この記事を読み終えると、候補問題No.9の配線図と施工条件から複線図を自分で描き、スイッチで点滅する2負荷と、常時給電のEETコンセントを、A(差込形コネクタ)の3か所とB(リングスリーブ)の3か所へ割り当てられるようになります。
結論:No.9はEETコンセントの接地線と、A・Bで異なる接続方法を見分ける課題
令和8年度上期No.9では、A部分を差込形コネクタ、B部分をリングスリーブで接続します。接地極付接地端子付コンセントの接地端子には、緑色のE1.6を直接結線します。箱内で緑線を白線やVVF 3Cの赤線へ接続する課題ではありません。
この記事は、2026年7月19日実施の公式問題・公式解答・材料表を基に、候補問題No.9の回路、VVF 1.6-3Cの役割、A/Bの接続組合せ、圧着刻印、EETコンセントの極性を順に整理します。候補図は回路の骨格だけなので、練習では必ず当日の施工条件まで読みます。
スイッチは1個、緑の接地線はA・Bを通らない
現年度の実問題はスイッチがイの1個だけです。イのランプレセプタクルと、イの引掛シーリング(丸形)を同時に点滅し、別系統のEETコンセントと2口コンセントには常時給電します。接地線はEETから施工省略の接地極EDへ向かう緑色E1.6で、ジョイント部A・Bを通りません。
まず全体図で、器具と接続点の位置をつかむ
この図は令和8年度上期・2026年7月19日のNo.9を対象にしています。
全体の位置関係をつかんだら、拡大図で線と番号を追い、接続点ごとの内訳と照合してください。
ページ内で線を拡大して読む / 図だけを開く
保存・印刷用PDF(A4・1枚)
A①〜③とB④〜⑥を確認し、スイッチイで点滅する2つの負荷と、EETコンセントへの常時給電を分けて追います。
灰色は白の心線を見やすく描いたものです。赤は点滅線を追うための表示です。実際の心線にはスイッチ側の白と負荷側の黒も含まれます。緑は接地線です。 黒丸がない交差は接続しません。
施工条件の解説と公式問題・解答で、使用する心線と器具を確認できます。
別年度・下期・別の施工条件にはそのまま適用しません。
No.9の回路を「点滅回路」と「常時給電」に分ける
最初に負荷の記号イを追うと、複線図が整理しやすくなります。スイッチイが操作するのは、A側のランプレセプタクルと、B側の引掛シーリング(丸形)です。EETコンセント、その先の2口コンセントはスイッチを通らない常時給電です。
| 系統 | 器具 | 電源との関係 |
|---|---|---|
| イの点滅回路 | ランプレセプタクル+引掛シーリング(丸形) | スイッチイで2負荷を同時に入切 |
| 常時給電 | EETコンセント+施工省略の2口コンセント | スイッチを通さずL・Nを供給 |
| 接地 | EETの接地端子 | 緑色E1.6で施工省略のEDへ直接結線 |
「接地側電線」と「接地線」は別物です。白の接地側電線は100V回路のN側、緑の接地線はEETの接地端子からEDへ向かう保護用導体です。両者を一緒に接続しません。接地の基本は接地工事と接地抵抗の考え方、E・ET・EETの配線図記号は照明器具・配線器具の見分け方で復習できます。
点滅する2負荷と常時給電を、6か所の接続点で見分ける
図1は、令和8年度上期のNo.9を完成させたときの複線図です。公式の配線図と施工条件から、接続点に番号を振って描き直しました。①〜③がA(差込形コネクタ)の3か所、④〜⑥がB(リングスリーブ)の3か所です。
図1 候補問題No.9の複線図(令和8年度上期の施工条件)
A=差込形コネクタ、B=リングスリーブ。灰色=白の電線(接地側)、黒=黒の電線(非接地側)、赤=スイッチを通った点滅線、緑=接地線。線が交わっていても、黒丸の無い所はつながっていません。
赤は点滅線を追うための表示です。実際の心線にはスイッチ側の白と負荷側の黒も含まれます。緑は接地線です。 線の交差は黒丸がある箇所だけ接続します。
スマートフォンでは図を横にスクロールできます。
電源が入るBから見ます。図1の④は接地側で、電源の白がEETコンセント・引掛シーリング・Aの3方向へ分かれます。図1の⑤は非接地側で、電源の黒がEETコンセントとAへ分かれます。Bにはスイッチが無いので、引掛シーリングの黒は⑤にはつなぎません。
Aでは、図1の②で黒をスイッチへ下ろし、スイッチを通った線を図1の③でランプレセプタクルの黒と、Bへ戻る赤に分けます。その赤が、図1の⑥で引掛シーリングの黒につながります。A―B間のVVF 1.6-3Cは、白が接地側、黒がスイッチへの送り、赤がスイッチを通ったあとの戻りです。緑のE1.6は、EETコンセントの接地端子から接地極へ向かう別の線で、A・Bは通りません。
図2 AとBの接続点6か所:集まる電線と接続材料
番号は図1と同じです。Bには2.0mmが2本ずつ入るので、刻印が「中」になります。
A(差込形コネクタ)3か所
①接地側
A―B間 白レセプタクル 白→ 2本用
②非接地側
A―B間 黒スイッチへ 黒→ 2本用
③点滅線
スイッチから 白の心線レセプタクル 黒A―B間 赤→ 3本用
2本用が2個、3本用が1個。材料表の個数と合います。
図2は、図1の黒丸6か所を「何が何本集まるか」で並べ直したものです。Aは2本用2個・3本用1個。Bは、2.0mmが2本入る図2の④⑤が刻印「中」、1.6mmが2本の⑥が「○」です。
図3 点滅する回路と、常時給電の回路を別々にたどる
番号は図1の接続点です。緑の接地線は、AもBも通りません。
照明「イ」のランプレセプタクル
電源 黒→B⑤→A②→スイッチ イ→A③→レセプタクル→A①→B④→電源 白
照明「イ」の引掛シーリング
電源 黒→B⑤→A②→スイッチ イ→A③→B⑥→引掛シーリング→B④→電源 白
EETコンセントと2口コンセント(常時給電)
電源 黒→B⑤→EET→2口(施工省略)へ送る→B④→電源 白
接地線
EETの接地端子→緑 E1.6→接地極(施工省略)
結線が終わったら、図3の順に指でたどります。「L→EET→2口コンセント」と「L→スイッチ→イの2負荷」を、別々に確かめます。
電線と器具を公式材料表に合わせる
令和8年度上期の支給電線は、電源とEET側に2.0mm、A・B間にVVF 1.6-3C、負荷側にVVF 1.6-2Cを使う構成です。「VVF 3Cの赤を接地線にする」と覚えると、この実問題では誤結線になります。赤はA・B間でスイッチ後の戻りに使います。
| 区間 | 電線 | 3心の役割 |
|---|---|---|
| 電源→B | VVF 2.0-2C(青色シース) | 黒=L、白=N |
| A↔B | VVF 1.6-3C | 白=N、黒=スイッチへの送り、赤=スイッチ後の戻り |
| B→EET | VVF 2.0-2C | 黒=L、白=N |
| EET→2口コンセント | VVF 1.6-2C | 黒=L、白=N |
| EET→ED | 緑色E1.6 | 接地端子へ直接結線 |
接地線はシース内の赤線ではなく、材料表の緑色600Vビニル絶縁電線1.6mmです。EETの接地端子へ緑、W側へ白、残る電源極へ黒を結線します。2口コンセント側は施工省略でも、EET端子にはVVF 2.0-2CとVVF 1.6-2Cの2本を正しく結線します。
A部分は差込形コネクタ3組
A部分には、ランプレセプタクル、スイッチ、Bへ向かうVVF 1.6-3Cが集まります。3Cの各色を、色ではなく機能で分けます。
- N:A-B間の白+ランプレセプタクル白 → 2本用コネクタ
- スイッチへの送り:A-B間の黒+スイッチ黒 → 2本用コネクタ
- スイッチ後の戻り:A-B間の赤+スイッチ白+ランプレセプタクル黒 → 3本用コネクタ
使うのは2本用差込形コネクタ2個と3本用1個です。スイッチ側の白は接地側ではなく、スイッチ後の戻りとして使われます。白線を見ただけでNへまとめず、どの器具端子から来た線かを追ってください。差込深さと心線露出の確認は差込形コネクタ・配線器具の施工にまとめています。
B部分はリングスリーブ3組
B部分では、電源、A-B間の3C、引掛シーリング「イ」、EETへ向かうVVF 2.0-2Cを接続します。施工条件はBをリングスリーブ指定としているため、接続材料を入れ替えません。
| 接続点 | 導体 | スリーブ・刻印 |
|---|---|---|
| 接地側N | 電源2.0白+EET側2.0白+A-B白+引掛シーリング「イ」の白 | 中スリーブ・中刻印 |
| 非接地側L | 電源2.0黒+EET側2.0黒+A-B黒 | 中スリーブ・中刻印 |
| イの点滅線 | A-B赤+引掛シーリング「イ」の黒 | 小スリーブ・○刻印 |
完成時の圧着刻印は中2か所・○1か所です。1.6mm2本の接続は、小スリーブを使っても刻印は「小」ではなく「○」です。呼びと刻印の違い、やり直し方はリングスリーブの圧着で確認してください。
EETコンセントと器具の極性を確認する
EETは「接地極付接地端子付コンセント」です。電源用の2極と、機器の接地線を受ける接地端子を混同しません。公式問題の色別条件に従い、W表示側へ白、接地端子へ緑を結線します。
- EET:W側に白、非接地側に黒、接地端子に緑色E1.6
- 2口コンセント:施工省略側へ延びるVVF 1.6-2Cは白=N、黒=L
- 引掛シーリング「イ」:W側に白、反対側にスイッチ後の黒
- ランプレセプタクル:受金ねじ部の端子に白、中心接点側にスイッチ後の黒
EETへ2本のケーブルを結線するときは、器具の表示と差込口の指定を先に確認します。緑線を電源極へ入れる、白と黒を逆にする、EETから先の2口コンセントをスイッチ回路へ入れると回路不良です。
負荷イを囲んでから点滅線を描く
まず公式No.9の問題用紙の配線図と施工条件だけを見て、紙に複線図を描いてみます。
下の手順で描いたら、全体図 → Aの接続 / Bの接続 → 回路の検算の順に照合してください。
自己チェックでは先に考えてから解答を開き、復習リンクで該当箇所へ戻れます。
自動採点はありません。実物での練習も電源へは接続しないでください。
- 施工条件を分ける:A=差込形、B=リングスリーブ、接地線=緑、器具の白指定を書き出す。
- 負荷イを囲む:ランプレセプタクルと引掛シーリング「イ」を同じスイッチ後の接続点として扱う。
- Nを描く:電源白から、EETコンセント、ランプレセプタクル、引掛シーリングの指定端子へつなぐ。
- 常時Lを描く:電源黒からEET・2口系統とスイッチイの入力へ送る。
- 点滅線を描く:スイッチ出力からランプレセプタクルと引掛シーリング「イ」へ分岐する。
- A-Bの3Cへ色を割り当てる:白=N、黒=送り、赤=戻りと役割を記す。
- A/Bの接続材料を割り当てる:Aは2・2・3本用、Bは中・中・○にする。
- EETと寸法を確認する:Wに白、接地端子に緑、指定寸法150mm・接地線100mmを問題図と照合する。
複線図の基本は施工条件から複線図を作る7段階、材料と電線長の確認は技能試験の材料の拾い出しを参照してください。
EETの白と緑、A・Bの刻印を点検する
回路
□ イの2負荷を同時制御
□ EET・2口は常時給電
□ A-Bの3Cは白=N・黒=送り・赤=戻り
□ 接地側と接地線を分離
接続
□ Aは2本用×2・3本用×1
□ Bは中刻印×2・○刻印×1
□ コネクタの心線を目視
□ 圧着位置・先端処理を確認
器具
□ EETのWに白・接地端子に緑
□ コンセントWに白
□ 受金ねじ部に白
□ 外装・心線・取付枠を確認
最後は誤結線、圧着刻印、器具極性、心線露出、外装位置、指定寸法の順で点検します。判定境界を狙わず、欠陥のない完成状態を目標にしてください。現行基準は技能試験の欠陥判断基準、40分の配分は技能試験の時間配分で確認できます。
自己チェック|赤の役目・負荷イの組合せ・A/Bの本数
問1:A-B間のVVF 1.6-3C
令和8年度上期No.9で、A-B間の赤線の役割として正しいものはどれですか。
ア.EETの接地線 イ.接地側N
ウ.スイッチ後の戻り エ.2口コンセント専用のL
問2:B部分の圧着
電源2.0黒、EET側2.0黒、A-B間1.6黒の3本接続に使う刻印はどれですか。
ア.○ イ.小 ウ.中 エ.圧着せず3本用コネクタ
問3:EETの接地線
接地端子へ結線する導体として、実問題に合うものはどれですか。
ア.電源の白 イ.A-B間の赤
ウ.EETからEDへ向かう緑色E1.6 エ.スイッチの戻り白
問4:スイッチ「イ」の負荷
スイッチ「イ」で同時に点滅する負荷の組合せはどれですか。図1で確かめてください。
ア.ランプレセプタクルと、丸形の引掛シーリング
イ.ランプレセプタクルと、EETコンセント
ウ.EETコンセントと、施工省略の2口コンセント
エ.引掛シーリングと、施工省略の2口コンセント
解答と理由を確認する
正解:ア
記号「イ」が付いているのは、A側のランプレセプタクルとB側の丸形の引掛シーリングです。EETコンセントと2口コンセントは、Bで電源の黒と白へ直接つながる常時給電で、スイッチを通りません。
問5:Bの接地側の刻印
Bの接地側(図1の④)に集まる白4本の内訳と、リングスリーブの刻印の組合せはどれですか。
ア.2.0mmが2本と1.6mmが2本で、刻印は中
イ.2.0mmが1本と1.6mmが3本で、刻印は小
ウ.1.6mmが4本で、刻印は○
エ.4本なので、4本用の差込形コネクタ
解答と理由を確認する
正解:ア
電源のVVF 2.0-2CとEETコンセントへ行くVVF 2.0-2Cの白が2.0mm、A―B間と引掛シーリングの白が1.6mmです。2.0mmが2本と1.6mmが2本の組合せは、中スリーブを「中」で圧着します。Bは施工条件でリングスリーブと決められているので、差込形コネクタは使いません。
問6:Aの3本用コネクタ
Aで、3本用の差込形コネクタ(図1の③)に入れる電線の組合せはどれですか。
ア.スイッチから戻る線、ランプレセプタクルの黒、A―B間の赤
イ.A―B間の白、ランプレセプタクルの白、スイッチから戻る線
ウ.A―B間の黒、スイッチへ行く黒、ランプレセプタクルの黒
エ.A―B間の白・黒・赤の3本
解答と理由を確認する
正解:ア
スイッチを通った線は、Aで2方向へ分かれます。1本はランプレセプタクルの黒、もう1本はBの引掛シーリングへ送る赤です。スイッチから戻る線と合わせて3本になります。白の2本と、スイッチへ送る黒の2本は、それぞれ2本用コネクタです。
No.9の問題・材料表・解答
図と施工条件の再照合:2026年10月20日。その他の資料確認日:2026年10月6日(令和8年度の候補問題、上期No.9の問題・材料表・解答、欠陥の判断基準)
- 第二種電気工事士 技能試験の候補問題
- 令和8年度 第二種電気工事士技能試験候補問題
- 第二種電気工事士試験の問題と解答
- 令和8年度上期 技能試験No.9 問題・材料表
- 令和8年度上期 技能試験No.9 解答
- 技能試験に係る欠陥の判断基準
- 技能試験の概要と注意すべきポイント(2026年3月)
更新履歴:2026年10月20日 全体図・拡大・接続点へのリンクと保存用PDF、自己チェックからの復習導線を追加。図の色分けと被覆色の指定を区別/2026年7月30日 令和8年度上期の実問題に合わせて、スイッチの数(1個)と接地線の経路を改訂/2026年10月6日 複線図・接続点の束・回路の検算を自作の図3枚へ差し替え、自己チェックを6問へ。スイッチ「イ」で点滅するB側の負荷の器具名を、材料表のとおり引掛シーリング(丸形)へ訂正
次に読む記事
次は候補問題No.10へ進んでください。配線用遮断器から給電し、2つの負荷とパイロットランプを同時に点滅します。
接地側の白と接地線の緑を分ける考え方は、複線図の書き方のステップ3で整理しています。
※当サイトの図は学習用に自作した模式図で、実際の機器・器具とは外観や寸法が異なる場合があります。問題・解答の内容には細心の注意を払っておりますが、誤りが含まれる可能性があります。学習の参考としてご活用いただき、最終的な確認は公式テキスト・法令等で行ってください。当サイトの情報に基づく判断によって生じた損害について、一切の責任を負いかねます。
内容の誤りやお気づきの点がございましたら、お問い合わせフォームよりご連絡いただけますと幸いです。正確な情報をお届けできるよう、随時修正してまいります。
