受変電設備の基礎
第一種の試験で問われる受変電設備を、単線結線図の順に学ぶ入口です
受電点から変圧器・負荷までの電力の流れに沿って、機器の役割と見分け方、単線結線図上の位置、保護・計測のしくみ、検査の考え方、試験で出る計算を整理しています。
第一種電気工事士の学科では「電気機器・受電設備」「自家用電気工作物の検査方法」「配線図」の科目で、高圧受電設備の機器と回路が問われます。技能試験の候補問題にも、変圧器の代わりに端子台を使った回路が出ます。このカテゴリは、それらを学ぶための記事をまとめたものです。
機器の選定、容量や整定値の決定、点検手順、更新計画のように、設計者や電気主任技術者が設備ごとに判断する内容は扱いません。運営者の立場と記事の作り方は運営者情報にまとめています。
最初に読む3本
受電設備の全体像受ける・守る・測る・変える・配るの5つの働きで、キュービクルの中の機器を分ける
単線結線図の読み方PASから変圧器までを5層に分け、図記号と電力の流れを読む
開閉器の見分け方どの電流を切れるか、どこを守るかでVCB・DS・LBS・PASを見分ける
単線結線図の読み方PASから変圧器までを5層に分け、図記号と電力の流れを読む
開閉器の見分け方どの電流を切れるか、どこを守るかでVCB・DS・LBS・PASを見分ける
単線結線図の上から順に学ぶ
高圧受電設備の単線結線図は、電力会社の配電線から受け取る受電点を上に、負荷を下に描くのが一般的です。下の順番は、図の上から出てくる機器の順です。
- 受電点:PAS・UGS・SOGの違いで、責任分界点に置く区分開閉器と、構内の地絡事故を配電線へ広げないしくみを確認する。
- 主遮断装置:PF・S形とCB形の違いで、限流ヒューズと高圧交流負荷開閉器で受電する形と、遮断器と保護継電器で受電する形を比べる。
- 開閉器と遮断器:VCB・DS・LBS・PASの違いで開閉できる電流の違いを押さえ、VCBの引外し回路で、保護継電器の信号が遮断器を開くまでの流れを追う。
- 計測:CT・VT・VCT・ZCTの違いで、どの変成器が何を取り出し、どの計器や継電器へつなぐかを確認する。
- 保護:保護継電器の種類と保護協調で過電流・地絡などの検出量を分け、ZCT・ZPD・EVTの違いで地絡を見つけるしくみを確認する。
- 接地と避雷器:高圧受電設備の接地系統図で、A種・B種・D種接地と避雷器の接地がどこに付くかを確認する。
- 変圧器と負荷側:変圧器の%Zと高圧配電線路の計算、力率改善と高圧進相コンデンサ、三相誘導電動機の始動と保護、非常用発電機とATSの単線結線図で、試験に出る計算と回路を確認する。
- 検査:高圧受電設備の検査方法で、絶縁抵抗・接地抵抗・絶縁耐力・保護継電器の試験がそれぞれ何を確かめるかを整理し、高圧絶縁耐力試験で試験電圧の求め方を確認する。
試験で取り違えやすい3つの組
- 定格電流と定格遮断電流:ふだん流し続けられる電流と、短絡事故のときに遮断できる電流は別の値です。断路器(DS)は電流が流れていない回路を切り離す機器で、負荷電流を開閉しません。
- 検出・判定・遮断:CT・ZCT・VTが電流や電圧を取り出し、保護継電器が異常かどうかを判定し、遮断器などが回路を開きます。3つの段階を図の上で分けて追うと、どの機器の役割を問われているかが見分けやすくなります。
- CTとVTの二次側:通電中にCTの二次側を開放すると高い電圧が発生するので、開放しません。VTの二次側は短絡すると大きな電流が流れるので、短絡しません。
第一種の科目へ戻って確かめる
記事で機器の役割をつかんだら、試験の科目へ戻り、問題の形で確かめます。
- 電気機器・受電設備:変圧器、遮断器、保護継電器、進相コンデンサ
- 検査方法:絶縁抵抗測定、絶縁耐力試験、接地抵抗測定、継電器試験
- 配線図:高圧受電設備の単線結線図と図記号
- 第一種 候補問題:変圧器の代わりに端子台を使う回路
- 第一種電気工事士の学習ロードマップ:9科目の順番と、第一種 模擬試験から戻る先
実設備の判断には使わない
実際の設備は、受電電圧、受電方式、短絡容量、接地方式、保安規程、メーカーの仕様がそれぞれ異なります。このカテゴリの記事は試験学習のための解説で、個別設備の設計・施工・整定・操作・点検を決めるためのものではありません。実際の判断は、設備の現況を確認できる電気主任技術者、保安法人、設計者、施工者、メーカーの指示を優先してください。
公式資料
試験の範囲と条文は次の資料で確認できます(2026年9月29日に確認)。