配線図

配線図の図記号一覧|これだけ覚えれば得点源!|第二種電気工事士

結論から言います

第二種電気工事士の学科試験は全50問。そのうち配線図の問題は約20問(約4割)を占めます。つまり、配線図は試験最大の得点源です。

そして配線図問題のほとんどは「この図記号は何か?」を問うもの。図記号さえ覚えれば、計算なしで大量得点できるのです。

計算問題が苦手な方こそ、配線図で稼いでください。ここは暗記だけで点が取れる、いわば「サービスエリア」です。

この記事では、試験に出る図記号を出題頻度別に整理し、覚え方のコツまで一気に解説します。

図記号とは? ― 電気工事の「地図の凡例」

旅行で地図を使うとき、凡例(はんれい)を見ますよね。「この丸印は駅、この四角は病院…」というやつです。

図記号は、配線図における凡例です。配線図という「電気工事の地図」の中で、「ここにコンセント」「ここにスイッチ」「ここに照明」と示すための記号のこと。

正式には JIS C 0303(構内電気設備の配線用図記号)で定められています。全国どこの現場でも同じ記号を使うことで、設計者・施工者・検査者の間で「言葉が通じる」ようにしているわけです。

自宅の壁を見てみてください。スイッチとコンセントがありますよね? あれの位置や種類が、家を建てる前の設計図では図記号で書かれていたのです。

コンセントの図記号(出題頻度★★★)

コンセントの図記号は、基本形「━」(横線に2本の縦線)をベースに、種類に応じてアルファベットや数字が付きます。

キッチン、洗面所、リビング、エアコン用… 家の中でもコンセントの種類は場所によって異なります。それぞれに専用の図記号があるのです。

図記号の表記 名称 実物・設置場所
━ ┃┃ 一般コンセント リビングや寝室の壁にある普通のコンセント
━ ┃┃ E 接地端子付コンセント 洗濯機・冷蔵庫用。緑のアース線を繋ぐ端子付き
━ ┃┃ ET 接地極付コンセント エアコン・IHクッキングヒーター用。丸い穴が3つあるタイプ
━ ┃┃ WP 防雨型コンセント 屋外の壁に付いているカバー付きコンセント。庭の照明や電動工具用
━ ┃┃ LK 抜け止めコンセント プラグをひねって固定するタイプ。病院や工場など抜けると困る場所用
━ ┃┃ 250V 200V用コンセント エアコンやIHなど大容量機器用。プラグの形状が100Vとは異なる
━ ┃┃ 2 2口コンセント 差込口が2つあるコンセント。リビングに多い

コンセント図記号の見分け方

コンセントの記号は「横棒ベース+アルファベット」の組み合わせです。アルファベットの意味を理解すれば、丸暗記しなくても判別できます。

  • E = Earth(アース=接地)→ 接地端子付き
  • ET = Earth Terminal(接地極)→ アース端子が本体に組み込まれている
  • WP = WaterProof(防水)→ 防雨型
  • LK = Lock(ロック)→ 抜け止め

「E」が付けばアース関連、「WP」なら防水、「LK」はロック。英語の略語で覚えましょう。

接地端子付(E)と接地極付(ET)の違いは試験でよく出ます。接地端子付は「緑のアース線をネジで留める端子があるコンセント」、接地極付は「プラグ自体に丸いアースピンが付いていて、差し込むだけで接地される3ピンコンセント」です。洗濯機は端子付(E)、エアコンやIHは極付(ET)が一般的です。

スイッチの図記号(出題頻度★★★)

スイッチの図記号は、基本形「●」(黒丸)から線が出た形です。種類に応じて数字やアルファベットが付きます。

図記号の表記 名称 実物・使われ方
●━ 単極スイッチ(タンブラスイッチ) 壁の照明スイッチ。パチッと上下に切り替える一番普通のスイッチ
●━ 3 3路スイッチ 階段の上と下、どちらからでもON/OFFできるスイッチ
●━ 4 4路スイッチ 3路スイッチ2つの間に追加。長い廊下の途中にもスイッチを設ける場合に使う
●━ H 確認表示灯内蔵スイッチ スイッチONでランプが光る。トイレの「使用中」ランプがこれ
●━ L 位置表示灯内蔵スイッチ スイッチOFFでランプが光る。暗い廊下でスイッチの位置がわかるように光っているあれ
●━ D 調光器(ライトコントロール) ダイヤルやスライダーで照明の明るさを調節する装置

3路スイッチと4路スイッチの関係

階段の照明を思い出してください。1階のスイッチでONにして2階に上がり、2階のスイッチでOFFにする。これが3路スイッチです。「3路」の「3」は3本の配線端子があることを意味します。

では、長い廊下の両端と真ん中にスイッチを付けたい場合はどうするか? 両端に3路スイッチを置き、真ん中に4路スイッチを追加します。4路スイッチは3路スイッチの「中継役」と覚えてください。

HとLの違い ― 「光るタイミング」で区別する

ここは試験で非常によく出るポイントです。

  • H(確認表示灯):スイッチONで光る → 離れた場所からでも「今、電気が付いている」と確認できる(例:トイレの使用中ランプ)
  • L(位置表示灯):スイッチOFFで光る → 暗闇でもスイッチの位置がわかる(例:廊下のスイッチが暗闇でほのかに光っている)

H = 日中でも確認したい → ONで光る」「L = 暗闇で位置を知りたい → OFFで光る」と覚えましょう。

照明器具の図記号(出題頻度★★★)

照明器具は天井や壁に取り付けるものなので、図記号も多種多様です。試験に出やすいものを整理します。

図記号の表記 名称 実物・設置場所
×
天井付き白熱灯(シーリングライト) 天井に直接取り付ける照明器具。丸い記号の中にバツ印
×

CH

ペンダントライト(つり下げ) 紐やコードで天井から吊り下げる照明。ダイニングテーブル上によくある
×
壁付き白熱灯(ブラケット) 壁面に取り付ける照明。階段の壁や廊下に多い。黒丸の中にバツ印
FL
蛍光灯 長い棒状の照明器具。オフィスや学校の天井でおなじみ
引掛シーリング(丸型) 天井の照明取付口。賃貸で照明器具を交換するときに「カチッ」と回して付けるあの部品
引掛シーリング(角型) 丸型と機能は同じ。角型は和室の天井によく使われる
×
ダウンライト 天井に埋め込む照明。玄関やリビングでおしゃれに使われる。破線の丸が目印

引掛シーリングは超頻出!

引掛シーリングは、天井に付いている照明器具の「取付口」です。賃貸住宅で照明を自分で付けたことがある方なら見たことがあるはず。照明器具側のプラグを引掛シーリングに「カチッ」とはめ込んで固定します。

図記号では丸型が「○」、角型が「□」で表現されます。どちらも中は空白で、照明器具そのものではなく「取付口」を表す点に注意してください。

配線用遮断器・分電盤の図記号(出題頻度★★)

家の中にある「ブレーカーが並んだ箱」、あれが分電盤(ぶんでんばん)です。電気の使いすぎやショート時にブレーカーが落ちて電気を遮断する ― その仕組みも図記号で表されます。

図記号の表記 名称 実物・役割
B
配線用遮断器(ブレーカー) 過電流が流れると自動で回路を遮断する装置。分電盤の中に並んでいる小さなスイッチ
BE
漏電遮断器(漏電ブレーカー) 漏電(電気が漏れること)を検知して遮断。感電事故を防ぐ。分電盤の大きなスイッチがこれ
BBB
分電盤 ブレーカーがまとめて収まっている箱。玄関や洗面所の壁の上の方に設置されていることが多い

ブレーカーと漏電ブレーカーの違い

分電盤を開けてみると、一番上(または左)にひときわ大きなスイッチがありますよね。あれが漏電遮断器(BE)です。その下に並んでいる小さなスイッチが配線用遮断器(B)です。

  • B(配線用遮断器):電気の使いすぎ(過電流)やショート(短絡)で落ちる
  • BE(漏電遮断器):電気が漏れている(漏電)ときに落ちる。人が感電するのを防ぐ安全装置

図記号では「B」にE(Earth)が付くかどうかで区別します。漏電はアース(接地)に関係するので「E」が付くと覚えてください。

その他よく出る図記号(出題頻度★★)

コンセント・スイッチ・照明・分電盤以外にも、試験に出る図記号はまだあります。ここでは出題頻度の高いものを押さえておきましょう。

図記号の表記 名称 実物・役割
ジョイントボックス
(アウトレットボックス)
電線の接続点を収める箱。天井裏や壁の中に隠れている。丸い記号

(配線上)

VVFジョイント
(差込形コネクタ接続点)
配線の途中にある小さな黒丸。ここで電線同士を接続している
換気扇 浴室やキッチンの壁・天井に付いているファン。逆三角形が目印
A
自動点滅器 暗くなると自動で照明を点ける光センサー。街灯や玄関灯に使われる
T
電話用アウトレット 壁に付いている電話線の差込口(モジュラージャック)
TV
テレビ用アウトレット 壁のテレビ端子。同軸ケーブルを差し込む丸い穴
チャイム 玄関のドアチャイム。「チ」のカタカナが記号
S
タイムスイッチ 時刻設定で自動的にON/OFFするスイッチ。看板照明の自動制御など

自動点滅器(A)とタイムスイッチ(S)

どちらも「照明を自動で制御する装置」ですが、仕組みが異なります。

  • 自動点滅器(A)明るさで判断する。暗くなったら点灯、明るくなったら消灯。街灯や玄関灯に使われる
  • タイムスイッチ(S)時刻で判断する。「18時にON、23時にOFF」のように設定する。看板照明などに使われる

覚え方のコツ ― 暗記を効率化する3つの方法

コツ1:実物を想像する

図記号を見たら、必ず「実物は何か」をセットで思い浮かべてください。

  • コンセントの記号 → 壁のコンセントの形
  • スイッチの記号 → 壁のスイッチプレート
  • 引掛シーリング → 天井の照明取付口
  • 分電盤 → 玄関近くのブレーカーボックス

記号と実物を結びつけることで、ただの丸や線ではなく「意味のある絵」として記憶に残ります。

コツ2:アルファベットの意味を理解する

多くの図記号にはアルファベットが添えられています。その意味を知っておくと、初めて見る記号でも推測できます。

記号 英語 意味
E Earth 接地(アース)
ET Earth Terminal 接地極
WP WaterProof 防水・防雨
LK Lock 抜け止め
H Hot(確認) ONで光る
L Locate(位置) OFFで光る
B Breaker 遮断器
A Automatic 自動

コツ3:自宅を歩いて実物を確認する

これが最強の暗記法です。

自宅の中を歩きながら、「ここにコンセントがある → 図記号は ━」「ここに3路スイッチがある → ●3」「天井に引掛シーリングがある → ○」と、実物と記号をセットで確認していくのです。

教科書を眺めているだけよりも、実物を目で見て触って確認した記憶は格段に定着します。特に以下の場所をチェックしてみてください。

  • キッチン:IH用の接地極付コンセント(ET)、換気扇(▽)
  • 洗面所:洗濯機用の接地端子付コンセント(E)、分電盤
  • 階段:3路スイッチ(●3)
  • 廊下:位置表示灯内蔵スイッチ(●L)← 暗いとほのかに光っているスイッチ
  • トイレ前:確認表示灯内蔵スイッチ(●H)← 使用中ランプ
  • 天井:引掛シーリング(○ / □)

まとめ ― 配線図は暗記で得点できる最大のチャンス

配線図の図記号は数が多く見えますが、実際に試験で出るものは限られています。この記事で紹介した記号を覚えるだけで、学科試験50問中20問近くに対応できます。

最後に、重要な図記号を一覧でまとめます。

分類 名称 覚え方のキーワード
コンセント 一般コンセント 横棒+縦線 = 基本形
接地端子付(E) Earth → アース線を繋ぐ
接地極付(ET) Earth Terminal → 3ピン
防雨型(WP) WaterProof → 屋外
抜け止め(LK) Lock → ひねって固定
200V用 250V表記 → 大容量
2口コンセント 数字2 → 差込口2つ
スイッチ 単極スイッチ 黒丸● = 基本形
3路スイッチ 3 → 階段の上下
4路スイッチ 4 → 3路の中継役
確認表示灯内蔵(H) ONで光る → 使用中確認
位置表示灯内蔵(L) OFFで光る → 位置確認
調光器(D) Dimmer → 明るさ調節
照明 天井付き白熱灯 ○の中に× → 天井直付け
壁付き白熱灯 ●の中に× → 壁付け
引掛シーリング(丸/角) ○か□ → 照明の取付口
ダウンライト 破線の○ → 天井埋込
遮断器 配線用遮断器(B) Breaker → 過電流遮断
漏電遮断器(BE) Breaker+Earth → 漏電遮断
その他 ジョイントボックス ○ → 電線の接続点
換気扇 ▽ → 風を送る三角
自動点滅器(A) Automatic → 暗くなったら点灯
タイムスイッチ(S) Schedule → 時刻で制御

理解度チェック ― 4択クイズ

最後に、ここまでの内容を3問のクイズで確認しましょう。

問1:洗濯機用コンセントの図記号

洗面所に洗濯機用コンセントを設置する場合、配線図で使用する図記号に付くアルファベットはどれですか?

(1)WP
(2)LK
(3)E
(4)ET

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正解:(3)E(接地端子付コンセント)
洗濯機は水を使うため、漏電による感電を防ぐためにアース(接地)が必要です。洗濯機用コンセントには、緑のアース線をネジで留める接地端子が付いています。これが「E(Earth)」の記号です。
(4)のETは「接地極付」で、エアコンやIHなど3ピンプラグを使う機器向けです。洗濯機は通常2ピンプラグ+アース線なので、端子付の「E」が正解になります。

問2:3路スイッチの図記号

階段の1階と2階にスイッチを設置し、どちらからでも照明をON/OFFできるようにしたい。このとき使用するスイッチの図記号に付く表示はどれですか?

(1)H
(2)4
(3)L
(4)3

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正解:(4)3(3路スイッチ)
2か所から同じ照明をON/OFFするには3路スイッチを使います。図記号では「●」に「3」を添えて表記します。
4路スイッチ(選択肢2)は3か所以上で操作する場合に、3路スイッチ2つの間に追加する「中継役」のスイッチです。2か所だけなら3路スイッチのみで対応できます。

問3:確認表示灯内蔵と位置表示灯内蔵の違い

トイレの前の廊下に「使用中」を示すランプ付きスイッチを設置したい。スイッチがONのとき(照明が点いているとき)にランプが光るスイッチの図記号に付くアルファベットはどれですか?

(1)H
(2)L
(3)D
(4)A

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正解:(1)H(確認表示灯内蔵スイッチ)
確認表示灯内蔵スイッチ(H)は、スイッチがONのときにランプが光るので、離れた場所からでも「今、中で電気が付いている=使用中だ」と確認できます。トイレの使用中ランプが代表例です。
一方、位置表示灯内蔵スイッチ(L)は、スイッチがOFFのときにランプが光るので、暗い廊下でもスイッチの位置がわかります。「H=ONで確認」「L=OFFで位置」と覚えましょう。

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