結論から言います。技術基準の数値問題は「何Vか」だけでなく、直流・交流、使用電圧・対地電圧、接地式・非接地式まで読んで決めます
絶縁抵抗の0.1・0.2・0.4MΩは、数字だけを暗記すると200V回路で迷います。この10問では、電圧区分、絶縁性能、接続、過電流・地絡保護、小勢力回路を、条件から一意に判断する練習をします。
問題はすべて当サイト作成のオリジナルで、公式過去問題の転載ではありません。2026年7月27日に、e-Gov法令検索「電気設備に関する技術基準を定める省令」、経済産業省「電気事業法 告示・内規等」、電気設備の技術基準の解釈(令和7年11月20日改正・PDF)、電気技術者試験センター「第二種学科試験のポイント」を照合しました。
数値を選ぶ順番:①直流か交流か、②使用電圧が300V以下か300V超か、③300V以下なら対地電圧が150V以下か、の順で確認します。測定対象は停電・開路・機器切離しなどの安全手順が別に必要です。試験知識だけで実設備を測定しないでください。
先に整理する4つの判断軸
1. 電圧の種類
低圧は直流750V以下・交流600V以下です。同じ数値でも直流か交流かで区分が変わります。
2. 2つの電圧
使用電圧と対地電圧を分けます。省令第58条の定義では、接地式電路は電線と大地との間、非接地式電路においては電線間の電圧を対地電圧として扱います。
3. 保護の目的
過電流遮断器は過熱焼損、地絡遮断器等は地絡時の損傷・感電・火災を防ぐために使います。
4. 本文と例外
「原則」「ただし」「適切な措置」を読み落としません。場所・機器・工事方法で例外がある規定を一律化しないことが大切です。
絶縁抵抗の3区分
| 使用電圧 |
対地電圧の条件 |
絶縁抵抗 |
| 300V以下 |
150V以下 |
0.1MΩ以上 |
| 300V以下 |
その他 |
0.2MΩ以上 |
| 300Vを超える低圧 |
― |
0.4MΩ以上 |
たとえば単相3線式200Vは、線間電圧が200Vでも中性線が接地され、対地電圧は100Vです。対して非接地式の三相3線式200Vは、省令第58条の定義では電線間電圧200Vを対地電圧として扱います。ここが0.1MΩと0.2MΩを分けるポイントです。
電気設備技術基準のオリジナル10問
第1問:現行の省令における低圧の組合せとして正しいものはどれですか?
A. 直流600V以下・交流600V以下 B. 直流750V以下・交流600V以下 C. 直流750V未満・交流600V未満 D. 直流1500V以下・交流1000V以下
正解:B
省令第2条では、低圧を直流750V以下、交流600V以下と区分します。「以下」なので境界値の直流750V・交流600Vも低圧です。
第2問:交流6600Vの電路はどの区分ですか?
A. 低圧 B. 高圧 C. 特別高圧 D. 小勢力回路
正解:B
交流は600Vを超え7000V以下が高圧です。6600V受電のキュービクルはこの範囲に入ります。7000Vを超えると特別高圧です。
第3問:単相2線式100Vの接地式電路を、開閉器で区切った範囲ごとに測定します。省令第58条の絶縁抵抗値は何MΩ以上ですか?
A. 0.1MΩ B. 0.2MΩ C. 0.4MΩ D. 1.0MΩ
正解:A
使用電圧300V以下かつ対地電圧150V以下なので0.1MΩ以上です。住宅の一般的な100V回路がこの区分に入ります。
第4問:非接地式の三相3線式200V電路です。省令第58条では非接地式電路の対地電圧を電線間電圧として扱います。必要な絶縁抵抗値は何MΩ以上ですか?
A. 0.1MΩ B. 0.2MΩ C. 0.4MΩ D. 2.0MΩ
正解:B
使用電圧は300V以下ですが、非接地式では電線間電圧200Vを対地電圧として扱うため「その他の場合」です。必要値は0.2MΩ以上です。
第5問:使用電圧400Vの低圧電路に必要な絶縁抵抗値は何MΩ以上ですか?
A. 0.1MΩ B. 0.2MΩ C. 0.4MΩ D. 4.0MΩ
正解:C
使用電圧が300Vを超える低圧電路なので0.4MΩ以上です。この区分では、300V以下のように対地電圧150Vで分けません。
第6問:中性線が接地された単相3線式100/200V回路について、正しい説明はどれですか?
A. 線間200Vなので対地電圧も必ず200V B. 各非接地線の対地電圧は100Vで、200Vという表示だけで0.2MΩ区分にはしない C. 低圧ではない D. 絶縁抵抗の規定は適用されない
正解:B
中性点が接地された単相3線式では、各非接地線と大地の間は100Vです。使用電圧300V以下・対地電圧150V以下なので、一般的な該当回路の絶縁抵抗は0.1MΩ以上です。
第7問:電線の接続について、省令第7条に沿うものはどれですか?
A. 接続部の抵抗が増えても固定できればよい B. 絶縁性能は接続前より低くてもよい C. 抵抗を増加させず、絶縁性能を低下させず、通常使用で断線のおそれがないようにする D. 同じ色の電線なら方法は問わない
正解:C
接続不良は局部的な発熱や断線、露出部からの感電につながります。接続部は電気抵抗・絶縁性能・機械的な確実さを別々に確認します。
第8問:過電流遮断器を必要な箇所へ施設する主な目的はどれですか?
A. 電路の周波数を一定にする B. 過電流による電線・機器の過熱焼損を防ぎ、火災を防止する C. 接地抵抗を小さくする D. 電力量を測定する
正解:B
過負荷や短絡で大きな電流が流れ続けると、電線や機器が発熱・焼損します。省令第14条は、必要な箇所に過電流遮断器を設けて保護することを求めています。
第9問:地絡に対する保護について、最も適切なのはどれですか?
A. すべての電路で例外なく同じ漏電遮断器を使う B. 地絡時に損傷・感電・火災のおそれがないよう、地絡遮断器の施設その他の適切な措置を講じる C. 接地をすれば他の保護は検討不要 D. 乾燥場所ほど必ず遮断器を増やす
正解:B
省令第15条は、地絡による危険を避けるため地絡遮断器その他の適切な措置を求めています。乾燥した場所に機器を施設するなど危険のおそれがない場合の例外もあるため、「どこでも同じ」とは覚えません。
第10問:技術基準の解釈第181条でいう小勢力回路の最大使用電圧は何V以下ですか?
A. 12V B. 36V C. 60V D. 100V
正解:C
小勢力回路は最大使用電圧60V以下です。ただし、60V以下なら何でも小勢力回路になるわけではなく、用途、最大使用電流、変圧器、配線方法など第181条の条件を合わせて判断します。電気工事士法施行令の軽微な工事にある「二次電圧36V以下」とは別の基準です。
答え合わせと復習先
| 問題 |
正解 |
確認テーマ |
| 1・2 |
B・B |
低圧・高圧の境界 |
| 3〜6 |
A・B・C・B |
絶縁抵抗と対地電圧 |
| 7 |
C |
電線の接続 |
| 8・9 |
B・B |
過電流・地絡保護 |
| 10 |
C |
小勢力回路 |
このミニテストに公式の合格点はありません。0〜4問なら電気設備技術基準の基礎解説へ戻ります。5〜7問なら、間違えた問題を「電圧区分」「対地電圧」「保護目的」に分けて復習してください。8〜10問でも、第4問と第6問の違いを説明できなければ翌日に解き直します。
コンテンツ方針:この記事は現行省令と技術基準の解釈を基に作成したオリジナル問題で構成し、公式過去問題は転載していません。教材・工具・講座のアフィリエイトリンクも掲載していません。実際の設計・施工・検査では、設備条件と最新版の公式資料を確認してください。
よくある質問
Q. 200V回路の絶縁抵抗は、すべて0.2MΩ以上ですか?
A. いいえ。使用電圧300V以下では対地電圧で分けます。単相3線式100/200Vの対地電圧100Vなら0.1MΩ以上、非接地式三相200Vは省令上の対地電圧を電線間電圧200Vとして0.2MΩ以上です。
Q. 住宅の屋内電路は、例外なく対地電圧150V以下ですか?
A. 原則は150V以下ですが、技術基準の解釈第162条には、2kW以上の専用機器・専用配線を所定の保護方法で施設する場合など、300V以下を認める例外があります。
Q. 小勢力回路の60V以下と、軽微な工事の36V以下は同じ規定ですか?
A. 別です。60V以下は技術基準の解釈にある小勢力回路の上限、36V以下は電気工事士法施行令にある小型変圧器二次側配線の軽微な工事の条件です。
Q. 技術基準省令と「技術基準の解釈」は何が違いますか?
A. 省令は安全上必要な性能を定め、解釈はその省令へ適合する具体的な施設方法の代表例を示します。試験では数値だけでなく、どちらの何条に基づく条件かを分けて確認します。
この記事を書いた人:資格太郎電気工事士の独学合格を目指して学習中。数字の丸暗記ではなく、回路条件から必要値と保護目的を説明できる問題を作成しています。運営者情報を詳しく見る
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