第二種 技能試験

第二種技能試験の欠陥判断基準|完成後5分の点検順

この記事を読むと、こうなります

完成した作品を公式の判断基準の順に5分で点検できるようになり、
「5mm以上で欠陥」のように同じ数字が出てくる項目でも、どこを起点に何を測るのかを区別できるようになります。

結論としては
完成後は全体 → 回路 → 接続部 → 器具 → 管と枠 → 支給品の順に、
見る範囲を狭めながら点検します。基準の項目を番号順に思い出そうとすると、
作品のあちこちを行き来して時間だけが減ります。作品の見方の順に並べ替えて持つのが実用的です。

欠陥は3つの判断軸のどれかで決まる

技能試験の合否は、完成作品に公式の欠陥があるかどうかだけで決まります。
試験センターも「合否は、作品の欠陥の有無の判定結果に基づき決定されます。欠陥のない作品が合格となります」
と明記しています。見た目の美しさを採点する試験ではありません。

基準は12の大項目に分かれていますが、公式資料は別のところで
技能試験で重視する3つの能力を挙げ、それぞれに「参照すべき欠陥の判断基準項目」を対応させています。
この3つを判断軸として先に持つと、基準の項目が散らばって見えなくなります。

図3 欠陥は3つの判断軸のどれかで決まる

「技能試験の概要と注意すべきポイント」(2026年3月)が示す3つの能力に、欠陥の判断基準の項目番号を対応させたものです。

① 回路を成立させる
公式の言い方
回路を的確に構成する能力
判断基準 1・3完成後に見る場所
器具の付け忘れ、接続先の取り違え、接地線の結線忘れ。
② 条件を守る
公式の言い方
配線図や施工の条件を理解し遵守する能力
判断基準 2・4・11-1・12-2完成後に見る場所
配置、寸法、電線の種類、接続方法、指定区間の色別、極性、取付枠の使用箇所。
③ 確実に施工する
公式の言い方
接続等の作業を的確に行う能力
判断基準 5〜12完成後に見る場所
心線の露出、電線の傷、圧着、差込み、器具の固定と破損。

図3の①が成立していても、図3の②で条件と違えば欠陥です。逆に、見た目が多少不ぞろいでも、図3の③の各項目に当たらなければ、それだけで不合格にはなりません。

図3の②に入る項目が最も多く、寸法・電線の種類・接続方法・色別・極性・取付枠の使用箇所まで含みます。
どれも「自分の作品としては正しいが、その問題の条件とは違う」という形で欠陥になるので、
配線図と施工条件を読み直さないと気づけません。

判断軸①:回路が電気的に成立しているか

1(未完成)と3(誤接続、誤結線)です。公式資料は「作業が完了していないもの、
取付枠を取り付け忘れたもの、接地線を結線し忘れたもの」を未完成の例として挙げています。
時間切れだけが未完成ではありません。

誤接続は、複線図の段階で決まってしまうことが多い欠陥です。
複線図の書き方|施工条件から接続点を決める7ステップで描いた図と完成作品を突き合わせ、
接続点ごとに「ここへ来ているのは何か」を声に出して読み上げると見つかります。

判断軸②:配線図と施工条件のとおりか

2(配置、寸法、接続方法等の相違)と4(色別、極性の相違)です。
寸法は器具にあっては中心からの寸法で測り、配線図に示された寸法の50%以下が欠陥になります。
また、取付枠を指定した箇所以外で使えば11-1、必要のない工事を足せば12-2に当たります。

色別は「白はすべてまとめる」のような固定暗記が通用しません。
施工条件が特定の区間だけを指定することがあり、
パイロットランプの複線図|常時・同時・異時点滅の結線のように、
同じ器具でも問題によって指定の範囲が変わります。

判断軸③:接続と結線が確実か

5(電線の損傷)から12(その他)までが、手を動かした結果そのものへの判定です。
ここで出てくるmmの数値について、公式資料は
「試験環境や代用品の使用からくる制約等を勘案して設定したもの」であり、
「実際の工事では限りなく0mmに近い施工が求められている」と説明しています。
境界の数値は目標ではありません。心線を見せない、被覆を噛ませない、
確実に固定するという仕上がりを目指したうえで、判定は基準で確認します。

完成後5分の点検順

基準の項目を、作品を見る順に並べ替えたものが図1です。
作業を40分で終えられるようになったら、この5分を確保する練習に切り替えます。

図1 完成後5分を6つの工程に割る

各工程に添えた秒数は目安です。上から順に、見る範囲がだんだん狭くなります。

作品全体を配線図と見比べる器具の付け忘れ、配置、ケーブルの種類と心数、器具中心間の寸法を見ます。基準 1・2-1・2-2・2-360秒
電源から負荷まで回路をたどるスイッチと負荷の対応、接地側・非接地側・点滅線の役割、指定区間の色別、極性を読み上げます。基準 3・460秒
電線相互の接続部を見るリングスリーブの呼びと圧着マーク、上端と下端の心線、差込形コネクタの先端と下端を見ます。基準 6・760秒
器具への結線を見るねじ端子の巻き付けとはみ出し、ねじなし端子の露出、台座への引込みとカバーを見ます。基準 860秒
電線管と取付枠を見る管を引いて外れないか、ボックスとの隙間、止めねじ、ボンド線、枠の裏表と器具の位置を見ます。基準 9・10・1140秒
支給品と破損を見る支給品以外を使っていないか、余分な工事、ゴムブッシング、器具の破損を見ます。基準 1220秒

図1の①を飛ばして細部から見ると、器具の付け忘れやケーブルの取り違えのような大きな欠陥を見落とします。狭いところは後回しにします。

図1の②では、ジョイントボックスごとに接続先を読み上げます。
図1の③と図1の④は見る場所が細かいので、対象を先に決めてから近づくのがこつです。
図1の⑤と図1の⑥は該当する問題でだけ時間を使い、
金属管も合成樹脂管も出ない問題では図1の①〜④に時間を回します。

「5mm以上」は4か所にあり、起点が違う

基準を読むと5mmという数字が何度も出てきますが、毎回測り始めの位置と測る対象が違います
数字だけを覚えると、作品のどこへ定規を当てるのかが決まりません。図2で4か所を並べます。

図2 「5mm以上で欠陥」は4か所にあり、起点も測る対象も違う

赤い破線が測り始めの位置です。銅色の棒が心線、の棒が絶縁被覆です。

① リングスリーブ
5mmスリーブの上端
測るもの:心線
上端から心線が5mm以上出ると欠陥(6-2ロ)。下端側は10mm以上が境界(6-2ハ)で、値が違います。
② ランプレセプタクル
ねじの端5mm
測るもの:心線
ねじの端から心線が5mm以上はみ出すと欠陥(8-3ニ・8-7ハ)。露出形コンセントも同じです。
③ 引掛シーリング
台座の下端5mm
測るもの:絶縁被覆
台座の下端から絶縁被覆が5mm以上出ると欠陥(8-10)。ここだけ心線ではなく被覆を測ります。
④ 配線用遮断器
器具の端5mm
測るもの:心線
器具の端から心線が5mm以上露出すると欠陥(8-3ハ)。押しボタンスイッチや端子台の低圧側も同じです。

図2の①と図2の②と図2の④は心線を測りますが、図2の③だけは絶縁被覆を測ります。同じ引掛シーリングでも、心線の露出は1mm以上が境界(8-9ただし書き)なので、1つの器具で2つの数値を使い分けることになります。

図2の①はリングスリーブの上端から出た心線、図2の②はねじの端からはみ出した心線です。
図2の④の配線用遮断器は、令和8年度の候補問題No.10などで実際に支給されます。
そして図2の③だけが絶縁被覆の話で、同じ引掛シーリングローゼットでも
心線の露出は1mm以上が境界です。1つの器具に2つの数値がある形になります。

器具ごとの作業手順は
リングスリーブの圧着|電線本数・刻印・欠陥対策
差込形コネクタ・ランプレセプタクル・引掛シーリング|結線と欠陥対策で扱っています。

露出と傷の境界値を一覧で持つ

5mm以外の数値も、対応する基準番号とセットで一覧にしておくと、練習中に確認できます。
公式資料が例外を認めている行が2つある点に注意してください。

見る場所 欠陥になる境界 基準
器具中心間の寸法 配線図の寸法の50%以下 2-2
ケーブル外装の縦割れ 20mm以上 5-1ロ
絶縁被覆の傷 折り曲げて心線が見える(リングスリーブ下端から10mm以内の傷は欠陥としない) 5-2
リングスリーブ上端の心線 5mm以上露出 6-2ロ
リングスリーブ下端の心線 10mm以上露出 6-2ハ
外装のはぎ取り不足 絶縁被覆が20mm以下 6-2ニ
ねじなし端子の心線 2mm以上露出(引掛シーリングは1mm以上) 8-9
巻き付け結線 3/4周以下、重ね巻き、左巻き 8-7イ・ロ

心線と絶縁被覆の扱いそのものは
ケーブルの剥ぎ取り・輪づくり|寸法と欠陥対策で練習できます。

電線管・取付枠・支給品で落ちる欠陥

電線管工事の問題では、部品の順序だけでなく、管を引いて外れないこと、
ボックスとの接続部の隙間、絶縁ブッシングの脱落までが対象です。
ねじなしボックスコネクタと、ねじなし絶縁ブッシングの止めねじをねじ切っていないものは9-3で欠陥になります。
ボンド線がある問題では、取り付け位置と締め付けも見ます。

取付枠は、裏返しに取り付けたもの、緩くて器具が外れるもの、器具の位置を誤ったものが欠陥です。
器具が1個なら中央、2個なら中央を空け、3個なら配線図で中央に指定された器具を置きます。

その他では、支給品以外の材料の使用、余分な工事、既設配線の変更、ゴムブッシングの付け忘れや
穴径との不一致、器具の破損が挙がっています。ゴムブッシングは、
ボックスの穴とケーブルが直接触れて外装が傷むのを防ぐためのものなので、付け忘れは12-4です。

試験センターが挙げる「多く見られる欠陥」

2026年3月更新の資料は、実際に多く見られる欠陥として次の5つを挙げています。
順位ではありませんが、練習で毎回記録する重点項目になります。

  • 1.未完成のもの 時間内に完成できるまで繰り返し練習する。
  • 3.誤接続、誤結線のもの 複線図を正しく描く練習と、接続・結線の練習を分けて行う。
  • 6-1.リングスリーブ用圧着工具の使用方法が適切でないもの 
    呼びの選択、圧着マーク、スリーブの破損。刻印を間違えたら新しいスリーブでやり直す。
  • 8-10.引掛シーリングへの結線で、絶縁被覆が台座の下端から5mm以上露出したもの 
    シースを剥ぎすぎないよう、仕上がりを想定して剥ぎ取る。
  • 8-7.巻き付けによる結線部分の処理が適切でないもの 
    輪づくりだけでなく、ねじへの巻き付け方とカバーが締まるかまで確認する。

練習では「完成した/しなかった」で終えず、どの基準番号に触れたかを記録します。
同じ番号が2回続いたら、候補問題を通す前に部分練習へ戻ると原因を切り分けられます。
時間の作り方は第二種技能試験の練習方法と40分の時間配分|材料量と工程の決め方にまとめています。

自己チェック

問1:器具中心間が200mmと指定された箇所を、ちょうど100mmで仕上げました。判定はどうなりますか。

  1. ちょうど50%なので欠陥ではない
  2. 指定寸法の50%以下なので欠陥
  3. 電気的に動作すれば欠陥ではない
  4. 器具の配置が合っていれば欠陥ではない

解答:2(欠陥)
2-2は「配線図に示された寸法の50%以下のもの」なので、50%ちょうども含まれます。図1の①で見る項目です。なお、これは切ってよい長さの目安ではありません。指定寸法へ合わせて施工します。

問2:リングスリーブを上から見たところ、4本のうち1本だけ心線の先端が見えません。刻印と露出寸法は適正です。判定はどうなりますか。

  1. 3本見えているので欠陥ではない
  2. 心線が1本でも見えないので欠陥
  3. 引っ張って抜けなければ欠陥ではない
  4. 下端から心線が見えていなければ欠陥ではない

解答:2(欠陥)
6-2イは「上から目視して、接続する心線の先端が一本でも見えないもの」です。圧着する前に、全部の心線の高さをそろえて先端を出しておきます。

問3:リングスリーブの下端から8mmの位置に、絶縁被覆の小さな傷が残りました。折り曲げても心線は見えません。判定はどうなりますか。

  1. 絶縁被覆の傷はすべて欠陥
  2. 下端から10mm以内の絶縁被覆の傷は欠陥としない
  3. 心線が見えなければどの位置の傷も欠陥ではない
  4. 傷が5mm以上なら欠陥

解答:2(下端から10mm以内なので欠陥としない)
5-2のただし書きに「リングスリーブの下端から10mm以内の絶縁被覆の傷は欠陥としない」とあります。圧着の直前に被覆へ工具の痕が付きやすい場所なので、この範囲だけ例外になっています。ただし折り曲げて心線が見える傷は、位置に関係なく欠陥です。

問4:心線の露出が約1.5mmありました。欠陥になるのはどの器具ですか。

  1. 埋込連用タンブラスイッチ
  2. 埋込連用コンセント
  3. 引掛シーリングローゼット
  4. パイロットランプ

解答:3(引掛シーリングローゼット)
8-9はねじなし端子の心線の露出を2mm以上で欠陥としますが、ただし書きで引掛シーリングローゼットだけ1mm以上と厳しくしています。1.5mmはこの1器具だけが欠陥です。

問5:ランプレセプタクルの台座の角を、作業中に少し欠けさせてしまいました。判定はどうなりますか。

  1. 台座の欠けは欠陥としない
  2. 器具の破損なのですべて欠陥
  3. 欠けが5mm以上なら欠陥
  4. 欠けた面を下向きにすれば欠陥としない

解答:1(台座の欠けは欠陥としない)
12-5のただし書きで、ランプレセプタクル・引掛シーリングローゼット・露出形コンセントの台座の欠けは欠陥としないと明記されています。ただし器具の別の場所を破損したり、結線やカバーに支障が出れば、そちらで欠陥になります。

問6:複線図どおりに接続できていますが、施工条件が色を指定した区間で違う色を使いました。判定はどうなりますか。

  1. 回路が正しいので欠陥ではない
  2. 色別が施工条件と相違するので欠陥
  3. 絶縁テープを巻けば欠陥ではない
  4. 器具の配置が正しければ欠陥ではない

解答:2(欠陥)
4「電線の色別、配線器具の極性が施工条件に相違したもの」に当たります。図3の①(回路の成立)と図3の②(条件の順守)は別の軸なので、片方を満たしても、もう片方の欠陥は消えません。

照合した一次資料と確認日

判断基準と2026年3月更新資料は2026年9月9日に再取得し、項目番号と数値を1つずつ照合しました。

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この記事に工具・練習材料・通信講座のアフィリエイトリンクは掲載していません。
2026年9月9日に欠陥の判断基準と2026年3月更新の「技能試験の概要と注意すべきポイント」を取得し、
項目番号・数値・ただし書きを照合したうえで、点検順・5mmの起点・判断軸の図を自作しました。
自己チェックの設問は当サイトのオリジナルで、試験問題の文面は転載していません。

資格太郎

この記事を書いた人:資格太郎電気工事士の独学合格を目指して学習中。自己流の合否表現ではなく、公式の基準番号と完成状態を照合して解説しています。運営者情報を詳しく見る

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