2種 法令

電気用品安全法をわかりやすく解説|PSEマークの意味と届出制度|第二種電気工事士 法令

この記事でわかること

  • 電気用品安全法の目的と「PSEマーク」の意味
  • 特定電気用品(◇PSE)と特定以外(○PSE)の違いと具体例
  • 製造・輸入事業者の届出義務と自主検査の仕組み
  • 電気工事士がPSEマーク付き用品を使う義務

結論から言います:電気用品安全法は「危ない電気製品を市場に出さない」ための法律です

電気用品安全法(でんきようひんあんぜんほう)を一言でまとめると、こうなります。

「電気用品の製造・輸入・販売にルールを設けて、粗悪品や危険な製品が出回るのを防ぐ法律」

みなさんが普段使っている延長コードやスマホの充電器、そして電気工事で使う電線やブレーカーにも、この法律が深く関わっています。製品の本体やパッケージに「PSE」というマークが付いているのを見たことはありませんか? あれこそが電気用品安全法の象徴です。

第二種電気工事士の試験では、PSEマークの種類(菱形と丸型の違い)や、届出制度に関する問題が頻出します。この記事を読めば、その仕組みがスッキリわかるようになりますよ。

それでは、条文の中身から具体例まで、一緒に見ていきましょう。

電気用品安全法の目的(第1条)

条文を読んでみよう

電気用品安全法 第1条(目的)
「この法律は、電気用品の製造、輸入、販売等を規制するとともに、電気用品の安全性の確保につき民間事業者の自主的な活動を促進することにより、電気用品による危険及び障害の発生を防止することを目的とする。」

現代語訳

かみ砕いて言うと、こうなります。

「電気用品を作る人・輸入する人・売る人にルールを守らせ、同時にメーカーが自分たちでも安全チェックする仕組みを作ることで、電気製品による事故やトラブルを防ぎます。」

この法律がなかったら?

想像してみてください。もし電気用品安全法が存在しなかったら――

  • 安全テストをしていない電線がそのまま売られる
  • 粗悪な延長コードが発熱して火災の原因になる
  • 海外から輸入された規格外のブレーカーが、過電流を遮断できずに感電事故を起こす

実際に、過去にはPSEマークのない輸入品のモバイルバッテリーが発火する事故も起きています。この法律は、私たちの安全を「入口」で守るための重要な仕組みなのです。

電気用品とは? 法律で指定された約450品目

「電気用品」と聞くと、家電製品全般をイメージするかもしれません。しかし、電気用品安全法で言う「電気用品」は法律で具体的に指定された品目に限られます。

電気用品安全法 第2条では、電気用品を次のように定義しています。

電気用品安全法 第2条第1項
「この法律において『電気用品』とは、次に掲げる物をいう。」
一 一般用電気工作物の部分となり、又はこれに接続して用いられる機械、器具又は材料であつて、政令で定めるもの
二 携帯発電機であつて、政令で定めるもの
三 蓄電池であつて、政令で定めるもの

現代語訳

「家庭や小規模な店舗の電気設備(一般用電気工作物)に使う部品・器具・材料のうち、国が指定したもの」が電気用品です。

指定品目は約450品目にのぼり、電気工事で使うものも多く含まれています。

分野 具体例
電線・ケーブル VVFケーブル、IV電線
配線器具 スイッチ、コンセント、プラグ
保護装置 配線用遮断器、漏電遮断器、ヒューズ
照明器具 蛍光灯器具、LED照明器具
家電製品 電気スタンド、テレビ、電子レンジ

ポイントは、電気工事で使う電線やブレーカーも電気用品に含まれるということ。つまり、電気工事士にとっても無関係ではない法律なのです。

特定電気用品と特定電気用品以外の電気用品【超重要!】

電気用品安全法の中で試験に最も出やすいのがこのテーマです。電気用品は、危険度に応じて2つのグループに分けられています。

電気用品の2つの区分
特定電気用品(危険度:高)
PSEマーク:◇(菱形)
【検査】第三者機関の適合性検査が必要
【約】116品目

具体例:
・電線(VVF、IV 等)
・ヒューズ
・配線用遮断器
・漏電遮断器
・電気温水器

特定電気用品以外の電気用品(危険度:低〜中)
PSEマーク:○(丸型)
【検査】自己確認(自主検査)でOK
【約】341品目

具体例:
・電気スタンド
・テレビ
・電子レンジ
・LED電球
・延長コードセット

覚え方のコツ

菱形(◇)は角がとがっている → 危険度が高い → 特定電気用品」と覚えましょう。角がとがったマークほど「注意!」というイメージです。

逆に「丸(○)は角がない → まるく収まる → 危険度は比較的低い」と結びつけると忘れにくいですよ。

なぜ2段階に分けるの?

すべての電気用品に第三者機関の検査を義務づけると、膨大な時間とコストがかかり、製品の流通が止まってしまいます。そこで、人体や住宅への危険が特に大きいもの(電線・ブレーカー・漏電遮断器など)だけ厳しくチェックし、それ以外は自主検査で効率よく安全を確保しているわけです。

第三者機関(登録検査機関)とは?

特定電気用品は、メーカーや輸入業者の自主検査だけでは不十分とされ、国に登録された第三者の検査機関による適合性検査を受ける必要があります。この検査に合格して初めて、菱形PSEマークを表示できるのです。

代表的な登録検査機関には、JET(電気安全環境研究所)JQA(日本品質保証機構)などがあります。

PSEマークの表示義務

電気用品安全法では、PSEマークを表示しなければ電気用品を販売してはならないと定めています。

電気用品安全法 第10条第1項
「届出事業者は、(中略)当該電気用品に経済産業省令で定める方式による表示を付することができる。」

電気用品安全法 第27条第1項
「電気用品の製造、輸入又は販売の事業を行う者は、第十条第一項(中略)の規定による表示が付されているものでなければ、電気用品を販売し、又は販売の目的で陳列してはならない。」

現代語訳

「PSEマークが付いていない電気用品は、売ることも、お店に並べることもダメ!」ということです。

PSEマークには、次の情報が一緒に表示されます。

  • PSEマーク(菱形 または 丸型)
  • 届出事業者名(製造者または輸入者の名前)
  • 登録検査機関名(特定電気用品の場合のみ)
PSEマークの表示内容
特定電気用品の表示
1. ◇PSEマーク(菱形)
2. 届出事業者名
3. 登録検査機関名 ← 必須!
特定電気用品以外の表示
1. ○PSEマーク(丸型)
2. 届出事業者名
3. 登録検査機関名は 不要

試験では「特定電気用品の表示には登録検査機関名が含まれる」という点がよく問われます。丸型PSEとの違いを押さえておきましょう。

届出制度 ― 誰が届出をするのか?

電気用品を製造したり輸入したりする事業者は、事業を開始するときに経済産業大臣(けいざいさんぎょうだいじん)に届出をしなければなりません。

電気用品安全法 第3条
「電気用品の製造又は輸入の事業を行う者(中略)は、経済産業省令で定める区分に従い、事業開始の日から三十日以内に、次の事項を経済産業大臣に届け出なければならない。」

現代語訳

「電気用品を作る会社や海外から仕入れる会社は、事業を始めてから30日以内に、経済産業大臣へ届出してください。」

届出事業者の義務

届出をした事業者(届出事業者)には、次のような義務が課されます。

義務の内容 ポイント
技術基準への適合義務(第8条第1項) 電気用品が定められた技術基準に適合するようにする
自主検査の実施(第8条第2項) 製品ごとに検査を行い、記録を保存する
適合性検査(第9条)※特定電気用品のみ 登録検査機関による検査を受け、証明書の交付を受ける
PSEマークの表示(第10条) 基準に適合し検査を経た製品にPSEマークを付ける

ここで大切なのは、届出が必要なのは「製造事業者」と「輸入事業者」だという点です。販売事業者(お店)は届出の義務はありませんが、PSEマークのない電気用品を売ってはいけないという制限を受けます。試験では「販売事業者にも届出義務がある」というひっかけ選択肢が出るので注意しましょう。

この仕組みがなかったら?

届出制度がなければ、「誰がどんな電気用品を作っているのか」を国が把握できません。もし欠陥商品が見つかっても、製造元を特定できず、リコール(回収)もできなくなります。届出制度は、安全管理の追跡(トレーサビリティ)を実現するための仕組みなのです。

電気工事士との関係 ― 現場で不適合品を見抜く目

「電気用品安全法は製造者や輸入業者の話でしょ?電気工事士には関係ないのでは?」と思った方もいるかもしれません。しかし、実は電気工事士にもこの法律は深く関わっています

電気工事士法との接点

電気用品安全法 第28条第1項では、PSEマークの表示が付されているものでなければ、電気用品を販売し、又は電気工事に使用してはならないと規定されています。

つまり、電気工事士は工事に使う電線・スイッチ・コンセント・ブレーカーなどにPSEマークが付いているかを確認する義務があるのです。

関連記事:「電気工事士法をわかりやすく解説|第二種電気工事士 法令

現場でのイメージ

たとえば、こんな場面を想像してみてください。

あなたは住宅のコンセント増設工事を行うことになりました。材料の電線(VVFケーブル)とコンセントを確認すると――

  • VVFケーブル → 特定電気用品 → ◇PSEマークが付いているか確認
  • コンセント → 特定電気用品 → ◇PSEマークが付いているか確認

もしPSEマークがない電線を使って工事をしてしまうと、電気用品安全法違反となり、事故が起きた場合には工事した側の責任も問われかねません。

電気工事士にとって、PSEマークの確認は「安全のための基本動作」なのです。

関連記事:「電線・ケーブルの種類と用途を徹底解説

全体の流れを整理しよう

ここまでの内容を、電気用品が市場に出回るまでの流れとしてまとめます。

電気用品が販売されるまでの流れ
STEP 1:事業の届出
製造事業者 or 輸入事業者が経済産業大臣に届出(事業開始から30日以内)
STEP 2:技術基準への適合確認
定められた技術基準を満たすよう製造・品質管理する
STEP 3:自主検査の実施・記録保存
すべての電気用品で自主検査を行い、記録を保存する
STEP 4:適合性検査(特定電気用品のみ)
登録検査機関(JET、JQA 等)の検査を受けて証明書を取得
STEP 5:PSEマークを表示
◇PSE(特定)or ○PSE(特定以外)+ 届出事業者名 + 登録検査機関名(特定のみ)
STEP 6:販売・使用
販売事業者はPSEマーク付きの製品のみ販売可。電気工事士はPSEマーク付きの電気用品を使用して工事。

このように、製造 → 検査 → 表示 → 販売 → 使用の各段階で安全確保の仕組みが働いています。

試験でよく出るポイントまとめ

最後に、第二種電気工事士試験で特に狙われるポイントを整理しておきます。

出題ポイント 覚えること
PSEマークの形 特定電気用品 = ◇(菱形)、それ以外 = ○(丸型)
特定電気用品の例 電線、ヒューズ、配線用遮断器、漏電遮断器
検査の違い 特定 = 登録検査機関の適合性検査が必要 / それ以外 = 自主検査
届出先 経済産業大臣(製造事業者・輸入事業者が届出)
表示に含まれる情報 PSEマーク+届出事業者名+登録検査機関名(特定のみ)
電気工事士との関係 PSEマーク付きの電気用品を使用する義務あり

関連記事:「電気設備技術基準をわかりやすく解説|絶縁抵抗・接地・電圧区分|第二種電気工事士

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まとめ問題 ― 理解度チェック!

ここまでの内容が頭に入っているか、3問のクイズで確認しましょう。

【問題1】

あなたは住宅の配線工事で使用するVVFケーブルを選定しています。このVVFケーブルに表示されているべきPSEマークの形状として、正しいものはどれですか。

(イ)丸型PSEマーク ○PSE
(ロ)菱形PSEマーク ◇PSE
(ハ)PSEマークの表示は不要
(ニ)三角形のPSEマーク △PSE

解答を見る

正解:(ロ)菱形PSEマーク ◇PSE
VVFケーブルは「電線」に分類され、特定電気用品に該当します。特定電気用品には菱形(◇)のPSEマークが表示されます。丸型は特定電気用品以外に使われるマークです。三角形のPSEマークは存在しません。

【問題2】

電気用品の製造事業者が経済産業大臣に届出をしなければならない期限として、正しいものはどれですか。

(イ)事業開始前に届出
(ロ)事業開始の日から30日以内
(ハ)事業開始の日から60日以内
(ニ)事業開始の日から1年以内

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正解:(ロ)事業開始の日から30日以内
電気用品安全法第3条により、電気用品の製造または輸入の事業を行う者は、事業開始の日から30日以内に経済産業大臣に届け出なければなりません。「事業開始前」ではなく「事業開始後30日以内」である点がポイントです。

【問題3】

現場で漏電遮断器を取り付ける工事を行うことになりました。この漏電遮断器のPSEマークの表示内容として、正しいものはどれですか。

(イ)◇PSEマーク、届出事業者名
(ロ)○PSEマーク、届出事業者名、登録検査機関名
(ハ)◇PSEマーク、届出事業者名、登録検査機関名
(ニ)○PSEマーク、届出事業者名

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正解:(ハ)◇PSEマーク、届出事業者名、登録検査機関名
漏電遮断器は特定電気用品に該当するため、PSEマークは菱形(◇)です。特定電気用品の表示には、PSEマークと届出事業者名に加えて、登録検査機関名も必要です。(イ)は登録検査機関名が抜けているため不正解です。

次のステップ

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理解度をチェック!

この記事の内容をどれくらい理解できたか、ミニテストで確認してみましょう。

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よくある質問

Q. PSEマークとは?

A. 電気用品安全法に基づく安全マークです。特定電気用品にはひし形PSEマーク(◇PSE)、特定電気用品以外にはまる形PSEマーク(○PSE)が表示されます。

Q. 特定電気用品の例は?

A. 電線、配線器具(コンセント・スイッチ)、漏電遮断器、ヒューズなど、構造や使用方法から危険性の高い電気用品が指定されています。

Q. 電気用品の届出義務は誰にある?

A. 電気用品の製造事業者または輸入事業者が、事業開始の届出を経済産業大臣に行う義務があります。

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