検査方法

高圧受電設備の検査方法|絶縁耐力・継電器試験と漏えい電流Io・Iorの違い

この記事を読み終えると、高圧受電設備が完成したときに行う検査を「接地・絶縁・保護」のどれを確かめる試験かで言い分け、絶縁抵抗測定と絶縁耐力試験の違い、過電流継電器と地絡方向継電器の試験項目、漏えい電流1mAとIo・Iorの意味を説明できるようになります。

第一種電気工事士の学科では、「自家用電気工作物の検査方法」から毎回2問ほど出ています。問われるのは測定器の操作ではなく、どの試験が何を確かめるものか、その試験で行う項目と行わない項目はどれか、です。この記事は試験の学習用で、実際の設備で試験や停電の作業をする手順を示すものではありません。

検査の項目は「接地・絶縁・保護」のどれを確かめるかで分かれる

高圧受電設備の工事が終わると、図面と法令どおりに施工されているか、必要な性能があるかを、設置者が点検と試験で確かめます。これが完成したときの検査(竣工検査)です。項目は多く見えますが、見分ける軸は「接地を確かめるのか、絶縁を確かめるのか、保護を確かめるのか」の1つです。

図1 完成したときの検査は、確かめるもので3つに分かれる

色の枠が「何を確かめるか」、番号が検査の項目です。

①外観検査
機器の据付けや配線が、図面と技術基準どおりかを目で確かめる。

接地を確かめる

②接地抵抗測定
接地抵抗が、接地工事の種類ごとの値以下か。

絶縁を確かめる

③絶縁抵抗測定
絶縁抵抗計で、絶縁抵抗の値を測る。

④絶縁耐力試験
高い電圧を10分間加えて、耐えるか。

保護を確かめる

⑤保護継電器の試験
継電器だけの単体特性試験と、遮断器までの連動試験。

⑥遮断器の試験
開閉の動作と表示、断路器とのインタロック。

変圧器の温度上昇試験6.6kVの受電設備が完成したときの自主検査では、一般に行わない。

図1の読み方:試験の名前を見たら、まず「接地・絶縁・保護」のどの枠に入るかを言えるようにします。

図1の①の外観検査で、機器の据付けや配線が図面と技術基準どおりかを目で確かめます。図1の②が接地、図1の③と図1の④が絶縁、図1の⑤と図1の⑥が保護を確かめる試験です。

検査の項目 確かめること 判定のよりどころ
接地抵抗測定 接地抵抗の値 接地工事の種類ごとの値(A種10Ω以下、D種100Ω以下など)
絶縁抵抗測定 絶縁抵抗の値 低圧の電路は0.1・0.2・0.4MΩ以上(省令 第58条)
絶縁耐力試験 高い電圧に耐えるか 最大使用電圧7,000V以下の交流電路の例:最大使用電圧の1.5倍の交流電圧を連続して10分間(解釈 第15条)
保護継電器の試験 継電器の動作と、遮断器までの連動 動作する値と動作時間、遮断器・表示・警報の動作

試験では、受電電圧6,600Vの受電設備が完成したときの自主検査で「一般に行わないもの」として、変圧器の温度上昇試験が正解になっています。高圧電路の絶縁耐力試験、高圧機器の接地抵抗測定、地絡継電器の動作試験は、行う項目です。温度上昇試験は設備に負荷をかけて行う試験の一つで、日本電気技術者協会の解説は、その例に特別高圧の変圧器を挙げています。

接地抵抗測定は、接地工事の種類ごとの値以下かを見る

接地抵抗測定は、機器や電路の接地抵抗が、接地工事の種類ごとに定められた値以下かを確かめる測定です。A種は10Ω以下、D種は100Ω以下といった値と、どの機器にどの種類を施すかは、高圧受電設備の接地系統図で整理しています。

測定には接地抵抗計を使います。測りたい接地極のほかに、補助の接地棒を2本、地面に差し込んで測る方法(3電極法)が基本です。補助の接地極の並べ方は、絶縁抵抗・接地抵抗・導通試験と竣工検査の図2で確かめられます。

絶縁抵抗測定と絶縁耐力試験は、低い電圧で測るか、高い電圧に耐えるかの違い

絶縁を確かめる試験は2つあります。見分ける軸は「低い電圧で抵抗の値を測るのか、高い電圧に耐えるかを確かめるのか」です。

比べる点 絶縁抵抗測定 絶縁耐力試験
加える電圧 絶縁抵抗計の直流電圧(高圧の電路や機器には1,000V以上のもの) 最大使用電圧7,000V以下の交流電路では、その1.5倍。公称6.6kV・最大使用6.9kVの例は交流10,350V
確かめること 絶縁抵抗の値 試験電圧を連続して10分間加えて、耐えるか
技術基準での役目 低圧の電路は、この値で絶縁の性能が決まる 高圧の電路は、これで絶縁の性能が決まる

絶縁抵抗が高くても、高い電圧に耐えるとは限りません。そのため技術基準は、低圧の電路の絶縁を絶縁抵抗の値で、高圧の電路の絶縁を耐える電圧で定めています。

結局、高圧の電路の絶縁が決まりを満たすかを判定するのは、絶縁耐力試験です。絶縁抵抗測定は、絶縁耐力試験をする回路ごとに行い、試験電圧を加えた後にも測って、絶縁に異常がないことを確かめます。10,350Vの求め方と、試験のときに流れる充電電流の計算は、高圧絶縁耐力試験で扱っています。

ガード端子は、絶縁物の表面を流れる漏れ電流を測定から外す

絶縁物に直流の電圧を加えたときに流れる電流は、絶縁物の中を通る電流と、表面を流れる電流の合計です。知りたいのは絶縁物そのものの抵抗なので、表面を流れるぶんは誤差になります。

図2 ガード端子は、表面を流れる漏れ電流を指示計の外へ戻す

ケーブルの端を横から見た図です。Lはライン端子、Eはアース端子、Gはガード端子を表します。

遮へい層絶縁体導体保護線絶縁抵抗計EGL①②③④
図2で押さえるところ:④が無いと、③の電流も測定値に入ります。ガード端子は「測定から外す」ための端子です。

図2の①の導体に絶縁抵抗計のライン端子、図2の②の遮へい層にアース端子をつなぎます。このままだと、図2の③のように絶縁体の表面を伝う漏れ電流も、一緒に測ってしまいます。そこで、図2の④のように絶縁体の表面に裸の線を巻いてガード端子へつなぐと、表面の漏れ電流は指示計を通らずに戻り、絶縁体の中を通る電流だけが測れます。

試験でも、高圧ケーブルの絶縁抵抗測定でガード端子(保護端子)を使う目的として、「絶縁物の表面を流れる漏れ電流による誤差を防ぐため」が正解です。「表面を流れる漏れ電流も含めて測定するため」「高圧ケーブルの残留電荷を放電するため」は、誤りの選択肢です。

ケーブルの直流漏れ電流は、右下がりで落ち着く形が正常

高圧ケーブルに直流の高い電圧を加え、流れる電流の時間変化を記録する測定を、直流漏れ電流測定といいます。電圧を加えた直後は大きな電流が流れ、時間とともに変わっていきます。

図3 直流漏れ電流は、時間とともに減って落ち着けば正常

横が時間、縦が漏れ電流です。直流の電圧を加え続けたときの電流の変わり方を表します。

正常
電流時間 →

①はじめは大きく、時間とともに減って落ち着く。

正常でない
電流時間 →

②いったん減った後、途中から増える。

正常でない
電流時間 →

③時間とともに増え続ける。

図3の見方:見るのは電流の大きさだけでなく、右端へ向かって下がっているか上がっているかです。

図3の①のように、電流が時間とともに減って落ち着くのが正常です。図3の②のように途中から増えたり、図3の③のように増え続けたりする形は、正常を示すチャートではありません。試験では、6,600VのCVTケーブルの測定チャートから正常なものを選ぶ問題として出ていて、図3の①の形が正解です。途中で一度跳ね上がる形も、誤りの選択肢になっています。

変圧器の絶縁油と、遮断器の真空は、別の試験で調べる

油入変圧器は、絶縁油で巻線を絶縁しています。試験で「変圧器の絶縁油の劣化診断に直接関係のないもの」として正解になっているのは、真空度測定です。油中ガス分析、絶縁耐力試験、酸価度試験(全酸価試験)は、絶縁油の劣化診断に関係する試験として扱われています。

真空度測定は、真空遮断器の中の真空バルブを調べる試験です。メーカーの資料でも、真空遮断器の項目として「真空バルブの真空チェック」が挙げられています。同じ受電設備の中でも、変圧器の油と遮断器の真空は別のものなので、試験の名前を見たら「どの機器の何を調べるのか」で見分けます。この問題は、同じ形で3回出ています。

保護継電器の試験は、単体特性試験と連動試験に分かれる

保護継電器は、異常を検出して遮断器を開かせる機器です(何を見て動作するかは保護継電器の種類と保護協調)。試験は、継電器だけを調べる単体特性試験と、遮断器が開くところまで調べる連動試験に分かれます。

図4 単体特性試験は継電器だけ、連動試験は遮断器が開くところまで

「I>」は過電流継電器の図記号です。青い破線の枠が単体特性試験、橙の破線の枠が連動試験で確かめる範囲です。

単体特性試験連動試験試験器I>引外しコイル遮断器が開く表示・警報①②③④⑤
図4で押さえるところ:②が正常でも、③から⑤が正常とは限りません。だから2つの試験を分けて行います。

図4の①で試験器から継電器へ電流を入れ、図4の②で、継電器が動作する電流の値と、動作するまでの時間を測ります。ここまでが単体特性試験です。連動試験では、継電器を動作させて、図4の③の引外しコイルから図4の④の遮断器が実際に開き、図4の⑤の表示と警報が出るところまでを確かめます。継電器が正しく動作しても、遮断器が開かなければ、事故の箇所を切り離せないからです。

継電器 試験する項目 試験で「誤り・行わない」とされた項目
過電流継電器(OCR) 動作する電流の値、動作時間(限時要素・瞬時要素)、遮断器を含めた連動試験 最小動作電圧試験
地絡継電器(GR) 動作する電流の値、動作時間 —
地絡方向継電器(DGR) 動作する電流の値、動作する電圧の値、位相特性、動作時間 動作周波数試験

過電流継電器は電流の大きさだけを見て動作するので、電圧の試験はありません。地絡方向継電器は、零相電流と零相電圧の向き(位相)を比べて動作するので、電流・電圧・位相の3つを試験します(ZCT・ZPD・EVTの違い)。試験でも、地絡方向継電器の動作特性試験に使うものとして、電圧・電流・位相の計器がある試験器が正解になっています。

過電流継電器の試験では、変流器側を短絡し、電流計を切り離す

令和8年度の試験では、過電流継電器の試験をするときの注意が問われました。正しい記述とされたのは、次の3つです。

  • 過電流継電器の現状の整定値を記録しておく。
  • 試験電流で電流計が壊れないように、受電設備の電流計の切換スイッチを「切」にしておく。
  • 引外しコイルが動作しても遮断器が開かないときは、速やかに試験電流を止める。

誤りとされたのは、「変流器による異常電圧の発生を防ぐため、電流用試験端子の継電器側端子の全てを短絡しておく」です。変流器(CT)の二次側は、一次側に電流が流れている間は、開放してはいけません。そのために短絡するのは、試験用端子の変流器側です。継電器側ではありません。CTの二次側を開放してはいけない理由と、試験用端子(CTT)の位置は、CT・VT・VCT・ZCTの違いで扱っています。

停電して行う試験の前に、検電と短絡接地をする

ここでは、高圧受電設備を停電させて行う完成時・年次点検の例を扱います。接地抵抗測定や継電器試験も、設備構成や試験範囲・方法によって必要な停電範囲が異なるため、すべての検査が一律に全設備の停電を要するという意味ではありません。使用を始めた後も、停電して行う年次点検で、電路の絶縁の状態、接地抵抗、保護継電器の動作特性と連動動作を確かめます。完成したときと同じ「絶縁・接地・保護」の3つです。

電気を止めた電路で作業をするときの措置は、労働安全衛生規則 第339条が定めています。開路に使った開閉器に、作業中、施錠するか、通電禁止の表示をするか、監視人を置くこと。電力ケーブルや電力コンデンサのように電荷が残る電路は、残留電荷を確実に放電させること。高圧の電路は、検電器具で停電を確かめ、短絡接地器具を使って確実に短絡接地すること、の3つです。

検電は「いま電圧がないこと」を確かめるものです。短絡接地は、作業の間に誤って通電されたり、ほかの電路から誘導を受けたりしても、感電しないようにするためのものです。役目が違うので、検電をしたから短絡接地を省いてよい、とはなりません。通電する前には、短絡接地器具を取り外したことを確かめます(同条第2項)。停電するときに開閉器を開く順番は、VCBの引外し回路とインターロックで扱っています。

停電できない低圧の電路は、漏えい電流1mA以下で判定する(例題1)

低圧の電路の絶縁は、開閉器や過電流遮断器で区切れる電路ごとに、絶縁抵抗の値で判定します(電気設備に関する技術基準を定める省令 第58条)。

電路の使用電圧の区分 絶縁抵抗の値 その値で流れる漏えい電流の例
300V以下で、対地電圧が150V以下 0.1MΩ以上 100V ÷ 0.1MΩ = 1mA
300V以下で、上の行以外 0.2MΩ以上 200V ÷ 0.2MΩ = 1mA
300Vを超える 0.4MΩ以上 400V ÷ 0.4MΩ = 1mA

絶縁抵抗を測るには、電気を止めなければなりません。止められない電路のために、解釈 第14条は「絶縁抵抗測定が困難な場合においては、当該電路の使用電圧が加わった状態における漏えい電流が、1mA以下であること」という判定も認めています。

例題1 使用電圧100Vの電路の絶縁抵抗が、ちょうど0.1MΩです。このとき流れる漏えい電流を求めます。

絶縁抵抗に使用電圧が加わったときの電流なので、オームの法則で電圧を抵抗で割ります。
漏えい電流 = 100V ÷ 0.1MΩ = 100V ÷ 100,000Ω = 0.001A = 1mA

表の数値の組ではオームの法則の計算結果が1mAになりますが、絶縁抵抗の基準と漏えい電流1mA以下の基準は、どの電路でも換算できる同じ基準ではありません。交流の漏えい電流には静電容量による成分もあり、測定時の電圧や条件も異なります。解釈第14条は、絶縁抵抗測定が困難な場合に用いる別の確認方法として定めています。試験でも、使用電圧100Vの電路の漏えい電流の上限として「1.0mA」が正解になっています。上限は、電圧が200Vでも1mAのままです。

IoとIorの違いは、静電容量を通る電流を含むかどうか(例題2)

使用電圧を加えたまま漏えい電流を測ると、測った値には2つの成分が混ざります。絶縁抵抗を通って流れる成分と、電線と大地の間の静電容量を通って流れる成分です。

図5 Ioは、絶縁抵抗を通るIorと、静電容量を通るIocを合わせたもの

上が回路、下が3つの電流の関係を矢印で表した図です。数値は例題2のものです。

回路
大地変圧器低圧の電線絶縁抵抗静電容量①②③

①B種接地工事の接地線を通って戻る電流(Io)。赤い輪の位置で測る。②絶縁抵抗を通る成分(Ior)。③対地静電容量を通る成分(Ioc)。

3つの電流の関係
Ior 3mAIoc 4mAIo 5mA①②③

②は電圧と同じ位相、③は90度進む。直角に合わさるので、①は斜辺の長さになる。

図5で押さえるところ:絶縁の良し悪しを表すのは②のIorです。①のIoには、絶縁が良好でも流れる③が含まれます。

図5の①のIoは、変圧器の低圧側のB種接地工事の接地線を通って戻ってくる、漏れ電流の全体です。図5の②のIorは、そのうち絶縁抵抗を通る成分で、絶縁が悪くなると増えます。図5の③のIocは対地静電容量を通る成分で、絶縁が良好でも流れます。電気を止めずに行う月ごとの点検では、B種接地工事の接地線に流れる漏れ電流を測って、低圧の回路の絶縁の状態を確かめます。

例題2 Iorが3mA、Iocが4mAのとき、接地線で測れるIoを求めます。

Iorは電圧と同じ位相、Iocは90度進んだ位相です。位相が90度ずれた2つの電流は、直角三角形の2辺として合わさるので、三平方の定理を使います。
Io = √(3² + 4²) = √25 = 5mA(3mA + 4mA = 7mA にはなりません)

Ioだけを見ると、静電容量の大きい電路では、絶縁が良好でも値が大きく出ます。そこで、Ioから静電容量の成分を取り除いて、Iorだけを検出する方式があります(Ior方式)。このほか、監視用の低い電圧・低い周波数の交流を接地線から加え、絶縁抵抗を通って戻る成分を検出する方式を、Igr方式といいます。こうした方式で、低圧の電路の絶縁を、電気を止めずに常に見ている装置が絶縁監視装置です。

自己チェック|試験の名前と、確かめるものを結びつける

解説は最初から表示しています。図1を見ないで、それぞれの試験が「接地・絶縁・保護」のどれを確かめるものかを言えるかを試してください。

問1:試験と、その試験で確かめるものの組み合わせとして、正しいものはどれですか。

  1. 絶縁抵抗測定 ― 試験電圧を10分間加えて、絶縁が耐えるか
  2. 接地抵抗測定 ― 接地抵抗が、接地工事の種類ごとの値以下か
  3. 絶縁耐力試験 ― 継電器が動作する電流の値と時間
  4. 保護継電器の連動試験 ― 絶縁物の表面を流れる漏れ電流の大きさ

解答:2(接地抵抗測定 ― 接地工事の種類ごとの値以下か)
図1の②です。10分間加えて耐えるかを見るのは絶縁耐力試験、動作する値と時間を測るのは継電器の単体特性試験です。

問2:保護継電器の「連動試験」で確かめるものはどれですか。

  1. 継電器が動作する最小の電流の値
  2. 地絡方向継電器が動作する位相の範囲
  3. 継電器が動作してから、遮断器が開き、表示と警報が出るまで
  4. 遮断器の主回路の絶縁抵抗の値

解答:3(遮断器が開き、表示と警報が出るまで)
図4の③から⑤です。動作する電流の値や位相の範囲は、継電器だけを調べる単体特性試験の項目です。

問3:地絡方向継電器(DGR)の試験にあって、過電流継電器(OCR)の試験にはない項目はどれですか。

  1. 位相特性試験
  2. 動作する電流の値の試験
  3. 動作時間の試験
  4. 遮断器を含めた連動試験

解答:1(位相特性試験)
地絡方向継電器は、零相電流と零相電圧の位相を比べて動作するので、位相特性を試験します。過電流継電器は電流の大きさだけを見るので、位相の試験も電圧の試験もありません。

問4:高圧ケーブルの絶縁抵抗を、ガード端子を使って測定しました。ガード端子につないだ保護線の働きはどれですか。

  1. 測定の後、ケーブルに残った電荷を大地へ逃がす
  2. 絶縁体の中を通る電流を増やして、指示を読みやすくする
  3. 遮へい層を大地から切り離して、導体と遮へい層の間だけを測れるようにする
  4. 絶縁体の表面を流れる漏れ電流を、指示計を通さずに戻す

解答:4(表面を流れる漏れ電流を、指示計を通さずに戻す)
図2の③の電流を、図2の④の保護線で受けてガード端子へ戻します。これで、表面の漏れ電流による誤差を防げます。

問5:使用電圧200Vの低圧の電路は、停電が難しく、絶縁抵抗を測定できません。使用電圧を加えたまま漏えい電流で判定するとき、上限は何mAですか。

  1. 0.2mA
  2. 0.5mA
  3. 1mA
  4. 2mA

解答:3(1mA)
解釈 第14条の上限は、電圧によらず1mAです。2mAは200Vを0.1MΩで割った値、0.5mAは100Vを0.2MΩで割った値、0.2mAは絶縁抵抗の値0.2MΩの数字と取り違えた値です。

問6:低圧の電路で、絶縁抵抗を通る成分Iorが6mA、対地静電容量を通る成分Iocが8mAです。B種接地工事の接地線で測れるIoは何mAですか。

  1. 14mA
  2. 10mA
  3. 2mA
  4. 7mA

解答:2(10mA)
Io = √(6² + 8²) = √100 = 10mA です。14mAはそのまま足した値、2mAは引いた値、7mAは平均した値です。位相が90度ずれているので、足し算にはなりません。

問7:真空度測定は、どの機器の何を調べる試験ですか。

  1. 真空遮断器の真空バルブ
  2. 油入変圧器の絶縁油
  3. 高圧ケーブルの絶縁体
  4. 計器用変成器の二次側の電路

解答:1(真空遮断器の真空バルブ)
変圧器の絶縁油の劣化診断に関係するのは、油中ガス分析・絶縁耐力試験・酸価度試験(全酸価試験)です。真空度測定は遮断器の試験なので、絶縁油の診断には直接関係しません。

問8:高圧の電路を開路して作業をするとき、検電器具で停電を確かめた後に、労働安全衛生規則が求めている措置はどれですか。

  1. 絶縁抵抗計で絶縁抵抗を測り、0.2MΩ以上であることを確かめる
  2. 開閉器を一度投入して、動作するかを確かめる
  3. 短絡接地器具を使って、確実に短絡接地する
  4. 変流器の二次側を開放して、電流が流れないようにする

解答:3(短絡接地器具を使って、確実に短絡接地する)
検電は「いま電圧がないこと」を確かめるもので、作業の間の誤通電や誘導には備えられません。そのために短絡接地をします。変流器の二次側は、開放してはいけない回路です。

検査の項目・試験項目・判定の値のよりどころ

2026年10月4日に、次の資料の記載内容を確認して、本文の検査の項目・試験項目・判定の値と図を照合しました。

更新履歴:2026年10月4日 図1〜図5、漏えい電流とIo・Iorの例題、自己チェックを加え、検査の項目を「接地・絶縁・保護」で分ける構成に改めた。継電器の試験項目、停電して作業するときの措置、漏えい電流の成分を加えた

次に読む記事

次は高圧絶縁耐力試験へ進んでください。10,350Vの求め方と、ケーブルの充電電流を、例題で計算できます。

継電器が何を見て動作するかは、保護継電器の種類と保護協調で扱っています。

検査の対象になる機器の並びは、高圧受電設備・キュービクルの単線結線図で読めます。

資格太郎

この記事を書いた人:資格太郎電気工事士の独学合格を目指して学習中。試験センターの問題と、電気設備の技術基準の解釈・労働安全衛生規則を照合し、検査の項目と試験項目を図にして整理しています。運営者情報と編集方針

更新履歴:2026年10月25日 絶縁耐力の電圧範囲、停電の前提、漏えい電流基準の説明を限定しました。

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