受変電設備の基礎

CT・VT・VCT・ZCTの違い|計器用変成器の役割と電流計・電圧計の回路

この記事を読み終えると、CT・VT・VCT・ZCTが何を取り出してどこへ渡すかを単線結線図の上で言い分け、CTとVTの台数・結線・二次側でしてはいけないことと、変流比から一次電流を読む計算を説明できるようになります。

第一種電気工事士の学科では、写真や図記号から機器の用途を選ぶ問題、VTの台数とヒューズの本数、CTの複線図、二次側の接地工事の種類が、繰り返し出ています。どれも、4つの機器の役目を1枚の図の上で分けておくと答えられます。この記事は試験の学習用で、実際の設備の結線や作業の手順を示すものではありません。

計器用変成器は、高圧の電流と電圧を計器につなげる大きさに変える

高圧の主回路には6,600Vの電圧がかかり、大きな電流が流れます。電流計や電圧計、保護継電器を、そのままつなぐことはできません。そこで、電流や電圧を決まった比で小さくして取り出す機器を間に入れます。これが計器用変成器です。4つを見分ける軸は、「何を取り出すか」と「どこへ渡すか」の2つです。

図1 4つの機器が取り出すものと、渡す先

上の文が「何を取り出すか」、下の札が「どこへ渡すか」です。

①CT(変流器)

主回路の大きな電流を、小さな電流に変えて取り出す。二次側は一般に5A。

電流計過電流継電器

②VT(計器用変圧器)

高圧の電圧を、低い電圧に変えて取り出す。二次側は一般に110V。

電圧計不足電圧継電器など

③VCT(電力需給用計器用変成器)

VTとCTを1つの箱に収め、電圧と電流の両方を取り出す。

電力量計(Wh)

④ZCT(零相変流器)

地絡のときにだけ現れる零相電流を取り出す。

地絡継電器地絡方向継電器
図1の読み方:「電流」なら①、「電圧」なら②、「両方で電力量」なら③、「地絡」なら④です。

図1の①のCTは、大電流を小電流に変えます。電流計や継電器を直接つなげる大きさで、二次側は一般に5Aです。図1の②のVTは、高電圧を低電圧に変えます。二次側は一般に110Vです。図1の③のVCTは、VTとCTを1つの箱に収めたもので、電力量計につながります。図1の④のZCTだけは少し性格が違い、ふだんは何も取り出さず、地絡が起きたときにだけ電流を出します。

機器 取り出すもの 渡す先
CT(変流器) 主回路の電流(一般に5Aへ) 電流計、過電流継電器
VT(計器用変圧器) 主回路の電圧(一般に110Vへ) 電圧計、不足電圧継電器など
VCT(電力需給用計器用変成器) 電圧と電流の両方 電力量計
ZCT(零相変流器) 零相電流 地絡継電器、地絡方向継電器

試験では、機器の写真を見せて用途を選ばせる問題が出ます。「大電流を小電流に変成する」がCT、「高電圧を低電圧に変成する」がVT、「零相電流を検出する」がZCTです。VCTは、「電力需給用計器用変成器」という名称と略号の組み合わせで問われます。

4つの機器は、PASの中・受電盤の入口・VCBの前後に分かれて置かれる

図2 CB形の単線結線図で、4つの機器が置かれる位置

太い縦線が主回路です。横へ出ている細い線が、計器や継電器へつながる二次側です。

電源側3地絡継電器PASWhVCTDSVSVVCBOCRASA母線・変圧器へ①②③④⑤⑥
図2で押さえるところ:③のVTは主回路から枝分かれした先に、④のCTは主回路の途中にあります。

図2の①のZCTは、引込柱のPAS(区分開閉器)の中にあり、地絡継電器へつながります。PASの中身はPAS・UGS・SOGの違いで扱っています。屋内に入ってすぐの位置にあるのが図2の②のVCTで、電力量計(Wh)へつながります。

DSの下では、主回路から横へ線が分かれ、ヒューズを通って図2の③のVTにつながります。VTの二次側は、図2の⑤の電圧計切換スイッチ(VS)を通って電圧計へ届きます。VCBの下にあるのが図2の④のCTです。二次側は過電流継電器(OCR)を通り、図2の⑥の電流計切換スイッチ(AS)から電流計へ届きます。

VTは主回路から「枝分かれした先」にあり、CTは主回路の「途中」にあります。電圧は2本の線の間で測るもので、電流はその線を流れる量を測るものだからです。この違いが、後で出てくる「二次側でしてはいけないこと」の違いにつながります。

電力計や力率計は、電圧と電流の両方を使う計器です。試験の単線結線図でも、VTの二次側とCTの二次側の両方から線が来ている位置に入る計器として、電力計と力率計の組み合わせが正解になっています。

丸が1つならCT、2つならVT。図記号の読み分け

図3 丸の数と、丸の中の印で読み分ける

主回路の線を太く描いています。記号は学習用に描き直したものです。

CT

①主回路の線に、丸が1つ。横に短い斜線。

VT

②丸が2つ重なる。主回路から分かれた線の先にある。

ZCT
3

③丸の中に、斜めの線と「3」。

VCT

④四角い枠の中に、VTとCTの記号が入る。

図3の見方:丸が1つで線の途中ならCT、丸が2つならVT、丸の中に「3」があればZCTです。

図3の①のCTは、主回路の線の上に丸が1つ乗った形です。図3の②のVTは、丸が2つ重なった形で、主回路から分かれた線の先に描かれます。図3の③のZCTは、丸の中に斜めの線と「3」があります。図3の④のVCTは、四角い枠の中に、VTとCTの記号が1つずつ入ります。

PASの中には、ZCTのほかに、コンデンサの記号と変成器の記号を破線で囲んだ機器が描かれることがあります。これは零相電圧を検出する機器で、試験でも「零相電圧を検出する」が正解です。ZCTが検出するのは零相「電流」なので、取り違えないようにします。

CTは2台をR相とT相に付け、3本の線でASへつなぐ

単線結線図ではCTは1つの丸ですが、実際の線を1本ずつ描いた複線図では2台になります。試験でも、CTの部分の複線図を4つの中から選ぶ問題が出ています。

図4 CTは2台。3本の線でASへつなぐ(複線図)

太い縦線がR・S・Tの主回路です。青い線がCTの二次側です。線が途切れている所は、交差しているだけでつながっていません。

RSTkℓkASA①②③④⑤
図4で押さえるところ:CTは①と②の2台、取り出す線は3本、接地は③の1か所です。

図4の①と図4の②が、R相とT相に付けたCTです。S相には付けません。CTの端子記号は、一次側が大文字のK・L、二次側が小文字のk・ℓです。2台のℓ側を1本にまとめた線が図4の③で、ここを接地します。k側の2本と合わせて、3本の線が出ていきます。

3本の線は、図4の④の電流計切換スイッチ(AS)に入ります。ASの役目は、1個の電流計で各相の電流を測るために、相を切り換えることです。三相3線式では、3本の線の電流を足すと0になります。そのため、CTを付けていないS相の電流は、2台の二次電流の合計として図4の③の線に現れます。CTが2台でも、図4の⑤の電流計1個で、3つの相を順に読めるわけです。

VTは2台をV結線にする。一次側のヒューズは4本

図5 VTは2台をV結線にする。一次側のヒューズは4本

太い縦線がR・S・Tの主回路です。小さな長方形がヒューズ、橙色の丸がVTです。

RSTVSV①②③④⑤
図5で押さえるところ:VTは②の2台、ヒューズは①の4本です。数を問う問題は、この図から数えます。

VTは単相の機器です。三相の電圧を測るために、図5の②のとおり2台を使い、1台目をR相とS相の間に、2台目をS相とT相の間につなぎます。これがV結線です。試験でも、VTに設置する単相機器の必要最少数量は「2」です。

VTの一次側には、図5の①の高圧限流ヒューズを付けます。VT1台につき2本なので、2台で4本です。このヒューズを使う主な目的は、VTの内部で短絡が起きたときに、その事故が主回路へ広がるのを防ぐことです。

二次側は、2台の間をつないで3本の線にまとめ、図5の③で接地します。3本の線は図5の④の電圧計切換スイッチ(VS)に入ります。VSはASと同じ考え方のスイッチで、測る線間を切り換えることで、図5の⑤の電圧計1個で各線間の電圧を読めるようにします。

CTの二次側は開かない。VTの二次側は短絡しない

CTとVTは、二次側の扱いが正反対です。どちらも、間違えると機器が焼損するおそれがあります。

機器 二次側でしてはいけないこと 起きること
CT 一次電流が流れている間に、二次側を開く(開放する) 二次側に高電圧が発生し、巻線の絶縁が壊れて焼損するおそれがある
VT 二次側を短絡する 二次巻線に過大な電流が流れて焼損し、相間短絡にいたる可能性がある

CTは、一次側に流れている電流に合わせて、二次側にも電流を流そうとする機器です。二次側が開いていると電流の通り道がなく、流そうとして高い電圧が現れます。だから、CTの二次側は、電流計や継電器を通って必ず一回りできる道になっていなければなりません。過電流引外しの回路で、継電器の接点が開いても引外しコイルを通る道が残るのは、この決まりに合っています(VCBの引外し回路の図4)。

VTは逆に、二次側に決まった電圧を出し続ける機器です。その出口を短絡すれば、大きな電流が流れて巻線が焼けます。図2で、VTが主回路から枝分かれした先にあり、CTが主回路の途中にあったことを思い出してください。結局、迷ったら「CTは開放しない、VTは短絡しない」の1行に戻れば、取り違えません。

二次側の電路はD種接地工事。試験用端子はCTTとVTT

高圧の計器用変成器の二次側電路には、D種接地工事を施します。電気設備の技術基準の解釈 第28条の定めで、特別高圧の計器用変成器ではA種接地工事になります。図4の③と図5の③が、この接地です。試験では、「計器用変成器の二次側電路の接地は、B種接地工事である」が不適切な記述として、「高圧電路に取り付けた変流器の二次側電路の接地は、D種接地工事である」が正しい記述として出ています。

CTやVTの二次側と、継電器や計器との間には、試験用端子が入ることがあります。電流の回路に入るものがCTT、電圧の回路に入るものがVTTです。単線結線図では、VTの二次側にある図記号の名称を問う問題で、「試験用端子(電圧端子)」が正解になっています。

変流比から一次電流を読む(例題3問)

CTは、一次側の電流に比例した電流を二次側に出します。その比が変流比で、「100/5A」のように、一次側の定格と二次側の定格を並べて書きます。100/5Aなら、一次側に100A流れたときに二次側に5A流れるので、比は 100A ÷ 5A = 20 です。二次側の電流はいつも一次側の20分の1になるので、一次電流 = 二次電流 × 変流比 で元の電流に戻せます。

例題1 変流比100/5AのCTの二次側に、3Aの電流が流れています。一次側の電流を求めます。

変流比 = 100A ÷ 5A = 20
一次電流 = 二次電流 × 変流比 = 3A × 20 = 60A

例題2 変流比30/5AのCTの一次側に、24Aの電流が流れています。二次側の電流を求めます。

変流比 = 30A ÷ 5A = 6
二次電流 = 一次電流 ÷ 変流比 = 24A ÷ 6 = 4A

例題3 一次側6,600V・二次側110VのVTの二次側で、電圧が105Vでした。一次側の電圧を求めます。

変圧比 = 6,600V ÷ 110V = 60
一次電圧 = 二次電圧 × 変圧比 = 105V × 60 = 6,300V

VTも考え方は同じで、比例するものが電流から電圧に替わるだけです。計算で間違えやすいのは、掛けるのか割るのかの向きです。CTは変流比、VTは変圧比を確認し、一次側と二次側のどちらを求めるかで掛け算・割り算を選びます。CTの一次電流が二次電流より必ず大きいとは限りません。

ZCTは3本をまとめて通し、地絡のときだけ電流を出す

CTが1本の線の電流を取り出すのに対し、ZCTは三相の3本の線をまとめて輪の中に通します。地絡が無ければ、3本の線の電流を足すと0なので、ZCTの二次側には電流が出ません。どこかで地絡が起きると、大地へ流れた分だけ合計が0でなくなり、その分が零相電流として二次側に出てきます。

ZCTは、地絡継電器(GR)と組み合わせて使います。地絡方向継電器(DGR)は、ZCTが取り出す零相電流に加えて、零相電圧も使って、事故が構内か構外かを見分けます。継電器の側の働きは、次の記事で扱います。

自己チェック|取り出すもの・台数・二次側の決まりを答える

解説は最初から表示しています。図4と図5を見ないで、CTとVTの台数と、線やヒューズの本数を言えるかを試してください。

問1:CT(変流器)の用途として、正しいものはどれですか。

  1. 零相電流を検出する
  2. 高電圧を低電圧に変成する
  3. 大電流を小電流に変成する
  4. コンデンサを投入したときの突入電流を抑える

解答:3(大電流を小電流に変成する)
図1の①です。零相電流を検出するのは図1の④のZCT、高電圧を低電圧に変成するのは図1の②のVTです。突入電流を抑えるのは直列リアクトルで、計器用変成器ではありません。

問2:単線結線図で、四角い枠の中にVTの記号とCTの記号が入った機器がありました。この機器の名称と、二次側がつながる先の組み合わせとして、正しいものはどれですか。

  1. 電力需給用計器用変成器(VCT)・電力量計
  2. 零相変流器(ZCT)・地絡継電器
  3. 電力需給用計器用変成器(VCT)・過電流継電器
  4. 零相変流器(ZCT)・電力量計

解答:1(電力需給用計器用変成器(VCT)・電力量計)
図3の④の記号で、図2の②の位置にあります。VCTは電圧と電流の両方を電力量計へ渡します。過電流継電器へつながるのは、VCBの下にある図2の④のCTです。

問3:三相3線式の高圧電路にCTを取り付けます。試験の複線図に合う取り付け方はどれですか。

  1. R・S・Tの3相に1台ずつ付け、6本の線を別々に取り出す
  2. S相に1台だけ付け、2本の線を取り出す
  3. R相とS相に1台ずつ付け、k側どうしをつないで接地する
  4. R相とT相に1台ずつ付け、ℓ側どうしをつないで接地し、3本の線を取り出す

解答:4(R相とT相に1台ずつ。ℓ側をつないで接地し、3本を取り出す)
図4の①と図4の②がCTで、S相には付けません。ℓ側をまとめた図4の③で接地し、k側の2本と合わせて3本をASへつなぎます。

問4:図5の三相3線式高圧受電設備で、V結線にするVTについて、単相のVTの必要最少数量と、一次側に付ける高圧限流ヒューズの本数の組み合わせとして、正しいものはどれですか。

  1. VT 1台・ヒューズ 2本
  2. VT 2台・ヒューズ 4本
  3. VT 2台・ヒューズ 2本
  4. VT 3台・ヒューズ 3本

解答:2(VT 2台・ヒューズ 4本)
図5の②のとおり、VTは2台をV結線にします。ヒューズは1台につき2本なので、図5の①は合わせて4本です。

問5:CTとVTの二次側の扱いとして、正しいものはどれですか。

  1. CTもVTも、二次側は開いてはいけない
  2. CTの二次側は開いてはいけない。VTの二次側は短絡してはいけない
  3. CTの二次側は短絡してはいけない。VTの二次側は開いてはいけない
  4. CTもVTも、二次側は短絡してはいけない

解答:2(CTは開かない。VTは短絡しない)
CTは、一次電流が流れている間に二次側を開くと、二次側に高電圧が発生します。VTは、二次側を短絡すると、二次巻線に過大な電流が流れます。向きを逆に覚えると、3番目の選択肢を選んでしまいます。

問6:変流比150/5AのCTの二次側に、4Aの電流が流れています。一次側の電流は何Aですか。

  1. 20A
  2. 0.13A
  3. 120A
  4. 600A

解答:3(120A)
変流比は 150A ÷ 5A = 30 なので、4A × 30 = 120A です。0.13Aは掛けるところを割った値、600Aは変流比ではなく一次側の定格150Aを掛けた値、20Aは二次側の定格5Aを掛けた値です。

問7:高圧電路に取り付けた計器用変成器の二次側電路に施す接地工事は、どれですか。

  1. D種接地工事
  2. A種接地工事
  3. B種接地工事
  4. C種接地工事

解答:1(D種接地工事)
電気設備の技術基準の解釈 第28条の定めで、図4の③と図5の③がこの接地です。A種は特別高圧の計器用変成器の二次側電路の場合です。試験では「B種接地工事である」とした記述が、不適切なものとして出ています。

機器の定格と、二次側の決まりを確かめた先

更新履歴:2026年10月25日 変成比の大小の断定を訂正し、VTの数量問題に三相3線式・V結線の条件を加えました。

2026年10月3日に、次の資料の記載内容を確認して、本文の機器の役割・台数・二次側の扱いの説明と図を照合しました。

更新履歴:2026年10月3日 図1〜図5、変流比の例題、自己チェックを加え、4つの機器を役目と位置で比べる構成に改めた。CTとVTの複線図、電流計・電圧計の切換スイッチの説明を加えた

次に読む記事

次は保護継電器の種類と保護協調へ進んでください。CTやZCTが取り出した電流を受け取って、事故かどうかを判定する側を扱います。

過電流継電器の合図がVCBへ届くまでの回路は、VCBの引外し回路で追えます。

単線結線図の全体を読む練習は、高圧受電設備の単線結線図です。

資格太郎

この記事を書いた人:資格太郎電気工事士の独学合格を目指して学習中。試験センターの問題、メーカーの公開資料、電気設備の技術基準の解釈を照合し、計器用変成器の役目と結線を図にして整理しています。運営者情報と編集方針

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