高圧配電と短絡電流計算を「判断の理由」まで確認
短絡計算は、%インピーダンスを見つけてすぐ足す問題ではありません。故障点と運転状態を決め、各設備の%Zを同じ容量・電圧基準へ換算し、抵抗分とリアクタンス分を合成してから、短絡容量と三相短絡電流へ変換します。最後に保護装置がその事故電流を安全に遮断・分離できるか確認します。
このページは、2026年度上期の公式学科出題例と2025年度下期問題を2026年7月27日に照合し、条件付きのオリジナル10問へ再構成しました。公式2026年度問題が問う基準容量換算と合成%Z、公式2025年度問題が問うOCR・VCB、SOG・PASの役割を、一つの計算・保護手順として結びます。
最終確認:2026年7月27日
解く前に押さえる4つの判断軸
受電点、母線、変圧器二次など計算点と、連系設備を含む運転状態を固定する。
各%Zを同じ基準容量・基準電圧へ換算し、必要なら%Rと%Xに分ける。
合成%Zから短絡容量を求め、三相では線間電圧と√3を使って短絡電流へ直す。
遮断器の遮断能力、機器の耐電流、継電器の検出・時限、上下流の協調を照合する。
先に確認する基準・関係
| 段階 | 使う関係 | 条件・単位の確認 |
|---|---|---|
| 基準容量換算 | %Znew=%Zold×Snew/Sold | 基準電圧が同じ場合。異なる場合は電圧基準の換算も必要。 |
| インピーダンス合成 | %Rと%Xを同一基準で合成し、%Z=√(%R²+%X²) | %Zの大きさを単純加算できるのは、同一基準でR/X比も同じ等の条件がある場合。 |
| 短絡容量 | Ssc=Sbase×100/%Ztotal | SbaseとSscの単位をそろえる。三相対称短絡の指定条件に用いる。 |
| 三相短絡電流 | Isc=Ssc/(√3×V) | SscをVA、線間電圧VをVで入れればA。MVA・kVなら結果はkA。 |
誤答しやすい理由
- 30MVA基準と10MVA基準の%Zを、そのまま同じ列で足す。
- %Zの大きさだけを、R/X比やベクトル合成の条件を見ずに常に算術加算する。
- 短絡容量MVAと短絡電流kAを同じ数値として扱い、線間電圧と√3を使わない。
- 変圧器の%Zだけで計算し、問題が与えた電源側・配電線・ケーブルのインピーダンスを落とす。
- 遮断器の定格電流と定格遮断電流を混同し、PASや断路器にも大短絡電流の遮断を任せる。
オリジナル10問ミニテスト
問題はすべて当サイト作成のオリジナルです。公式過去問題は転載していません。1問ずつ答えを決めてから、ボタンで解説を確認してください。
答え合わせ後の復習先
| 問題 | 判断軸 | 復習すること |
|---|---|---|
| 問1〜2 | %Zと基準換算 | %Zの定義と、同一電圧基準での容量換算を式と単位で書く。 |
| 問3 | インピーダンス合成 | 同一基準、直列、R/X比の条件を確認し、一般の場合は%R・%Xで合成する。 |
| 問4〜6 | 短絡容量・電流 | Ssc=Sbase×100/%Z、Isc=Ssc/(√3V)、変圧器単独の近似を使い分ける。 |
| 問7〜8 | 故障点と遮断能力 | 電源から故障点までの全インピーダンスを拾い、想定最大値以上の遮断能力を確認する。 |
| 問9〜10 | 保護装置 | OCR/VCBとGR付PAS/SOGの検出・遮断・無電圧開放の役割を分ける。 |
- STEP 1:誤答を『基準換算』『合成』『容量』『電流』『遮断・協調』の5欄へ分類する。
- STEP 2:公式2026年度問8の各%Zを10MVA基準へ換算し、条件を声に出してから合成式を書き直す。
- STEP 3:翌日に別の数値で、故障点→%Z換算→短絡容量→短絡電流→遮断器・保護装置の順に再計算する。
公式資料と安全上の注意
制度・試験条件・欠陥基準は更新されることがあります。受験年度の案内と当日の問題を優先し、次の無料資料で確認してください。
- 第一種電気工事士 学科試験のポイント
- 配電理論及び配線設計の公式例題(PDF)
- 2026年度上期 第一種学科試験・出題例(問8・30、PDF)
- 2025年度下期 第一種学科試験(問20・23・30、PDF)
- 経済産業省 電気設備の技術基準の解釈(現行PDF)
広告・出典方針
この記事内に教材・工具・講座のアフィリエイトリンクは掲載していません。問題は公式資料の基準を照合して独自作成し、公式資料へのリンクを明示しています。
まとめ
- 短絡計算は故障点と運転状態を決め、全設備の%Zを同じ容量・電圧基準へ換算する。
- %Zの単純加算は条件付きであり、一般には%Rと%Xを合成する。
- 合成%Z→短絡容量MVA→三相短絡電流kAの順に、√3と単位を確認して計算する。
- 計算値を遮断能力、OCR・VCB、GR付PAS・SOG、上下流の保護協調へつなげる。
次に使うページ
よくある質問
%インピーダンスは全部そのまま足せますか?
いいえ。まず基準容量・基準電圧をそろえます。さらに%Zが大きさだけで示される場合、算術加算にはR/X比が同じ等の条件が必要です。一般には%Rと%Xを別々に合成してから%Zの大きさを求めます。
変圧器の定格電流×100/%Zだけで実設備の短絡電流を決められますか?
変圧器だけをインピーダンスとして扱う問題の近似式です。実設備の検討では、電源側、配電線・ケーブル、並列変圧器、発電機や回転機からの寄与、運転状態、故障種類など、指定された条件を含めます。
遮断器の定格電流と定格遮断電流は同じですか?
同じではありません。定格電流は通常運転で連続して流せる電流の尺度、定格遮断電流は規定条件で遮断できる事故電流の尺度です。実際の選定は電圧、短絡電流、動作責務、規格、保護協調等を設計資料で確認します。
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