受変電設備の実務

【10問】保護継電器|入力・整定・連動ミニテスト

「入力→判定→出力」をつなぐ保護継電器10問

保護継電器の種類と役割」に対応する、当サイト独自のミニテストです。OCR・GR・DGR・OVR・UVR・OVGRを、略号だけでなく入力変成器、監視量、時間特性、出力先、保護協調で判断します。

最初に「継電器は事故電流を切らない」を確認する

保護継電器は、CT・ZCT・VT・ZPD等から電気量を受け、整定条件と照合して異常を判断し、VCB・PAS等へ開放指令を出します。高圧の事故電流を実際に遮断する機器と、検出・判断する継電器を混同しないことが全問の前提です。

保護システムを4段階で読む

①入力 CT・ZCT・VT・ZPD等 → ②判定 OCR・GR・DGR・OVR・UVR・OVGR → ③出力 接点・トリップ回路 → ④開放 VCB・PAS等

継電器 主な入力・判定 条件を確認する資料
OCR CTから過電流 CT比、整定表、時間電流特性
GR・DGR 零相電流、DGRは零相電圧との位相も 受電方式、対地静電容量、協調資料
OVR・UVR VT等から過電圧・不足電圧 保護目的、動作値、時間、復帰条件
OVGR 地絡時の零相電圧 接地方式、零相電圧入力、出力先

数値問題では、計算で求められる値と、実設備で採用すべき整定値を分けます。CT比から一次換算値を求めることはできますが、採用値は負荷・短絡電流、始動電流、上下流機器の特性、電力会社との協調で決まります。このページに公式の合格点はありません。

解く前に4つの誤答パターンを外す

第一は、検出器・継電器・遮断器を一つの機器として考える誤りです。CTやZCTは電気量を取り出し、OCRやGR等は判定し、VCBやPAS等が所定の条件で回路を開きます。問題文で「検出」「判定」「遮断」の動詞に印を付けると、候補を絞れます。

第二は、目安の百分率や秒数を全設備へ固定する誤りです。動作値、復帰値、時間特性、瞬時要素は、継電器の形式と保護目的で異なります。数値だけを覚えず、何倍の入力に対する何の時間か、メーカー管理値か整定計算値かを区別します。

第三は、DGRをGRの単純な上位互換と考える誤りです。方向判定が必要かどうかは、受電方式、構内ケーブルの対地静電容量、構内外の地絡時に現れる零相量、電力会社側との協調などから検討します。機能が多いことと、すべての設備に適することは同じではありません。

第四は、単体試験が合格なら保護が完成したと考える誤りです。入力回路、制御電源、出力接点、トリップ回路、遮断器まで動作して初めて事故区間を切り離せます。報告書では整定値と実測値だけでなく、対象機器番号、前回値、出力先、連動結果、変更履歴まで確認する必要があります。

問題1:短絡保護の動作順

CB形受電設備で過電流を検出し、事故回路を開く基本の順序はどれですか。

ア.VCB→OCR→CT
イ.CT→OCR→VCB
ウ.OCR→CT→DS
エ.VT→GR→LA

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正解:イ
CTが電流を取り出し、OCRが整定条件と照合して判定し、VCBへ引外し指令を出します。単線結線図は「検出→判断→遮断」の順に追います。

問題2:OCRの役割

OCRについて正しい説明はどれですか。

ア.高圧短絡電流を接点だけで直接遮断する
イ.CT二次電流を受け、過電流を判定して所定の出力を行う
ウ.零相電圧だけから地絡方向を判断する
エ.雷サージを大地へ分流する

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正解:イ
OCRは過電流継電器です。短絡電流を遮断するのはVCB等で、OCRは判定と出力を担います。CT、制御電源、出力接点、トリップ回路まで含めて保護システムを考えます。

問題3:反限時と定限時

OCRの時間特性について最も適切な説明はどれですか。

ア.OCRはすべて同じ時間で動作する
イ.反限時は入力が大きいほど一般に短時間で動作し、定限時は設定時間を基準に動作する
ウ.瞬時要素は必ず0.1秒以下という共通値だけで判定する
エ.時間特性は保護協調と無関係である

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正解:イ
反限時・定限時・瞬時等の要素と具体的な時間は、継電器の形式・整定・入力倍率で確認します。「瞬時」という名称だけから共通秒数を決めず、メーカーの時間電流特性曲線を読みます。

問題4:CT比による一次換算

CT比100/5Aで、OCR二次入力3Aに相当する一次電流はいくらですか。変流比だけを用いるものとします。

ア.15A イ.20A ウ.60A エ.300A

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正解:ウ(60A)
一次換算は3×100/5=60Aです。ただし、これは変流比による換算値です。60Aを実設備の採用整定値としてよいかは、負荷条件・協調・継電器仕様を別に検討します。

問題5:GRの入力

GRが地絡を判定するため、主に零相電流を取り出す検出器はどれですか。

ア.VT イ.ZCT ウ.LA エ.DS

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正解:イ(ZCT)
ZCTが三相電流の残りである零相電流を取り出し、GRへ伝えます。ZCTは検出器、GRは判定する継電器、VCB・PAS等は回路を開く機器です。

問題6:DGRの方向判定

DGRの説明として最も適切なものはどれですか。

ア.GRの上位機種なので、どの設備でも置き換える
イ.零相電流と零相電圧の位相関係等から地絡方向を判定する
ウ.過負荷だけをCTで監視する
エ.地絡電流を継電器本体で直接遮断する

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正解:イ
DGRは方向性地絡継電器です。ZCTの零相電流に加え、ZPD・ZVT等から得る零相電圧との関係を使います。受電方式や構内の対地静電容量、系統協調に応じて採用します。

問題7:OVR・UVRの整定

OVR・UVRの動作値を確認するとき、適切な考え方はどれですか。

ア.UVRは全設備で定格の80%に固定する
イ.OVRは全設備で定格の120%に固定する
ウ.VT比、保護目的、動作・復帰値、時間、出力先、機器仕様を一組で確認する
エ.電圧継電器なので時間設定は不要である

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正解:ウ
教科書的な目安を全設備の整定値へ一律適用しません。停電検出、機器保護、系統連系等の目的で条件が異なるため、整定表・仕様書・協調資料で確認します。

問題8:OVGRの監視量

OVGRが主に監視する量はどれですか。

ア.零相電圧 イ.三相短絡電流 ウ.力率 エ.周波数だけ

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正解:ア(零相電圧)
OVGRは地絡過電圧継電器で、地絡時の零相電圧を監視します。DGRの方向判定やGRの零相電流判定とは入力・目的が異なるため、接地方式と保護構成を見て使い分けます。

問題9:保護協調の考え方

上下流のOCRを協調させる考え方として最も適切なものはどれですか。

ア.すべて同時に動作させる
イ.事故に近い適切な保護装置で選択的に切り、上位を後備保護とできるよう特性曲線と遮断時間を確認する
ウ.上位だけを必ず最速にする
エ.動作値だけ同じにし、時間は比較しない

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正解:イ
保護協調は、事故区間を必要最小限に切り離しつつ、主保護が動かない場合の後備保護も成立させます。需要家・電力会社という名称だけで順序を固定せず、事故点ごとの特性曲線で確認します。

問題10:点検報告書の読み方

OCR単体の動作値・動作時間が基準内でした。保護システムとして次に重要な確認はどれですか。

ア.試験値を消して合格だけ残す
イ.出力接点・トリップ回路を通じ、対象遮断器が所定どおり開放するかを確認する
ウ.根拠なく整定値を上げる
エ.CT比と機器番号を報告書から削除する

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正解:イ
継電器単体が動いても、出力接点、配線、制御電源、トリップコイル、遮断器が連動しなければ事故回路を切れません。「単体試験と連動試験」を分け、整定・実測・前回値・判定基準も残します。

誤答別の復習と整定表の読み順

問題 復習軸 復習先
1〜4 CT・OCR・VCB、時間特性 短絡電流と保護
5〜8 零相・電圧保護 OCR・GR・DGR本編
9〜10 協調・連動・記録 高圧設備の検査ミニテスト

整定表は、盤・機器番号→入力変成器と比率→保護要素→動作値・時間特性→出力先→計算書・変更履歴の順に読みます。単線結線図、整定表、試験報告書の機器番号が一致しない場合は、数値だけで適否を判断しません。「単線結線図の実務的な読み方」で保護範囲と停電範囲も確認してください。

安全上の注意

このテストは整定の考え方と記録の読み方を学ぶページで、整定変更・試験注入・連動試験の手順ではありません。実設備は電気主任技術者・保守会社が、保護協調計算、電力会社との協議、メーカー手順、保安規程に基づいて扱います。

公式確認先

開放指令を受ける機器は「VCB・DS・LBS・PASの違い」、検出器の見分けは「高圧機器の鑑別ミニテスト」、日常巡視と年次記録は「キュービクルの点検項目」へ進むとつながります。

広告・編集方針

問題はすべて当サイト作成のオリジナルです。測定器、継電器、保守サービスのアフィリエイトリンクは掲載していません。2026年8月3日に公式例題とメーカー公式資料へ照合しました。

資格太郎

この記事を書いた人:資格太郎電気工事士の独学合格を目指して学習中。資格や実務経験を据えず、公式資料から保護の信号経路と条件を整理しています。運営者情報を詳しく見る


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