この記事を読み終えると、候補問題No.9のタイムスイッチ(S1・S2・L2・L1)と自動点滅器(1・2・3)の端子に何色の線を結ぶかを中の部品から決められるようになり、屋外灯の線がボックスAとBの間を行って戻る道と、Aの刻印・Bの差込形コネクタの数まで自分で描けるようになります。
No.9には、端子台で代用する器具が3つあります。変圧器・タイムスイッチ・自動点滅器で、どれも端子の名前だけでは線が決まりません。問題の図3・図4に描かれた「中の部品」と、図5の展開接続図を読んで初めて、どの端子とどの端子を結ぶかが分かります。先に器具ごとの端子を図にしてから、2つのボックスへ進みます。
令和8年度上期No.9で出題された回路
令和8年度上期(2026年7月4日)の技能試験で出題された候補No.9の問題と公式解答では、回路は次のとおりです。1φ2W 6,600Vを単相変圧器(端子台で代用)で下げ、VVF 2.0-2Cの100V回路をジョイントボックスAへ、もう1本のVVF 2.0-2Cで200Vを他の負荷(施工省略)へ出します。Aからは露出形コンセント、タイムスイッチ(端子台で代用)、VVF用ジョイントボックスBへ配線し、Bから自動点滅器(端子台で代用)と屋外灯イ(施工省略)へ出します。
施工条件のうち、作品の形を左右するのは次の7項目です。
| 施工条件 | 指定の中身 | 作品で見る場所 |
|---|---|---|
| 3 | タイムスイッチは図3どおり。端子S2を接地側とする | S2に白、S1に黒 |
| 4・5 | 自動点滅器は図4、屋外灯回路は図5どおり | 1–3の接点とL2–L1の接点が直列(図2の④⑤) |
| 6 | タイムスイッチの電源用電線は2心ケーブル1本 | AからS1・S2へのVVF 1.6-2C |
| 7 | AからBへの自動点滅器の電源用電線は2心ケーブル1本 | A–B間の黒と白(図3の①②⑤⑥) |
| 8 | 接地側は白。変圧器からコンセント・タイムスイッチ・自動点滅器への非接地側は黒 | コンセントのWに白 |
| 9 | AとBを経由する電線はすべて接続点を設け、Aはリングスリーブ、Bは差込形コネクタ | 図3 |
| 10・11 | 打抜き済みの穴だけをすべて使う。コンセントはケーブルを台座の下部から入れる | 4つの穴に6本 |
変圧器の5つのねじから、100Vと200Vを取り出す
図1 二次側の3つのねじから、100V・200V・接地線の3系統が出る
ねじの間の数字は、その2つのねじの間の電圧です。線どうしが交わって見える場所は、つながっていません(切れ目を入れています)。
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問題の図2(変圧器代用の端子台説明図)では、上の段が一次側のU・V、下の段が二次側のu・o・vです。図1の①のとおり、一次側へはKIP 8mm2を1本ずつ入れます。支給は約200mmが1本なので、2本に切り分けます。
二次側は210/105Vで、u–oとo–vの間が105V、u–vの間が210Vです(配線図では100Vと200Vの回路として描かれています)。図1の②の100V回路はuから黒、oから白で出してAへ送り、図1の③の200Vはuとvから他の負荷へ出します。支給のVVF 2.0-2C(シースが青)は約700mmが1本で、これを2本に分けます。図1の④の緑の接地線はIV 5.5mm2で、oに結びます。
タイムスイッチと自動点滅器は「中の部品」で端子を読む
2つの器具の端子台は、問題の図3・図4に内部結線が描かれています。端子ごとに、中にある部品と結ぶ電線をまとめると次のとおりです。
| 端子 | 中の部品(問題の図3・図4) | 結ぶ電線 |
|---|---|---|
| S1 | 時計のモータ(非接地側) | Aからの黒 |
| S2 | 時計のモータ(接地側。条件3) | Aからの白 |
| L1・L2 | 時刻で開閉する接点(電源とは切り離されている) | L1はAでBからの線へ、L2はAでBへの線へ |
| 1 | CdS回路と接点の共通 | Bからの黒 |
| 2 | CdS回路(接地側) | Bからの白 |
| 3 | 暗いと1とつながる接点 | VVF 1.6-3Cの赤でBへ |
タイムスイッチは4つの端子のうち、S1–S2の間に時計を動かすモータがあり、L2–L1の間には時刻で開閉する接点だけがあります。接点は電源とは切り離されているので、L2・L1は「どの線の途中に入れるか」で決まります。第二種の候補問題No.3のタイムスイッチは3端子で、接点の片側がS1とつながっていました。端子の名前が似ていても中身が違うので、年度と課題ごとに内部結線を見て読みます。
自動点滅器は、端子1–2の間にCdS回路(周囲の明るさを感じる部分)、端子1–3の間に暗くなると閉じる接点があります。端子1が両方の共通で、非接地側の黒が入ります。
屋外灯は「暗い」かつ「設定時刻」のときだけ点く
図2 屋外灯の道だけが、2つの接点を順に通る
問題の図5(屋外灯回路の展開接続図)に、端子台の端子名を書き入れた図です。接点の形は、どちらも開いている状態(明るく、設定時刻の外)で描いています。
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図2の④の接点(自動点滅器の1–3)と図2の⑤の接点(タイムスイッチのL1–L2)は、屋外灯イまでの1本の道に直列に並んでいます。だから周囲が暗く、しかも設定した時刻の範囲内のときだけ屋外灯が点きます。暗くなってから設定した時刻までだけ点けておく、といった使い方ができる回路です。
| タイムスイッチ(L2–L1) | 自動点滅器(1–3) | 屋外灯イ |
|---|---|---|
| 開(設定時刻の外) | 開(明るい) | 消灯 |
| 開(設定時刻の外) | 閉(暗い) | 消灯 |
| 閉(設定時刻の内) | 開(明るい) | 消灯 |
| 閉(設定時刻の内) | 閉(暗い) | 点灯 |
公式の複線図では、端子3の赤がBとAを経てL1へ入り、L2からの線がAとBを経て屋外灯の黒へ向かいます。直列の順番を入れ替えても点く条件は同じですが、作品は公式の複線図と同じ順にしておくと、見直しのときに迷いません。
2心ケーブルを「電源用」と「接点用」に分けて使う
AとB、Aとタイムスイッチの間には、VVF 1.6-2Cがそれぞれ2本ずつ通ります。施工条件6・7は、そのうち1本を電源用に決めています。タイムスイッチ側はS1・S2への黒と白、B側は自動点滅器の端子1・2へ向かう黒と白です。
残る1本ずつが接点用で、タイムスイッチ側はL2とL1、B側は端子3の線と屋外灯の黒を運びます。この2本は接地側でも「変圧器から器具へ至る非接地側」でもないので、公式解答でも色別を問わない線で描かれています。支給のVVF 1.6-2Cは約1,850mmが1本で、コンセント・タイムスイッチ2本・A–B間2本・屋外灯の6本に切り分けます。
ボックスAの4組とBの4つのコネクタ
図3 AとBの間の2心2本は、上の2組が電源用、下の2組が接点用
左がVVF用ジョイントボックスB、右がジョイントボックスA。真ん中の横線が、AとBの間のVVF 1.6-2C 2本の4つの心線です。
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Aの図3の①②は、変圧器から来る2.0mmに、コンセント・タイムスイッチ・Bへ向かう1.6mmの3本が集まる組です。2.0mm 1本と1.6mm 3本は中スリーブの範囲なので、刻印は「中」です。図3の③④は1.6mmの2本で「○」になります。支給のリングスリーブは小3個・中3個(予備を含む)で、使うのは中2個・小2個です。
Bは差込形コネクタです(施工条件9②)。図3の⑥の白だけが、Aからの白・端子2・屋外灯の白の3本になります。VVF用ジョイントボックスそのものは支給されず、取り付けも省略しますが、接続点は設けてコネクタで結びます。
Aの4つの穴に、6本のケーブルを通す
Aは打抜き済みの穴が19mmの4か所で、ゴムブッシングも19mm用が4個です。入るケーブルは、変圧器からのVVF 2.0-2C、コンセントへの1本、タイムスイッチへの2本、Bへの2本の計6本です。施工条件10は「打抜き済みの穴だけをすべて使う」なので、タイムスイッチへの2本とBへの2本は、それぞれ1つの穴にまとめて通します。公式の概念図もこの形です。
露出形コンセントは、ケーブルを台座の下部(裏側)から入れ、入れた所に近い端子へ結びます(施工条件11)。接地側極端子(Wの表示)には白です。
No.9の作業手順と、先に切り分ける材料
- 材料を切り分ける。KIPを2本、VVF 2.0-2Cを2本、VVF 1.6-2Cを6本にします。VVF 1.6-3Cは自動点滅器へ1本です。
- 変圧器を仕上げる。KIPをU・Vへ、100Vの黒をu・白をo、200Vをuとv、緑をoへ(図1)。
- タイムスイッチと自動点滅器に結ぶ。S1黒・S2白、L2・L1に接点用の2心。自動点滅器は1黒・2白・3赤。
- 露出形コンセントを結ぶ。台座の下部から入れ、Wに白。
- Aにケーブルを通し、4組を数えてから圧着する。黒と白の組は「中」、接点の2組は「○」(図3の①〜④)。
- Bを差込形コネクタで結ぶ。白の組だけ3本用。最後に図2の道を指でなぞり、④と⑤を通って屋外灯へ届くかを確かめます。
完成前に見直す食い違い
| 見直しで気づく食い違い | 原因 | 戻る場所 |
|---|---|---|
| Bで2本用のコネクタが1個余る | 端子3の赤と屋外灯の黒をBで直接つないだ | 図2の⑤。3の線はAでL1へ |
| S2に黒が入っている | S1とS2を入れ替えた | 条件3。S2が接地側で白 |
| Aの1.6mm 2本の組の刻印が「小」 | 圧着ダイスの穴を取り違えた | 図3の③④は「○」 |
| 緑の線がvに入っている | 200Vの端子と取り違えた | 図1の④。o端子 |
| コンセントのケーブルが台座の横から入っている | 条件11の読み落とし | 台座の下部(裏側)から入れ、近い端子へ |
自己チェック|2つの接点とA・Bの組
解説は最初から表示しています。図を見ないで答えられるかを試してください。
問1:屋外灯イが点灯するのは、どんなときですか。
- 周囲が暗く、しかも設定した時刻の範囲内のとき
- 周囲が暗いか、設定した時刻の範囲内か、どちらか一方のとき
- 設定した時刻の範囲内なら、明るさに関係なく
- 周囲が暗ければ、時刻に関係なく
解答:1
図2の④(自動点滅器の1–3)と⑤(タイムスイッチのL1–L2)が直列なので、両方が閉じたときだけ点きます。2のように「どちらか一方」で点くのは、2つの接点を並列にした場合です。
問2:タイムスイッチの時計(モータ)に電源を送る端子の組はどれですか。
- S1とS2
- L2とL1
- S1とL1
- S2とL2
解答:1(S1とS2)
問題の図3(内部結線)では、MがS1–S2の間にあり、L2–L1は時刻で開閉するだけの接点です(図2の②⑤)。3の「S1とL1」は、第二種の候補問題No.3のように接点の片側がS1とつながっているタイムスイッチの読み方で、No.9の端子台には当てはまりません。
問3:自動点滅器の端子2に結ぶ電線はどれですか。
- Bで白の組につながる白
- Bで黒の組につながる黒
- タイムスイッチのL1へ向かう線
- 屋外灯の黒
解答:1(Bで白の組につながる白)
CdS回路は端子1と端子2の間で働くので(図2の③)、2は接地側で白です(条件8②)。1は非接地側の黒(条件8③)、残る3がVVF 1.6-3Cの赤で、BとAを経てL1へ向かいます。
問4:ボックスAの黒の組(変圧器のuから来る組)の電線と刻印の組み合わせはどれですか。
- 2.0mm 1本と1.6mm 3本で「中」
- 2.0mm 1本と1.6mm 3本で「小」
- 2.0mm 1本と1.6mm 2本で「小」
- 1.6mm 4本で「中」
解答:1(2.0mm 1本と1.6mm 3本で「中」)
変圧器のuから来る2.0mmに、コンセント・S1・Bへ向かう1.6mmの3本が集まります(図3の①)。2.0mm 1本と1.6mm 3本は中スリーブの範囲なので、刻印も「中」です。3はBへの黒を数え忘れたときの本数です。
問5:VVF用ジョイントボックスBで、3本用の差込形コネクタを使う組はどれですか。
- 白の組(Aからの白・端子2・屋外灯の白)
- 黒の組(Aからの黒・端子1)
- 端子3の赤の組
- 屋外灯の黒の組
解答:1
図3の⑥です。屋外灯の白もBで接地側へ戻るので、白だけが3本になります。残る3つの組はどれも2本で、支給の2本用3個・3本用1個とちょうど合います。
問6:変圧器の二次側で、緑の接地線を結ぶ端子はどれですか。
- o
- u
- v
- uとvの両方
解答:1(o)
図1の④のとおり、105V・105Vの間にあるoから取ります。oには100V回路の白も結ぶので2本です。u–v間の210Vは他の負荷(施工省略)へ出すだけの回路です。
No.9の端子と結線を確かめた公式資料
2026年9月29日に、次の資料の記載内容を確認して、本文の端子記号・内部結線・電線色・接続方法・接続点の刻印とコネクタの数を照合しました。
- 電気技術者試験センター:第一種電気工事士の技能試験の候補問題
- 電気技術者試験センター:令和8年度第一種電気工事士技能試験候補問題の公表について(PDF)
- 電気技術者試験センター:第一種電気工事士試験の問題と解答
- 電気技術者試験センター:令和8年度上期技能試験 候補No.9の問題(PDF)
- 電気技術者試験センター:同 解答(概念図・複線図・正解作品例)(PDF)
- 電気技術者試験センター:電気工事士技能試験(第一種・第二種)欠陥の判断基準(PDF)
更新履歴:2026年8月1日 令和8年度上期の問題に合わせて改訂/2026年9月29日 図1〜図3と自己チェックを加え、端子3とL1・L2の結び先を公式の複線図の順に合わせた
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