電気機器・材料・工具

第二種電気工事士の鑑別問題対策|工具・材料・計器の見分け方

この記事を読むと、こうなります

工具・材料・配線器具・測定器の写真を見たときに、
名称を思い出せなくても用途と接続先から選択肢を1つに絞れるようになります。

編集方針:この記事は特定の工具セット・教材のPRではありません。
電気技術者試験センターの出題範囲と公式例題、2026年度上期の学科試験問題と解答を基に、見分け方と復習手順を整理しています。
記事内にアフィリエイトリンクは掲載していません。

鑑別で見ているのは名称ではなく「用途と接続先」

鑑別問題は、写真の品物の名前を当てるゲームに見えます。ですが公式例題の解説を読むと、
問われているのは名称ではなく用途・使用方法・構造だと繰り返し書かれています。
実際の設問も「写真に示す工具の用途は」「写真に示す材料が使用される工事は」という聞き方で、
名前を書かせません。

そこで、この記事では判断軸を4つに決めて、そこから外れないように進めます。
①分類、②対象、③動作(測定器なら測る量)、④似た選択肢との区別、の4つです。
結論としては、名称が出てこなくても①〜③を答えられれば正解にたどり着けます
逆に、名称だけ覚えて①〜③が言えないと、同じ品物が別角度の写真で出た瞬間に崩れます。

「鑑別は毎回何問出る」「これが必ず出る」と固定して覚えるのも避けてください。
公式の学科試験のポイントは、学科全体を一般問題30問程度・配線図問題20問程度と案内していますが、
鑑別だけの固定出題数は示していません。

写真1枚に対して答える4つの問い

4つの判断軸を、実際に手を動かす順番に並べたものが図1です。

図1 写真1枚に対して、この4つを順に答える

名称が出てこなくても、問い1から問い3まで答えられれば選択肢は1つに絞れます。

問い1 分類
工具・材料・配線器具・測定器のどれか
ここを外すと以降が全部ずれます。

問い2 対象
電線/電線管/ボックス/接地極/回路の何を扱うか

問い3 動作
切る・剥く・締める・曲げる・穴をあける/何を測るか

問い4 区別
似た選択肢と、対象と動作のどちらが違うかを1行で言う。

問い4まで書けたものは、写真が別角度・別メーカーに変わっても答えられます。

図1の問い1で分類を外すと、以降の問いが全部ずれます。たとえば圧着工具を「材料」と分類してしまうと、
対象を「電線」と正しく答えても、選択肢の中から材料を探し始めてしまいます。
逆に図1の問い4まで1行で書けたものは、写真が別メーカーの製品に変わっても答えられます。

公式の出題範囲は構造・材質・工具用途の3本立て

電気技術者試験センターは「電気機器、配線器具並びに電気工事用の材料及び工具」の範囲を、
次の3つに分けて示しています。

  • 電気機器及び配線器具の構造及び性能
  • 電気工事用の材料の材質及び用途
  • 電気工事用の工具の用途

3つとも末尾が「性能」「用途」で終わっている点が重要です。
公式例題の解説も、器具の名称・用途・構造・形状・規格を総合的に理解するよう求めています。
外観だけを覚える勉強法は、公式が案内している学び方とずれています。

金属管の加工は3工程。工具は工程に割り当てる

工具は名前を単独で覚えると、似た先端の形で迷います。
「管がどの形に変わるか」という工程に貼り付けると、組合せ問題に強くなります。

図2 金属管の加工は3工程。工具は工程に割り当てる

工具名を単独で覚えず、「管がこの形に変わる」という工程に貼り付けます。

工程1 切る

赤い線の位置で切断します。
工具=金切りのこ
工程2 内面のばりを取る

管口を正面から見た形です。中央の赤い点が電線の通り道で、ここに残ったばりが被覆を傷つけます。
工具=やすりクリックボールに取り付けたリーマ
工程3 曲げる

管そのものを所定の角度に曲げます。
工具=パイプベンダ

この3工程にパイプレンチもトーチランプも出てきません。選択肢にこの2つが混ざっていたら、そこが誤りの候補になります。

図2の工程1は切断そのもの、工程2は切ったあとに内側へ残るばりの処理、
工程3は管の形状変更です。この3つは目的が違うので、1つの工具で兼ねられません。
公式例題でも、金属管の切断と曲げに使う工具の組合せとして「やすり・金切りのこ・パイプベンダ」が正答とされ、
パイプレンチとトーチランプは鋼製電線管の切断・曲げには用いないと明記されています。

工程2で使うリーマは、クリックボールに取り付けて回します。
図2の工程2にある赤い点が電線の通り道で、ここにばりが残ると通線時に被覆を傷つけます。
「なぜその工具か」を1文で言えると、似た選択肢に強くなります。

工具は「何をつかみ、何を変えるか」で並べ替える

工具 対象と、変わる形 取り違えやすい相手
VVFストリッパ ケーブルの外装と心線被覆が剥ける 電工ナイフ(刃で切り開くだけで、寸法の目安は付かない)
リングスリーブ用圧着工具 スリーブがつぶれ、刻印が残る 圧着端子用の工具(ダイスと刻印の対応が違う)
金切りのこ・パイプカッタ 管が短くなる プリカナイフ(対象は可とう電線管)
やすり・リーマ 切断面と管の内面が滑らかになる パイプベンダ(形は変えるが、ばりは取れない)
パイプベンダ 管が所定の角度に曲がる パイプレンチ(管をつかんで回す工具)
ノックアウトパンチャ 金属製キャビネットに穴が開く 羽根ぎり(対象は木材で、木造天井板などに使う)
張線器 電線・メッセンジャワイヤのたるみが取れる 圧着工具(接続はするが、張力はかけない)

右端の列を自分の言葉で書けるかどうかが分かれ目です。技能試験で実際に握る工具は
第二種電気工事士 技能試験の工具一覧・選び方|2026年版
剥ぎ取りの手順はケーブルの剥ぎ取り・輪づくり|寸法と欠陥対策で確認できます。
市販品は形も色も製品ごとに違うので、色だけで断定しないでください。

接続材料は「何と何をつなぐか」を1行で言う

材料 何と何をつなぐか 確認するところ
リングスリーブ 電線と電線 電線の組合せに応じたサイズと刻印
差込形コネクタ 電線と電線 差込口の数と、確認窓・ストリップ長
カップリング 管と管 同じ管種どうしか、異種管どうしか
ボックスコネクタ 管とボックス ロックナットなどの取付部
ブッシング つながない(管端で被覆を保護する) 管端に付くか、接続部に付くか
アウトレットボックス 管と管、電線と電線が集まる場所 引き入れ・接続・引き出しのどれに使うか

ブッシングだけが「つながない」側にいる点に注意してください。
圧着接続の実際はリングスリーブの圧着|電線本数・刻印・欠陥対策
差込形コネクタは差込形コネクタ・ランプレセプタクル・引掛シーリング|結線と欠陥対策で手順まで追えます。
管そのものの施工条件は金属管・PF管・CD管工事|支持1.5m・接続・接地の判断が担当します。

スイッチは操作する場所の数、コンセントは極と接地で決まる

配線器具は正面の見た目が似ています。操作する場所が何か所あるかで並べ直すと、
図記号と結びつきます。

  • 単極スイッチ:1か所から1つの回路を開閉する
  • 3路スイッチ:2か所から1つの負荷を操作する。端子は3つ
  • 4路スイッチ:3か所以上から操作するとき、3路スイッチどうしの間に入れる
  • 接地極付コンセント:接地極を備える。定格と用途を図記号で確かめる
  • 引掛形:差し込んでから回して保持する。平刃形と構造が違う

名称・図記号・回路上の働きを往復すると、写真問題と配線図問題を別々に暗記せずに済みます。
図記号は配線図の図記号一覧と照明・配線器具|H/L・E/ET・3路の読み方にまとめてあります。

測定器は回路への当て方で4つに分かれる

測定器は名前が似ていて、外観も箱に目盛りが付いた形で共通しています。
分けるなら回路のどこへ、何本のリードで当てるかです。

図3 測定器は「回路への当て方」で4つに分かれる

黒い横棒が測定リード、茶色の三本線が接地記号、緑の輪が開閉するクランプ部、茶色の丸が導体です。リードの本数で3つまで絞れます。

区分1 絶縁抵抗計

リード2本。電路と大地の2点に当てます。測定電圧を切り替え、MΩで読みます。
区分2 接地抵抗計

リード3本。接地極と、離して打ち込む補助接地極2本を使います。
区分3 クランプ式電流計

リード0本。開閉する輪で導体を囲み、回路を切らずに電流を読みます。
区分4 検電器

リード1本。充電の有無を確かめる補助具で、抵抗値は読みません。

区分1と区分2は名前が似ていますが、リードの本数と補助接地極の有無で必ず分かれます。

図3の区分1と区分2は、名前が似ているのに測るものがまったく違います。
区分1の絶縁抵抗計は電路と大地の間の絶縁抵抗、区分2の接地抵抗計は接地極の接地抵抗です。
図3の区分3のクランプ式電流計だけがリードを当てず、回路を切らずに測れます。
図3の区分4の検電器は充電の有無を確かめる補助具で、抵抗値を読む計器ではありません。

測る量と接続方法をひと組にする

測定器 測る量と単位 混同しやすい相手
絶縁抵抗計 絶縁抵抗〔MΩ〕 接地抵抗計(補助接地極を使う)
接地抵抗計 接地抵抗〔Ω〕 絶縁抵抗計(測定電圧を切り替える)
クランプ式電流計 負荷電流・漏れ電流〔A〕 回路計(リードを当てて測る)
電力計 電力〔W〕(その時点の値) 電力量計(〔kW・h〕を積算する)
検相器 三相回路の相順(量ではない) 検電器(充電の有無だけを見る)
回路計(テスタ) 設定に応じて電圧〔V〕・抵抗〔Ω〕・導通 単機能の計器(レンジ切替がない)

「電力〔W〕」と「電力量〔kW・h〕」の1字違いが、そのまま正誤の分かれ目になります。
測定の原理と手順は絶縁抵抗・接地抵抗・導通試験と竣工検査|判定値と計器の使い分け
接地の種別は接地工事(アース)とは?A・B・C・D種の違い【第二種】で確認してください。

安全上の注意:計器の名称を覚えることと、実設備で測定できることは別です。
通電確認、絶縁抵抗・接地抵抗の測定、停復電を自己流で行わず、
資格の範囲、取扱説明書、作業責任者の手順に従ってください。

直近の本試験で、鑑別はこう聞かれた

2026年5月24日に実施された第二種の上期学科試験を、公表されている問題と解答で確かめました。
一般問題の中で写真から答える設問は3問で、聞き方は「この材料が使われる工事は
「この材料の用途は」「この工具の用途は」でした。
どれも名称を答えさせる形ではありません。配線図問題では逆に選択肢のほうが写真になり、
図記号で示された箇所に取り付ける材料を写真から選ぶ形式も出ています。
どちらの向きでも、必要なのは「その品物が何に使われるか」です。

写真を使わない設問にも、同じ知識が入っています。
作業と工具の組合せから誤りを1つ選ぶ問題では、薄鋼電線管の切断にプリカナイフを挙げた選択肢が誤りでした。
測定器と用途の組合せでは、電力計と消費電力量の測定を挙げた選択肢が誤りです。
どちらも図1の問い2(対象)と問い3(測る量)を答えていれば消せます。

写真がなくても続けられる3段階の復習

  1. 公式例題で形式を知る:写真と問題文のどこが判断材料になっているかを確かめます
  2. 過去の問題で答えを隠す:名称ではなく「対象+動作」を声に出します
  3. 誤答は対比で残す:「カップリング=管と管、ボックスコネクタ=管とボックス」のように1行で書きます

全一覧を毎日読み返すより、間違えた対比だけを翌日・数日後・1週間後に見直すほうが定着します。
公式の問題や解答をノートへ書き写す場合は、公表元が示す著作権と出典表記の注意に従ってください。

自己チェック|対象と用途で選び分ける

解説は最初から表示しています。まず自分の答えを出してから、
誤りの選択肢がどの品物の説明になっているかまで確かめてください。

問1:金属管(鋼製電線管)を切断し、切断面を整えて曲げるまでに使う工具の組合せはどれですか。

  1. パイプレンチ、トーチランプ、パイプベンダ
  2. 金切りのこ、やすりとリーマ、パイプベンダ
  3. 金切りのこ、プリカナイフ、パイプレンチ
  4. ノックアウトパンチャ、やすりとリーマ、トーチランプ

解答:2(金切りのこ、やすりとリーマ、パイプベンダ)
図2の工程1から工程3にそのまま対応します。1と4のトーチランプは硬質ポリ塩化ビニル電線管を温めて曲げる側の工具で、鋼製電線管には使いません。3のプリカナイフは可とう電線管を切るための刃物です。

問2:「薄鋼電線管を切断する作業」に対する工具として誤っているものはどれですか。

  1. 金切りのこ
  2. プリカナイフ
  3. パイプカッタ
  4. やすり(切断面の仕上げ)

解答:2(プリカナイフ)
プリカナイフの対象は可とう電線管で、鋼製電線管ではありません。図1の問い2(対象)を先に答えていれば、刃物という共通点だけで選ばずに済みます。2026年度上期の学科試験でも、作業と工具の組合せから誤りを1つ選ぶ形式で同じ点が問われました。

問3:金属製のアウトレットボックスの使用方法として、不適切なものはどれですか。

  1. 金属管工事で電線の引き入れを容易にする
  2. 金属管工事で電線相互を接続する部分に使う
  3. 配線用遮断器を集合して設置する
  4. 照明器具を取り付ける部分で電線を引き出す

解答:3(配線用遮断器を集合して設置する)
遮断器をまとめて納めるのは分電盤の役割です。アウトレットボックスの対象はあくまで管路と電線で、図1の問い2で対象を「遮断器」と答えた時点で外れると分かります。

問4:低圧回路を試験するときの測定器と用途の組合せとして、誤っているものはどれですか。

  1. 回路計(テスタ)と導通試験
  2. 検相器と三相回路の相順の確認
  3. 電力計と消費電力量の測定
  4. クランプ式電流計と負荷電流の測定

解答:3(電力計と消費電力量の測定)
電力計が示すのは、その時点の電力〔W〕です。ある期間に消費した電力量〔kW・h〕を積算するのは電力量計で、別の計器です。「測る量」を単位まで言えるかどうかで分かれます。

問5:測定リードを3本使い、接地極のほかに補助接地極を2本打ち込んで測る計器はどれですか。

  1. 絶縁抵抗計
  2. 接地抵抗計
  3. クランプ式電流計
  4. 検電器

解答:2(接地抵抗計)
図3の区分2です。区分1の絶縁抵抗計はリード2本で電路と大地に当てるだけなので、補助接地極は使いません。名前の似ているこの2つは、リードの本数と補助接地極の有無で必ず分かれます。

問6:「電線管とボックスをつなぐ」ために使う材料はどれですか。

  1. カップリング
  2. ボックスコネクタ
  3. ブッシング
  4. リングスリーブ

解答:2(ボックスコネクタ)
1のカップリングは管と管、3のブッシングは管端で被覆を保護する部材、4のリングスリーブは電線と電線を圧着接続するものです。接続材料は「何と何をつなぐか」を1行で言えれば取り違えません。

出典にした公式資料と、確かめた日

本文の出題範囲、工具の用途、測定器の測る量は、電気技術者試験センターが公開する資料と照合しました。
確認日は2026年9月9日です。
図1〜図3と自己チェック6問は当サイトで作成したもので、試験問題の文面や写真は転載していません。

次に読む記事

次は【ミニテスト】鑑別(工具・材料・器具)|第二種電気工事士で、図1の4つの問いを実際の設問へ当てながら通してください。分類でつまずくのか対象でつまずくのかが、ここで分かります。

材料の中でも電線とケーブルだけは種類が多いので、電線・ケーブルの種類と用途|IV・VVF・CVTの見分け方で断面と表示の読み方を先に固めておくと楽になります。

見分けた管と附属品を実際にどう施設するかは、金属管・PF管・CD管工事|支持1.5m・接続・接地の判断へ進んでください。

広告・編集方針

この記事内に通信講座、教材、工具のアフィリエイトリンクは掲載していません。2026年9月9日に、電気技術者試験センターの出題範囲・公式例題・2026年度上期の学科試験問題と解答を照合し、工具の用途、材料の接続先、測定器の測る量を再確認しました。図1〜図3と自己チェック6問は当サイトのオリジナルです。

資格太郎

この記事を書いた人:資格太郎電気工事士の独学合格を目指して学習中。公式の出題範囲と例題を照合し、写真の品物を用途と接続先から見分けられるよう整理しています。運営者情報を詳しく見る

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