2種 基礎理論

コンデンサの計算|合成容量・Q=CV・リアクタンス【第二種】

この記事を読み終えると、コンデンサの問題を見たときに「単位をFへそろえる → 並列か直列かを節点で判定する → Q=CVで電荷か電圧を出す → 大小関係で検算する」の順に、途中式を省かず解き切れるようになります。

コンデンサの計算でつまずく原因は、たいてい公式を忘れたことではなく、μFのまま掛けてしまうことと、並列と直列を見た目で決めてしまうことの2つです。この記事はその2つを潰す順番で並べています。

この記事で使う式

  • 電荷:Q=CV(Q〔C〕、C〔F〕、V〔V〕)
  • 合成容量:並列はC=C1+C2、直列は1÷C=1÷C1+1÷C2
  • 容量性リアクタンス:XC=1÷(2πfC)〔Ω〕
  • 静電エネルギー:W=(1÷2)CV2〔J〕

残留電荷に注意

コンデンサは電源を切った後も電圧が残ることがあります。計算したエネルギーや経過時間だけで安全と判断せず、機器・製造者が定める方法で隔離・放電・無電圧確認を行います。端子を工具で短絡する行為は、アーク、部品損傷、けがにつながるため行わないでください。この記事は実機の放電手順ではありません。

コンデンサは電界にエネルギーを蓄える

コンデンサ(キャパシタ)は、2つの電極の間に誘電体を置いた部品です。電圧を加えると、一方の電極に正、もう一方に負の電荷が同じ大きさだけ現れ、電極間の電界にエネルギーが蓄えられます。

「電気をためる」は入口として便利ですが、電池と同じ仕組みではありません。理想コンデンサを直流電源へつなぐと、充電中だけ電流が流れ、充電後の定常状態では電流は0です。交流では電圧が変わり続けるため、充放電に伴う電流が流れ続けます。実物には漏れ電流、等価直列抵抗(ESR)、寄生インダクタンスがあり、理想式と完全には一致しません。

静電容量は電極面積・間隔・誘電率で決まる

理想的な平行平板コンデンサの静電容量は C=εA÷d です。電極面積Aまたは誘電率εが大きいほど容量は大きく、電極間距離dが大きいほど容量は小さくなります。この関係は自己チェックの問6で使います。

単位はμF・nF・pFをFへそろえてから代入する

静電容量の単位はF〔ファラド〕ですが、実物の値はμF・nF・pFで書かれます。Q・XC・Wを計算するときは、必ずFへ直してから代入します。

単位 Fへの換算 単位どうしの関係
μF 10-6F 1μF=1,000nF
nF 10-9F 1nF=1,000pF
pF 10-12F 1μF=1,000,000pF

ただし合成容量の計算だけは換算しなくても解けます。C=C1+C2も和分の積も、両辺の単位が同じなのでμFのまま計算して答えもμFで書けるからです。換算が必要なのは、単位の違う量(Q・XC・W)へ渡すときだと覚えてください。

Q=CVは、先に「何を聞かれているか」を決めてから使う

電荷Q〔C:クーロン〕、静電容量C〔F〕、電圧V〔V〕の関係がQ=CVです。量記号のCは静電容量、単位記号のCはクーロンで、同じ文字でも意味が違います。

この式は3通りの使い方があり、どれを使うかは設問で決まります。

  • 電荷を求める:Q=CV。CをFへ直してから掛ける
  • 電圧を求める:V=Q÷C。直列の電圧分担で使う(図2)
  • 容量を求める:C=Q÷V。回路から逆算するときに使う

例:20μFへ100Vを加えたときの電荷

単位をそろえる:20μF=20×10-6〔F〕

代入する:Q=20×10-6×100=0.002〔C〕

読みやすい単位に直す:0.002C=2〔mC〕。20×100=2,000としないよう、換算を式の1行目に書く習慣をつけます。

並列は電圧が共通、直列は電荷が共通

合成容量の式を丸暗記すると、抵抗の式と混ざります。式より先に、その接続で何が共通になるのかを図1で押さえてください。

図1 並列と直列は「何が共通か」が違う

合成の式を覚える前に、この1行を押さえます。

並列接続
C1C2同じ2点の間に並べる
共通なのは 電圧 V(どちらにも同じVがかかる)
分かれるのは 電荷 Q1=C1V、Q2=C2V
C=C1+C2
直列接続
C1C2端から端まで一列に並べる
共通なのは 電荷 Q(同じ大きさの電荷が現れる)
分かれるのは 電圧 V1=Q÷C1、V2=Q÷C2
1÷C=1÷C1+1÷C2
抵抗と逆になる理由:抵抗は直列で足しますが、コンデンサは並列で足します。並列にすると電極の面積を増やしたのと同じで、同じ電圧でためられる電荷が増えるからです。逆に直列にすると電極間の距離を広げたのと同じ形になり、合成容量はいちばん小さい容量より小さくなります。

並列接続では各コンデンサの端子電圧が同じなので、Q1=C1V、Q2=C2Vを足すと全体の電荷になり、合成容量はそのまま足し算です。4μFと6μFの並列なら10μFで、元のどの容量よりも大きくなります。

直列接続では、電荷のない理想コンデンサをつないで充電したとき、各コンデンサに現れる電荷の大きさが同じになります。Q=CVをVについて解くとV=Q÷Cなので、容量が小さい側ほど電圧が高くなります。2個だけなら和分の積 C=C1C2÷(C1+C2) が使えます。

例題1|6μFと3μFの直列に12Vを加える

直列の電圧分担は、途中の電荷Qを一度出してから各電圧へ戻ると確実です。単位はμFとμCでそろえたまま計算できます。

  1. 合成容量:和分の積で、分子は6×3=18、分母は6+3=9。C=18÷9=2〔μF〕。分子が「積」、分母が「和」であることを毎回確かめます
  2. 全体の電荷:Q=CV=2〔μF〕×12〔V〕=24〔μC〕。直列なのでこの電荷が両方に共通です
  3. 6μFの電圧:V1=Q÷C1=24〔μC〕÷6〔μF〕=4〔V〕
  4. 3μFの電圧:V2=Q÷C2=24〔μC〕÷3〔μF〕=8〔V〕
  5. 検算:V1+V2=4+8=12〔V〕で電源電圧に一致します

図2 直列では、容量が小さいほうに高い電圧がかかる

同じ電荷Q=24μCが両方に現れ、V=Q÷Cで電圧が決まります。

6μF3μF

6μFにかかる電圧
24μC÷6μF=4V
3μFにかかる電圧
24μC÷3μF=8V
4V+8V=12V → 電源電圧と一致するので計算は合っています
図2で間違えやすいところ:「容量が大きいほうに高い電圧がかかる」と考えると、4Vと8Vが逆になります。Q=CVを電圧について解くとV=Q÷Cで、Cは分母です。電荷が共通なのだから、Cが小さいほどVは大きくなります。

実部品を直列で使うと、漏れ電流や容量誤差のため電圧が理想どおりに分担されないことがあります。実際の設計・置換では、容量だけでなく定格電圧、極性、温度、リプル電流、均圧方法などをデータシートで確認します。

例題2|並列と直列が混ざった回路を置き換える

複合回路は一度に解こうとせず、小さなまとまりから1つずつ置き換えます。3μFと6μFが並列で、そのまとまりに3μFが直列でつながった回路を、図3の手順で解きます。

図3 複合回路は、小さなまとまりから1つずつ置き換える

対象の回路:3μFと6μFが並列で、そのまとまりに3μFが直列でつながっています。

手順1 並列部分を1つにまとめる
同じ2点間にある3μFと6μFは並列です。並列は足し算なので、3μF+6μF=9μF。ここは図1の並列(電圧が共通)の考え方です。

手順2 残った直列を和分の積で計算する
手順1でできた9μFと、もとからある3μFは一列につながっているので直列です。2個だけなので和分の積が使えます。C=(9×3)÷(9+3)=27÷12=2.25μF

手順3 大小関係で検算する
最後は直列の合成なので、答えはいちばん小さい容量(3μF)より小さいはずです。2.25μF<3μFなので条件を満たしています。もし答えが3μFより大きくなったら、手順2で並列の式を使った可能性があります。
並列か直列かは見た目で決めない:同じ2点間につながっているものが並列、端から端まで一列で途中に分岐がないものが直列です。図の上下左右ではなく、つながっている節点で判定します。
  1. 並列部分:Ca=3〔μF〕+6〔μF〕=9〔μF〕(同じ2点間なので並列)
  2. 残りの直列:C=(9×3)÷(9+3)=27÷12=2.25〔μF〕
  3. 大小の検算:最後が直列なので、最小容量の3μFより小さいはずです。2.25μF<3μFで条件を満たします

節点での判定に自信が持てないときは、回路の枝分かれを先に数えます。同じ2点間につながるものが並列、端から端まで一列で途中に分岐がないものが直列です。抵抗を含む複雑な回路の立式はキルヒホッフの法則で確認してください。

交流では容量性リアクタンスXCを使う

正弦波交流で、理想コンデンサが電流を妨げる度合いを容量性リアクタンスXC〔Ω〕といいます。

XC=1÷(2πfC)

周波数f〔Hz〕と静電容量C〔F〕はどちらも分母なので、大きくなるほどXCは小さくなります。ここが、周波数に比例して大きくなるコイルの誘導性リアクタンスXL=2πfL〔Ω〕(L〔H〕)と逆向きです。また、理想コンデンサだけの交流回路では電流の位相が電圧より90°進みます

例題3|同じ100μFを50Hzと60Hzへつなぐ

  1. 単位をそろえる:100μF=100×10-6=0.0001〔F〕
  2. 50Hzで計算:XC=1÷(2×3.14×50×0.0001)=1÷0.0314≒31.8〔Ω〕
  3. 60Hzで計算:XC=1÷(2×3.14×60×0.0001)=1÷0.03768≒26.5〔Ω〕
  4. 比で確かめる:周波数が1.2倍になったので、XCは1÷1.2≒0.83倍。31.8×0.83≒26.4で計算値と合います

この「分母にあるから逆向きに動く」を数値で1度確かめておくと、周波数が変わる設問で迷いません。交流回路全体でのインピーダンスと力率の扱いは交流回路の基礎で分けて解説しています。

蓄積エネルギーは電圧の2乗で効く

コンデンサに蓄えられる静電エネルギーW〔J〕は次の式で求めます。ここでのWはエネルギーの量記号で、電力の単位W〔ワット〕とは意味が違います。

W=(1÷2)QV=(1÷2)CV2

容量が2倍ならエネルギーも2倍ですが、電圧が2倍ならエネルギーは4倍です。たとえば100μFに200Vを加えると、W=0.5×100×10-6×2002=2〔J〕になります。

C=εA÷dと組み合わせると、Wは電極面積Aと誘電率εに比例し、電極間距離dに反比例し、電圧Vの2乗に比例することが分かります。電気技術者試験センターの公式例題でも、平行平板コンデンサに蓄えられる静電エネルギーについて「電圧Vの2乗に比例する」が正しい選択肢として示されています。

なお、この式は安全な放電時間を求める式ではありません。残留電圧は放電抵抗、回路構成、故障状態、再起電などに左右されるため、計算値だけで端子へ触れてよいとは判断できません。

進相コンデンサの選定はQ=CVでは決まらない

誘導性負荷へコンデンサを並列に接続すると、進みの無効電流が遅れ無効電流の一部を打ち消し、電源側の電流を減らせます。2026年度上期(2026年5月24日実施)の第二種学科試験でも、力率を100%へ改善したときに電流計の指示が減少することが問われています。

ただし、進相コンデンサの選定を電荷の式Q=CVで行うことはできません。ここで使う無効電力の量記号Q〔var〕と、電荷Q〔C〕は別物です。実際の選定では電圧、周波数、負荷の有効電力と力率、相数・結線、設備条件を確認します。

検算は「大小関係」と「単位」の2つで行う

答えを出したあと、次の2つだけ確かめれば、この分野の失点はほとんど防げます。

  1. 大小関係:並列の合成は元のどれよりも大きく、直列の合成は元の最小より小さい。外れていれば式を取り違えています
  2. 単位:Q・XC・Wを求めたなら、途中でμF→Fの換算をしたか。していなければ106倍ずれています
  3. 直列の電圧分担:各電圧の合計が電源電圧に戻るか(例題1の手順5)
  4. 比例関係:f・Cが増えればXCは減る。Vが2倍ならWは4倍

自己チェック|換算・接続の判定・比例関係を確かめる

解説は最初から表示しています。まず自分の答えを出してから、誤答の選択肢がどの計算から出た値かまで確認してください。

問1:静電容量20μFのコンデンサに100Vを加えたとき、蓄えられる電荷Qはいくらですか。

  1. 0.002C
  2. 0.02C
  3. 2C
  4. 2,000C

解答:1(0.002C=2mC)
Q=CVですが、Cを〔F〕へ直してから代入します。20μF=20×10-6〔F〕なので、Q=20×10-6×100=0.002〔C〕=2〔mC〕です。4の2,000Cは20×100とμFのまま掛けた値で、106倍ずれます。μのまま掛けないことが、この分野で最も多い失点の防ぎ方です。

問2:4μFと6μFのコンデンサを直列に接続したときの合成静電容量はいくらですか。

  1. 2.4μF
  2. 5μF
  3. 10μF
  4. 24μF

解答:1(2.4μF)
2個の直列なので和分の積が使えます。C=(4×6)÷(4+6)=24÷10=2.4〔μF〕。検算は図3の手順3と同じで、直列なので最小の4μFより小さければ合格です。3の10μFは並列にしたときの値、4の24μFは積だけを取って和で割り忘れた値、2の5μFは単純平均です。

問3:6μFと3μFを直列に接続し、全体に12Vを加えました。3μFの両端にかかる電圧はいくらですか。

  1. 2V
  2. 4V
  3. 8V
  4. 12V

解答:3(8V)
合成は(6×3)÷(6+3)=2〔μF〕、共通の電荷はQ=2μF×12V=24〔μC〕。V=Q÷Cより、3μFの電圧は24μC÷3μF=8〔V〕です(図2)。2の4Vは6μF側の電圧で、容量の大小を取り違えると入れ替わります。4V+8V=12Vで検算できます。

問4:静電容量100μFの理想コンデンサを周波数50Hzの交流に接続しました。容量性リアクタンスXCに最も近い値はどれですか。π=3.14とします。

  1. 15.9Ω
  2. 26.5Ω
  3. 31.8Ω
  4. 63.7Ω

解答:3(31.8Ω)
XC=1÷(2πfC)=1÷(2×3.14×50×100×10-6)=1÷0.0314≒31.8〔Ω〕。1の15.9Ωは容量を200μFにしたときの値、2の26.5Ωは同じ100μFを60Hzへつないだときの値、4の63.7Ωは50μFのときの値です。fとCはどちらも分母なので、大きくなればXCは小さくなります。

問5:静電容量50μFのコンデンサに200Vを加えたとき、蓄えられる静電エネルギーWはいくらですか。

  1. 0.5J
  2. 1J
  3. 2J
  4. 4J

解答:2(1J)
W=(1÷2)CV2=0.5×50×10-6×2002=0.5×50×10-6×40,000=1〔J〕。3の2JはCV2だけを計算して1÷2を掛け忘れた値、1の0.5Jは25μFのときの値、4の4Jは200μFのときの値です。

問6:平行平板コンデンサの電極間の距離dだけを2倍にし、電極面積A・誘電率ε・加える電圧Vは変えませんでした。蓄えられる静電エネルギーWはどうなりますか。

  1. 4倍になる
  2. 2倍になる
  3. 変わらない
  4. 2分の1になる

解答:4(2分の1になる)
C=εA÷dなので、dが2倍になるとCは2分の1になります。W=(1÷2)CV2でVは変えていないので、WもCに比例して2分の1です。1の4倍は「Vを2倍にしたとき」の変化で、Wは電圧については2乗で効きます。どの量を動かしたかで、比例か2乗かが変わります。

照合した公式資料と確認日

本文の式と数値は、電気技術者試験センターが公開する科目説明・公式例題・2026年度上期の学科試験問題と解答、およびメーカーの技術資料と照合しました。確認日は2026年9月9日です。例題と自己チェックはすべて当サイトで作成し、計算を再検算しています。

次に読む記事

次はコンデンサのミニテスト10問で、単位換算と接続の判定を数字を変えながら通してください。図3の手順が身につきます。

そのあと交流回路の基礎へ進むと、ここで求めたXCをインピーダンスと力率の計算へつなげられます。

節点の判定でつまずいたときはオームの法則と合成抵抗・キルヒホッフへ戻ると、直列・並列の見分け方を抵抗で作り直せます。

広告・編集方針

この記事内に通信講座、教材、部品のアフィリエイトリンクは掲載していません。2026年9月9日に、電気技術者試験センターの科目説明・公式例題・2026年度上期の問題と解答、メーカーの技術・安全資料を照合しました。図1〜図3、例題3本、自己チェック6問は当サイトのオリジナルで、過去問の文面は転載していません。

資格太郎

この記事を書いた人:資格太郎電気工事士の独学合格を目指して学習中。公式資料とメーカー資料を照合し、公式の暗記だけでなく単位・比例関係・安全上の限界まで整理しています。運営者情報を詳しく見る

※当サイトの画像にはAI生成のものが含まれており、実際の機器・器具とは外観が異なる場合があります。問題・解答の内容には細心の注意を払っておりますが、誤りが含まれる可能性があります。学習の参考としてご活用いただき、最終的な確認は公式テキスト・法令等で行ってください。当サイトの情報に基づく判断によって生じた損害について、一切の責任を負いかねます。

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