受験ガイド

第一種電気工事士の独学勉強法|科目別攻略と3ヶ月合格スケジュール

この記事でわかること

  • 第一種と第二種の難易度・出題範囲の違い
  • 科目別の出題数と効率的な攻略順序
  • 3ヶ月で合格するための学習スケジュール
  • 過去問の活用法と参考書の選び方
  • 独学と通信講座の比較ポイント

結論から言います

第一種電気工事士は、独学で十分合格できる資格です。学科試験の合格率は約50〜60%、技能試験は約60〜65%。第二種に比べると範囲が広く難易度は上がりますが、きちんと対策すれば独学でも問題ありません。

この記事では、科目別の攻略法、学習スケジュール、おすすめの参考書の選び方まで、第一種に特化した勉強法を解説します。

第一種と第二種の難易度の違い

項目 第二種 第一種
学科試験 50問 / 120分 50問 / 140分
合格ライン 60点(30問正解) 60点(30問正解)
出題範囲 低圧のみ 低圧+高圧電気応用発電送電
技能試験 40分 / 13候補問題 60分 / 10候補問題
学科合格率 約55〜60% 約50〜60%
免状交付条件 試験合格のみ 試験合格+実務経験3年以上

最大の違いは出題範囲の広さです。第二種の内容に加えて、高圧受電設備、発電・送電・変電、電気応用(電動力・電熱・照明)が追加されます。ただし、第二種の知識がベースになるので、第二種を持っていれば約6割はすでに学習済みと考えてよいでしょう。

学科試験の科目別出題数と攻略法

科目 出題数 難易度
基礎理論 5〜6問 やや難
配電理論・配線設計 5〜6問 やや難
電気応用 3〜4問 やや難
電気機器・受電設備 5〜6問 普通
施工方法 5〜6問 普通
検査方法 3〜4問 普通
発電・送電・変電 3〜4問 普通
法令 5〜6問 易しい
配線図 5〜6問 普通

1. まず得点しやすい科目から攻める

合格ラインは60点(30問/50問)。全科目を完璧にする必要はありません。効率よく30問を取る戦略が大切です。

攻略の優先順位
【最優先】法令・配線図・施工方法(約16問)
→ 暗記中心で確実に得点できる。ここで12問以上を目標に。

【次に】電気機器・受電設備・検査方法(約10問)
→ 高圧受電設備の知識がベース。7問以上を目標に。

【最後に】基礎理論・配電理論・電気応用・発電送電(約18問)
→ 計算問題が多いが、公式を覚えれば11問以上取れる。

合計:12 + 7 + 11 = 30問 → 60点で合格!

2. 科目別の具体的な勉強法

法令(最もコスパが良い)

法令は暗記科目です。覚えたらそのまま得点になります。

  • 電気事業法(自家用電気工作物の定義、電気主任技術者の選任)
  • 電気工事士法(第一種の工事範囲、認定電気工事従事者)
  • 電気設備技術基準(絶縁抵抗値、接地抵抗値、電圧区分)
  • 電気用品安全法(PSEマーク、特定/特定以外)
  • 電気工事業法(登録と届出)

第二種で学んだ内容+自家用電気工作物に関する規定を追加で覚えればOKです。

配線図(暗記で得点できる)

高圧受電設備の単線結線図を読む問題が中心です。

  • PAS, DS, VCB, LBS, CT, VT, LA, PF, SC, SR, OCR, DGR——これらの図記号・略称・正式名称・役割をセットで覚える
  • PF・S形とCB形の違いを理解する
  • 接地種別(A〜D種)の適用箇所を覚える

電気機器・受電設備(理解で覚える)

高圧受電設備の各機器(断路器、遮断器、変圧器、計器用変成器など)の役割と特性を理解します。丸暗記より「なぜその機器が必要か」を考えると記憶に残ります。

基礎理論・配電理論(公式を整理する)

計算問題は公式を覚えて、過去問で練習するのが最短ルートです。

必須公式リスト
・三相電力 P = √3VIcosθ
・Y結線 VL=√3VP、Δ結線 IL=√3IP
・Y-Δ変換 ZΔ=3ZY
・短絡電流 Is=In×(100/%Z)
・電圧降下 v=√3I(Rcosθ+Xsinθ)L
・水力発電 P=9.8QHη
・巻上機 P=mgv/η
・ポンプ P=9.8QH/η
・電熱 Q=mcΔT
・照度 E=I/r²、光束法 N=EA/(FUM)

電気応用(公式 + 用語暗記)

電動力応用(巻上げ機・ポンプ)、電熱(加熱方式の種類)、照明(照度計算)が中心です。計算公式と加熱方式の分類を覚えましょう。

発電・送電・変電(用語暗記 + α)

水力発電の出力計算、火力発電の熱サイクル、送電線の障害と対策、配電方式の種類——主に知識問題です。

学習スケジュール(3ヶ月プラン)

3ヶ月(12週間)学習プラン
第1〜2週:法令(1日30分〜1時間)
第二種の法令を復習 + 自家用電気工作物の規定を追加

第3〜4週:受電設備・配線図
高圧受電設備の構成機器と図記号を覚える

第5〜6週:施工方法・検査方法
高圧ケーブル工事、特殊場所、耐圧試験、保護継電器

第7〜8週:基礎理論・配電理論
三相回路の計算、短絡電流、電圧降下

第9〜10週:電気応用・発電送電
電動力応用、電熱、照明、各種発電方式

第11〜12週:過去問演習
過去5年分×2周。間違えた問題を重点復習

1日の学習時間の目安:1〜1.5時間

第二種を最近取得した人は、すでに基礎理論・法令・施工方法の基本を理解しているため、上記スケジュールより短縮できます。2ヶ月でも十分間に合うでしょう。

過去問の活用法

第一種の学科試験は過去問の類似問題が非常に多いため、過去問演習が最も効率の良い勉強法です。

過去問の回し方
① 過去5年分(10回分)を用意する
② 1回目:時間を計って解く → 正解率を確認
③ 間違えた問題を分野別に分類
④ 弱い分野のテキストに戻って復習
⑤ 2回目:間違えた問題だけ解き直す
⑥ 本番1週間前:直近2年分を通しで解く

電気技術者試験センターのWebサイトで、過去の試験問題と解答が公開されています。まずはこれを活用しましょう。

参考書の選び方

学科試験用

タイプ おすすめの人
テキスト+問題集セット 基礎からしっかり学びたい人、第二種を持っていない人
過去問題集のみ 第二種取得済みで、ある程度基礎がある人
要点整理+過去問 効率重視の人。短期間で合格したい人

技能試験用

技能試験は第二種と同じく候補問題が事前公表されます(10問)。第二種に比べて作業時間は60分と長いですが、高圧部分(端子台への結線など)が加わります。

  • 候補問題の解説書:10問すべての複線図と作業手順が載っているもの
  • 練習用部材セット:2〜3周練習が推奨
  • 第二種で使った工具はそのまま使える(追加で電工ナイフ裸圧着端子用圧着工具が必要。約4,500円)

第一種の技能試験のポイント

第二種との違いを押さえておきましょう。

第二種 技能
候補問題:13問
試験時間:40分
高圧部分:なし
KIP電線:なし
端子台:なし
第一種 技能
候補問題:10問
試験時間:60分
高圧部分:あり
KIP電線:使用あり
端子台:変圧器代用あり
  • KIP電線(高圧絶縁電線):太くて硬いので、剥ぎ取りに慣れが必要
  • 端子台:変圧器やリレーの代用として端子台に結線する作業が出る
  • 作業量が多い:60分あっても油断はできない。複線図を素早く書く練習を

免状の交付条件

⚠ 試験に合格しただけでは免状はもらえません
第一種電気工事士の免状交付には、試験合格に加えて3年以上の実務経験が必要です(電気工事士法 第4条の2)。

ただし、試験合格の有効期限はないので、先に合格しておいて実務経験を積んでから免状を申請することも可能です。大学・高専の電気科卒業者は、必要な実務経験が短縮される場合があります。

独学 vs 通信講座 — どちらが自分に合う?

第一種電気工事士は独学で十分合格できますが、通信講座にもメリットがあります。自分の状況に合った学習方法を選びましょう。

独学
コスト:テキスト+過去問で約5,000円
メリット:安い、自分のペースで進められる
デメリット:疑問点を聞ける人がいない
向いている人:第二種取得済み、自己管理できる人
通信講座
コスト:3〜8万円
メリット:体系的なカリキュラム、質問サポート
デメリット:費用が高い
向いている人:初学者、独学に不安がある人

迷ったら、まず独学で始めてみてください。テキスト+過去問でペースが掴めなかったら、苦手分野だけ通信講座で補強するのが最も効率的です。

試験直前1週間の過ごし方

ラスト1週間で合否が決まる — 直前期の4つの鉄則
  • 新しい範囲には手を出さない — 残り1週間で新範囲に手を出すと、既存の知識まで不安定になります
  • 過去問の間違えた問題だけ解き直す — 自分の弱点を重点的に潰すのが最も点数を伸ばせる方法です
  • 技能試験の候補問題を1日1問ペースで練習 — 手を動かす感覚を維持することが大切です
  • 試験前日は早めに寝る — 睡眠が記憶定着のカギ。徹夜は逆効果です

まとめ

この記事のポイント
✔ 第一種は独学で合格可能(学科合格率50〜60%)
✔ 第二種の知識がベースになる(約6割は学習済み)
✔ 法令・配線図・施工方法から攻める(暗記で得点しやすい)
✔ 計算問題は公式を整理して過去問で練習
✔ 3ヶ月・1日1時間の学習で十分間に合う
✔ 過去問5年分×2周が最も効率の良い勉強法
✔ 免状交付には3年以上の実務経験が必要

第二種の勉強法は「第二種電気工事士は独学で合格できる!勉強法とスケジュールを完全ガイド」で詳しく解説しています。第一種と第二種の違いは「第一種と第二種電気工事士の違いは?どちらを先に取るべきか」も参照してください。第一種の試験概要・日程は「第一種電気工事士の試験概要・日程・合格率」にまとめています。

独学+αの学習ツール

独学での合格が基本ですが、苦手な分野がある場合は通信講座で効率よく補強するのも賢い選択です。

通信講座で体系的に学びたい方はこちらもチェックしてみてください。

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よくある質問

Q. 第一種電気工事士の勉強時間の目安は?

A. 第二種取得者の場合100〜150時間、初学者の場合200〜300時間が目安です。高圧分野は新たに学ぶ内容が多いため、余裕を持ったスケジュールを組みましょう。

Q. 第一種と第二種はどの分野が違う?

A. 高圧受電設備、発電・送電・変電、電気応用、自家用電気工作物の法規が追加されます。第二種の基礎理論・配線図・施工方法は共通部分が多いです。

Q. 第一種の学科試験で配点が高い分野は?

A. 高圧受電設備と配線図の配点が最も高く、この2分野で全体の約40%を占めます。優先的に学習することで効率的に合格ラインに到達できます。

理解度チェック!ミニテストに挑戦

各科目10問のミニテストで、学習の定着度を確認しましょう。

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