1種 候補問題

第一種電気工事士 技能候補問題No.5|3極開閉器と表示灯

この記事を読み終えると、候補問題No.5で2つの表示灯をどちら側から取るかを迷わず決められるようになり、ジョイントボックスの6組と刻印、6か所の穴への割り振りまで自分で描けるようになります。

No.5でつまずく場所は、V結線でも3極開閉器でもありません。電源表示灯と運転表示灯という似た2つの灯が、開閉器をはさんで別の側から電気をもらっていることと、ボックスの穴の数より入ってくる線の本数が多いことの2点です。ここを図にしてから複線図に入ります。

令和8年度上期No.5で確定した回路

候補図だけでは端子の並びも電線色も決まりません。令和8年度上期(2026年7月4日)の技能試験で出題された候補No.5では、材料表・配線図・端子台説明図・変圧器結線図・11項目の施工条件が示されました。この記事はその実問題と公式解答に合わせています。

回路は一本道です。3φ3W 6,600Vから単相変圧器2台のV結線で200Vを作り、その200Vをジョイントボックスへ入れて、開閉器(6P端子台で代用)を通し、3極250Vの接地極付コンセントへ送ります。ここに表示灯2個と「他の負荷へ」の分岐がぶら下がる形です。

開閉器の手前と先で、表示灯の役目が変わる

図1 同じ200Vでも、開閉器の手前と先では意味が違う

線が交わっている場所のうち、黒丸があるところだけがつながりです。交差しているだけの箇所はつながっていません。

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ジョイントボックスから VVF 1.6-3C(電源側)開閉器の負荷側 → コンセントへR=赤/S=白/T=黒X=赤/Y=白/Z=黒ジョイントボックスRXSYTZ開閉器(6P端子台で代用)/ヒューズは内部3P250V接地極付コンセント接地極は ED電源表示灯(白)S相とT相の間運転表示灯(赤)Y相とZ相の間
この2つの表示灯は、取り出す場所が違うだけの同じ回路です。図1の③はS相とT相、図1の④はY相とZ相。どちらも三相のうち2線をまたいで200Vをもらいます。違いは開閉器の手前か先かだけで、そこから「開閉器を切ると赤だけ消える」が出てきます。

図1の①が開閉器の電源側です。R相・S相・T相の3端子で、ここは開閉器を切っても電圧が残ります。図1の②が負荷側のX相・Y相・Z相で、接点が開けば電圧が消えます。同じ200Vでも、意味がまったく違う場所です。

施工条件は「電源表示灯はS相とT相間に、運転表示灯はY相とZ相間に接続すること」と書いています。図1の③が前者、図1の④が後者です。図1の⑤の破線は3つの接点が同時に動くことを表していて、この1動作で負荷側の3線がまとめて切れます。

「開閉器を切ると赤だけ消える」を口で言えるようにする

表示灯の色分けには意味があります。白は「この盤に電気が来ている」、赤は「いま負荷へ送っている」を表します。現場の動力盤で赤が消えているのに白が点いていれば、一次側は生きたまま開閉器が開いている状態です。この一文が言えるかどうかで、試験中に2本のケーブルを取り違える確率が変わります。

色別の指定も条件に入っています。変圧器の二次側はR相に赤・S相に白・T相に黒、開閉器の負荷側からコンセントに至る配線はX相に赤・Y相に白・Z相に黒です。電源側と負荷側で相の呼び名が変わるだけで、色の並びは同じだと気づくと覚える量が半分になります。

場所 相の呼び名と色 ここから取るもの
開閉器の電源側 R=赤/S=白/T=黒 電源表示灯(白)と他の負荷
開閉器の負荷側 X=赤/Y=白/Z=黒 運転表示灯(赤)とコンセント
変圧器の二次側 R=赤/S=白/T=黒 ジョイントボックスへの1本だけ

打抜き済みの穴は6か所、入ってくる線は7本

図2 穴は6か所しかないのに、入ってくるのは7本

アウトレットボックスのノックアウトは19mmが3か所、25mmが3か所です。丸はゴムブッシングを入れる穴を表します。

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アウトレットボックス打抜き済みの穴は6か所入ってくるのは7本ゴムブッシング5+コネクタ1VVF 1.6-2C ×2(電源表示灯・運転表示灯)VVF 1.6-2C他の負荷へ(施工省略)VVF 2.0-3C変圧器の二次側からねじなし電線管 E19IV 1.6×3 を通すVVF 1.6-3C開閉器の電源側VVF 1.6-3C開閉器の負荷側
ゴムブッシングは19mmが2個と25mmが3個の計5個しか支給されません。コネクタを付ける穴を1つ引いても、5個では7本の入線に足りません。図2の①のとおり、同じ取付枠へ向かう2本を1つの穴にまとめると数が合います。施工条件は「打抜き済みの穴だけをすべて使用すること」なので、余った穴を残しても、自分で穴を開けても欠陥です。

図2の①が、この課題でいちばん多くの人が手を止める場所です。表示灯2個は同じ埋込連用取付枠に並ぶので、そこへ向かうVVF 1.6-2Cの2本は同じ方向へ出ます。この2本を1つの穴に通せば、穴の数と入線の数が合います。

図2の②の左辺には、他の負荷へ向かうVVF 1.6-2Cと、変圧器から来るVVF 2.0-3Cが入ります。図2の③の右辺だけはゴムブッシングではなくねじなしボックスコネクタで、施工条件はこれをジョイントボックス側に取り付けると指定しています。管の反対側は取り付けません。図2の④の下辺から出る2本が、開閉器の電源側と負荷側です。

6組の接続と、刻印が3種類に分かれる理由

図3 電源側の3組と負荷側の3組で、集まる本数がそろわない

太い線が2.0mm、細い線が1.6mmです。スリーブの大きさと刻印は別々に決まります。

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ボックスの中の組集まる電線スリーブ刻印内訳R相(赤・電源側)2.01.62.0×1+1.6×1S相(白・電源側)2.01.61.61.62.0×1+1.6×3T相(黒・電源側)2.01.61.61.62.0×1+1.6×3X相(赤・負荷側)1.61.61.6×2Y相(白・負荷側)1.61.61.61.6×3Z相(黒・負荷側)1.61.61.61.6×3
S相とT相だけ4本になる理由は、そこに表示灯と他の負荷がぶら下がっているからです。図3の②と③には、変圧器から来る2.0mmに加えて、開閉器の電源側・他の負荷・電源表示灯の1.6mmが3本入ります。一方で図3の④は1.6mmが2本だけなので、ここが唯一「○」の刻印になります。

ボックスの中は6組です。電源側の3組と負荷側の3組に分かれ、同じ相の色どうしを1組にまとめます。図3の②と③に4本ずつ集まるのは、S相とT相に表示灯と他の負荷がぶら下がっているからです。

図3の④だけが1.6mmの2本で、刻印は「○」になります。X相には負荷側のケーブルとコンセントへ向かうIVの2本しか来ないためです。「小スリーブなら刻印も小」と覚えていると、ここで欠陥になります。リングスリーブは小を4個・中を2個使い、材料表の予備を除いた数とちょうど一致します。

V結線2台の端子と、接地線を結ぶ場所

変圧器は2P(4端子)の端子台2個で代用します。一次側はKIP 8mm2を3本作り、T1のU、T1のVとT2のUを結んだ共通点、T2のVへ入れます。二次側はT1のvとT2のuを太さ2.0mm(白色)のわたり線で結び、ここがS相になります。

接地線の場所も条件で決まっています。IV 5.5mm2の緑はT1のv端子、つまりわたり線でつないだ共通点に結びます。三相3線式に中性線はないので、この緑はB種接地であって「中性線」ではありません。コンセント側の接地極には別にIV 1.6mmの緑を結び、EDへ向かいます。

材料表から先に読めること

材料 数量 そこから読めること
端子台 6P(ねじ締め端子6箇所) 1個 開閉器は3極。電源側と負荷側で3端子ずつ
VVF 1.6-2C 長さ約1,000mm 1本 2心ケーブルを3本に切り分ける
ゴムブッシング 19/25 2/3個 5個しかない。1つは2本まとめて通す
リングスリーブ 小/中 6/3個(予備込み) 実際に使うのは小4個と中2個
IV 1.6mm 黒・白・赤 各1本 電線管の中を通る3本。X・Y・Zに対応

手を動かす順番

  1. 端子台に名前を書く。変圧器代用の2個をT1・T2と決め、開閉器代用にはR・S・TとX・Y・Zを端子台説明図どおりにメモします。
  2. 二次側のわたり線を先に作る。白の2.0mmでT1のvとT2のuを結びます。後回しにすると他の線が邪魔になって締めにくくなります。
  3. 接地線を2本先に付ける。IV 5.5mm2緑をT1のv端子へ、IV 1.6mm緑をコンセントの接地極へ。場所が条件で決まっている2本です。
  4. 電線管を先に組む。ねじなしボックスコネクタをボックス側に付け、止めねじをねじ切ってから絶縁ブッシングを入れ、IV 3本を通します。
  5. 取付枠に表示灯2個を付ける。赤が運転表示、白が電源表示です。ここを入れ替えると復旧できません。
  6. ボックスの穴を割り振ってからケーブルを入れる。図2の①の2本まとめを先に決めておくと、最後に穴が足りなくなりません。
  7. 6組を数えてから圧着する。組ごとに集まった電線の太さと本数を数え、図3の表で刻印を選びます。

作品に出る症状から原因を戻す

作品に出る症状 原因 直し方
ボックスの穴が1つ足りない 7本を7か所に分けようとしている 図2の①へ戻り、表示灯の2本を1つの穴にまとめる
開閉器を切っても両方の灯が点く 運転表示灯を電源側から取っている 図1の④のとおりY相とZ相へつなぎ直す
中スリーブが3個必要になる 他の負荷の2本をR相側に入れている 他の負荷はS相とT相間。図3の②③に入れる
刻印がすべて「小」になる スリーブの大きさで刻印を決めている 図3の④の1.6mm2本だけ丸ダイスで圧着する
緑の線が1本余る 接地線を1本だと思っている 5.5mm2はT1のv端子、1.6mmはコンセントの接地極

自己チェック(6問)

解説は最初から表示しています。図を見ないで答えられるかを試してください。

問1:運転表示灯(赤)は、どの2線の間につなぎますか。

  1. R相とS相
  2. S相とT相
  3. X相とY相
  4. Y相とZ相

解答:4(Y相とZ相)
施工条件は「電源表示灯はS相とT相間に、運転表示灯はY相とZ相間に接続すること」と指定しています。図1の④のとおり、運転表示灯は開閉器より先から取り出します。2は電源表示灯の位置です。

問2:開閉器を「切」にしたとき、2つの表示灯はどうなりますか。

  1. 両方とも消える
  2. 両方とも点いたまま
  3. 運転表示灯だけ消え、電源表示灯は点いたまま
  4. 電源表示灯だけ消え、運転表示灯は点いたまま

解答:3(運転表示灯だけ消え、電源表示灯は点いたまま)
図1の①が開閉器の電源側で、ここには常に電圧がかかっています。図1の②の負荷側は、接点が開けば電圧が消えます。電源表示灯は「電気が来ているか」、運転表示灯は「負荷へ送っているか」を見る灯です。現場の動力盤でも同じ考え方で、切った盤の白が点いていれば一次側は生きています。

問3:アウトレットボックスに入るケーブルと電線管は合わせて何本ですか。

  1. 5本
  2. 6本
  3. 7本
  4. 8本

解答:3(7本)
VVF 2.0-3Cが1本、VVF 1.6-3Cが2本、VVF 1.6-2Cが3本、ねじなし電線管が1本で合計7本です。打抜き済みの穴は19mmが3か所と25mmが3か所の6か所しかないので、図2の①のように表示灯へ向かう2本を1つの穴にまとめます。

問4:S相の組に集まる電線の内訳はどれですか。

  1. 2.0mmが1本と1.6mmが1本
  2. 2.0mmが1本と1.6mmが3本
  3. 1.6mmが2本
  4. 1.6mmが3本

解答:2(2.0mmが1本と1.6mmが3本)
図3の②です。変圧器から来るVVF 2.0-3Cの白に、開閉器の電源側・他の負荷・電源表示灯へ向かう1.6mmが3本加わります。合計4本なので中スリーブで「中」の刻印になります。1は図3の①のR相、4は図3の⑤⑥です。

問5:「○」の刻印になる接続点はどれですか。

  1. R相(赤・電源側)
  2. S相(白・電源側)
  3. X相(赤・負荷側)
  4. Y相(白・負荷側)

解答:3(X相の赤・負荷側)
図3の④だけが1.6mmの2本です。1.6mmが2本のときだけ小スリーブを丸ダイスで圧着して「○」が残ります。スリーブが小でも、刻印が「小」になるとは限りません。図3の①や⑤⑥は同じ小スリーブですが刻印は「小」です。

問6:変圧器の接地線(IV 5.5mm2緑)は、どの端子に結びますか。

  1. T1のU端子
  2. T1のv端子
  3. T2のu端子
  4. ジョイントボックスの中

解答:2(T1のv端子)
施工条件が「接地線は、変圧器T1のv端子に結線する」と場所まで指定しています。T1のvはT2のuとわたり線で結ばれた共通点で、ここがS相です。三相3線式には中性線がないので、この緑はB種接地であって中性線ではありません。端子を指定どおりにしないと欠陥になります。

一次資料と突き合わせた項目(2026年9月10日確認)

本文の端子記号・電線色・表示灯の接続位置・穴と入線の数・スリーブの刻印は、次の資料と1つずつ照合しました。図1〜図3は当サイトが描いたもので、公式図の複製ではありません。

次に読む記事

次は第一種 技能候補問題No.6|Δ結線・電流計・表示灯へ進んでください。表示灯が3個に増え、変圧器がΔ結線に変わります。同じ「どこから取るか」の考え方が効きます。

1つ前の課題に戻るなら第一種 技能候補問題No.4|遮断器・ETと同時点滅です。端子台の電源側と負荷側という同じ読み分けが出てきます。

端子台やKIPの加工そのものに不安があるうちは第一種電気工事士 技能試験の基本作業|KIP・CVV・端子台へ戻ってください。

広告・編集方針

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資格太郎

この記事を書いた人:資格太郎電気工事士の独学合格を目指して学習中。公表済みの候補問題と実際に出題された問題・公式解答を分けて照合し、当日の施工条件で確定する部分と、年度が変わっても動かない考え方を区別して編集しています。運営者情報と編集方針

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