1種 基本作業

第一種電気工事士 技能試験の基本作業|KIP線・端子台・CVVケーブルの施工

この記事でわかること

  • KIP線(高圧絶縁電線)の剥ぎ取り手順
  • 端子台への結線方法と欠陥になるパターン
  • CVVケーブルの外装剥ぎ取りと心線処理
  • 接地線(EB種・ED種)の取り付け方
  • 第一種特有の欠陥防止チェックリスト

この記事は令和8年度(2026年度)の公表候補問題に基づいています。施工条件の詳細(ケーブルの種類・長さ・接続方法など)は試験当日に明示されます。

結論から言います

第一種電気工事士の技能試験は、第二種の技能に「高圧部分の作業」が加わった試験です。第二種で学んだVVFケーブルの剥ぎ取り・輪づくり・圧着接続はそのまま使えます。追加で覚えるべきは、KIP線の取り扱い・端子台への結線・CVVケーブルの処理の3つです。

第一種で追加される基本作業
1. KIP線(高圧絶縁電線)の剥ぎ取りと圧着端子の取り付け
2. 端子台への結線(変圧器・VCB・CT・電磁開閉器の代用)
3. CVVケーブルの外装剥ぎ取りと心線処理
4. 接地線(EB種・ED種)の取り付け

第二種の基本作業(ケーブルの剥ぎ取り・輪づくり・リングスリーブ圧着・差込形コネクタ)はすでに習得済みの前提で、ここでは第一種固有の作業に絞って解説します。

KIP線(高圧絶縁電線)の取り扱い

KIP線は、高圧回路(6,600V)の配線に使われる電線です。技能試験では、KIP 5.5mm²が使用されます。

KIP線の特徴

項目 内容
正式名称 600V架橋ポリエチレン絶縁電線
導体 より線(5.5mm²)
絶縁体 架橋ポリエチレン(黒色)
外径 約6mm
剥ぎ取り工具 電工ナイフ(VVFストリッパでは不可)

KIP線の剥ぎ取り手順

  1. 寸法を測る ── 施工条件で指定された長さ(通常50mm程度)を確認
  2. 電工ナイフで絶縁被覆に切れ目を入れる ── ナイフの刃を被覆に当て、心線を傷つけないよう注意しながら一周ぐるりと切り込む
  3. 被覆を引き抜く ── 切れ目を入れたら、ペンチで被覆をつかんで引き抜く
  4. 圧着端子(丸形)を取り付ける ── 露出した心線に丸形圧着端子をかぶせ、圧着工具で圧着する
【写真】KIP線の剥ぎ取り手順
(画像準備中)

注意:KIP線の被覆は硬いため、電工ナイフを使います。VVFストリッパでは剥ぎ取れません。心線(より線)を傷つけると欠陥になるため、切り込みの深さに注意してください。

端子台への結線

第一種の技能試験では、変圧器・VCB・CT・電磁開閉器などの実物の代わりに端子台を使用します。端子台にはネジ端子があり、電線の先端をネジ止めして接続します。

端子台の結線方法

  1. 高圧側端子 ── KIP線に丸形圧着端子を取り付けてからネジ止め
  2. 低圧側端子 ── VVFケーブルやCVVケーブルの心線を直接ネジ止め(輪づくり不要)
  3. 接地端子 ── 接地線(IV線 1.6mm 緑)をネジ止め

結線の注意点

  • ネジの締め付け不足 ── 電線を軽く引っ張って抜けないことを確認
  • 心線の露出 ── 端子台のネジに挟まれた部分以外で心線が見えていると欠陥
  • 端子の間違い ── 施工条件の端子番号をよく確認すること(U, V, W, u, v, w など)
  • 圧着端子の向き ── 丸穴がネジに合っているか確認
【写真】端子台への結線
(画像準備中)

CVVケーブルの処理

CVV(制御用ビニル絶縁ビニルシースケーブル)は、電磁開閉器の制御回路などに使われるケーブルです。技能試験ではCVV 2mm² 3心がよく使用されます。

CVVケーブルの特徴

  • 構造:VVFと似ているが、心線がより線(VVFは単線)
  • 外装:灰色のビニルシース
  • 用途:制御回路、信号線

剥ぎ取り手順

  1. 外装(シース)の剥ぎ取り ── 電工ナイフまたはVVFストリッパで外装に切れ目を入れ、引き抜く(VVFと同じ要領)
  2. 絶縁被覆の剥ぎ取り ── 心線がより線なので、ワイヤストリッパを使う(VVFストリッパでもOK)
  3. 端子台への接続 ── より線のまま端子台のネジに巻き付けてネジ止め、または棒形圧着端子を使用

注意:CVVケーブルの心線はより線なので、端子台のネジ止め時に「ヒゲ(ほつれた細い線)」が出やすい。ヒゲが隣の端子に接触すると短絡で欠陥になります。

接地線の取り付け(EB種・ED種)

第一種の候補問題では、EB種接地ED種接地の2種類が出てきます。

種別 使用電線 接続先
EB種接地 1.6mm IV緑 変圧器の二次側(低圧側)中性点の接地(B種接地に相当)
ED種接地 1.6mm IV緑 低圧側の電動機外箱など(旧D種に相当する部分)

接地線は、指定された端子台の接地端子にネジ止めします。施工条件で「EBは端子台○の○番端子に接続」と指定されるので、間違えないようにしましょう。

第二種との共通作業(復習)

以下の作業は第二種と同じです。不安な方は第二種の記事で復習してください。

よくある欠陥(第一種特有)

欠陥=一発不合格です。第一種は第二種と同じ欠陥判定基準が適用されます。特に端子台への結線は第一種特有のミスが起きやすいので注意してください。

  • KIP線の心線に傷 ── 電工ナイフで剥ぎ取るとき、心線のより線を切ってしまう
  • 端子台の結線間違い ── U-u, V-v, W-w の対応を間違える
  • 圧着端子の圧着不良 ── 引っ張ると抜ける
  • CVVのヒゲ ── より線のほつれが隣の端子に接触
  • 接地線の未接続 ── EB, EDの接続忘れ
  • ネジの締め忘れ ── 端子台のネジが緩い

KIP線 vs VVF vs CVV 比較表

第一種の技能試験で扱う3種類の電線・ケーブルを比較しておきましょう。

比較項目 KIP線 VVFケーブル CVVケーブル
用途 高圧部分の配線 低圧部分の配線 制御回路の配線
心線の構造 より線 5.5mm² 単線 1.6mm/2.0mm より線 2mm²
外装剥ぎ取り —(単線、外装なし) VVFストリッパ 電工ナイフ or ストリッパ
被覆剥ぎ取り 電工ナイフ VVFストリッパ ワイヤストリッパ
端子台への接続 丸形圧着端子でネジ止め 心線を直接ネジ止め 直接 or 棒形圧着端子
特有の欠陥 心線の傷(より線切断) 心線の傷(単線に傷) ヒゲ(より線のほつれ)

覚え方:「KIPは電工ナイフ(硬い被覆)、VVFはストリッパ(いつもの)、CVVはより線だからヒゲに注意」

端子台結線 欠陥防止チェックリスト

結線が終わったら、この5項目を必ず確認

端子番号:施工条件の U-u, V-v, W-w(大文字=高圧、小文字=低圧)が正しいか
ネジの締め付け:電線を軽く引っ張って抜けないか
圧着端子の向き:丸穴がネジの軸にちゃんと入っているか
心線の露出:端子台のネジ部以外に心線が見えていないか
ヒゲ(CVV):より線のほつれが隣の端子に触れていないか

第一種技能試験で使う工具

第二種のDK-28セットに加えて、第一種で必要になる工具をまとめます。

工具 用途 補足
電工ナイフ KIP線の被覆剥ぎ取り 第一種で最も重要な追加工具
ワイヤストリッパ CVVケーブルの被覆剥ぎ取り より線対応のもの
圧着工具(手動) KIP線への丸形圧着端子取付 5.5mm²用のダイスを確認
プラスドライバー 端子台のネジ締め DK-28セットに含む

VVFストリッパ(P-958)・ペンチ・リングスリーブ用圧着ペンチ等は第二種と共通です。詳しくは「第一種電気工事士 技能試験のおすすめ工具|追加工具と配置のコツ」を参照してください。

まとめ

第一種の技能試験で追加される作業は、大きく分けてKIP線・端子台・CVVケーブルの3つです。第二種の基本作業がしっかりできていれば、あとはこの3つを練習すれば対応できます。

次は、各候補問題(No.1〜No.10)の回路構成と作業ポイントを確認しましょう。

確認問題

【問題1】第一種電気工事士の技能試験でKIP線の絶縁被覆を剥ぎ取る工具として、正しいものはどれか。

イ.VVFストリッパ
ロ.ワイヤストリッパ
ハ.電工ナイフ
ニ.ペンチ

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正解:ハ
KIP線の絶縁被覆(架橋ポリエチレン)は硬いため、VVFストリッパでは剥ぎ取れません。電工ナイフで被覆に一周切り込みを入れ、ペンチで引き抜きます。心線(より線)を傷つけないよう、切り込みの深さに注意が必要です。

【問題2】技能試験で端子台に高圧側のKIP線を接続する際、心線の先端に取り付ける部品はどれか。

イ.棒形圧着端子
ロ.丸形圧着端子
ハ.リングスリーブ
ニ.差込形コネクタ

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正解:ロ
KIP線には丸形圧着端子を圧着工具で取り付け、端子台のネジに通してネジ止めします。丸穴がネジの軸にきちんと入っていることを確認してください。棒形圧着端子はCVVケーブル(より線)に使うことがあります。

【問題3】CVVケーブルのより線を端子台にネジ止めした際、注意すべき欠陥として最も適切なものはどれか。

イ.心線に輪づくりをしていない
ロ.より線のほつれ(ヒゲ)が隣の端子に接触している
ハ.外装の色が灰色である
ニ.絶縁テープを巻いていない

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正解:ロ
CVVケーブルの心線はより線なので、端子台のネジ止め時にほつれた細い線(ヒゲ)が出やすい欠点があります。ヒゲが隣の端子に接触すると短絡(ショート)が発生し、欠陥=一発不合格です。端子台にCVVを接続したら、ヒゲがないか目視で確認しましょう。

【問題4】第一種電気工事士の技能試験において、EB種接地線を接続する箇所として正しいものはどれか。

イ.変圧器の一次側(高圧側)の端子
ロ.変圧器の二次側(低圧側)中性点の接地端子
ハ.遮断器(VCB)の操作端子
ニ.電磁開閉器の動力端子

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正解:ロ
EB種接地はB種接地に相当し、変圧器の二次側(低圧側)中性点に施します。高圧側の端子に接続するのは「高圧配線」であり接地ではありません。接地線は施工条件で指定された端子台の接地端子にIV線1.6mm(緑)でネジ止めします。

第一種の技能試験対策に

第一種の技能試験は、KIP線や端子台など第二種にはない作業の練習が重要です。テキストで手順を確認し、実際の材料で繰り返し練習しましょう。

独学に不安がある方は、通信講座で映像を見ながら練習するのも効果的です。

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