、分岐を伴わない中継接続を、同じ例外で認めることはできません。

金属線ぴの接地|4mと8mの例外

線ぴ相互、線ぴとボックスその他の附属品は、堅ろうに、かつ電気的に完全に接続します。線ぴにはD種接地工事が原則ですが、次の省略条件があります。

  • 線ぴの全長が4m以下の場合
  • 直流300V又は交流対地電圧150V以下で、全長が8m以下、かつ所定の簡易接触防護措置を施すか乾燥した場所へ施設する場合

ただし、先ほどの2種線ぴ内で分岐接続する例外ではD種接地を省略しません。条文の「ただし書」を別の例外へ横流ししないことが大切です。接地抵抗値は接地工事(アース)とは?A・B・C・D種の違いで確認してください。

支持点間1.5m以下は、内線規程や公共工事仕様で用いられる標準です。第161条そのものの数値と混同せず、現場では適用する仕様書と製品施工要領を確認します。

金属ダクト|20%と50%、接続点、支持3m

金属ダクト工事の中心は第162条です。電線はOW線を除く絶縁電線で、収容率は次のように分かれます。

収める配線 上限 判定
一般の絶縁電線 20%以下 被覆を含む断面積の総和で計算
電光サイン装置、出退表示灯、制御回路等の配線だけ 50%以下 対象外の電力配線を一緒に収めて特例を使わない

「制御回路の電線は細いから発熱が小さい」といった推測で50%の特例を広げず、条文に列挙された配線だけかを確認します。

ダクト内の接続点は原則禁止ですが、電線を分岐する場合で、接続点を容易に点検できるときに限って設けられます。ふたを開けられるだけで、すべての直線接続が自由になるわけではありません。

施工では、ダクト相互を堅ろうかつ電気的に完全に接続し、ふたを容易に外れないようにし、終端部を閉そくします。内部へじんあいが入りにくく、水がたまる低い部分を設けないことも確認します。

支持と接地

金属ダクトの支持点間は通常3m以下です。取扱者以外が出入りできないよう措置した場所で垂直に取り付ける場合だけ6m以下にできます。「垂直ならどこでも6m」ではありません。

使用電圧300V以下はD種接地、300V超はC種接地が原則です。300V超でも所定の接触防護措置を施す場合はD種にできます。施設場所は展開又は点検できる隠ぺいの乾燥した場所で判断し、湿気の多い場所へ金属ダクトを選びません。

バスダクト|導体入り一体品を接続して送電する

バスダクトは、金属ダクトへ現場で多数のIV線を入れる工事ではありません。JIS C 8364に適合する製品の内部へ、銅・アルミニウム等の導体と絶縁支持物を組み込んだ配線設備です。フィーダ形、プラグイン形等は、分岐の有無や取り出し方法が異なります。トロリーバスダクトは低圧接触電線の別条件があるため、通常のバスダクトと同じ表へ混ぜません。

第163条の要点は次のとおりです。

  • ダクト相互と電線相互を堅ろうかつ電気的に完全に接続する
  • 支持点間は3m以下。立入制限場所の垂直取付けだけ6m以下
  • 換気型を除き、終端部を閉そくし、じんあいを侵入しにくくする
  • 湿気・水気のある場所では屋外用を用い、内部へ水が浸入・滞留しないようにする
  • 300V以下はD種、300V超はC種。所定の接触防護措置でD種にできる

幹線の電流・遮断器・電線選定とは計算の役割が異なります。幹線設計は電線の許容電流と幹線設計で分けて学んでください。

フロアダクト・セルラダクト・ライティングダクトは別条文

フロアダクトは「OAフロアの下の配線」と混同されやすいですが、同じものではありません。フロアダクトは床面に埋め込む配線路、セルラダクトは建築構造のセルを利用する配線路、ライティングダクトは照明器具等を接続できる接触導体を持つ配線路です。これらは第165条の特殊な低圧屋内配線工事として、構造・接続・接地条件がそれぞれ異なります。

この記事では、幅と中身を混同しやすい第161〜163条の3工法に範囲を絞ります。特殊ダクトを「すべて32%」「すべてD種」と一括暗記しないでください。

判断手順|問題文から7つ拾う

  1. 中身:絶縁電線か、一体化したバス導体か
  2. 幅:4cm未満、4〜5cm、5cm超のどれか
  3. 場所:展開・隠ぺい、点検性、乾燥、湿気・水気、立入制限
  4. 収容:通常20%か、対象配線だけの50%特例か
  5. 接続:分岐か、容易に点検できるか
  6. 支持:通常3mか、条件付き垂直6mか
  7. 接地:300V境界、防護、線ぴの4m・8m条件

この7項目は、次の自己チェックで確かめられます。写真鑑別は工具・材料・器具の見分け方、前の施工法は金属管・PF管・CD管工事で復習できます。

自己チェック|幅・収容率・接地を条文で確かめる

すべて当サイトで作成したオリジナル問題です。解説は最初から表示しています。答えを見る前に、判断手順の7項目のどれを使う問題かを決めてください。

問1:金属ダクトに、一般の電力配線と制御回路を一緒に収めます。電線の被覆を含む断面積の総和の上限はどれですか。

  1. 20%
  2. 32%
  3. 50%
  4. 80%

解答:1(20%)
50%特例は、電光サイン装置・出退表示灯・制御回路等の配線だけを収める場合です。一般の電力配線を含むため20%以下です。

問2:2種金属製線ぴ内で、電線を分岐せず直線接続し、接続点は容易に点検できます。この接続は第161条の例外に入りますか。

  1. 入る
  2. 分岐ではないため入らない
  3. 線ぴが2種なら無条件で入る
  4. 8m以下なら入る

解答:2(分岐ではないため入らない)
例外には電線を分岐する場合という条件があります。点検できるだけでは足りません。

問3:取扱者以外も出入りできる場所で、バスダクトを垂直に取り付けます。第163条の支持点間の上限はどれですか。

  1. 1.5m
  2. 2m
  3. 3m
  4. 6m

解答:3(3m)
6mにできるのは、取扱者以外が出入りできないよう措置した場所で垂直に取り付ける場合です。立入制限がないため通常の3m以下です。

問4:金属線ぴの1種と2種は、何で区別されますか。

  1. 幅。1種は4cm未満、2種は4cm以上5cm以下
  2. 幅。1種は5cm以下、2種は5cmを超えるもの
  3. 使う場所。1種は屋内用、2種は屋外用
  4. 材質。1種は鉄製、2種はアルミ製

解答:1(幅。1種は4cm未満、2種は4cm以上5cm以下)
比較表のとおり、金属線ぴはどちらも幅5cm以下で、その中を4cmで1種と2種に分けます。2は金属線ぴと金属ダクトの境界(5cm)を1種・2種の境界と取り違えた選択肢で、幅5cmを超えるものは金属ダクト工事です。3・4のように場所や材質では決まりません。分岐接続の例外(問2)が使えるのは2種だけなので、この区別は接続の判断にもつながります。

問5:バスダクトの説明として正しいものはどれですか。

  1. 金属ダクトの中へ、現場で多数のIV線を入れて配線する工事
  2. 銅やアルミニウムの導体をダクトと一体化した製品を、接続して送電する幹線設備
  3. 照明器具などを差し込んで取り付けられる接触導体を持つダクト
  4. 床面に埋め込んで、床上のコンセントなどへ配線するダクト

解答:2
バスダクトはJIS C 8364に適合する、導体と絶縁支持物を組み込んだ一体品です(第163条)。1は本文のとおりバスダクトではなく金属ダクト工事の説明です。3はライティングダクト、4はフロアダクトで、どちらも第165条の別の工事です。見た目が金属製の長い箱でも、中身で工法を分けます。

問6:使用電圧100V、全長10mの金属線ぴを、乾燥した展開した場所に施設します。線ぴの接地はどれですか。

  1. C種接地工事を施す
  2. D種接地工事を施す
  3. 交流対地電圧150V以下なので、接地工事を省略できる
  4. 乾燥した場所なので、接地工事を省略できる

解答:2(D種接地工事を施す)
金属線ぴ工事は使用電圧300V以下に限られるので接地の原則はD種で、1のC種の場面はありません。省略できるのは、全長4m以下の場合と、対地電圧150V以下で全長8m以下かつ簡易接触防護措置を施すか乾燥した場所の場合です。全長10mはどちらの長さも超えるので、3・4のように電圧や場所の条件だけでは省略できません。

3工法の数値を照合した電技解釈と公式資料

確認日:2026年7月28日(電技解釈第156・161・162・163・165条〈令和7年11月20日改正〉、2026年度の公式試験資料、メーカーの内線規程抜粋・施工資料)

更新履歴:2026年7月28日 金属ダクトの収容率(20%・特例50%)、ダクト内の接続点、フロアダクトの説明を現行の電技解釈に合わせて改訂

次に読む記事

次は絶縁抵抗・接地抵抗の測定へ進んでください。この記事で確かめたD種・C種接地を、施工後に測って合否を判定する側から学びます。

管を使う工事と比べるなら金属管・PF管・CD管工事へ戻ります。支持点間の1.5mと、この記事の3mの違いも見比べられます。

施工方法の単元をどこまで進めたかは第二種電気工事士の学習ロードマップで確認します。

資格太郎

この記事を書いた人:資格太郎電気工事士の独学合格を目指して学習中。公式問題と現行の電技解釈を照合し、似た工法を条件から分けられるよう整理しています。運営者情報を詳しく見る

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