受変電設備の実務

【10問】高圧機器の鑑別|構造・接続・役割ミニテスト

色や外形ではなく「位置・接続・役割」で鑑別する10問

VCB・DS・LBS・PASの違い」を読んだ後の実戦編です。写真や単線結線図に添えられた観察情報から、高圧機器を一つずつ絞り込みます。問題はすべて当サイト作成のオリジナルです。

このページの役割|構成機器テストとの違い

高圧受電設備の構成機器ミニテスト」は、PF・S形とCB形、検出→判断→遮断の流れなど、設備全体の構成を確認するページです。このページは外観だけでは断定できない機器を、追加情報で鑑別する手順に絞ります。同じ機器名が登場しても、問う能力は重なりません。

確認軸 見る情報 避ける決め方
位置 受電点、主遮断部、計量部、変圧器分岐 箱の大きさだけ
一次接続 直列、並列、一括貫通、対地分岐 端子の数だけ
二次・制御 計器、継電器、引外し回路への行先 略号の英語だけ
能力 無電流、負荷電流、短絡電流、サージ 「開閉器は全部同じ」

製品の形状・色・端子配置はメーカーや年代で変わります。したがって、写真の印象だけで答えを固定せず、問題文の接続位置、定格・銘板、単線結線図の記号を組み合わせてください。このページに公式の合格点はありません。正解数より、決め手となる観察情報を説明できるかを確認します。

最初に機器群を4つへ絞り込む

主回路を開く機器なら、DS・LBS・VCB・PASのどれかを検討します。ここでは「回路を離す」だけか、通常の負荷電流を開閉するか、短絡電流まで遮断するかを分けます。PF付きLBSのように、複数機器が役割を分担する構成も一体の外観だけで判断しません。

電気量を扱いやすい値へ変える機器なら、CT・VT・VCTを検討します。主回路に対する直列・並列の関係、二次配線が電流計・電圧計・電力量計・継電器のどこへ行くかが決め手です。外箱の形が似ていても、一次回路と二次回路の役割は異なります。

事故の兆候を取り出す機器なら、ZCTなどの検出器と保護継電器を分けます。ZCTは零相電流を取り出しますが、それだけで事故区間を開く機器ではありません。検出信号がGR・DGR等へ入り、判定後にVCBやPASへ指令が届く流れを追います。

高圧電路と大地の間に接続される機器なら、LAの可能性を検討します。LAは雷などによる過大電圧を制限する機器で、短絡電流を切る遮断器や、電流を測るCTとは役割が違います。この四分類で候補を減らした後、位置・接続・銘板を使って名称まで確定します。

答え合わせでは「形が似ていたから」ではなく、「主回路に直列でOCRへ二次配線が行くからCT」のように、観察情報と結論を一文で結んでください。判断材料が一つしかないときは断定せず、追加で見る図面・銘板・端子の情報を挙げるのが鑑別の完成形です。未知の形式にも応用できる説明を目指しましょう。必ず根拠も確認します。

問題1:点検区間を切り離す機器

三相分の接触部があり、遮断器で電流を切った後に点検区間を明確に切り離す目的で使います。負荷電流や短絡電流を遮断する機器ではありません。何ですか。

ア.DS イ.LBS ウ.VCB エ.PAS

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正解:ア(DS)
DSは断路器です。見える開路点を持つ形式もありますが、外観だけでなく「無電流で切り離す」という用途が決め手です。図面上の開放表示だけで安全な作業状態とは判断しません。

問題2:負荷開閉と短絡保護を分担する組合せ

変圧器一次側の分岐にあり、開閉部の近くへ三相分の電力ヒューズが組み合わされています。役割の説明として正しいものはどれですか。

ア.DSが短絡電流を遮断する
イ.LBSが負荷電流を開閉し、PFが短絡電流を限流遮断する
ウ.PFが繰り返し負荷を開閉する
エ.LBS単体がすべての短絡電流を遮断する

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正解:イ
PF付きLBSです。開閉と短絡保護を一つの機器が全部行うのではなく、LBSとPFが分担します。PFは動作後に交換を要し、組合せや特性を仕様書で確認します。

問題3:継電器の指令で事故電流を遮断する機器

CB形の主遮断部にあり、CT・OCRから続く引外し回路を持ち、真空中でアークを消して負荷電流と短絡電流を遮断します。何ですか。

ア.VCB イ.VT ウ.LA エ.ZCT

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正解:ア(VCB)
VCBは真空遮断器です。真空バルブらしい外観は手掛かりですが、主遮断部の位置、遮断能力、引外し回路までそろうと確実です。異常を判定するのは継電器、回路を開くのがVCBです。

問題4:受電点とSOG制御装置から見分ける

自家用高圧受電設備の入口付近に設置され、制御ケーブルがSOG制御装置へつながります。需要家事故の波及防止に関わる機器はどれですか。

ア.PAS イ.DS ウ.SC エ.VCT

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正解:ア(PAS)
PASは主に受電点の柱上へ設ける気中負荷開閉器です。柱上にあるという位置だけでなく、SOG制御装置との組合せが強い鑑別点です。方向性や内蔵機器は形式ごとに確認します。

問題5:一次回路へ直列に入る変成器

一次導体の電流を比例した小電流へ変成し、二次側が電流計やOCRへつながります。二次側を開放してはいけない機器はどれですか。

ア.CT イ.VT ウ.LA エ.DS

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正解:ア(CT)
CTは変流器です。一次回路との直列関係、電流計・OCRへの二次配線、変流比の銘板が決め手になります。CT二次開放は危険なので、この説明は鑑別知識であり作業手順ではありません。

問題6:一次回路へ並列に入る変成器

高圧電路へ並列に接続され、低い電圧へ変成して電圧計や継電器へ供給します。二次側の短絡を避ける機器はどれですか。

ア.ZCT イ.VT ウ.PF エ.LBS

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正解:イ(VT)
VTは計器用変圧器です。高圧回路との並列接続、電圧計・継電器への行先、変圧比をCTとの区別に使います。「CTは開放禁止、VTは短絡禁止」を接続理由と一緒に覚えます。

問題7:電力量計へ電圧と電流をまとめて送る

受電・計量部にあり、電圧と電流を電力需給用の電力量計で扱える値へまとめて変成します。何ですか。

ア.VCB イ.VCT ウ.ZCT エ.OCR

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正解:イ(VCT)
VCTは電力需給用計器用変成器です。VCBと字面が似ていますが、VCTは計量、VCBは遮断です。設置位置と二次回路の行先を見れば、略号だけより確実に区別できます。

問題8:三相導体を一括貫通させる検出器

環状の鉄心に三相の導体をまとめて通し、健全時に打ち消し合う電流の残りから零相電流を取り出します。何ですか。

ア.CT イ.ZCT ウ.VT エ.LA

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正解:イ(ZCT)
ZCTは零相変流器です。三相一括貫通とGR・DGRへ続く二次配線が鑑別点です。ZCT自体が事故を判断・遮断するのではなく、検出信号を取り出します。

問題9:高圧電路から大地へ分岐する保護機器

受電口近くで高圧電路と大地の間へ接続され、雷などのサージ電流を大地へ分流して過大電圧を制限します。何ですか。

ア.PF イ.LA ウ.VCB エ.CT

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正解:イ(LA)
LAは避雷器です。通常電流を開閉する機器ではありません。対地接続と受電口に近い位置、保護対象が異常電圧であることを組み合わせて鑑別します。

問題10:外観だけで断定できないときの確認順

似た形の高圧機器があり、写真だけでは名称を断定できません。最も信頼できる確認順はどれですか。

ア.色→大きさ→推測で操作する
イ.メーカーのロゴだけで決める
ウ.設置位置→一次接続→二次・制御回路→銘板・図面・仕様書を照合する
エ.略号の先頭文字だけを見る

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正解:ウ
形状は形式・年代で変わります。単線結線図の位置、主回路の直列・並列・対地接続、二次配線の行先、銘板の形式と定格を突き合わせます。写真だけから実設備を操作してはいけません。

誤答別の復習ルート

問題 復習する判断 次のページ
1〜4 開閉能力と設置位置 VCB・DS・LBS・PAS
5〜9 主回路と二次回路 単線結線図と図記号
10 図面・銘板の照合 単線結線図の実務的な読み方

復習後は、各略号の横に「切り離す」「負荷を開閉」「短絡を遮断」「電流を変成」「電圧を変成」「地絡を検出」「サージを逃がす」の動詞を一つ書きます。次に「OCR・GR・DGRの種類と役割」で、検出した信号がどの機器を動作させるかをつなげてください。

安全上の注意

高圧受電設備には6,600Vの充電部があります。このテストは名称と役割の学習用で、操作・点検手順ではありません。実設備への接近、開閉、二次回路の開放・短絡、測定は行わず、電気主任技術者等の管理下で設備固有の手順に従ってください。

公式確認先

高圧受電設備全体の流れは「高圧受電設備の仕組みと構成機器」、検査時の確認項目は「高圧受電設備の検査方法」へ進むとつながります。

広告・編集方針

教材、工具、高圧機器のアフィリエイトリンクは掲載していません。2026年8月3日に公式試験範囲・例題とメーカー公式資料へ照合しました。

資格太郎

この記事を書いた人:資格太郎電気工事士の独学合格を目指して学習中。資格や実務経験を据えず、公式資料から機器の判断軸を整理しています。運営者情報を詳しく見る


※当サイトの画像にはAI生成のものが含まれており、実際の機器・器具とは外観が異なる場合があります。問題・解答の内容には細心の注意を払っておりますが、誤りが含まれる可能性があります。学習の参考としてご活用いただき、最終的な確認は公式テキスト・法令等で行ってください。当サイトの情報に基づく判断によって生じた損害について、一切の責任を負いかねます。

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